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6.ブラインドマラソン(大会) Archive
2026秋を走る・1
- 2026-09-03 (木)
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【2026秋を走る・1】北海道マラソンが開催されました。今年も「視覚障がい者の部」を設置頂き、ブラインドマラソン強化指定選手たちも無事に走り切ることができました。まずは、大会関係者の皆様に御礼申し上げます。
今年の同大会は気温が25度に届くことなく、夏マラソンとは思えないほどの涼しいコンディションとなりました。そのため、一般の男女マラソンともハイレベルなレースが展開され、上位3名ずつがMGCの切符を手にしていました。もちろん、素晴らしいタイムでした。
一方、ブラインドマラソン強化指定選手たちも同様に、個々の目標タイムをクリアした選手が多かったです。中でも、男子の部では熊谷選手が、「2時間27分57秒(グロス)」の大会新で2連覇。また、若手の大石選手が自己記録にあと20数秒に迫る「2時間36分23秒(グロス)」のセカンド記録で3位と、夏合宿の成果を見せてくれました。
また、そのレース内容(5k毎のラップ)も理想的でした。特に、夏マラソンの攻略方法のひとつとして、「ネガティブスプリットに徹する」があります。具体的には、残り5kからもう一度ペースアップできるか否かが、夏マラソンの攻略ポイントになります。
もちろん、冬マラソンなら中間点をハイペースで通過し、後半はペースダウンしながらも粘り倒すことは可能です。ところが、夏マラソンの場合、一度ペースダウンすると、それを最小限に食い止めながらゴールまで粘ることは相当難しい。少なくとも私が見聞してきた夏マラソンの経験(パラリンピックなど)に当てはめてみてもそうだといえます。
今回、男子優勝の熊谷選手と女子優勝の藤井選手は、35k以降からビルドアップしており、理想的な夏マラソンのレース展開を体現できていました。また、その視点で振り返ると、一般女子優勝の新谷選手も35k以降から最速ラップを叩き出すなど、理想的な走りをしていました。一般男子は集団のまま終盤でけん制し合う場面もありましたが、40kからのスパート合戦は見応えがありました。
あらためて、今回の北海道マラソンはコンディションが良かったといいながらも、ブラインドマラソン強化指定選手たちは夏合宿の成果を見せてくれました。9月からは12月のマラソンを目標に、逆に前半からある程度攻めていけるようなスタミナとスピードを再構築していきます。
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2026夏を走る・3
- 2026-06-18 (木)
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【2026夏を走る・3】先日の13日土曜日から14日日曜日の日程で、石川県金沢市において開催された「日本パラ陸上競技選手権大会」は無事に終わりました。まずは、大会関係者の皆様、出場された選手の皆様、ありがとうございました。
そして、最も懸念していた大会当日の天候でしたが、長距離種目にとっては最悪なコンディションの「晴(高温多湿)」となってしまいました。もちろん、このような表現をすると語弊がありますが、長距離・マラソン選手にとって、最大の敵は「暑さ」なので、ご理解いただければと思います……。
さて、ちょうどひと月前の5月、愛知県名古屋市で開催された「ジャパンパラ陸上競技大会」においても、前述した「暑さ」に記録を阻まれました。しかし、大会後はそのまま現地に残り、強化合宿にシフトして走り込みを実施しました(スピード重視)。
また、日本パラ陸上競技選手権大会の1週間前は、千葉県富津市において強化合宿を実施し、同大会に挑みました……。
結果は男女とも上位選手が、自己新記録や今シーズン最高記録を達成するなど、一定の成果を残すことはできました。もちろん、課題の残る選手もいましたが、4月以降の気温が高くなっていくこの時期、「スピード強化」へと移行していく流れを見直すことができた点は、コーチとしても収穫がありました。
至極当然のことですが、長距離・マラソンの指導者には様々な考え方を持った方がいます。とにかくスピードを重視していく考えの方。逆に、走り込みを重視していく考えの方。もちろん、どちらか一方に偏らない指導が求められますが、そう簡単にはいかない傾向にあるようです。
そこには、各指導者の経験(ノウハウ)や成功体験が深く関与しているからでしょうか。かくいう私は、「走り込みを重視していく考えの方」に近いと自覚しております。したがって、トラックよりもマラソンの方が……。
この後は、長野県上田市菅平高原において、もう一度スピード重視の走り込みを実施し、7月上旬に北海道網走市と北見市で開催予定の「ホクレンディスタンス」に挑みます。もちろん、マラソンにとってもスピード強化は最重要課題のひとつなので、しっかりと取り組んでいきます。
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2026春を走る・12
- 2026-05-21 (木)
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【2026春を走る・12】先日の5月16日土曜日から2日間の日程で「2026ジャパンパラ陸上競技大会」が、アジアパラ競技大会の会場となる名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)で開催されました。
両日とも夏日となる厳しい暑さの中、熱い戦いが繰り広げられました。まずは、出場された選手の皆様、大会関係の皆様、ありがとうございました。
同大会には、ブラインドマラソン協会の強化指定選手たちも多数参戦しましたが、気温が30度を超えるなど、厳しいコンディションに記録を阻まれる結果となりました。また、ひと月前にマラソン(この日も夏日だった)を走っている影響もありましたが、反省する点の多い内容でした……。
さて、今大会に参戦した当協会の強化指定選手たちは、いわゆる企業に所属している実業団選手(陸上競技が仕事)です。かつては、パラ競技者が一般の実業団選手のような環境で競技を続けられることなど、ほとんどあり得ませんでした。
しかし、パラ競技者に対しても分け隔てなく、チャンス(環境など)が与えられるように社会の認識が変わってきました。また、会社関係の方々が競技場のスタンドから熱心に応援する姿も大会ごとに増えています。本当にありがたいことです。
一方、残念ながら今の環境が当たり前だと考えている節のある選手が増えているのも確かです。かつての選手強化は、オリンピックとパラリンピックは全く別物との考え方が一般的でした。ところが、今は「オリパラ」といわれるように、選手強化の考え方や国の強化方針は、ほとんど同じです。
つまり、パラ競技者にとっては、良い環境や条件を与えられることが普通になった反面、オリンピックを目指している選手たちと同じ結果・成果(努力・責任)を求められている点があることを……。
もちろん、選手をサポートしている我々スタッフもこれらの点を肝に銘じ、ロスパラを目指していきます。
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2026春を走る・8
- 2026-04-23 (木)
- 6.ブラインドマラソン(大会)

【2026春を走る・8】4月19日日曜日は、「かすみがうらマラソン大会」が開催されました。同大会は今年で36回目を迎え、全国的にも人気のある大会として定着しています。また、1995年の第5回大会からは「国際ブラインドマラソンの部」を設置頂き、こちらも今年で32回を数えております。
同部門の設置翌年、1996アトランタパラリンピックにおいて、全盲クラスの柳川選手が日本人初の金メダルを獲得。それから現在に至るまで、日本のブラインドマラソンは、パラリンピックなど世界の舞台で数々のメダルを獲得してきました。そして、「ブラインドマラソンは日本のお家芸」と言えるまでに成長しました。
このように、ブラインドマラソンの発展をけん引してきた原点は、この「かすみがうらマラソン大会」とも言えるでしょう。あらためて、大会関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。
さて、そんな歴史を重ねてきた同大会ですが、今年は暑さがランナーたちを苦しめました。当日の天気は予報通りの晴れ。気温は、手元の温度計で28度を超えるなど、過酷なコンディションとなりました。
また、この時期は多くのランナーにとって、暑さに慣れていないこともあり、最初から厳しいレースが予想されました……。そして、いつものようにゴール地点で待っていると、脚にけいれんを起こしてゴールしてくるランナーたちの姿が……。
また、今大会のように厳しいコンディションになればなるほど、過去の経験や、その経験に裏打ちされた判断力などが活かされるので、それが成績(特に順位)に直結し易くなります。案の定、ブラインドマラソンの男子優勝は和田選手。女子優勝は藤井選手。どちらも大ベテランの選手でした。
そして、少なくともロスパラリンピックは、酷暑の中でマラソンを走ることは決定しています。つまり、暑さ対策を避けて通ることはできません。と、言いながら年間を通じて暑い場所を転々としながらトレーニングを継続することはできません。身体が壊れてしまいます。
その矛盾とのはざまでロスパラリンピックを目指していくことになります。そして、その対策につながるヒントのひとつは、暑さに慣れていないこの時期の走りです。つまり、暑熱純化ができていないこの時期のマラソンは、それぞれの選手が持っている暑さに対する耐力をある程度正確に把握することができるとも言えます(安田の経験上)。
厳しい暑さとなった今大会の貴重な経験を、これからの夏マラソンに活かしていきます。
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2026冬を走る・5
- 2026-02-05 (木)
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【2026冬を走る・5】今年も別府大分毎日マラソン大会ありがとうございました。ブラインドマラソン協会の強化指定選手たちも無事に出走することができました。その記録や成績については、個々によって相違はありますが、まずはご尽力頂いた大会関係の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、ブラインドマラソンはルール上、視覚障がい選手を誘導するガイドランナー(伴走者)を有することができます(詳細は割愛)。そして、そのルールは日本陸連でも公認されているので、一般のマラソン大会も同じように出場することが可能になります。
したがって、視覚障がい選手も一般ランナーとガチンコで勝負することができ、障がいの有無に関係なく、記録の評価や価値観は全く同じになります。つまり、視覚障がい選手が「2時間4分54秒」の日本新記録でゴールしたなら、ロスパラリンピックだけでなく、ロス五輪の有力候補にもなります。
まさに、マラソンは本当の意味で、インクルーシブスポーツとも言えます。
今回の別府大分毎日マラソン大会に出場した視覚障がい選手の中で最も速かった選手は、T11クラス(全盲クラス)の和田伸也選手でした。その記録は「2時間24分58秒」。総合順位は46位でしたが、いわゆるエリートランナーの入口にもなる「2時間20分」を境に見ると、2時間20分以降においては9位でした。
参考までに昨年の同大会の結果を振り返ると、最も速かった視覚障がい選手は、T12クラス(弱視)の熊谷豊選手で、その記録は「2時間23分51秒」。総合順位は38位で、2時間20分以降の選手においては10位。
あくまでも参考程度の目安ですが、視覚障がいのトップ選手たちは市民ランナーの中でも、トップクラスのレベルに到達しているとも言えるでしょう……。これからの目標(課題)は、エリートランナーの入口とも呼ばれる記録(2時間20分)を、誰が最初に突破するかです。
現在、T12クラス(弱視)の堀越信司選手が2時間21分台。同クラスの熊谷選手とT11クラス(全盲)の和田選手が2時間23分台で、この3選手がその壁に最も近い選手たちになります。
一方、現実は視覚障がい者でマラソン(中長距離も)を志す若手選手は激減しており、このままだとブラインドマラソンが本当に消滅してしまう危機感は常にあります。しかし、全国ネットでテレビ中継されるような国内屈指の一般大会に堂々と挑戦(参加)できるパラ競技は、マラソン以外ではほとんど見当たらないのも確かです。
新人の登竜門と言われてきた伝統ある別府大分毎日マラソン大会ですが、同大会に挑戦する視覚障がい選手がどんどん現れてくれることを、切に願っております。
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2026冬を走る・2
- 2026-01-16 (金)
- 6.ブラインドマラソン(大会)

【2026冬を走る・2】今年最初の強化合宿は無事に終了しました。この後は、2月1日に開催予定の別府大分毎日マラソン大会に向け、個々の最終調整に入ります。すでに何度も記載してきましたが、調整の基本は「迷ったら休養」です。同大会に出場するすべてのランナーが、目標どおりの調整ができることを祈念いたします。
さて、その別府大分毎日マラソン大会ですが、今年も青山学院大学の学生選手たちを中心に豪華なメンバーがそろったようです。特に、先日の箱根駅伝5区で驚異の快走をみせた黒田選手もエントリーしているのは注目です。もちろん、マラソンファンのひとりとしては、とても楽しみな大会になりました。
一方、パラを目指すブラインド選手たちも出場しますが、公式(IPC公認大会として)に同大会を走れるようになったのは、2016年(第65回)大会からです。しかし、2021年はコロナのため開催中止だったので、今年の大会で10回目の出場となります。
毎年ご尽力いただいている大会関係の皆様に厚く御礼申し上げます。
また、上記したように、近年は青山学院大学を中心に学生選手の参加が増えています。あらためて、ブラインド選手たちが公式参加した2016年(第65回)大会以降、20位以内に入った学生選手を、HPに掲載してあるリザルトで確認してみました。
2016年(第65回)大会は、金森選手(拓殖大学)が唯一の13位。しかし、2019年(第68回)大会までは、学生選手の20位以内はいませんでした……。ところが、翌年の2020年(第69回)大会では、青山学院大学の吉田選手が、2時間8分30秒の好記録で3位入賞。そして、2022年(第70回)大会以降は、青山学院大学をはじめとする学生選手たちがコンスタントに出場し、毎回20位以内に入っています。
次に、別府大分毎日マラソン大会の長い歴史において、世界記録を達成した回数を確認しましたが、一度だけでした……。その唯一の選手は、1963年(第12回)大会で優勝した寺澤徹(倉レ)選手です。タイムは、2時間15分15秒8で、アベベ(エチオピア)選手の記録を「0.4秒(※)」上回る当時の世界記録。※当時のマラソン記録は0.1秒単位までだった。
同様に、2016年(第65回)大会から公式参加となった、ブラインド選手についても確認したところ、世界記録更新は3回ありました。1回目は、2020年(第69回)大会で、女子T12クラスの道下選手が、2時間54分22秒の世界記録を達成。2回目は、2022年(70回)大会で、男子T11クラスの和田選手が2時間26分17秒。続く3回目は、2024年(第72回)大会で同じく和田選手が2時間23分27秒と、自身が持っている世界記録を大幅に更新。
果たして今年は、どんな記録とドラマが待っているのでしょうか……。
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2025冬を走る・4
- 2025-12-25 (木)
- 6.ブラインドマラソン(大会)

【2025冬を走る・4】12月20日、日本体育大学健志台陸上競技場において、日本体育大学女子長距離記録会(男子5000mも一組ある)が開催されました。また、同記録会はWPA公認大会の手続きをすることで、日本ブラインドマラソン協会の強化指定選手も参加できる貴重なWPA公認大会のひとつにもなっております。
また、同記録会は日本体育大学陸上部の学生諸君が管理・運営(審判など)を全て担っており、好記録が続出する記録会としても定着しています。
一方、WPA公認大会としての条件に「ドーピング検査の実施」があります。しかし、そのためのハードルは意外と高く、検査専用部屋の準備や専用器材の管理、隔離された検査用トイレの確保など、クリアしなくてはいけない条件は多岐にわたります(WPA公認を得ることは簡単ではない)。
それらの厳しい条件を全てクリアするための全面的なご協力を、今年も日本体育大学陸上部の皆様から頂くことができました。本当にありがたいことです。あらためて、御礼申し上げます。
そんな中、男子ブラインド選手は、今年の上位選手がほぼ出場しました。特に、T11クラスの唐澤選手とT12クラスの堀越選手は今季自己最高記録をマーク。唐澤選手の記録は、今季世界ランキング1位に輝く好記録でした。
また、同記録会は、日程上の関係から防府読売マラソンから2週間後に開催されます(毎年同じ)。したがって、同マラソンを走ったばかりの選手も出場しました。ところが、マラソンを走った2週間後にトラック記録会を走る一般の実業団選手は、ほとんどいません。
もちろん、レースに出場するための絶対的なトレーニング理論や絶対的な調整方法などは存在しません。その多くは、先人たちが残してきた経験や実績を後追いで理論化し、正当化していったトレーニング方法が、現場のノウハウとして広く浸透したものだと考えております(安田の主観)。
かつて、川内優輝選手が週末ごとにマラソンレースを走っていくトレーニング方法で、それまでの常識を覆す「現状打破」を実践し、多くの記録と実績を積み上げていきました。我々も常識という呪縛に取りつかれない発想を大切にし、来年もたんたんとロスパラを目指していきます。
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2025冬を走る・2
- 2025-12-09 (火)
- 6.ブラインドマラソン(大会)

【2025冬を走る・2】今年の防府読売マラソン大会は、男子の大会新記録が出るなど、記録ラッシュの大会となりました。おかげさまで、ブラインドマラソンの部(IPC登録)においても、3選手が自己新記録を達成しました。
まずは、大会開催にご尽力頂いた関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、今大会の中で、パラリンピック知的障がいクラスの高山選手が、そのクラスの世界新記録を達成しました。高山選手は山口県の選手で、この防府読売マラソン大会は、毎年のように出場しています。そして、地元で開催される同大会での世界記録達成は悲願だったことでしょう……。
そんな高山選手は、トラックよりもロード。そして、ハーフよりもマラソンと、距離が長くなるほど、強さを発揮している選手です。ところが、パラリンピック種目を確認すると、知的障がい選手は、男女ともトラックの1500mまでしかなく、長距離・マラソンは実施種目から外れています。
同様に、東京で開催されたデフリンピックに出場した聴覚障がい選手たちもパラリンピックに出場することはできません(聴覚障がいはパラリンピックから外れている)。このように、パラリンピック出場を目指す上で最も重要なことは、自分の専門種目がパラリンピックで実施される種目に該当するか否かの確認こそが、何よりも優先されます。
例えば、視覚障がいクラスの中長距離種目においても、トラックの男子5000mは実施種目ですが、女子5000mは実施されません(1500mとマラソン)。同様に、2024パリパラで実施された種目でも、2028ロスパラから外されることになった種目もあります……。
あらためて、ひと昔前と違い、パラスポーツも大きな注目をされるようになりました。これにより選手たちのモチベーションも大きくなったのは間違いありません。本当にありがたいことです。
一方、上記したように「自分たちの種目がパラリンピックから外されるかもしれない?」と、選手たちはもちろん、パラ強化活動に携わっている関係者も常に戦々恐々としているのも、また事実なのです(外されれば全てリセットされます)。
と言いながら、パラ強化活動を継続していくためには自己記録を更新していくことが、最重要な点は今後も不動です。今大会において、高山選手が見せた「世界記録更新を狙った攻めの走り」を、ブラインド選手たちも見習わなくてはいけない……。
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2025夏を走る・7
- 2025-07-18 (金)
- 6.ブラインドマラソン(大会)

【2025夏を走る・7】今週は毎年恒例の北海道北見市において強化合宿を実施しております。また、この合宿期間中に日本陸連が主催するホクレン・ディスタンスチャレンジ2025大会が開催されており、同大会の北見大会(第4戦)と網走大会(第5戦)に、「視覚障がい5000m」を実施頂いております(これも毎年恒例)。
まずは、毎年ご尽力頂いている北見市並びに大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、今シーズンの前半は、特にスピード強化に重点を置いて取り組んできました。その総決算として上記した北見大会と網走大会の5000mをターゲットにしてきました。ところが、大会直前にパリパラリンピックにマラソンで出場した主力選手たちが次々と体調不良に陥るなどして離脱……。
そんな状況に陥りましたが、北見大会に出場した選手は3名(男子1、女子2)。幸い、強化指定選手の中においては、男女とも期待の若手選手は含まれています。特に、今シーズン自己記録を連発してきた男子若手の大石選手に期待していました。
視覚障がい5000mのスタート時間は、「18時00分(男女ミックスレース)」。天候は曇り、気温も28度と、この時期にしてはまずまずのコンディションと思われましたが……。そして、レースは我々の強化スタッフでもある中田氏が、ペースメーカーとして大石選手を先導しました。
ところが、1000mあたりから早くも発汗量が多くなり、2000mを通過するとかなり苦しい状況に……。そして、3000m以降は更に苦しい状況に陥りましたが、何とか粘り倒してゴール……。コンディション的には、「気温の割には曇っていたのでまずますかな」と思っていましたが、湿度が意外と高く、その影響があったようです(その後実施された一般男女5000mも苦戦していた)。
あらためて、今回の北見大会は、期待していた男女若手選手が自己記録を達成することはできませんでした……。そんな中、今年61歳になる藤井選手が快走しました。そんな書き方をすると、まるで期待していなかったように感じますが、今回もその快走に驚いたのは事実です。
藤井選手は、東京パラの視覚障がいマラソン女子で5位入賞を達成した実績のある大ベテラン選手です。しかし、同選手はいつもレース前は消極的で、「今回はあかん(関西人です)」を連発するのが口癖です。もちろん、今大会前もそうでした。
ところが、藤井選手はレース後半になると無類の強さを発揮します。具体的には、どんなコンディション下のレースにおいても、後半はビルドアップしてゴールします。つまり、苦しい状況に追い込まれるほど、強気な性格に豹変していく「生まれながらのファイター」なのです。今回も3000mから怒涛の追い上げを見せ、見事なセカンド記録を達成!
一方、我々の次世代選手に欠けている大切な部分でもあるこの「ファイター精神」。苦しさを伴う長距離・マラソン競技だからこそ、その精神が必須であり、藤井選手から学び取ってほしいところなのです。
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2025春を走る・13
- 2025-05-30 (金)
- 6.ブラインドマラソン(大会)

【2025春を走る・13】先日の東日本実業団陸上競技選手権大会において、視覚障がい男女の1500mと5000mも実施頂きました。ご存知のとおり、出場した選手の数は男女とも5名以下と少数でした。しかし、この人数は、当初からほぼ変わっていません。
また、出場している選手たちの顔ぶれも大きく変わっていないのが現状です。そんな中、貴重な若手男子選手のひとりである大石選手が、1500mと5000mの両種目で自己新記録を達成したことは、とても大きな収穫でした。
さて、語弊のある言い方になりますが、一般の陸上競技においては、素質(実績)のある選手を見出し、その選手を自分のチームにスカウトできるかが、チーム力向上のポイントになっています。特に、駅伝などについては、いかにして素質(実績)のある選手を勧誘できるか否か。つまり、スカウティングの長けているチームが、上位を独占していると言っても過言ではないでしょう。
また、素質(実績)のある選手の多くは、今の記録や成績を達成するためにたどってきた経験から、強くなっていくための練習方法(ノウハウ)をそれぞれが持っています。そして、素質(実績)のある選手たちを同じチームで切磋琢磨させていくと、相乗効果で記録をのばせる確率が飛躍的に高まります。
そうなっていくと、チーム躍進には指導力と言うよりも、切磋琢磨できる環境をいかに提供していけるか否かの方がより重要になってくると思われます。もはや、現場での指導力と言うよりも、スカウティングも含めたマネジメント力が勝敗を左右する時代に突入しているのかもしれません。
一方、視覚障がい長距離・マラソンを含めたパラ陸上競技については、競技人口そのもが極端に少ない。と言うよりも「ほぼいない(知的障がいを除く)」と言った方が正しいでしょうか。したがって、陸上競技を経験したことのない人にも声をかけ、仲間に引き込んでいく活動も不可欠になります(上記した大石選手も数年前まではサッカー選手)。
あらためて、我々は一般の強豪チームから強化のノウハウを学んでいかなくてはいけません。同時に、競技を取り巻く環境などの違いが大き過ぎる現状から目をそらすわけにもいきません(現実逃避はダメ)。要は、身の丈に合わせた強化方法を確実に継続していくことがベースにあり、何事も机上の空論に陥らないようにしていくことも重要なのです。
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