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5.ブラインドマラソン(合宿) Archive
2026春を走る・2
- 2026-03-12 (木)
- 5.ブラインドマラソン(合宿)

【2026春を走る・2】寒暖の差が大きく、まさに三寒四温の天候が続いています。そんな中、いつもの千葉県富津市富津公園において、強化合宿を実施しました。内容的には、いわゆるトラックシーズンに移行する時期とも重なるので、トラックでのスピード練習を重視しました。
また、2月の別府大分毎日マラソン大会からひと月が経ち、出場した選手たちの疲労もほぼ抜けてきました。そんな状況も重なり、今回の強化合宿には、男子選手のトップ5全員がそろいました。
至極当然のことですが、マラソン練習は単独よりも、仲間たちと競い合いながら走り込んでいく方が効果的です。したがって、今回の強化合宿は久々に「切磋琢磨」を、それぞれが体現できた強化合宿となりました。
上記した別府大分毎日マラソン大会を制した百戦錬磨の和田選手が積極的に先頭を走り、20代の大石選手が最後尾を必死に食らい付く……。一般のマラソン練習ならごく普通の何気ないひとコマですが、視覚障がいマラソン(中長距離も)においては、本当に久々の光景でした。
あらためて、視覚障がい者のマラソン人口は少なく、さらにパラリンピックを目標に掲げるような視覚障がいランナーは、国内に数名程度です。さらに、高齢化の波が押し寄せており、ブラインドマラソンの強化体制もいつまで維持していけるのか……悩みはつきません。
そんな綱渡り的な状況が続いていますが、今回のように少ない人数でも直接顔を合わせることができれば切磋琢磨もできるのです。このように、我々が強化合宿に重点をおいている理由はそこにあります。
また、今合宿の後半は、M高史氏にも合流頂き、「ゲタ」による動きつくりも実施することができました。もちろん、視覚障がいランナーにとっても動きつくりは重要ですが、目からの情報(※)を得ることが難しいので、一般ランナーのように「見よう見まね」をしながら体得していくことはできません。※視覚障がいは「情報障がい」と言われるゆえん。
したがって、逆にゲタのように履いて歩くだけで、身体の使い方を体験できる方法は、視覚障がいランナーにとっては最適なのです。今回も、M高史氏(※)のわかり易い指導の下、どの選手たちも積極的に動きつくりに取り組んでいました。※M高史氏は、4月から当協会の強化スタッフに就任します。
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2025冬を走る・5
- 2025-12-31 (水)
- 5.ブラインドマラソン(合宿)

【2025冬を走る・5】2025年もあと1日となりました。そして、毎年恒例の年末強化合宿も無事に終わりました。今年も多くの方々からのご支援で、パラ強化活動を継続することができました。あらためて、御礼申し上げます。
さて、その年末強化合宿は、毎年12月28日から31日までの3泊4日で実施しています。また、その練習内容は距離走(35k~40k)を2本実施するのも、毎年同じです。そして、年明けの1月後半から各地でマラソン大会が開催されますが、実は逆算するとこの年末から正月にかけての期間は、走り込みのピークに当たります。
特に、1月最後の日曜日に開催される大阪国際女子マラソンや、その翌週の別府大分毎日マラソンに出場するランナーにとって、走り込みの最重要な期間がこの年末年始になります。しかし、年末年始は帰省などしてゆっくりするのが一般的なので、逆に走り込みを実施することは、意外と難しいのかもしれません……。
そんな年末年始ですが、ブラインドマラソンの強化指定選手たちは、2月1日に開催予定の別府大分毎日マラソン大会を目標にしているので、毎年欠かさず年末強化合宿を実施しています。もちろん、この合宿をはじめたころは、年末に合宿をすることの理解を得ることさえ難しい時期もありました。
しかし、毎年継続していくことで、選手たちの意識が変わり、それを支えているガイドランナーたちの意識も変わっていきました。そして、今年も充実した年末合宿でこの1年を締めることができました。
来年もロスパラを目標にたんたんと取り組んでいく所存です。引き続き、皆様のご支援ご協力をお願い申し上げます。良いお年を!
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2025秋を走る・6
- 2025-10-10 (金)
- 5.ブラインドマラソン(合宿)

【2025秋を走る・6】10月も年間計画どおりに強化合宿を実施しておりますが、まだまだ暑ひ日が続いています。特に、ポイント練習を実施した先日の5日と6日は気温が30度前後まで上がり、ほとんど夏合宿に近いようなコンディション下での走り込みとなりました。
特に、5日は距離走、6日はスピード練習(インターバル)と、二日連続のセット練習だったので、どの選手も最後は「根性を見せる」ような状況でした。また、合宿中は毎朝5時30分からコンディションチェック(各種測定など)を実施していますが、セット練習の翌朝となった7日早朝の数値はどの選手も……。
そんなコンディションが続いている中、今回の強化合宿にはM高史さんが、かけつけてくれました。ご存知のとおり、M高史さんは川内優輝選手のモノマネなどで有名ですが、今では執筆活動や各種大会での実況担当(YouTube配信)など、その活躍は多岐にわたり、留まるところを知りません(伴走教室にも積極的)。
さて、そんなM高史さんですが、実は最も力を入れている活動のひとつは、ゲタを使ったエクササイズでしょうか。もちろん、ゲタとはあの履くゲタです。そのゲタを履くことによって、体の重心を体感(確認)しながら正しい姿勢に修正していくのです(簡単に言うと)。
しかし、ゲタと言っても、我々が知っているゲタとは似ているようでかなり違います。そのゲタの形状や種類は様々で、それぞれのゲタごとにエクササイズの目的やポイントが異なります。そして、初めてそれを目にする人にとっては、その種類の多さに驚かされます。
もちろん、M高史さんは、ゲタごとの特性や履き方のポイントなどを全て把握しています。また、今回の強化合宿に持参いただいたゲタ以外にも種類があるとのことでした。
早速、選手たちはそれらのゲタを履いて指導を受けました。特に、視覚障がい選手は「他人の動きを目で見て真似る」ことができません。それは、動きを伴うスポーツなどにとっては致命的なハンディとなります。しかし、ゲタを履くだけで、正しい重心の位置や体重の乗せ方などを把握できるのです。つまり、視覚障がい選手もそのゲタを履くだけで、簡単に重心の位置などを体感し、確認できるのです。
これまで、視覚障がい選手に様々なドリル(動き作りなど)も指導してきましたが、うまく伝わらないケースが多かったのは確かです。しかし今回、M高史さんが推奨する「ゲタのエクササイズ」は、ブラインドマラソン界にも大きな変化をもたらす可能性を秘めていると感じました。
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2025夏を走る・11
- 2025-08-14 (木)
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【2025夏を走る・11】北海道北見合宿は無事に終了しました。まずは、今回もご支援頂いた北見市の皆様、北見プラザホテルの皆様に厚く御礼申し上げます。また、今回の北海道北見合宿は、先月同地で実施した時よりも気温が下がり、天候も雨や曇りになる日も多かったことから、どの選手も計画したトレーニング内容をほぼ完ぺきに消化することができました。
その具体的なトレーニング内容については割愛しますが、7泊8日の合宿期間で「40k走」を3本実施することができました。至極当然のことながら視覚障がい選手のトレーニングには、原則としてガイドランナー(伴走者)が必要になります(単独走ができる弱視選手に対しても、走行中の安全を確保する意味でもペーサーが必要になる)。
したがって、40k走を3本実施するためには、ガイドランナーも一緒に3本走ることになります。もちろん、その前提として、7泊8日の合宿に帯同可能な環境を作れるガイドランナーであることが必須条件となります。これについては今回のような強化合宿だけでなく、「国内外の遠征時は、常に視覚障がい選手のスケジュールに合わせ、自身も帯同できるか否か?」は、実は最も重要な課題のひとつになります。
例として、ガイドランナーとしての技術や実績は抜群でも、パラリンピックのような長期遠征をする際、所属先から休暇を取得して帯同できなければそのガイドランナーを選考することは極めて難しくなります(ガイドランナーは視覚障がい選手の日常生活をサポートする役割もあるので)。
このことについは視覚障がい選手たちが、地元で日々のトレーニングを計画的に継続する上でも最重要課題になります。例えば、「日曜日に40k走を計画していたが、急用でその日のガイドランナーがこれなくなった」などのトラブルが起こった時、「電話一本でかけつけてくれる別のガイドランナーも確保しているか否か?」は、さらに重要です。
繰り返しになりますが、ガイドランナーに求められる資質は、伴走の技術や実績以上に「視覚障がい選手のスケジュールに合わせられる」ことが、パラリンピックなどの長期遠征を伴う大会や強化合宿などでは重要視します。要は、単純に伴走の技術や経験が豊富だとか、視覚障がい選手との相性や走力が良いだけでは、そのガイドランナーを日本代表として帯同させることは難しい……。
あらためて、今回の北海道北見合宿においては、箱根駅伝でも活躍している帝京大学駅伝競走部から2名の選手が伴走サポートで全日程参加して頂きました。これは、毎年恒例になっており、選手の伴走だけでなく、単独走ができる弱視選手のペーサーや練習パートナーとしても大車輪のサポートをしてくれます。
至極当然のことになりますが、バリバリの現役学生選手から全日程のサポートを頂くだけで、視覚障がい選手たちのモチベーションも上がり、結果的にはトレーニングの量だけでなく、質も向上するのです。
特に、マラソンなどで視覚障がい選手がガイドランナーと並走(伴走)することは、一般の競技ルール上でも認められています。つまり、視覚障がいランナーも一般ランナーと同じルールと価値観で勝負できる代表的なインクルーシブスポーツなのです。
一方、上記したような視覚障がいランナーをサポートするガイドランナー(伴走者)の「環境整備(休日取得など)」が不可欠なのは、今後も変わらない課題のひとつとして残っていくでしょう。
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2025夏を走る・8
- 2025-07-25 (金)
- 5.ブラインドマラソン(合宿)

【2025夏を走る・8】北海道北見市で実施していた強化合宿は無事に終了しました。毎年のことですが、あらためてご支援頂いた北見市の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、ご存知のとおり、北海道北見市は猛暑日が続いており、我々の合宿期間中も連日30度を上回っていました(手元の温度計で)。特に、合宿最終日に実施した3本目の距離走は、早朝6時30分にスタートしたにもかかわらず、その時の気温はすでに30度を超えていました(終了時の気温は38度)。
もちろん、そんな過酷なコンディション下での40k走はどう考えても危険なので、距離を短縮し、個々の設定タイムも落としてスタートしました。ところが、3本目に実施したそのコースは、1周1.5kで起伏の激しい周回コースだったので、実はそれなりに過酷でしたが……。
あらためて、3本目のコースですが、東京パラ前(リオパラ直後)に北見市役所の関係者と、「北見市内で長い距離を安全に走れる場所は本当にないのか?」を、もう一度車で確認していたところ、偶然見つけた場所でした。そこは、ラグビー&サッカーの試合や合宿ができる広大なスポーツ施設で、その中にある周回道路を走るコースです。
至極当然のことですが、公園施設内の道路になるので、一般の方が勝手に出入りし、走ることはできません。ところが、これも北見市役所や施設関係者のご理解とご尽力により、我々の強化合宿に関しては、特別に使用許可を頂いているのです(一般車両が入ってこないので路面状態も良く、信号もないので安全面も確保できる)。
また、東京パラ前もパリパラ前も、同コースでしっかりと走り込めたことが、メダル獲得につながった点は言うまでもありません。すでに何度も話していますが、このように合宿先でのトレーニングコース(長い距離を走れる)を確保できるか否かは、強化合宿を実施する上で、最も重要な合宿条件のひとつになります。
冒頭に記載したとおり、北海道北見市(日本)の夏は年々過酷になってきておりますが、我々が北見市の皆様から頂いているご支援はそれ以上なのです。もはや、日本全国どこへ行っても猛暑を避けることは難しくなってきております。また、今のところパラリンピックが暑い環境下で開催されることも変わりません。
したがって、今後も北海道北見市を夏の強化拠点のひとつとして、パラリンピックでのメダル獲得を目標に走り込んでいくことも、変わることはないでしょう……。そして、来月(8月)は、今年2回目の北見強化合宿を実施します。
あらためて、よろしくお願いします!
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2025春を走る・6
- 2025-04-12 (土)
- 5.ブラインドマラソン(合宿)

【2025春を走る・6】2025年度最初の強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園において実施しました。故障選手以外の強化指定選手はほぼ揃い、新年度に相応しい強化合宿となりました。もちろん、今年度も千葉県富津市においては、富津公園に隣接している「ナカヤマイン様」を強化拠点として活動していきます。
さて、マラソン・長距離だけでなく、どのスポーツも強化をしていく上で欠かすことのできないのが、合宿拠点となる宿泊先です。その昔、私が現役時代は合宿の宿泊先を見つけて予約することは、特に苦労することはなかったと記憶しております(そもそも困った記憶がない)。
ところが、ここ最近はインバウンドなどの影響により、全国どこの宿泊先も予約することが極端に難しくなってきました(宿泊料金の高騰も)。同時に、長年お世話になってきた宿泊先の関係者が高齢化などを理由に、旅館そのものをやめてしまうケースも散見するようになってきました(逆にスポーツ選手を相手にした旅館などをはじめようとする若い人もほとんどいない)。
結果、強化合宿の拠点となる宿泊先の予約合戦は過熱を極め、新しい場所での合宿を計画しても、陸上競技場やロードコースなどの関係施設と言うよりも、宿泊先を確保できない事態が増えてきていると感じます。幸い、我々のブラインドマラソン強化合宿については、来年3月までの予約は全て完了しております(全国の各強化拠点において)。本当に感謝です。
また、新年度は、大学や実業団チームなどにおいても、必ず選手の入れ替えがあるのが一般的です。ところが、我々のブラインドマラソンをはじめパラ競技の多くは、選手の入れ替えはほとんど発生しません(種目によっては競技人口が激減している)。と言うか、諸事情により引退していく選手は定期的にいるので、この先も選手の数が減少していくリスクは高いと言っても過言ではないでしょう。
したがって、各競技内での競争原理はもちろん、選手の高齢化がどんどん進み、全てにおいてマンネリ化に陥り易い状況とも言えます。そして、我々のブラインドマラソンはその最たるもので、高齢化の最先端を走っているのは間違いないでしょう。
では、なぜ強化活動を継続できているのでしょうか。その根拠はなんでしょうか。もちろん、パラリンピック種目であることなど、強化活動を継続していける諸条件をクリアしているからですが、それだけでは高齢化の進んだ選手たちの走力はもちろん、モチベーションを維持・向上させることはできません。
実は、日本国内における一般ランナーたちの記録を年齢別にランキングしたデータがあります。その中において、男子は「2時間30分以内の記録」を達成しているのはちょうど50歳前後まで。女子で「サブスリーの記録」を達成しているのはちょうど60歳前後まで。さらに、女子は何と言っても65歳の弓削田氏が3時間を切る勢い(3時間1分)をキープしたまま元気にバリバリ走っています。
要は、我々のブラインドマラソン選手たちよりもさらに年上で、さらに速い一般ランナーたちが国内には多数おり、ブラインドマラソン選手たちが上記したその記録に到達できれば、パラリンピックでもメダル争いに絡めるのです。特に、女子は65歳の弓削田氏のような記録を残していければ、少なくとも同じ65歳までは十分に世界と戦うことができるのです(実は、国内には我々のお手本となる一般ランナーが多数存在している)。
そして何と、その弓削田氏は、日本ブラインドマラソン協会の強化スタッフの一員として、今年度から正式にお力添えを頂けることになりました。実はすでに、昨年から非公式で我々の強化指定選手たちはアドバイスを頂いており、2月の別大マラソンにおいては、その成果として男女とも自己新記録ラッシュに結びついたのです(特に女子選手)。
65歳以上の女性ランナーの中では世界で一番速くて元気。また、自己にも厳しい弓削田氏の存在やその言葉は選手たちはもちろん、スタッフにとっても重たい。さらに、高齢化の荒波を吹き飛ばす頼もしい存在として、その背中を追いながら一緒にロスパラリンピックまで突っ走りたい……。
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2025春を走る・4
- 2025-03-28 (金)
- 5.ブラインドマラソン(合宿)

【2025春を走る・4】2024年度も終わり、間もなく新年度がスタートします。今年度は何と言っても「パリパラリンピック」が開催されました。そして、皆様方のご支援のおかげでメダルを獲得することができました。あらためて、厚く御礼申し上げます。
さて、今年度最後の強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園で実施しましたが、今年度も通算で100日以上の合宿を継続することができました。また、年間を通じて強化合宿を100日以上も実施しているパラ関係の競技団体は、他にはないかもしれません……。
果たして、費用対効果と言う視点で振り返ったとき、年間を通じて100日以上の合宿が必要か否かの判断は、実はとても難しい。一方、視覚障がいランナーがそれぞれの地元において、長期展望に立った戦略のもと、計画的かつ効果的なトレーニングを日々積み重ねていくことができるか否かの判断は、実はもっと難しく、不確実性が高いとも言えます。
その主な理由としては、日々のトレーニングに不可欠な伴走者(ガイドランナー)を確実に確保していけるか否かはもちろん、世の中は目での確認が不可欠な情報が氾濫しているからです。そのため、視覚障がいは「情報障がい」とも言われており、健常者が目から得ている情報がほぼ遮断されていることで、多くの情報などをリアルタイムで取得することが難しいのです(弱視ランナーもほぼ同じ)。
特に、マラソンなどのスポーツには必ず動きなどの動作が伴います。例として、ランニングフォームについて学ぶとき、一般ランナーはお手本となるランナーのフォームを見て、それを真似ることからスタートします。ところが、視覚障がいランナーはそれが難しく、良いフォームの特徴を耳で聞いて、それを頭で解釈しながら実践することになりますが、そのことがどれだけ難しいことかは想像に難くありません(ほぼ不可能)。
また、一般ランナーは、マラソンや駅伝観戦を通じて、トップランナーがどんな体型(体が絞れている)をしていて、どんなスピードで走っているのかを、直接目で確認することができます。その結果、どれほどの努力(走り込み)をしないと、その域に到達しないかをリアルに感じることが可能です(他者との比較)。ところが、視覚障がいランナーの場合、特に動きを伴うマラソンなどに関しては、この「他者との比較」が難しいことが、実は大きなハンディにもなっているのです。
以上、長くなりましたが、上記してきた実例などからも、視覚障がいランナーが専門的なマラソントレーニングの理論や実践を取得すること。さらに、パラリンピックを目指す上での必須情報などは、直接対面しないと正確に受け取ること(理解すること)が極めて難しいことは今も昔も変わらないのです。したがって、強化合宿(皆で集まる)を通じて繰り返しそれらを実践していくことが、実は最も効果的で効率的な手段のひとつと考えるのです。
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2024秋を走る・11
- 2024-11-21 (木)
- 5.ブラインドマラソン(合宿)

【2024秋を走る・11】先日の16日土曜日から4泊5日で、強化合宿を実施しました。場所はいつもの千葉県富津市富津公園で、今回の強化合宿は2週間後に迫った防府読売マラソンに向け、調子を引き上げることが主な目的でした(量を落として質を上げる)。
そんな中、合宿中は気温が一気に下がり、冬のような寒さになりました。こうなると、調子を引き上げること以上に体調管理が重視されます。具体的には風邪をひかないことです。すでに何度も話していますが、脚の違和感は何とかごまかせますが、風邪をひいたら走れません(発熱や咳など)。
かくいう私も現役時代、風邪で失敗した経験は何度かあります。特に、駅伝においては、区間最下位の大ブレーキをした経験もあります。また、好調なときほど、風邪をひきやすくなると昔から言いますが、全くそのとおりだと思います(詳細は割愛)。今週末の日曜日も各地でマラソン大会が目白押しなので、出場される皆様は最後まで風邪に注意して下さい。
さて、今回の合宿に参加した選手たちは予定どおりの内容を消化することができました。あとは上記したとおり、風邪に注意しながら体調を引き上げていくだけです。ところが、長く選手強化に携わっていると、大会まで積み上げてきたトレーニングと、大会で走った記録や成績が大きく乖離してしまう選手がいます。
つまり、好調だと思っていた選手が力を発揮できなかったり、逆に不調だった選手が、ある意味神がかった好走をしたりと……。
もちろん、単なるメンタル面の問題なのかを簡単に判断することは難しいですが、スタートするとまるで別人のような走りをしてしまう選手を見受けるのは確かです。しかし、良し悪しにしろ、走った結果を正確に受け止め、正しい振り返りができれば問題ありません。要は、悪かった場合は修正し、良かった場合は次回も再現することができるか否かです。
今回の合宿中、同じ富津公園内で福岡国際マラソン2024の招待選手を数名見かけました。同大会は我々が出場する防府読売マラソンと同じ日に開催されるので、内容は別にしても量を落として質を上げたトレーニングをしていました。
しかし、彼らの実力を持ってしても、狙った大会で常に同じような安定したパフォーマンスを維持することは難しい。そう考えると、安定したパフォーマンスに最も必要な要素は何なのか……。
例年同様、今シーズンも楽しみであり、その難解の攻略方法を探していくシーズンがはじまります。
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2024夏を走る・4
- 2024-06-21 (金)
- 5.ブラインドマラソン(合宿)

【2024夏を走る・4】長野県上田市の菅平高原において実施していた強化合宿は終了し、計画どおりに距離走を2回実施。しかし、2回目の距離走はあいにくの雨模様となりました。
一般的には、6月に入ると気温も高くなってくるので、逆に雨の中は走り易いと感じます。ところが、菅平高原のように標高が高い場所では、天候が悪化すると平地以上に気温が下がります。つまり、冬の冷雨に近い状況になることがあります。
今回、2回目の距離走はまさにそんなコンディションとなり、スタート前に懸念していた低体温症に陥る選手もいました。実は、平地の暑さを避け、涼しい高原でしっかりと走り込むことが目的なのに、涼しくなり過ぎて逆に走れなくなることもあるのです。
そして、7月の強化合宿は北海道北見市で実施しますが、やはり同じようなことが過去にありました……。
今や北海道と言っても温暖化の影響でしょうか、日中の気温が30度を超える日は普通です。それどころか、北海道北見市での合宿中に気温が38度に達したこともあり、もはや国内の夏はどこでも平等に暑い。
ところが、天候が崩れて雨になると、気温が極端に下がるときがあります。数年前の北海道北見市での強化合宿中(8月)、天候が雨で気温も10度前後だったことがありました。そして、その日の練習がたまたま距離走。案の定、低体温症に陥る選手がいました。
このように、一般的に涼しいと言われている場所ほど、逆に寒暖の差が激しくなってきているのかもしれません。つまり、体調管理がこれまで以上に難しくなってきているとも言えます。
さて、2021年9月5日に開催された東京パラマラソン当日の天候は雨でした。我々は気温が30度をはるかに超える中での勝負を想定し、暑熱対策に重点を置いて強化してきました。ところが、当日の天候は雨。そして、気温はたったの20度でした……。
今年の9月8日に開催予定のパリパラマラソン当日の天候は誰にもわかりません。もちろん、暑い中での勝負を想定しながら強化していきますが……。真夏の走り込み中に経験した低体温症も決して無駄にならないほど、先の読めない異常気象なのかもしれません……。
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2024夏を走る・3
- 2024-06-15 (土)
- 5.ブラインドマラソン(合宿)

【2024夏を走る・3】今月2回目の菅平合宿(長野県上田市)のため、昨日から現地入りしました。また、今回も実業団チームが各地からここ菅平高原に上がってきており、同地で唯一の陸上競技場においては、チームの垣根をこえたトップ選手同士が切磋琢磨していました。
さて、我々は今回も5泊6日の日程ですが、その間に「42k走」を2本走る計画で、前回の菅平合宿とほぼ同じ内容を繰り返す予定です。そして、最終目標のパリパラマラソンは9月8日なので、そこに調子のピークが合うように調整していきますが、今月はそこに向けた強化合宿の1丁目1番地にあたります。
いわゆるマラソントレーニングで言うところの「脚つくり(土台つくり)」に相当するところです。したがって、じっくりと長い距離を走るトレーニングがメインとなります。また、菅平高原は標高が千メートル以上あるので、平地のような速いスピードで走らなくても心肺には、それなりの負荷もかかります。
しかし、変化の少ない楽なロードコースを走り込んでも強化の目的を達成できないので、42k走は全て起伏の激しいコースで実施します。このコースは2016年リオパラ、2021年東京パラに向けた走り込みでも使用してきたコースなので、パラマラソンのメダル獲得に向けた我々のノウハウがつまっています。
具体的には、片道2kの山岳道路を往復するコースです(1往復で4k)。つまり、40k走の場合は10往復になります。しかし、パリパラマラソンに向けた今月からの強化合宿で、このコースを約10年振りにリニューアルしました。と言っても場所を変更した訳ではありません。折り返し地点(2k)を500m先にのばし、1往復を5kにしただけです。
同コースは、折り返しにしていた2k地点から先はさらに急な下り坂です。そして、その下り切った地点までを計測すると、ちょうど500m。つまり、折り返し地点を500m先にずらすことによって「500mの下り坂と500mの上り坂」をあらたに追加することができます。
実は、パリパラマラソンコースを視察したあと、菅平高原の山岳コースでは物足りないと考えていたので、まさに「灯台下暗し」「目からウロコ」。と言っても走るのは選手たちであり、いたずらにコースを厳しくしていっても、ケガや故障をしては元も子もありません。この点は、どこで合宿を実施しようが、共通の最重要課題になります。まさにマラソントレーニングのコース選定は「命」です。
幸い、今月最初の菅平合宿で実施した同コースでの距離走は、特に大きなトラブルもなく終えることができたので……。もちろん、トラブルの意味はひとつではなく、走ったあとの体へのダメージや設定タイム(強度)が適切だったか否かなど、判断するのは簡単そうにみえますが、確認するポイントは多岐にわたります。
引き続き、緊張感を持ってパリパラマラソンの強化を継続していく所存です。
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