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冬を走る

2023冬を走る・2-2

【2023冬を走る・2-2】12月10日に開催された「奈良マラソン」は、季節外れの高い気温となり、かなり厳しいコンディションでした。また、同大会のコースは、国内屈指の難コースと言われており、スタートからゴールまでのほとんどが、上りと下りの連続コースです。

そんな奈良マラソンですが、今年はようやくコロナ禍前の運営状態に戻り、4年ぶりの完全復活となりました。そして、マラソンに出場した1万人を超えるランナーたちが、元気よく難コースに挑んでいました。

さて、同大会は2010年から「奈良マラソン」としてスタートしていますが、私の選手(女子)たちにも2010年から声をかけて頂き、毎年欠かさず出場してきました(2020年はコロナ禍で中止)。

また、当初から女子の優勝を目標に、2時間50分以内の自己記録を持っている女子選手たちを送り込んできましたが、なかなか目標を達成することはできませんでした。もちろん、至極当然のことですが、どんな大会においても簡単に優勝することはできません。

特に、同大会は国内屈指の難コースであるがゆえに、30k以降のアップダウンで力尽きてしまうパターンが続きました。それでも、毎年チャレンジできるチャンスを頂き続けた結果、ついに山口選手が女子の部で優勝しました。

その山口選手は、この奈良マラソンでの優勝をきっかけに自己記録ものばしていきました。まさに、奈良マラソンに育てて頂いた選手です。そして、今年は5連覇(6回目の優勝)を達成。

しかし、今年の優勝は、山口選手にとっては最も苦しんだ優勝となりました。その原因や詳細については割愛しますが、来年もライバルたちが「打倒!山口!」で挑んでくるに違いありません。まさに「勝って兜の緒を締めよ」でしょうか。

そして、来年も奈良マラソンでの連覇をのばすためにも、ここからの1年間は仲間たちとさらに切磋琢磨していくことでしょう。

2023冬を走る・2-1

【2023冬を走る・2-1】先日の12月3日は、防府読売マラソン大会が開催されました。同大会は「日本視覚障がい女子マラソン選手権大会」も兼ねており、女子ブラインド選手はもちろん、男子ブラインド選手たちも出場しました。

また、同大会は、WPA公認記録を残すことのできる国内では数少ないマラソン大会のひとつに該当します。したがって、ブラインド選手たちにとっては、来年のパリパラに向けても最重要大会のひとつに位置します。

そして、どのブラインド選手たちも、今年の9月ころから同大会を目標に走り込みを継続し、スタートラインに立ちました……。

結果は、男女の優勝記録とも目標タイムには届きませんでしたが、自己記録を更新した選手を3名輩出できました。特に、期待の男女若手選手がそれぞれ自己記録を更新してくれた点は、次につながります。

一方、記録を期待していた男子主力選手たちが、目標どおりの走りをすることができませんでした。もちろん、単に希望的観測で期待をしていたわけではなく、記録を狙える根拠となる走り込みの量と質をクリアしていたからです。

あらためて、マラソンの難しいと言われる点として、上記したように走り込みをしっかりと積めていても結果に直結しないことが多々あることです。すでに何度もこのブログにも記載してきましたが、その主な理由のひとつとして、「マラソンは練習もレースも常に頭で考えるゆとりのある競技(無我夢中ではなく余力がある)」だからでしょうか。

また、好調な走り込みを積めた場合、自他ともに好調と自覚できる反面、体に蓄積している疲労などを感じにくくなる傾向があります(思考<肉体)。逆に、うまく走り込めていない場合は体の違和感も気になり、自身の逃げ道(言い訳)ばかりを考える傾向に陥ります(思考>肉体)。

もちろん、どちらに陥ってもマラソンをうまく走ることは難しくなります。しかし、どちらに向いても自身の思考と肉体を適切に修正することができないと、マラソンを安定して走ることもできません(パフォーマンスの再現性)。

今大会で優勝した川内優希選手は、それらを常にコントロールできている数少ない選手とも言えるでしょう(思考=肉体)。そして、今大会もMGC同様、「川内優希選手のことばかりが話題になった大会」と感じたのは、私だけでしょうか……。

川内優希選手は、今回もアッパレです!

2023秋を走る・13

【2023秋を走る・13】11月26日は都内でも冷雨となり、かなり冷え込みました。そんな中、東京国立競技場において「第41回JBMAユニファイドラン」を開催しました。もちろん、そのコース設定は国立競技場が発着点で周辺道路を……。

しかし、今年は諸事情により、国立競技場のトラックをスタートしたあと、競技場スタンドの下(地下)にある回廊を回って競技場に戻ってくる、1周1.4kの周回コースで実施しました。そのため、参加したどのランナーも雨にはほとんど濡れることなく、完走することができました(トラック以外は屋内)。

最近の陸上競技場はとにかく巨大で、多目的ホールのような印象を受けますが、使い方によっては「こんなコースもつくれるのか」と、まさに「目からウロコ!」でした。一方、1.4kの周回コースなので、実施種目の距離や参加人数にはおのずと制限があるとも感じました……。

さて、日本ブラインドマラソン協会も設立から40周年を迎えることができました。設立当時は相当な苦労もあったと聞いていますが、あらためてご尽力いただいた皆様方に感謝申し上げます。

また、同協会を設立するきっかけとなったひとつに、当時はブラインドランナーが、「各地のマラソン大会に出場するのを拒まれる」ことが多かったためだとも聞いております。今では考えられないことですが、私が伴走をはじめた1996年当時でも、ブラインドランナーが大会出場を拒まれる場面に遭遇することがありました。

しかし、今では多くの方々のご理解とご支援もあり、国内外の各種マラソン大会には、ほとんど出場できるようになっております。そして、今週末の12月3日に開催される「福岡国際マラソン2023」と「防府読売マラソン大会」にもブラインドランナーたちが出場します。

特に、福岡国際マラソン2023に出場予定の和田選手(T11クラス・全盲)は、自身の持つ「世界記録(T11クラス:2時間24分29秒)の更新」。そして、防府読売マラソン大会に出場する堀越選手(T12クラス・弱視)は、日本人ブラインドランナーとしては初となる「2時間20分の突破」を目指します。

今後も先人たちが築いてきた歴史を踏まえ、あらたな歴史を重ねながら伝承していく所存です。

2023秋を走る・12

【2023秋を走る・12】先日の19日は、神戸マラソン大会が開催されました。しかし、大会前日は雨が降り、風も強く、大会当日も厳しいコンディションになる予報が出されていました。果たして大会当日は、最も懸念されていた風も穏やかにおさまり、逆に絶好のマラソン日和となりました。

また、同大会もコロナ禍の影響を受け、様々な規制を設けながら何とか開催してきました。しかし、今大会からは、沿道での応援なども通常の状態に戻し、神戸マラソン大会に相応しい開催となりました。そして、ゲストには田中希実選手もかけ付け、大会を盛り上げていました。

その神戸は、1995年1月17日に神戸淡路大震災があり、未曽有の被害をもたらしました。また、大震災当時は、私も現役選手でした。実は、その大震災2日前に、今は中止となった当時の「朝日駅伝(福岡県・博多~小倉:約100k/7区間)」を走り、17日は福岡から千葉へ帰る日でした……。

そんな大震災から神戸は見事に復興し、素晴らしい神戸マラソン大会を開催しております。あらためて、ご尽力されてきた大会関係の皆様方に厚く御礼申し上げます。

そして、同大会には上記した田中希実選手以外にも地元にゆかりのある方々もゲスト参加していました。その中には、私が現役時代たいへんお世話になった渋谷俊浩さんの姿もありました。当時は、千葉県で実業団選手として福岡国際マラソンやびわ湖毎日マラソンで優勝するなど、数々の実績を残された方です。

現在は、びわこ成蹊スポーツ大学教授として教鞭をとっております。そんな渋谷さんと久々に再会しましたが、当時と変わりなく、気さくに話をしてくれました。また、今もランニングを継続しており、見た目の体型も現役当時のままでした。今回の神戸マラソン大会で最も刺激を受けたのは、渋谷さんにお会いできたことでしょうか。

このように、選手に帯同して各地のマラソン大会にいくと、なつかしい方々と再会できることは楽しみのひとつとなりました。同時に、再会できた方々が、いまもマラソン大会に参加し、元気に快走している姿は、私にとっても大きな刺激になっています。

もちろん「次回大会は私も一緒に走ろう!」とは、まだ思いませんが……。しかし、「走っている人は輝いている!」と、現役時代も聞いていた話を、今は納得して理解できるようになりました。

2023秋を走る・11

【2023秋を走る・11】先日の11日(土)から強化合宿を実施しました。場所はいつもの千葉県富津市富津公園です。今回の強化合宿は、12月3日に開催予定の防府読売マラソン大会に向けた最後の強化合宿でした。

さらに、今回の強化合宿は、その防府読売マラソン大会の3週間前にあたります。したがって、トレーニング内容は、走り込み期の仕上げ的な要素と、調整期に入っていく要素とが混ざり合うイメージになります。

また、日々のトレーニングは科学的かつ具体的な数字(タイム)で粛々と継続していくことが原則になります。ところが、人の肉体や精神は個々に違うため、調子の良し悪しの原因が何かを科学的に解析しながら的確につかんでいくことは簡単ではありません(この点については、すでに何度も記載してきたので詳細は割愛します)。

そのため、多くの選手やチーム、その指導者たちは過去の経験や実績をベースにしながら日々の練習(現場)で、臨機応変に対応しているのが現状でしょうか。また、経験や実績を重ねていくことで、その精度は確実に向上し、目標を達成できる確率も高まっていくのは確かです(その経験と実績を裏付けるのも科学)。

さて、今回の強化合宿は11日(土)から15日(水)までの4泊5日の日程で実施しましたが、土曜日に集合し、水曜日に解散する日程は富津強化合宿における定番です。特に、毎月定期的に実施している富津公園での強化合宿については、いわゆるポイント練習を実施する曜日もほぼ固定しています(日曜日、月曜日、水曜日に実施)。

参考までに今回のポイント練習は、「日曜日:40k走、月曜日:5k×2本+1k走、水曜日:8k走+1k走」。もちろん、個々に設定タイムが違うので、調子の良し悪しの判断基準も微妙に違います(個別に練習内容も微調整します)。

同様に、上記ポイント練習の設定タイム基準は、「日曜日:目標タイムの95%、月曜日:目標タイムよりも数%速い、水曜日:目標タイムのペース(目標タイムとはマラソンの目標タイム)」。このように、各ポイント練習を導くためのベースとなるデータも、やはり積み重ねてきた経験と実績がたよりになります……。

この後、12月の防府読売マラソン大会に向け、それぞれが最終調整に入っていきます。そして、最終調整も過去の経験(成功体験)や実績が、より強く反映されるのは確かです。あらためて、どの選手も最高の調子に仕上がることを祈念しております。

2023秋を走る・10

【2023秋を走る・10】本格的なマラソンシーズンに突入し、週末ごとに各種大会が開催されております。また、多くの大会がコロナ禍以前の状況に戻りつつあり、マラソンファンのひとりとしては、さらに盛り上がってほしいと願うばかりです。

そんな中、練習の一環として各種マラソン大会に出場し、本命の大会に調子を合わせていくランナーもいます。特に、自宅周辺で長距離を走れる環境を作れない、一緒に切磋琢磨できる仲間が見当たらないなどのランナーは、マラソン大会そのものが、最高の練習環境になるとも言えます。

一方、大会ごとに規模やコースなどが違うので、それに伴うメリットやデメリットが必ずあります。したがって、それらを最初に洗い出し、大会ごとに目的や設定タイムなどを決めて走らないと、逆に悔やむことにもなります。

その代表的な例としては、練習の一環として出場したマラソン大会のコースに起因することです。特に、起伏の激しいコースのマラソン大会に出場した場合、予想した設定タイムよりも悪くなるケースが多く、逆に自信を無くしてしまうランナーは意外に多いのです。

同様に、スタートしてみると自分自身の設定タイム付近で走るランナーがほとんど見当たらず、「後半は失速してしまった」。実は、このケースも意外に多く、「単独走になるなら、この大会を走らなかった」と、後悔するのです。

もちろん、逆のケースもありますが、ただ単に練習の一環としてマラソン大会を走るのは、相応の覚悟が伴うのは確かです。また、同じ大会でも毎年違う人たちが競い合うので、レース展開や優勝タイムなども異なります。つまり、大会は練習会と違い「生き物(参加者が勝手気ままに走る)」なので、自分自身の思い通りには行きません。

少なくとも上記した点をよく理解した上でマラソン大会をチョイスする必要があります。特に、練習の一環としてマラソン大会を活用し、なおかつ本命大会でも自己記録を達成した場合、その次の本命レースはより慎重にいく必要があります。なぜなら、練習の一環として出場するマラソン大会は前述した理由のとおり、成功したパターンの再現性も難しいからです(大会や他人を自分でコントロールできない)。

また、本命レース1カ月前から出場する大会は調整期に入るので、さらに注意が必要です。つまり、その大会で設定タイムより速いと、力を出し切っている場合があり、逆に遅ければ自信喪失につながるからです。そして、どちらに転んでも取り戻す時間は少ない……。

要は、練習の一環としてマラソン大会を活用する場合、特にマイナス面を洗い出しておくことは、逆にポイントになるでしょうか。そして、そのレースをマイナス面からもシュミレーションして置くことで、少なくともメンタル面は常に良い状態をキープできると……。

冬を走る・13

【冬を走る・13】2年間延期となっていた青梅マラソン大会が開催されました。私も久々に現地へ足を運びました(20数年ぶり?)。かつてはどの大会においても感じた、「まるで地元の方々が総出で大会運営をしている」。そんなアットホーム的な雰囲気が、今も色濃く残っている伝統ある青梅マラソン大会でした。

また、実施される種目もハーフマラソンではなく「30k」と、今ではたいへん珍しい距離です。もちろん、かつては全国に30kの大会が数多くありましたが、ハーフマラソンが普及してきたのと引き換えに、その距離を掲げた大会はほとんどみなくなりました。

ここで、レースとしてのハーフマラソンと30kの違いを少し考えてみます(トップ選手の例で)。距離的には、マラソンの半分がハーフマラソン。よりマラソンに近い距離が30k。まずは見たままの違いになります。

しかし、ハーフマラソンの場合、スタートから記録を意識し、単独走になったとしてもハイペースで突っ込んでいく選手を見かけます。また、後半失速してきてもゴールまでは持ちこたえることができる距離とも言えます(最初から独走でも記録を狙える)。

一方、30kの場合、最初から突っ込んでいく選手もいますが、後先考えずにガンガンいく選手は極端に少なくなります。要は「このペースで最後まで持つのか?」と、距離に対しての不安が頭をよぎるのでしょう(最初からの独走では記録を狙いにくい)。

また、走る時間で考えると、ハーフマラソンは1時間弱、マラソンは2時間弱です。つまり、1時間弱なら積極的な気持ちになるが、2時間弱になると慎重になる。そして、30kは1時間30分弱と、その中間になります。つまり、慎重な気持ちに傾いていく分岐点とも言えるのでしょうか。

近年のマラソンは、その慎重な気持ちを払拭させる意味も含め、ペースメーカーが30k前後までレースをけん引して記録を狙わせます。しかし、30kレースはペースメーカーがほぼいません。したがって、スタート直後から選手間の駆け引きがはじまり、記録は二の次になる傾向が強いと感じます。

先日の青梅マラソン大会も最初から最後まで選手間の駆け引きがあり、逆に見応えのあるレースとなりました。かつて、30kはマラソンへの登竜門と言われていました。ところが、ハーフマラソンが普及してきた近年において、その30kレースは激減しました。しかし、マラソン経験者が駆け引きを学ぶためのレースとして捉えるなら、逆に30kレースの価値を見直すべきかもしれません……。

冬を走る・12

【冬を走る・12】1月後半から本格的なマラソンシーズンに入っていますが、多くの方がこの時期のマラソン大会に一度は出場したと思います。中にはほぼ週末ごとにマラソンを走った方もいたことでしょう。

また、ここでマラソンを1本走ったあと、一旦仕切り直して3月上旬からのマラソン大会に備える方も多いと思います。実は、富津合同マラソン練習会のメンバーたちもこのパターンで調整している方が多い。

このブログでもマラソンの連戦については、「それぞれのトレーニング方法などによって可もなく不可もなく」と言ったような話をしました。そもそも週末ごとにマラソンを走ることを単に連戦と呼ぶのか?あるいは、ひと月ごとにマラソンを走ることも連戦と呼ぶのか?少なくとも連戦と呼んでいる正確な定義は存在しません。

つまり、連戦か否かは個々の主観で決めることであり、走っている本人が苦痛を感じていなければ、週末ごとにマラソンを走っても連戦とは言えないのでしょう……。

さて、ここまでくどい話になりましたが、実はマラソンを連続で走っていると、肉体面より精神面のスタミナが枯渇してくるケースが多いと感じます。いわゆる「燃え尽きる」と言った表現になるでしょうか。

一般的にマラソンはスタートした後、ゴールが近づくにしたがって体はきつくなっていきます。また、走っている距離と時間がとても長いのですが、その分ペースはゆとりがあるので、様々なことを頭の中で考えたり感じたりするゆとりがあります(いわゆる無我夢中や無心になりにくい)。

そのため、特に30k以降の苦しみや苦痛は記憶にも刻まれやすく、最終的には肉体面以上に精神的なダメージの方が蓄積されていくと考えます。そして、マラソンの経験を積むほど、マラソンがうまく走れてくる半面、後半の苦しみや苦痛の記憶も確実に蓄積され、ある時点でオーバーフローするケースもあります。

そうなると、マラソンに挑戦しようとする意欲も減退し、走ることも厳しい状況に陥っていく可能性も高まります。もしも、そのような感覚を持ったなら、3月のマラソンを回避し、一度リフレッシュするのが良いと思います(月並みですが)。

そして、いつも走っているマラソン大会を今回は応援側にまわり、仲間の力走を応援することは、最高の気分転換にもなることでしょう……。

冬を走る・11

【冬を走る・11】今年も伝統の別大マラソン大会が開催されました。そして、今年もブラインドマラソン部門も実施いただきました。まずは、大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

また、今年はコロナ禍による制約はほぼなくなり、いつもの活気ある姿に戻りました。そんな状況を祝福するかのように、大会当日のコンディションは懸念されていた風もほぼ無風で、最高のコンディションとなりました。

ちょうど1週間前の大阪国際女子マラソン大会は、後半の寒風に多くの選手たちは失速していましたが、今大会はその風の影響が最小限に抑えられたこともあり、上位選手を筆頭に好記録が続出していました。

もちろん、富津合同練習会で切磋琢磨してきた仲間たちも同大会には多数出場しました。特に、「2時間35分から2時間40分」を目標タイムに走り込んできた方々が多数エントリーし、個人的にも楽しみにしてきました。

さて、1週間前の大阪国際女子マラソン大会に出場した方々も同様でしたが、走力が近い者同士、切磋琢磨しながら走り込んでいくのは、最も効率のよいトレーニング方法のひとつです。これは、別大マラソン大会においても同様です。

そして、大会当日もその切磋琢磨した仲間同士で集団を形成できれば理想的です。しかし、別大マラソン大会に関しては、2時間30分突破を目標にしたランナーたちの集団が比較的大きくなる傾向が強く、2時間35分前後を目指す集団はあまり目立ちません……。

ところが、今大会に関しては、2時間35分前後の記録を目標にした集団は富津合同練習会のメンバーを中心に形成され、比較的大きな集団となっていました。また、その集団は30k以降も大きく崩れることなく、ゴールまで集団を形成しながら粘り倒していきました。

どの選手も課題だった30k以降は、いつものように仲間と競り合うことで、最小限の失速に食い止め、富津合同練習会のメンバーたちは自己新記録ラッシュとなりました。実は、今回のように日ごろから切磋琢磨している仲間たちと、まるで練習会のように実際のレースを走れることはなかなか実現しませんでしたが、今大会はその想いが届きました。

来年の別大マラソン大会では今大会と同じメンバーが更に上の記録を、今回と同じようなレース展開で戦えるよう、富津合同練習会で更に切磋琢磨してほしいと願っております……。

冬を走る・10

【冬を走る・10】先日の1月29日は大阪国際女子マラソン大会が開催され、富津合同練習会で切磋琢磨してきた仲間たちも多数出場しました。また、同大会の参加資格は、マラソンなら「3時間7分以内」と、出場すること自体も難しい大会のひとつですが、今年から関門も厳しくなりました。

具体的には、スタートして最初の6k地点が26分以内に引き上げられました。詳細は割愛しますが、6kの関門通過ペースでゴールすると、3時間2分台となり、参加資格以上のハードルが大会当日に設定されることになったのです。

かくいう私も大会当日は現地にて応援しましたが、コンディションも公式発表以上に冷たい風が強く吹き、特にレース終盤になるほど女性ランナーたちの体力と気力を奪っていったのも確かです。このように、前述した厳しくなった関門とも重なり、少なくとも富津合同練習会のメンバーたちは大苦戦しました。

また、今大会の完走率は80%を下回っていました(安田の計算)。もちろん、過去の公式データを詳細に確認していませんが、完走率だけの数字で判断すると、今回は相当厳しい条件がそろった大会だったとも言えます。

そんな中、果敢に記録へ挑戦したにも関わらず、ゴールタイムが目標タイムと大きく乖離したり、途中棄権に終わった方も多かったと推察します。しかし、今大会に関しては、その厳しい諸条件も加味した上で不必要な落ち込みをしないことが大切です。

実は、レース後の振り返りをすると、悪かった点ばかり列記する方が多いと感じます。そのため、そもそも悪かった点と言うよりも、自身で克服していくこと自体が難しい課題だったりするため、常に同じことを繰り返す要因になっている方が多いとも感じます。

今回のマラソンは、不本意ながら後半失速したり、途中棄権に終わったとしても、自分自身の「良かった点(健闘した点)」にフォーカスし、次回以降に活かしていく姿勢は必須です。繰り返しになりますが、満足な結果が残せなかった方ほど、不必要に落ち込まないで下さい……。

さて、今週末は伝統の別府大分毎日マラソン大会が開催されます。出場される皆様方の快走を心より祈念いたします。

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