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パラリンピック

8月を走る・3

【8月を走る・3】8月7日から北海道北見市において調整合宿を実施しております。しかし、8日から日中の気温が、20度前後の肌寒い日が続いてきました。涼しい北海道と言いながら、逆に不安になっていましたが、ようやく本日30度をこえました。

もちろん、最終調整のため、涼しい同地を選んで滞在していますが、1週間以上も涼しい日が続くと、計画以上に調子が早く上がっていく恐れがあります。調子が悪く、何をやっても調子が上がっていかない状態は最悪ですが、どんどん勝手に調子が上がっていくのも困ります。

ここで調子についてですが、様々なとらえ方があります。個人的には、調子は「消耗品」と考えております。具体的には良い調子を貯めるまでには時間がかかりますが、良い調子を貯めておくコップの底には大なり小なりの穴があいており、早く貯めても底から抜けていきます。また、良い調子の量は決まっているので、あとから補充することは絶対にできない。そんなイメージでしょうか。

つまり、タイミングがずれて調子が上がりだすと、その調子を制御しながら目標の大会当日に合わせることは難しくなると言うことです。また、よく勘違いするのが、トレーニングの強度と量を増やして走力そのものを引き上げることと、トレーニングの量を落としながら身体面と精神面の調子(コンディション)を引き上げていくことは似ていますが違います(強化合宿と調整合宿の違い)。

至極当然のことですが、目標の大会3週間前になると、これから猛練習をしても走力を上げることはできません。ここからは上記したとおり、トレーニング量を落としながら(原則として質はキープ)、調子を引き上げていく段階に入ります。

また、ここから多くの選手は「不安」との葛藤にもなります。具体例として、「ここから練習を落として大丈夫だろうか?」「やり残したことはないだろうか?」など、いつもなら考えもしないことを思いつたりします。更に、いわゆるSNSからの情報や、家族や仲間たちからの励ましなどにも心を揺さぶられ、ときには危険な状況に追い込まれたりします。

いよいよ最後の最も難しいかじ取りに入ります……。

8月を走る・2

【8月を走る・2】8月7日から北海道北見市において、最後の調整合宿に入りました。このまま9月5日のパラマラソン当日まで、選手とガイドランナー、そして、スタッフ全員が一緒に調整します。

つまり、地元開催の利点を活かした、これまでのパラリンピックとは違った調整の流れになりますが、ここまでは計画どおりにことは進んでおります。しかし、本来であるなら、開催国に長時間のフライトで移動し、最初に日本との時差に体を慣らさなくてはいけません。

同時に、現地の気候などにも体を慣らす必要があり、更にその土地に慣れる必要もあります。おちろん、口で言うのは簡単ですが、最初につまづくと、そのまま大会当日まで不調を引きずっていく可能性が高くなります(実際にそうなります)。

また、選手村に入村したらすぐに、各部屋の間取りや使い勝手などの確認(国によって微妙に違っていたりする)。更に、選手村内の食堂や各施設との位置関係など、確認することが多くあります。そして、何よりも選手村から各競技会場へ移動するためのシャトルバスの乗り方や移動時間などを確認し、実際に乗って移動してみます。

実は、シャトルバスを運転するボランティアの中には、指定されたルート(道)を知らないまま運転を引き受けている人もいたりします。実際に、2016年リオ大会においても、最初に乗った陸上競技場行きのシャトルバスが道に迷い、狭い路地に何度も入り込み、何度もUターンしました。信じられませんが、海外におけるこのトラブルは意外と多く、確認が必須です。

このように、日本では絶対に起り得ないようなことが、国際大会においては普通におこることがあります。また、直近の大会は施設そのものが未完成の状態で大会が実施されているケースも見受けられるので、最初から「話し半分」程度の気持ちも必要に感じます。

他にもいろいろとありますが、国際大会は現地入りした後、上記したようなことをいかに短期間でものにできるか否かは、選手の調整にも大きく影響します。また、これらについては、事前に視察していても、実際に人とものが動き出した後とでは大きな乖離があるので、何度経験してもその現場で素早く対応するしかありません。

今回は東京開催なので、これまでのような不安要素がほぼ「0」に近く、選手とガイドランナーの調整に集中することができます。本当にありがたいことです……

8月を走る

【8月を走る】先週の土曜日から2泊3日の日程で、菅平合宿を実施しました。これは毎年実施しているクラブチームの合宿です。このブログでも記載してきましたが、合宿の日程が短期間であっても、準高地である菅平高原で走り込むのは、秋以降のマラソンに向け、プラスになります。

また、今回も例年どおり、メインのトレーニングは「距離走」です。その距離はそれぞれの走力や調子によりますが、最長で40kを走りました。そのスタートは、それぞれの距離と設定タイムごとにグループをつくり、時間差で出走していきます。

標高が1300m前後にある起伏コースで実施したため、途中で送れる人もいましたが、おおむね予定どおりにゴールしていました。しかし、これも毎年のことですが、せっかくの機会だからと言って、いつもより速いグループでスタートしたり、いつもより長く走ろうと、欲を出し過ぎた人ほど、うまく走れない傾向になりました。

そして、これも毎年のことですが、過去の実績や経験だけにたより、「このペースや距離なら大丈夫」と単純に判断してスタートする人は多い。その結果、途中で失速したり、ゴールできなくなった人の多くは、この考え方(過去の実績や経験にこだわり過ぎる)に陥り易いと感じます。

つまり、現時点の調子や走力はもちろん、当日のコンディションなどを加味していないことが主な原因となります。そして、ゴール後にそのことを指摘しても、そうなる人は、その事実を受け入れようとしない傾向も強いと感じます。

「ゆとりを持って走り込む」ことは、どのレベルのランナーにも不可欠な点です。しかし、どのレベルのランナーであっても、「過去の実績や経験」にこだわり過ぎて、「もっと長く、もっと速く」ばかりを追求し、結果的には何度やっても「最後までやり遂げられなかった実績」を繰り返している人は意外と多いのです。

やはり、何事もそうですが、まずは確実にやり遂げることが大切です。引き続き、夏の走り込みを継続していくには厳しい状況が続きますが、ゆとりを持って、確実に走り込んでほしいと思います。

7月を走る・5

【7月を走る・5】東京五輪が開幕し、日本チームのメダルラッシュが続いております。本当に素晴らしいです。一方、惜しくもメダルを逃した選手もいますが、最後まであきらめず、自身の力を出し切るその姿は大きな感動を受けます。

いまだコロナの影響はありますが、どうか選手の皆様はこの日のために積み重ねてきた力と技を出し尽くしてほしいと願っております。そして、厳しい状況の中、開催にご尽力いただいた関係者の皆様、ボランティアの皆様、ありがとうございます。

後半も全力で応援します!

7月を走る・4

【7月を走る・4】2週間の北海道北見合宿は無事に終了。その後半も40k走を2回実施するなど、どの選手も精力的に走り込むことができていました。さらに、後半は連日30度を大きく超える気温(33度~38度)となり、猛暑の中で走り込むこともできました。その結果、暑熱対策もしっかりとできました。

また、合宿後半は、ホクレン・ディスタンスチャレンジ大会のようなレースが無かった分、スピード練習も何度か実施しました。その夏の走り込み期に取り入れるスピード練習も、いわゆるインターバルトレーニングが主流となります。

しかし、夏の走り込み期間中だからと言ってインターバルトレーニングも、1本あたりの疾走距離が長く(1000m以上)ならないように設定します。なぜなら、夏は疾走距離が長くなると、暑さや疲労から途中で失速などするリスクが増すからです。と、言いながら設定タイムを落とし過ぎると、今度は何を目的にしたトレーニングなのかがわからなくなります。

実は、合宿先で様々なチームや個人のトレーニングを拝見することが多いのですが、明らかにおかしな疾走距離と設定タイムでスタートした結果、途中で大失速している光景を必ず目にします。もちろん、どんなトレーニング方法にも正解はないのですが、途中で失速するトレーニングの継続は、その選手のその後に悪影響を与えていき、その悪い流れの積み重ねが秋からのシーズンにも尾を引くのです。

そして、至極当然のことですが、そこの見極めが最も難しい点になります。特に、夏の走り込みは気温や湿度によって現場の状況が大きく変わるので、欲を出し過ぎないことが最も大切なポイントかもしれません。

さて、9月5日の本戦に向け、6月の強化合宿で40k以上の距離走を4回、同じく7月も4回実施することができました。もちろん、回数を多く重ねることの良し悪しはありますが、どの選手も6月よりも7月と、暑くなるほどゆとりを持った無駄のない走りに移行できております。そして、どの選手も自身の経験や実績を活かした夏の走り込みを、順調に積めております。

この後、8月から再び北海道北見市で合宿を行い、本戦に向けて最終調整へと移行していきます。

強化合宿

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【強化合宿】先日の10月8日(土)からの3連休で、千葉県富津市富津公園において盲人マラソン強化合宿を実施しました。今回は久々に強化指定選手全員が顔を揃える合宿となりました。

合宿の具体的な実施内容は、12月のマラソンに向けた走り込みがメインとなります。また、初日は「リオパラ報告」と題して、代表選手のみで実施したリオパラ強化合宿の詳細やリオ入りしてからの具体的な調整ポイント。更には、マラソン当日の具体的な戦術等を報告し、メダル獲得に向けたプロセスの共有をしました。

2日目の午後は、初めての試みとして「ヨガ」を実施しました。もちろん、専門の講師にお願いし、盲人選手を対象にした内容です。実は、以前から強化合宿においては、身体の柔軟性を測定したり、体幹部分を鍛えるトレーニングを実施したりと、ランニング以外のトレーニングも取り入れてきました。

ところが、マラソンの強化合宿では1日に50k以上は楽に走るので、ランニング以外のトレーニングを取り入れたり、指導を受けても、うまく選手たちに浸透して行かないのが現状でもありました。

また、リオでの長期遠征中、唾液から選手の疲労度を確認する測定を毎日継続していた中で、選手のストレスが想像以上に高いことも判明しました。幸い、男女ともメダル獲得を達成することができましたが、今後の対応策を議論している中で、「ヨガを取り入れてみたら?」と、なった次第です。

もちろん、初めての試みだったので、今後どのようにしてくかの判断はこれからになりますが、今後も新しいことは少しずつ取り入れていこうと考えています。

さて、2020東京に向け、強化の柱となるのは「チーム力の向上」です。これは、これまでと変わりません。今回のリオも選手とガイド、スタッフの16名全員が一丸となって世界に挑んだ結果がメダル獲得につながった訳で、決して個人プレーによる成果ではありません。

マラソンや陸上競技は得てして個人競技と見られますが、それはある意味違います。実は、日々のトレーニングや強化合宿を継続していったり、実際のマラソン大会で記録を目指していく時、個々の力だけでは限界があります。そのため、様々な方々の支援と協力が不可欠になり、それが目標を達成できるか否かの重要なカギとなります。

今回の強化合宿では、この点を全員で再確認することができました。あらためて、「チーム力」で2020東京に挑みます!

2020東京へ!

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【2020東京へ!】リオデジャネイロパラリンピックが閉幕し、選手並びにスタッフ全員が無事に帰国しました。あらためてご支援頂いた皆様方へ厚く御礼申し上げます。

さて、帰国後はお世話になった方々への挨拶まわりや報告会、更には各種表彰や取材等々が目白押しとなります。そのため、リオでの反省や振り返り、場合によっては日々のトレーニングすら満足にできない状況に陥っている選手も意外に多いと思いますが、いかがでしょうか。

大きな目標を達成した直後と言うこともあるので、しばらくは良い休養や気分転換にもなるかもしれません。しかし、そろそろ気持ちを「2020東京」に切り替えるタイミングでもあります。

同時に、トレーニングを再開したこのタイミングで大きな怪我や故障に陥ってしまう選手が多いのも事実です。そして、気持ちが少し緩んでいるこのタイミングでの怪我や故障は意外と長引き、最悪の場合はそのまま4年後に間に合わないケースもあったりします。

特に、メダルを獲得した選手に対しては、次に出場する試合への期待度が相当高くなります。それだけに準備不足で試合に挑むと、単なる怪我や故障だけでなく、精神的にも大きなダメージを残す結果にもなります。

明らかにトレーニングや調整が不足していると自覚している選手は特に注意です。必ずコーチにもよく相談し、無理して目先の試合等に出場せず、焦らずじっくりと調整してほしいと思います。

「2020東京」で本当の主役になるためには、今のタイミングが一番大切と考えます。

パラリンピック・5

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【パラリンピック・5】9月18日、リオパラリンピック最終日に視覚障害者マラソンが実施されました。9月4日に全員が現地入りしてから現地でじっくり調整し、万全を期してのスタートです。

当時のコンディションは快晴、スタート時間の9時の気温は手元で既に30度、スタート後10時過ぎには手元で35度まで上昇する厳しいコンディションとなりましたが、それも想定内でした。

また、事前のチームミーティングでも、出走6名の選手と8名のガイドには「前半抑えて、35kから勝負」と指示しており、そのような調整を十分に積んできたので暑さへの不安はありません。

男子の結果は、岡村選手が銅メダル、堀越選手が4位入賞、和田選手が5位入賞と、目標のメダル獲得と全員入賞を達成です。女子の結果は、道下選手が銀メダル、近藤選手が5位入賞です。(残念ながら西島選手は脱水症状のため、32k過ぎにリタイヤ。)

我々チームジャパンとしては、2個のメダル獲得となり、目標を達成することができました。

前回のロンドンパラリンピックでは、男子のみの実施でしたが、4位、5位、7位と3選手全員が入賞したものの、メダルへはあと一歩でした。そして、その4位が岡村選手でした。ここまでの4年間は岡村選手を軸にチームジャパンとして、「メダル獲得」を目標に全員で走りこんできました。

今回の結果は、「チーム力」の成果です。

もちろん、2020東京に向け、更に上を目指し、チームジャパンとして全員で精進していきます。

ここまでたくさんの方々からご支援ご協力を賜りました。あらためて厚く御礼申し上げます。そして、2020東京に向け、引き続きご指導ご支援をお願い申し上げます。

ありがとうございました。

パラリンピック・4

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【パラリンピック・4】9月18日(日)のマラソンに向け、最後のポイント練習も無事に終了しました。どの選手も伴走者も順調です。

また、この間、全盲クラス(T11)の和田選手がトラック種目の5000mと1500mに出場し、どちらも6位入賞を果たしました。その和田選手は前回のロンドンパラリンピックでは、5000mで銅メダルを獲得した世界屈指のランナーです。

ところが、世界のレベルアップは和田選手の成長を上回る勢いがあり、残念ながらトラック種目での2大会連続メダル獲得を達成することはできませんでした。しかし、1500mでは予選から日本新記録をマークし、見事に決勝進出を果たしました。特に、全盲クラスの1500mは伴走者と一緒に走る都合から決勝進出は、たったの6名となります。

1500mで世界のベスト6入りを果たした走力は見事としか言いようがありません。その決勝では「順位より記録を狙う」と、スタートしましたが、その言葉どおりに予選でマークした日本記録を更に更新する「4分15秒62」の日本新記録で6位入賞。

オリンピックでも日本人選手が、1500mの中距離種目において決勝進出を果たした実績は記憶にありません。それだけに価値のある決勝進出だったと断言することができます。そんな和田選手も18日のマラソンを走ります。

昨夜、盲人マラソンチームとして全体ミーティングを実施しました。特に、当日のレースについて細かい打ち合わせを行い、全員でメダル獲得と全員入賞を目標に戦うことを確認しました。

リオは夏に向かっており、日中の気温が30度をこえる日が多くなりました。当日の気温予想も30度以上となっております。もちろん、日本チームとしては、暑さ対策を含めた走り込みを実施してきたので、全く問題ありません。

最後まで「風邪に注意」し、しっかりと調整していきます!

パラリンピック・3

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【パラリンピック・3】ブラジル・リオへ渡航し、1週間以上の滞在となりました。この間、リオパラリンピック開会式も盛大に開催され、いよいよ競技がはじまりました。

さて、盲人マラソン日本代表チームは、9月4日に全員が無事にリオ入りし、順調に調整を進めているところですが、入村当初は飛行機による長期フライトや慣れない選手村生活等による疲労や緊張感から、誰もが自身の正確な体調や調子をつかめない様子でした。

今回もリオ入りし、最初の数日はポイント練習を実施してもイメージどおりに身体が動かないことに不安を訴える選手もいました。しかし、少しずつ時差にも身体が順応し、選手村内での生活環境にも慣れてくると、今度は逆に調子が上がっていきます。

もちろん、この調子が上がってくるタイミングは個々に違うので、その個々の見極めをしつつ最後の1週間の調整メニューを熟慮していきます。まさにこれからが、勝負のカギを握る重要期間となります。

5月から長野県菅平高原や千葉県富津公園、北海道北見市常呂町で積み重ねてきた強化合宿の成果を発揮できるか否かも、まさにこれからの1週間で決まります。

そして、調整の基本は「迷ったら休養」です。

更に「風邪に注意」です。

この2点を念頭に最後の調整をしっかりとサポートしていきます!

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