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富津合同練習会
2023冬を走る・2-6
- 2024-01-13 (土)
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【2023冬を走る・2-6】2024年最初の強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園において実施しました。今回の強化合宿は、ちょうど1ヵ月後に迫った別大マラソンに向けた走り込みになります。
今回の強化合宿は、1月6日土曜日から4泊5日の日程で実施し、ポイント練習は3回。具体的には、1月7日に「40k走」を実施し、翌日に「5k×2本+1k」。そして、最終日に「12k走」。
内容的には過去の実績と遜色なく、どの選手もたんたんと走り込んでいました。しかし、ここにきてようやく男子主力選手たちの調子が上がってきており、別大マラソンでの快走が期待できそうです……。
そして、この後からは調整に入っていきます。調整の基本は「練習量を落として疲労を抜く」と「適度に刺激を入れて調子を引き上げる」の2点に集約できます。特に、練習量を落としていくことは、最大のポイントになります。
しかし、これが意外と簡単ではなく、私もコーチの立場から選手たちの失敗事例を、たくさん見聞きしてきました。特に、「選手自身が、自分はどのタイプに該当するかを把握していない」ことによる調整失敗が意外に多いと感じます。
具体的には、「疲労が抜ければ走れるタイプ」と「疲労を抜くと脚力まで落ちるタイプ(刺激の入れ方が重要)」の2つに大きく分類したとき、自分自身はどちらのタイプに該当するのか、あるいは近いのかをつかんでいないことです。
これにより、練習量を落とし過ぎたり、強い刺激を入れ過ぎたりと、結果的には真逆の調整をしてしまうからです。さらに、レースを調整の一環として出場する場合、どのように走るかの判断はさらに難しくなります。
例として、マラソン調整の一環として、数週間前にハーフマラソンを走る選手は多いですが、そのハーフマラソンで自己新記録を達成すると、そのままマラソンも走れるタイプ。逆に失敗してしまうタイプなど、どちらの事例も多数あります。
また、レースは生き物なので、常に自分自身の思うようなペースと順位で走ることはかなり難しい。したがって、周りの選手たちや当日の天候などに惑わされ、自分のイメージどおりのペースと順位で走り切ることは、実は簡単ではないのです(うまくできても、次回レースでの再現性はさらに難しい)。
このように、あれこれ考えること自体が調整失敗の原因にもなったりします。やはり、調整の基本は、シンプルに「休養第一」です。したがって、「迷ったら休養」。この原点を忘れないようにしてほしい……。
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2023冬を走る・2-5
- 2024-01-05 (金)
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【2023冬を走る・2-5】2024年も元旦の駅伝観戦からはじまりました。もちろん、自宅でのテレビ観戦ですが、今年もたくさんの感動がありました。特に、箱根駅伝は、今年も見応えのあるレースでした。あらためて、選手の皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。
その箱根駅伝は駒澤大学一強と言われていましたが、終わってみれば青山学院大学の圧勝でした。さらに、青山学院大学と駒澤大学との区間成績を比較しても青山学院大学の選手が、駒澤大学に対して2区以降は9連勝と、駒澤大学を圧倒する内容でした。
また、テレビ中継の中で、解説の渡辺康幸さんが青山学院大学のことを「どの大学よりも泥臭いこと(練習)をしている」と、絶賛していました。まさにその通りの走りでした。
さて、駅伝やマラソンの練習において、この「泥臭い練習」をよく見聞きします。かくいう私もそんな話をよくしますが、そもそも「泥臭い練習」とは、どんな練習を指すのでしょうか。
辞書的な意味以外として、「地道に手間ひまをかけ、体や時間を使って行う練習」や「あきらめずとことんやる練習」。また、「形にならない重みのある練習」などを指し、形にならない重さ(重要)であるがゆえに「泥」とでもいうのでしょう。
では、具体的にはどんな練習が、それに当てはまるのか?
一般的には「距離を走る練習」が、最も「泥臭い練習」に該当するように感じます。もちろん、個々に練習環境や練習方法に違いがあるので、正解はありません。
しかし、駅伝やマラソンにおいて、後半の競り合いや起伏の激しいコースでの終盤など、いかにして粘り倒せるかが、勝敗を分けます。いわゆる「スタミナ(持久力)」の有無です。
そして、そのスタミナ(持久力)のカギを握る「走り込み(量と時間)」を、どれだけ地道に積んでこれたか否かになります。ラスト勝負に持ち込めばスピードの勝る選手でも、ラスト勝負の前に力尽きてしまえば、勝負すらできずに負けてしまいます(今回の駒澤大学)。
また、スタミナ(持久力)は、一気にたくさん走っても、目に見えて向上しません(ケガや故障もする)。ところが、逆に練習を休めば、今度はスタミナが目に見えて落ちていきます。
つまり、多くのランナーにとってのスタミナとは、「身に付き難く、落ち易い」方の特性に当てはまり、まさに日々の「泥臭い練習」が、ポイントになるとも言えるでしょう(スピードとは違う)。
あらためて、今年も「泥臭い練習」を、大切に継続していく所存です。
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2023冬を走る・2-4
- 2023-12-30 (土)
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【2023冬を走る・2-4】今年も恒例の年末強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園において実施しております。また、先週の23日は、これも毎年恒例となっている「日体大女子長距離記録会」に強化指定選手たちも出場してきました。
2年前の同記録会においては、T11クラスの唐澤選手が5000mで世界記録(世界初の14分台)を達成しており、今年も自己の持つその世界記録更新を狙って参戦しました。また、同クラスの和田選手は10000mにエントリーし、同じく世界記録更新を狙いました。
結果は、両選手とも記録更新には届きませんでした……。しかし、その積極的な走りは、「2024パリパラでの2大会連続メダル獲得は濃厚」と、確信を持てる内容でした。
さて、年末強化合宿を実施している富津公園はコロナ禍も一旦落ち着いたこともあり、箱根駅伝に出場する某大学のエントリー選手たちが、いつものように年末ギリギリまで調整合宿を実施しております。そして、その横を我々が走り込みをしているいつもの光景に戻りました。
その年末強化合宿も、29日と31日に距離走(35k~40k)を2本実施する流れは毎年同じです。一方、毎年同じようなトレーニングを実施していくことでマンネリ化に陥る点は懸念されます。確かにそのリスクは否定できませんが、逆に毎年同じ時期に同じような練習を実施することで、選手の状態を比較検証し易くなるメリットもあります。
もちろん、我々は同じ流れを繰り返すことによるメリットの方を、フォーカスしてきました。来年はいよいよパリパラ開催の年になります。昨日実施した距離走のタイムや内容も、過去に実施してきた年末強化合宿時と遜色ないことも確認できました(良い意味で)。
そんな中、至極当然のことですが、調子が万全でない選手もいます(合宿不参加の選手)。しかし、不調から復帰してきた選手たちの経験と、そのデータも同様に蓄積されているので、大きな心配はなさそうです……。そして、この後は年明けの2月に開催予定の別大マラソン大会が、パリパラに向けた重要なターゲットになります。
現時点においては、どの選手にもパリパラ出場へのチャンスがあります。したがって、お互いがライバルになりますが、来年以降も強化合宿を軸に「チームジャパン」として、全員で切磋琢磨しながら世界を目指していく所存です。
引き続き、皆様方のご支援ご声援をお願い申し上げます。
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2023冬を走る・2-2
- 2023-12-15 (金)
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【2023冬を走る・2-2】12月10日に開催された「奈良マラソン」は、季節外れの高い気温となり、かなり厳しいコンディションでした。また、同大会のコースは、国内屈指の難コースと言われており、スタートからゴールまでのほとんどが、上りと下りの連続コースです。
そんな奈良マラソンですが、今年はようやくコロナ禍前の運営状態に戻り、4年ぶりの完全復活となりました。そして、マラソンに出場した1万人を超えるランナーたちが、元気よく難コースに挑んでいました。
さて、同大会は2010年から「奈良マラソン」としてスタートしていますが、私の選手(女子)たちにも2010年から声をかけて頂き、毎年欠かさず出場してきました(2020年はコロナ禍で中止)。
また、当初から女子の優勝を目標に、2時間50分以内の自己記録を持っている女子選手たちを送り込んできましたが、なかなか目標を達成することはできませんでした。もちろん、至極当然のことですが、どんな大会においても簡単に優勝することはできません。
特に、同大会は国内屈指の難コースであるがゆえに、30k以降のアップダウンで力尽きてしまうパターンが続きました。それでも、毎年チャレンジできるチャンスを頂き続けた結果、ついに山口選手が女子の部で優勝しました。
その山口選手は、この奈良マラソンでの優勝をきっかけに自己記録ものばしていきました。まさに、奈良マラソンに育てて頂いた選手です。そして、今年は5連覇(6回目の優勝)を達成。
しかし、今年の優勝は、山口選手にとっては最も苦しんだ優勝となりました。その原因や詳細については割愛しますが、来年もライバルたちが「打倒!山口!」で挑んでくるに違いありません。まさに「勝って兜の緒を締めよ」でしょうか。
そして、来年も奈良マラソンでの連覇をのばすためにも、ここからの1年間は仲間たちとさらに切磋琢磨していくことでしょう。
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2023冬を走る・2-1
- 2023-12-07 (木)
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【2023冬を走る・2-1】先日の12月3日は、防府読売マラソン大会が開催されました。同大会は「日本視覚障がい女子マラソン選手権大会」も兼ねており、女子ブラインド選手はもちろん、男子ブラインド選手たちも出場しました。
また、同大会は、WPA公認記録を残すことのできる国内では数少ないマラソン大会のひとつに該当します。したがって、ブラインド選手たちにとっては、来年のパリパラに向けても最重要大会のひとつに位置します。
そして、どのブラインド選手たちも、今年の9月ころから同大会を目標に走り込みを継続し、スタートラインに立ちました……。
結果は、男女の優勝記録とも目標タイムには届きませんでしたが、自己記録を更新した選手を3名輩出できました。特に、期待の男女若手選手がそれぞれ自己記録を更新してくれた点は、次につながります。
一方、記録を期待していた男子主力選手たちが、目標どおりの走りをすることができませんでした。もちろん、単に希望的観測で期待をしていたわけではなく、記録を狙える根拠となる走り込みの量と質をクリアしていたからです。
あらためて、マラソンの難しいと言われる点として、上記したように走り込みをしっかりと積めていても結果に直結しないことが多々あることです。すでに何度もこのブログにも記載してきましたが、その主な理由のひとつとして、「マラソンは練習もレースも常に頭で考えるゆとりのある競技(無我夢中ではなく余力がある)」だからでしょうか。
また、好調な走り込みを積めた場合、自他ともに好調と自覚できる反面、体に蓄積している疲労などを感じにくくなる傾向があります(思考<肉体)。逆に、うまく走り込めていない場合は体の違和感も気になり、自身の逃げ道(言い訳)ばかりを考える傾向に陥ります(思考>肉体)。
もちろん、どちらに陥ってもマラソンをうまく走ることは難しくなります。しかし、どちらに向いても自身の思考と肉体を適切に修正することができないと、マラソンを安定して走ることもできません(パフォーマンスの再現性)。
今大会で優勝した川内優希選手は、それらを常にコントロールできている数少ない選手とも言えるでしょう(思考=肉体)。そして、今大会もMGC同様、「川内優希選手のことばかりが話題になった大会」と感じたのは、私だけでしょうか……。
川内優希選手は、今回もアッパレです!
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2023秋を走る・13
- 2023-11-30 (木)
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【2023秋を走る・13】11月26日は都内でも冷雨となり、かなり冷え込みました。そんな中、東京国立競技場において「第41回JBMAユニファイドラン」を開催しました。もちろん、そのコース設定は国立競技場が発着点で周辺道路を……。
しかし、今年は諸事情により、国立競技場のトラックをスタートしたあと、競技場スタンドの下(地下)にある回廊を回って競技場に戻ってくる、1周1.4kの周回コースで実施しました。そのため、参加したどのランナーも雨にはほとんど濡れることなく、完走することができました(トラック以外は屋内)。
最近の陸上競技場はとにかく巨大で、多目的ホールのような印象を受けますが、使い方によっては「こんなコースもつくれるのか」と、まさに「目からウロコ!」でした。一方、1.4kの周回コースなので、実施種目の距離や参加人数にはおのずと制限があるとも感じました……。
さて、日本ブラインドマラソン協会も設立から40周年を迎えることができました。設立当時は相当な苦労もあったと聞いていますが、あらためてご尽力いただいた皆様方に感謝申し上げます。
また、同協会を設立するきっかけとなったひとつに、当時はブラインドランナーが、「各地のマラソン大会に出場するのを拒まれる」ことが多かったためだとも聞いております。今では考えられないことですが、私が伴走をはじめた1996年当時でも、ブラインドランナーが大会出場を拒まれる場面に遭遇することがありました。
しかし、今では多くの方々のご理解とご支援もあり、国内外の各種マラソン大会には、ほとんど出場できるようになっております。そして、今週末の12月3日に開催される「福岡国際マラソン2023」と「防府読売マラソン大会」にもブラインドランナーたちが出場します。
特に、福岡国際マラソン2023に出場予定の和田選手(T11クラス・全盲)は、自身の持つ「世界記録(T11クラス:2時間24分29秒)の更新」。そして、防府読売マラソン大会に出場する堀越選手(T12クラス・弱視)は、日本人ブラインドランナーとしては初となる「2時間20分の突破」を目指します。
今後も先人たちが築いてきた歴史を踏まえ、あらたな歴史を重ねながら伝承していく所存です。
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2023秋を走る・12
- 2023-11-23 (木)
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【2023秋を走る・12】先日の19日は、神戸マラソン大会が開催されました。しかし、大会前日は雨が降り、風も強く、大会当日も厳しいコンディションになる予報が出されていました。果たして大会当日は、最も懸念されていた風も穏やかにおさまり、逆に絶好のマラソン日和となりました。
また、同大会もコロナ禍の影響を受け、様々な規制を設けながら何とか開催してきました。しかし、今大会からは、沿道での応援なども通常の状態に戻し、神戸マラソン大会に相応しい開催となりました。そして、ゲストには田中希実選手もかけ付け、大会を盛り上げていました。
その神戸は、1995年1月17日に神戸淡路大震災があり、未曽有の被害をもたらしました。また、大震災当時は、私も現役選手でした。実は、その大震災2日前に、今は中止となった当時の「朝日駅伝(福岡県・博多~小倉:約100k/7区間)」を走り、17日は福岡から千葉へ帰る日でした……。
そんな大震災から神戸は見事に復興し、素晴らしい神戸マラソン大会を開催しております。あらためて、ご尽力されてきた大会関係の皆様方に厚く御礼申し上げます。
そして、同大会には上記した田中希実選手以外にも地元にゆかりのある方々もゲスト参加していました。その中には、私が現役時代たいへんお世話になった渋谷俊浩さんの姿もありました。当時は、千葉県で実業団選手として福岡国際マラソンやびわ湖毎日マラソンで優勝するなど、数々の実績を残された方です。
現在は、びわこ成蹊スポーツ大学教授として教鞭をとっております。そんな渋谷さんと久々に再会しましたが、当時と変わりなく、気さくに話をしてくれました。また、今もランニングを継続しており、見た目の体型も現役当時のままでした。今回の神戸マラソン大会で最も刺激を受けたのは、渋谷さんにお会いできたことでしょうか。
このように、選手に帯同して各地のマラソン大会にいくと、なつかしい方々と再会できることは楽しみのひとつとなりました。同時に、再会できた方々が、いまもマラソン大会に参加し、元気に快走している姿は、私にとっても大きな刺激になっています。
もちろん「次回大会は私も一緒に走ろう!」とは、まだ思いませんが……。しかし、「走っている人は輝いている!」と、現役時代も聞いていた話を、今は納得して理解できるようになりました。
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2023秋を走る・11
- 2023-11-16 (木)
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【2023秋を走る・11】先日の11日(土)から強化合宿を実施しました。場所はいつもの千葉県富津市富津公園です。今回の強化合宿は、12月3日に開催予定の防府読売マラソン大会に向けた最後の強化合宿でした。
さらに、今回の強化合宿は、その防府読売マラソン大会の3週間前にあたります。したがって、トレーニング内容は、走り込み期の仕上げ的な要素と、調整期に入っていく要素とが混ざり合うイメージになります。
また、日々のトレーニングは科学的かつ具体的な数字(タイム)で粛々と継続していくことが原則になります。ところが、人の肉体や精神は個々に違うため、調子の良し悪しの原因が何かを科学的に解析しながら的確につかんでいくことは簡単ではありません(この点については、すでに何度も記載してきたので詳細は割愛します)。
そのため、多くの選手やチーム、その指導者たちは過去の経験や実績をベースにしながら日々の練習(現場)で、臨機応変に対応しているのが現状でしょうか。また、経験や実績を重ねていくことで、その精度は確実に向上し、目標を達成できる確率も高まっていくのは確かです(その経験と実績を裏付けるのも科学)。
さて、今回の強化合宿は11日(土)から15日(水)までの4泊5日の日程で実施しましたが、土曜日に集合し、水曜日に解散する日程は富津強化合宿における定番です。特に、毎月定期的に実施している富津公園での強化合宿については、いわゆるポイント練習を実施する曜日もほぼ固定しています(日曜日、月曜日、水曜日に実施)。
参考までに今回のポイント練習は、「日曜日:40k走、月曜日:5k×2本+1k走、水曜日:8k走+1k走」。もちろん、個々に設定タイムが違うので、調子の良し悪しの判断基準も微妙に違います(個別に練習内容も微調整します)。
同様に、上記ポイント練習の設定タイム基準は、「日曜日:目標タイムの95%、月曜日:目標タイムよりも数%速い、水曜日:目標タイムのペース(目標タイムとはマラソンの目標タイム)」。このように、各ポイント練習を導くためのベースとなるデータも、やはり積み重ねてきた経験と実績がたよりになります……。
この後、12月の防府読売マラソン大会に向け、それぞれが最終調整に入っていきます。そして、最終調整も過去の経験(成功体験)や実績が、より強く反映されるのは確かです。あらためて、どの選手も最高の調子に仕上がることを祈念しております。
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2023秋を走る・10
- 2023-11-09 (木)
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【2023秋を走る・10】本格的なマラソンシーズンに突入し、週末ごとに各種大会が開催されております。また、多くの大会がコロナ禍以前の状況に戻りつつあり、マラソンファンのひとりとしては、さらに盛り上がってほしいと願うばかりです。
そんな中、練習の一環として各種マラソン大会に出場し、本命の大会に調子を合わせていくランナーもいます。特に、自宅周辺で長距離を走れる環境を作れない、一緒に切磋琢磨できる仲間が見当たらないなどのランナーは、マラソン大会そのものが、最高の練習環境になるとも言えます。
一方、大会ごとに規模やコースなどが違うので、それに伴うメリットやデメリットが必ずあります。したがって、それらを最初に洗い出し、大会ごとに目的や設定タイムなどを決めて走らないと、逆に悔やむことにもなります。
その代表的な例としては、練習の一環として出場したマラソン大会のコースに起因することです。特に、起伏の激しいコースのマラソン大会に出場した場合、予想した設定タイムよりも悪くなるケースが多く、逆に自信を無くしてしまうランナーは意外に多いのです。
同様に、スタートしてみると自分自身の設定タイム付近で走るランナーがほとんど見当たらず、「後半は失速してしまった」。実は、このケースも意外に多く、「単独走になるなら、この大会を走らなかった」と、後悔するのです。
もちろん、逆のケースもありますが、ただ単に練習の一環としてマラソン大会を走るのは、相応の覚悟が伴うのは確かです。また、同じ大会でも毎年違う人たちが競い合うので、レース展開や優勝タイムなども異なります。つまり、大会は練習会と違い「生き物(参加者が勝手気ままに走る)」なので、自分自身の思い通りには行きません。
少なくとも上記した点をよく理解した上でマラソン大会をチョイスする必要があります。特に、練習の一環としてマラソン大会を活用し、なおかつ本命大会でも自己記録を達成した場合、その次の本命レースはより慎重にいく必要があります。なぜなら、練習の一環として出場するマラソン大会は前述した理由のとおり、成功したパターンの再現性も難しいからです(大会や他人を自分でコントロールできない)。
また、本命レース1カ月前から出場する大会は調整期に入るので、さらに注意が必要です。つまり、その大会で設定タイムより速いと、力を出し切っている場合があり、逆に遅ければ自信喪失につながるからです。そして、どちらに転んでも取り戻す時間は少ない……。
要は、練習の一環としてマラソン大会を活用する場合、特にマイナス面を洗い出しておくことは、逆にポイントになるでしょうか。そして、そのレースをマイナス面からもシュミレーションして置くことで、少なくともメンタル面は常に良い状態をキープできると……。
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2023秋を走る・9
- 2023-11-01 (水)
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【2023秋を走る・9】10月29日は、大阪長居競技場において「第26回全国視覚障がい者駅伝大会」が、開催されました。まずは、大会開催にあたりご支援頂いた関係者の皆様、大阪陸協の皆様方に、あらためて厚く御礼申し上げます。
さて、同駅伝大会は長居競技場を発着点とし、長居公園を周回するコースで、1区と4区が2周する「6.8k」、2区と3区は1周で「3.4k」の4区間20.4kで競います。もちろん、視覚障がい者チームだけでなく、一般ランナーのチームも出場できます。
そして、今大会も強化指定選手たちは「ゲスト強化チーム(オープン参加)」として参加しましたが、単に4区間を4人でタスキをつなぐのでは強化になりません。したがって、最低2区間、あるいは3区間を1人で走るような区間配置で出走しました。
具体的には4チーム参加し、1区を走ったあと、3区と4区を連続で走る選手。逆に1区と2区を連続で走ったあと、4区を走る選手など、チームをまたいで少なくとも2区間は走るような配置です。
その出走した強化指定選手たちですが、10月8日(日)は富津強化合宿で40k走。10月15日(日)は、東京レガシーハーフマラソン大会。10月22日(日)は、再び富津強化合宿で40k走。そして、29日(日)は同駅伝大会と、4週連続で高強度の練習を実施してきました。
あらためて、私が作成するトレーニング計画の起点は、「日曜日がレースである(原則として)」。したがって、1週間をワンサイクルとし、毎週日曜日に調子の波がピークにくるような流れを理想としています(詳細は割愛)。
つまり、日曜日が目標のレースか距離走(ポイント練習)になるようにしているので、どちらになっても良い状態で走れるはずです……。ところが、実際は理屈どおりになりません。その理由は様々ですが、ひとつは1週間サイクルを小さな波とした場合、1ヵ月が中程度の波。そして、1年間は大きな波となり、大・中・小ある調子の波が複雑に絡むからです。
10月のトレーニング実績を振り返っても、ある強化指定選手は、8日と15日が好調で、15日と29日は不調。また、ある強化指定選手はその逆だったり……。つまり、必ずしも毎週末ごとに調子のピークは訪れません。もちろん、そんなことは至極当然のことですが……。
だからこそ、「目先の結果に一喜一憂するな」とも言います。しかし、多くの選手は良い成績だと「我を忘れ」、悪い成績になると「激しく落ち込む」。その結果、どちらに転んでも次につながりにくい……。
シューズなどが劇的に進化しても、選手個々の心は今も昔もそう変わらないのしょうか……。
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