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冬を走る

12月を走る・5

【12月を走る・5】本年も明日までとなりましたが、今年は何と言っても1年延期された東京オリパラを無事に開催できたことが何よりでした。あらためて、開催にご尽力いただいた関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

さて、今年も明日までの日程で、強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しております。そして、今年も例年同様、箱根駅伝に出場する各大学が最後の調整を実施している姿が見られました。

その調整の内容も、おおむねどの大学も同じような距離を同じようなペースで走っており、どの大学も例年どおりに見えました。したがって、走っている姿を拝見している限りは、どの大学も仕上がりは順調に見えました……。

しかし、同じような距離を同じようなペースで走っていますが、その走らせ方は大学ごとに少しずつ違っています。最もよく拝見するパターンとしては、数十秒間隔でスタートさせていく走り方です。駅伝を意識した調整としては、最もスタンダードな方法といえるかもしれません。

また、同じような単独走になりますが、時間を完全に区切り、1人ずつ走らせる調整方法もあります。例として、朝の8時から1時間ごとに1人ずつ走る方式です。もちろん、タスキを渡すことはしませんが、前後が全くいない完全な単独走になります。

逆に、チームによっては、数名の小集団で走っている大学もありました。もちろん、これらの調整方法については、どれが正しいとかの判断はできませんが、各大学の指揮官(監督)の洞察力(経験とデータに裏打ちされた「直観力と観察力」)に頼るところが大きいと感じます。

と、毎年のことですが、私のような単なる駅伝ファンが勝手なことばかり言って申し訳ありません……。どうか最後まで体調管理に注意し、どの大学もどの選手も最高のパフォーマンスを見せてほしいと願っております。

皆様、良いお年を!

12月を走る・4

【12月を走る・4】12月19日は、防府読売マラソン大会が山口県防府市で開催されました。同大会は、日本陸連から「ジャパン・マラソン・チャンピオンシリーズ(JMC)」の指定大会と、「マラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)」進出の出場権も獲得できる大会に指定されました。

詳細は割愛しますが、日本のマラソン界を支えてきた「びわ湖毎日マラソン大会」や「福岡国際マラソン選手権大会」が幕を下ろしていく中、防府読売マラソン大会は、今後の日本マラソン界の一翼を担う重要大会へとグレードアップしたのです。

このように、日本マラソン界の大きな転換期に入っている中、我々の視覚障がいマラソンもこれまで同様、この読売防府マラソン大会において「日本視覚障がい女子マラソン選手権大会」を開催していただけることは、とても名誉であり、責任を感じます。

昨年の同大会では、視覚障がい女子の道下美里選手が世界新記録で優勝。視覚障がい男子の堀越信司選手がアジア新記録で優勝。そして、今年の東京パラにおいては、その道下美里選手が金メダル、堀越信司選手が銅メダルを獲得するなど、防府読売マラソン大会での成果が、東京パラでのメダル獲得に直結しました。

また、来年2月に開催される「別府大分毎日マラソン大会」も、防府読売マラソン大会同様、「ジャパン・マラソン・チャンピオンシリーズ(JMC)」と「マラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)」の指定大会となりました。そして、同大会においてもこれまで同様、「日本視覚障がい男子マラソン選手権」を実施します。

もちろん、男女の「日本視覚障がいマラソン選手権」を実施していることと、上記したような日本陸連から指定大会を受けたことは全く関係ありません。しかし、その当時、日本視覚障がいマラソン選手権の開催を打診した際、ご快諾いただいた両大会が日本マラソン界の一翼を担う大会にグレードアップしたことは、とても意義深いと思います(個人的に)。

先日の防府読売マラソン大会においても、視覚障がいマラソンに対する注目度は相当高くなっていると感じました。同時に「適当な走り込みで参加するわけにはいかない」と、強く思いました。来年2月の別府大分毎日マラソン大会に向け、年末年始も気を引き締めていきます。

12月を走る・3

【12月を走る・3】先日の日曜日は、2年振りに奈良マラソンが開催されました。この奈良マラソンには富津合同練習会で一緒に走っている仲間たちも、2010年の第1回大会から参加しており、個人的にも親しみを感じます。

また、この大会はコースの起伏が激しく、国内では難コースのマラソン大会としても有名です。ところが、回を重ねるごとに参加者は増え続け、今では国内屈指の人気大会となりました。このように、大規模な市民マラソン大会は、記録を狙いやすいか否かだけの判断で、人気のバロメーターをはかることは難しいといえそうです。

あらためて、マラソン大会を選ぶ理由や、その楽しみ方は様々で奥が深いと感じます。

さらに、同大会の公式順位はグロスタイムではなく、ネットタイムでの順位を採用していました。この場合、見た目の順位と実際の順位が異なることがおこります。つまり、ある選手が1位でゴールしたとしても、スタートまでのロスタイムの有無により、後方からスタートした選手に負けていることが起り得ることになります。

実は、今回の男子総合順位がそれに近い状況でした。優勝した選手と2位になった選手は、ゴールでのタイム差は3秒でした。しかし、ネットタイムの公式結果では、その差はわずか「1秒」だったのです。2位の選手があと1秒早くゴールしていれば、優勝者が2名になっていたかもしれません。

また、何かの手違いで、優勝する可能性のある選手が、かなり後方からスタートすることになった場合、トップでゴールした選手の優勝が確定するまで相応の時間がかかることになります。その結果、最終的にはガッツポーズでゴールした選手が2位で、後方から途切れめなくゴールする一般ランナーたちの中に紛れてフィニッシュした選手が優勝と、少し複雑な状況になる可能性も……。

いろいろと考えてみるのはこれで終わりにしますが、奈良マラソンは今年も素晴らしい大会でした。あらためて、来年もよろしくお願いします。

12月を走る・2

【12月を走る・2】最後の福岡国際マラソン選手権大会が終わりました。私も沿道で最後の応援をすることができました。しかし、「来年はもうないのか」。そう考えると、とても複雑な思いでした……。

その最後の福岡国際マラソン選手権大会は、国内のトップ選手たちを軸にハイペースな流れで序盤を刻みました。しかし、後半は気温が上昇し(私もかなり暑いと感じた)、ハイペースを維持していくことが難しい状況となりました。

その結果、後半は好記録の期待は薄れていきましたが、マラソンレース本来の醍醐味でもある「サバイバルレース」に流れがシフトし、逆に見応えのあるマラソンだったと思います。あらためて、出場された選手の皆様、最後の最後まで感動をありがとうございました。

また、今回出場した選手たちのほとんどは、いわゆるカーボンプレート内臓の厚底シューズを履いていました。それも相まってか、前半はかなりのハイペースにもかかわらず、どの選手も快調に走っていました。

しかし、上記したように後半は気温が上がり、今度は多くの選手が厳しい状況に追い込まれていきました。コンディションが良く、トラックレースのような平坦な路面ならカーボンプレート内臓の厚底シューズによるメリットが相当なものであることは、既に証明されています。

ところが、今回のように気温が一気に上がると、期待したようなメリットを受けることは難しいと感じます。特に、マラソンのような長時間屋外で実施される競技は自然との戦いでもあり、その自然をコントロールすることは、もちろんできないからです。

今後、暑さ(気温の変化)や強風(風向き)などに対応できる厚底シューズが開発されるとしたなら安心ですが、今時点においてはかなり難しいと思われます(勝手ながら)。したがって、シューズで対応できない部分は、今も昔も選手自身の心と体で補っていくしかありません。

さらに、マラソンは超高速時代に突入していますが、今回のような気温の上昇に対応できるか否かも、やはり選手自身の心と体に直結します。つまり、マラソンもスピードを追求していくことは大切ですが、いつの時代も「地道な(泥臭い)走り込み」がマラソントレーニングの基礎であり、不可欠だと……(五輪や国際大会の多くは暑い夏に開催される)。

最後の福岡国際マラソン選手権大会は、全てのランナーにその大切なメッセージを伝えたのかもしれません。

12月を走る

【12月を走る】今年も最後の月に入りました。そして、いよいよ本格的なマラソンシーズンの到来です。と、いいながらコロナの影響が消えたわけではなく、感染予防対策などは引き続き必須になります。もちろん、このまま各種マラソン大会が無事に開催されていくことを祈るばかりですが……。

さて、今週末は伝統の福岡国際マラソン選手権大会が開催されます。しかし、残念ながら同大会は、今回が最後となります。また、この大会は、私自身がマラソンに興味を持ってテレビ観戦した初めての大会だったと記憶しております(昔話で恐縮です)。

それは、1979年のモスクワ五輪の代表選考になった同大会でした。優勝争いは、当時の瀬古選手と宗兄弟の3選手が平和台陸上競技場まで並んで帰ってくる大接戦。そして、ラスト200mから瀬古選手が強烈なラストスパートで宗兄弟を突き放しての優勝(日本人が上位を独占)。圧巻でした。

今思えば、当時の方が沿道や平和台陸上競技場で応援しているマラソンファンの数は、今よりも多かったような気がします。それだけ当時の瀬古選手や宗兄弟に対する国民の期待や注目度は大きかったと思います。まさにマラソンをメジャーに導いたレジェンドたちです。

もちろん、当時と今の状況は全く違うので、単純に比較することはできません。しかし、当時の瀬古選手はマラソンランナーというより、仮面ライダーなどの昭和のテレビヒーローに近い存在だったように思います。悪の秘密結社を最後は「ライダーキック」で倒していった仮面ライダーのように、最後は伝家の宝刀である「ラストスパート」で、ライバル選手たちを次々と倒していったのです。

その姿に当時の私も含め、多くの国民が熱狂していたのは間違いありません。そして、そのヒーローたちを生み出し、育んできた世界の舞台こそが、福岡国際マラソン選手権大会でした。残念ながら今回で幕を下ろしますが、最終回に新しいヒーローの誕生を心より期待したいと思います。

昭和の仮面ライダーの最終回がそうだったように……。

冬を走る・14

【冬を走る・14】千葉県富津市富津公園においても、この1週間で寒暖の差が大きくなってきました。手元の温度計だと、気温が20度前後になる日もあり、走り込むにはかなり厳しいコンディションだった日もありました。

もちろん、まだまだ寒い日も続きますが、あと1ヵ月もすると、今度は暑熱対策などを考える季節に入っていきます。暑い夏を走り込み、涼しい秋へ移行。そして、更に寒い冬に季節が移るにしたがって、多くのランナーは調子を上げていきます。まさに駅伝やマラソンは冬のスポーツと言うことでしょうか。

ところが、寒い季節から暖かい季節。そして、暑い季節に移っていくにしたがって、調子の良し悪しは個々に大きな乖離が出てきます。同様に暑さから寒さへと移行する際には揃っていた調子の足並みも、寒さから暑さへと移行する際は同じようにいきません。

至極当然のことながら寒いのが苦手な選手もいますが、防寒対策は意外と簡単にできます。なぜなら、ランシャツを長袖に変えたり、ランパンをスパッツに変えたりなど、防寒対策の基本は身に付けていけば良いからです。

しかし、逆はそう簡単にいきません。なぜなら、どんなに気温が上がっても最後まで身に付けているランシャツとランパンを脱ぐことはできないからです。この点も至極当然のことですが、その暑熱対策を整えることができれば、8月開催の東京オリパラも有利に戦うことができます。

さて、あらためて話を戻すと、2月下旬から3月末前後あたりは、特に寒暖の差が大きくなる季節と言えます。感覚的な話になりますが、同時期において気温が15度前後をこえてくると、記録への影響は濃くなってくると感じます(私の経験上)。

今週末のびわ湖毎日マラソン大会や来月の名古屋ウィメンズマラソン大会も、場合によっては気温が高くなる可能性もあります。出場される皆様は、逆に暑くなった場合を想定した準備もしておくと、当日は落ち着いて走ることができるはずです(暑くなった場合の目標設定タイムの下方修正なども)。

最後になりますが、この厳しい状況の中、開催にご尽力いただいた関係者の皆様への恩義に報いる意味でも、出場される皆様の好記録を祈念いたします。

冬を走る・13

【冬を走る・13】2月28日は、びわ湖毎日マラソン大会が開催されます。同大会は1948年に第1回大会が開催されるなど、現存する日本最古のマラソン大会とも言われております。しかし、諸事情により今回の開催でその歴史に幕を下ろすことになるようです。

マラソンファンとしてはとても残念な気持ちですが、これもマラソン大会そのものが都市型市民マラソン化に向かっている影響でしょうか。同様に、採算性や大会そのものの在り方など、エリートに絞ったマラソン大会を維持・継続していくことが難しくなっているのかもしれません。

最後のびわ湖毎日マラソンとなる今大会ですが、そのエントリーリストを拝見すると、逆にかつてないハイレベルな大会になりそうです。あらためて、今大会に出場される皆様方の快走を心より祈念いたします。

さて、いつもこの富津で一緒に切磋琢磨している仲間からも、3選手が最後のびわ湖毎日マラソン大会に出場します。大会当日まで2週間を切り、いよいよ最終調整に入りました。幸い、3選手とも好調な仕上がりなので何とか自己記録を更新してほしいと願っております。

また、約1ヶ月後には、名古屋ウィメンズマラソン大会が開催されます。この大会にも、富津で切磋琢磨している仲間が多数出場予定です。コロナ禍の影響で思うような走り込みができなかった方もいますが、体調は万全に整えてほしいと思います。

そのびわ湖毎日マラソン大会に向けては、質をキープしながら量を落としていく調整段階です。既にこのブログにおいても調整の話を記載してきましたが、何度やっても「大丈夫」と言った調整方法はありません。最終的には自分自身で「大丈夫」と、気持ちをコントロールしていけるか否かが最終調整のポイントとも言えます。

一方の名古屋ウィメンズマラソン大会に向けては、もう少し走り込める時間がありますが、スタミナの不安からつめこみ過ぎると、その反動が必ずレース直前に出てきます。そうなると、もはや打つ手が無くなります。この点のサジ加減についても「大丈夫」と言った法則はありません。最終的には自分自身で「大丈夫」と、気持ちをコントロールしていけるか否かがポイントになります。

何となく無責任な言い方になりましたが、どちらの大会に向けても「迷ったら休養」を忘れず、疲労回復と体調重視で調整してほしいと思います。

冬を走る・12

【冬を走る・12】4月に開催予定でした「長野マラソン大会」と「かすみがうらマラソン大会」の中止が決定しました。厳しい状況を鑑みると、やむを得ない判断だったと理解します。一方で、この大会から本格的な復活になると、心待ちにしていた多くの市民ランナーの皆様にとっては無念の一言だと思います。

各種大会の延期や中止が相次ぐようになってからほぼ1年が経過しましたが、厳しい状況がいまだ続いております。特に、市民ランナーの皆様にとってはモチベーションを維持していくことが本当に難しい状況と言えますが、何とかランニングを継続してほしいと願っております。

さて、先日の日曜日は富津合同マラソン練習会でしたが、ハーフマラソンのタイムトライアルを実施しました。このタイムトライアルも、毎月1回の実施が定着してきましたが、コンスタントに参加しているランナーは自己記録を更新する確率が高くなっているようです。

もちろん、タイムトライアルは実際のレースとは違うので、何とか集団をつくってスタートしても早い段階で単独走に陥る可能性は高く、自己記録を更新するのが難しいのは事実です。しかし、毎月コンスタントに参加しているランナーの皆様は、いわゆる「走るコツ」のようなものをつかんできている様子で、単独走に陥っても大きく失速しなくなってきました。

つまり、このタイムトライアルは単独走になっても最後まで押していけるペース感覚や後半の粘り強さを強化する上で、最も効果的なトレーニング方法のひとつと言えます。同時に、単にマラソンだけでなく、駅伝強化のトレーニングにもより適しています。

その昔、私が現役時代もまさにこの富津公園で単独トライアルを定期的に実施していました。その当時、強かった選手から「最初から突っ込んでいくタイムトライアルを実施した方が良い」と、アドバイスをいただき、初めて取り入れたのが「15kタイムトライアル」でした。

もちろん、当時のトレーニングは常に単独走だったので、まともにペースを刻めたのは最初の3k程度まで。あとは定番どおりに失速し、ペース走にもなっていない内容だったことを記憶しております。

それでも定期的に繰り返すことで、「走るコツ」がつかめていき、実際のマラソンや駅伝にも活かせていきました。今思えば、もっと頭を使って走っていればと悔やまれる点も多々ありますが、このタイムトライアルが効果絶大だった点は間違いありません。

そして、時代が移り変わっても、このタイムトライアルが効果的なトレーニング方法である点は今後も揺るぎないでしょう。また、市民ランナーの皆様にとっての我慢はもう少し続きますが、このタイムトライアルをうまく活用しながら何とか乗り切ってほしいと思います。

冬を走る・11

【冬を走る・11】昨日開催された大阪国際女子マラソン大会は、まるで地元の中学校駅伝大会のような雰囲気でのスタートでした。いつもならスタンドから大声援を受けながら盛大にスタートする姿が定番ですが、今年は周回コースに変更され、更に外部からの応援や進入も遮断するバリケードまで設置しての開催だったからです。

幸い、私はバリケード内から選手を応援することができましたが、選手は約2.8kの周回コースを15周走りました。応援する側からすれば、間近に何度も選手に声をかけられるので、願ったりかなったりでした。まさにいつものマラソン練習会と同じです。

もちろん、周回コースが走り易いか否かは選手個々の感覚になりますが、間近で応援した印象としては、どの選手も速いペースで刻んでいたと感じました。一方、一旦リズムを崩すと、周回コースは景色などの変化が乏しいこともあり、立て直して盛返す走りは難しかったようにも感じました。

さて、先頭集団と第2集団には男子の実業団選手がペースメーカーをつとめ、寸分の狂いなく目標のラップタイムをたんたんと刻んでいきました。その先頭集団は日本記録更新を目標にしていましたが、後半やや失速し、日本記録には届きませんでした。

しかし、最後まで日本記録更新に食い下がった一山選手の力走は本当に見事でした。同様に、その力走をサポートした川内選手と岩田選手のペースメークも見事でした。後半微妙にペースダウンしてきたスピードを持ちこたえさせながら、もう一度ペースを立て直した35k以降などはお見事でした。

今大会は、コロナの影響を大きく受けましたが、大会関係者のご尽力により無事に開催されました。あらためて感謝申し上げます。同時に、各種対策を施した結果、逆に記録を狙える条件が整ったとも言えます。

平坦な周回コース、男子実業団選手によるペースメーカー、約2.8k毎に設置した給水地点、一般応援を遮断したバリケード(風よけ?)など、結果的には記録を狙いやすい条件につながったのではないでしょうか。更に、シューズの進化など、「かなりの確率で日本記録が更新される」と多くのマラソンファンは期待していたと思います。

結果は惜しくも届きませんでしたが、一山選手や前田選手の走力が足りないとかを指摘しているのではありません。もう10数年以上前の時代に2時間20分を突破した3名の日本人女性たちがいかに凄い選手だったかを、逆に知らしめる結果になったとも、個人的には感じました。

冬を走る・10

【冬を走る・10】1月31日は大阪国際女子マラソン大会が開催されます。ご存知のとおり、参加人数の絞り込みやコース変更など、開催にあたりかつてない厳しい決断がありました。それでも大会を走れる権利を獲得した選手の皆様においては、選ばれた代表として力を出し切ってほしいと願っております。

同様に、2月28日開催予定のびわ湖毎日マラソン大会も参加人数の絞り込みが追加で実施されました。こちらは更に厳しい参加条件が提示されました。また、今回が最後のびわ湖毎日マラソン大会とのことなので、土壇場で出場資格をはく奪された選手の皆様においては無念の一言かと思いますが、どうか気持ちを切らさず、これまで以上に走り込んでほしいと願っております。

さて、毎年1月から2月末あたりまでは、マラソンを走るのに最も適した気候になる時期です。そのため、全国各地で多くのマラソン大会がこの時期に開催されておりましたが、中止や延期が相次いでいます。もはや単に厳しい状況と言うより、「元の状態には戻らないかも?」と感じている人も多いかもしれません。

また、どんなスポーツもトップだけが頑張ってもやがて力尽きます。なぜなら、トップを支えるファンやそのスポーツの愛好家など、いわゆる底辺からの後押が必要だからです。マラソンならまさに市民ランナーの皆様でしょうか。

テレビ中継される各種駅伝大会やマラソン大会で快走するトップランナーをみて、多くの人たちが刺激を受けます。そして、同じようなスピードで走れなくても、自分も駅伝やマラソンに挑戦してみたいと、行動に移した市民ランナーが少しずつ増えていきます(もちろん、他の動機もありますが)。

そして、その市民ランナーたちの圧力がトップを更に押し上げていくのです。しかし、トップを押し上げる原動力となる市民マラソン大会が開催されない状況が続くと、至極当然のことながらトップの躍進も必ずブレーキが掛かってくることでしょう。

現在、国内のマラソン大会はトップランナーしか走れない異常事態が続いておりますが、日本のマラソン躍進を後押しているのは、市民ランナーの皆様なのは間違いありません。市民ランナーの皆様がマラソン大会を走れない状況はもう少し続きそうですが、何とか気持ちを切らすことなく、日々のランニングを継続してほしいと願っております。

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