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9.箱根駅伝 Archive
2026冬を走る・3
- 2026-01-21 (水)
- 9.箱根駅伝

【2026冬を走る・3】全国都道府県対抗男子駅伝大会が終わり、全国規模の駅伝大会もひと段落でしょうか。引き続き、ロードレースシーズンは続きますが、ここまで駅伝を主戦場に快走してきた選手たちが、ようやくマラソン大会に登場してくるのもこれからになります。
前回、このブログでも取り上げた別府大分毎日マラソン大会にも注目選手が多数エントリーしています。特に、「青山学院大学の選手たちへの注目はかつてないほど」と、言っても良いでしょう。
さて、目標のマラソン大会から概ね4週間から2週間前あたりまでの間に、ハーフマラソン(20k前後の距離)などで快走している選手は、そのままの勢いでマラソンを走れる傾向にあると感じます。特に、初マラソンに挑戦する選手については……。
実際、ここ数年は箱根駅伝で快走した学生選手がそのまま初マラソンに挑み、好記録を達成する流れは定着しています。その理由や考察などは割愛しますが、20k前後の距離(ハーフや駅伝)を自己ベストで快走したあと、2週間から4週間程度の調整をはさむと、マラソンで快走できる確率は高くなるようです。
ただし、これが逆になると、そう簡単にはいかないのも確かなようです。具体例としては、12月上旬に開催される福岡国際マラソンに出場し、正月の駅伝を走る流れなどです。これについは近年、実業団選手の中に、この流れで元日のニューイヤー駅伝に挑む選手が見受けられます。
ところが、学生選手で、この流れで箱根駅伝に挑む選手は皆無と言って良いでしょう。やはり、マラソンを走ったあと、駅伝のようなスピードも出せるような状態に調整するのは難しいのでしょうか。
しかし、過去にこの難易度の高い流れで箱根駅伝を走り、マラソンで世界のトップに挑んでいた学生選手がいました。それは、瀬古利彦氏です。今では、箱根駅伝の解説でもおなじみですが、当時は福岡国際マラソンで優勝し、そのまま箱根駅伝の2区で驚異的な区間新を達成していました。
あらためて、今回の別府大分毎日マラソン大会についてですが、上記したように箱根駅伝を快走した学生選手たちが、そのまま初マラソンで快走する流れは確立されたと言ってもよいでしょう。しかし、初マラソンから2年連続で快走した学生選手は、ほとんど記憶にありません。今回の同マラソン大会でその壁を突破できるか否かは、大きな注目になるでしょう……。
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2026冬を走る・1
- 2026-01-06 (火)
- 9.箱根駅伝

【2026冬を走る・1】今年もテレビでの駅伝観戦からはじまりました。これは、毎年恒例のことですが、テレビの前で5時間以上もそれを見入っているのです。ある意味、走っている選手以上の集中力かもしれません……。
あらためて、駅伝は単純に走ることを競い合っているだけの競技なのですが、なぜか見入ってしまします。なぜなのでしょうか?
思うにひとつは、毎年同じ駅伝大会ですが、ひとつとして同じレース展開にならない点でしょうか。つまり、〇〇大学は優勝候補とか、〇〇選手は区間新記録を狙えるなど、下馬評が高くても実際に走ってみないと、その結果は誰にもわからない……。
また、駅伝とマラソンの違う点は、必ず次走者にタスキを渡さなくてはいけません。要は、個人競技のマラソンなら途中で棄権することは簡単にできますが、駅伝に関してはチーム競技なので、それはご法度です。つまり「チームのためなら、はってでもつなぐ」。この気持ちが、選手個々の根底に必ずあります。
まさにその気持ちが、数々のドラマを生み出す原動力になっているのでしょう。
今年の箱根駅伝5区で異次元の走りを見せた青山学院大学の黒田選手にタスキを渡した同大学4区の選手は、走りながら「先頭との差が3分以上にひらいた」と聞いたとき、本当はどんなことを考えたのでしょうか……。結果的には驚異的な追い上げでシード権を獲得した帝京大学でしたが、同大学の2区を走った選手は、自分(チーム)が「最下位に転落」したとき、何を思いどんな景色をみたのでしょうか……。
※『帝京大学中野孝行監督は、往路の結果を受けて「1日で5分(近く)差をつけられたなら逆もある。俺は諦めてねえぞ。(復路で)1人1分縮めれば5分だぜ」と選手に発破をかけ、柴戸遼太主将(4年)も部員のグループLINEに「まだ諦めないぞ」とメッセージを送った。』※ネット記事から抜粋
よくマラソンを人生に例える話がありますが、実は受け継いだタスキは、途中で投げ出すことをゆるされない駅伝こそが人生により近いかもしれません(私はそう考えます)。だからこそ多くの人たちが、筋書きのない5時間以上の駅伝ドラマを、三日間連続で見入ってしまうのでしょう。
さて、今週末から2026年のブラインドマラソン強化合宿を開始します。まずは、2月1日に開催予定の別府大分毎日マラソン大会が目標になります。上記してきた駅伝ではなく個人競技のマラソンですが、気持ちは同じです。なぜなら、パラリンピックを目指している今の選手たちがそれを諦めると、次世代に渡すものが消滅するからです。そのことを常に自覚しながら今年もパラ強化活動を継続していきます。
※ 帝京大学は総合9位に食い込んだ。昨年も往路14位から復路4位で総合10位に踏みとどまっており、伝統をつないだ。険しい表情だった芦ノ湖から一転、東京・大手町に笑顔で戻ってきた中野孝行監督(62)も興奮しきりだ。「いや、本当にすごい。彼ら、尊敬しちゃう。本当に、人ごとのように『すごい、こいつら』って思います。成功するまで、しつこくやることが必要。今、世の中に欠けていること。反対に箱根駅伝を通して、それが国民に浸透してくれたら、もっといい国になる」※ネット記事から抜粋
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2025秋を走る・10
- 2025-11-07 (金)
- 9.箱根駅伝

【2025秋を走る・10】11月1日からの3連休は、全国各地でマラソン大会や駅伝大会が目白押しでした。そんな中、11月2日は大阪長居公園において、全国視覚障がい者駅伝大会も開催されました。また、同大会はブラインドランナーたちの駅伝に対する情熱や、関係者のご理解とご支援のおかげで、28回目を開催することができました。あらためて、御礼申し上げます。
さて、11月2日は全日本大学駅伝がテレビ中継されていました。同駅伝は8区間106.8kと、5時間以上も走り続ける駅伝です。しかし、駅伝ファンのひとりとしては、最初から最後まで見入ってしまいます。これが、まさに駅伝の魅力なのでしょう……。
優勝は駒澤大学でしたが、どの大学も力を出し切った素晴らしい駅伝でした。また、各区間においては、2区で区間タイ記録。そして、5区と7区で区間新、8区では日本人区間最高記録と、好記録の多かった駅伝大会だったでしょうか。
それでは、今回も勝手ながらそれらの区間を、1kと5kペースに換算して比較します。
2区は、帝京大学の楠岡選手が「11.1k=31分1秒」。1kと5k換算は「2分48秒と13分58秒」。5区は、駒澤大学の伊藤選手が「12.4k=35分1秒」で「2分49秒と14分7秒」。7区は、青学大の黒田選手が「17.6k=49分31秒」で「2分49秒と14分4秒(ハーフに換算すると59分21秒)」。8区は、早稲田大学の工藤選手が「19.7k=56分54秒」で「2分53秒と14分26秒」。
参考までに上記した4選手が、先月の出雲大学駅伝で残した成績も確認してみました。
楠岡選手は1区で区間3位、「8k=23分36秒」。1kと5k換算は「2分57秒と14分45秒(超スローペースだった)」。伊藤選手は2区で区間2位、「6.2k=17分29秒」で「2分49秒と14分6秒」。黒田選手は6区で区間1位、「10.2k=29分15秒」で「2分52秒と14分20秒」。工藤選手は6区で区間3位、「10.2k=29分48秒」で「2分55秒と14分36秒」。
4選手とも出雲大学駅伝から区間距離が長くなっているにもかかわらず、区間記録が速くなっているのは驚きです(伊藤選手は倍の距離をほぼ同じ)。また、このブログにも記載しましたが、「ひと区間の距離が5kから20k程度までの駅伝においては、その区間距離に関係なく選手の走っているスピードはそれほど変わらない」。
もちろん、一般の市民ランナーは距離が長くなるほど、走るペースは確実に遅くなっていきます。しかし、トレーニング方法によっては上記したような走力(能力)が備わってくる点は事実であり、そこにはトップ選手強化の蓄積されたノウハウなどがあるのでしょう……。
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2025秋を走る・8
- 2025-10-24 (金)
- 9.箱根駅伝

【2025秋を走る・8】先日の土曜日は箱根駅伝予選会、日曜日はレガシーハーフマラソンと、注目の大会が開催されました。特に、箱根駅伝予選会は今年も天国と地獄が隣り合わせになった厳しいレースでした(安田の感想)。
そして、その箱根駅伝予選会のトップ通過は「中央学院大学」。一方、無念の11位となったのは「法政大学」でした。また、どちらの大学も千葉県富津市富津公園で最後の調整をしていたので、個人的にはどちらの大学も応援していました……。
さて、箱根駅伝予選会終了後、ネットニュースがたくさん掲載されていました。もちろん、中には興味深い内容の記事もありました。特に、中央学院大学の川崎監督のコメントはとても参考になりました(同監督のコメントはいつも参考にしております)。
具体的には、箱根駅伝予選会を攻略するためには必須とも言われている「集団走」を、川崎監督は「今回は選択しなかった」。また、「今の子たちはすきなようにやらせた方がのびのびできる」。同時に、「3番以内通過を目標にするならトップを取るつもりで走れ」とも言い続けていたようです。要は、好きなようにさせながらしっかりと手綱をしめていた。
一方、法政大学の坪田監督は、レース直後のテレビインタビューに対して「たぶん大丈夫」とコメントしてました(私もテレビ中継の中で耳にしました)。もちろん、ゴール地点の中継を拝見していると、そう感じた駅伝ファンの方も多かったのでは……。
川崎監督はご存知のとおり、1985年に順天堂大学を卒業するのと同時に、中央学院大学の常勤助手となり、駅伝部コーチに。そして、1992年監督に就任し、1994年に箱根駅伝へ初出場を果たす。今では同大学を箱根駅伝常連校にまで育て上げた名監督です(今の箱根駅伝においては、数少ない「たたき上げの監督」)。
あらためて、どの大学も箱根駅伝予選会通過を想定した戦略に沿った日々のトレーニングと、予選会通過を想定した当日の戦術で勝負します。その指揮を担う各大学の監督は、想像を絶するプレッシャーを背負いながら挑んでいるに違いありません。
「過去の実績に沿った戦術で挑むのか?」。川崎監督のように、「過去の成功体験を白紙に戻して挑むのか?」。もちろん、どちらの戦術が良し悪しかを決めることはできません。しかし、長く携わってきた人(監督)には、その判断(直感)を正しくできる何かがそなわっているのは確かなようです……。
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2025秋を走る・7
- 2025-10-17 (金)
- 9.箱根駅伝

【2025秋を走る・7】先日は出雲駅伝が開催され、いよいよ本格的な駅伝シーズンがはじまりました。同時に、マラソンをはじめとする本格的なロードシーズン到来でもあります。
その出雲駅伝ですが、優勝候補にも名を連ねていた國學院大學が安定したチーム力を発揮して優勝。一方、優勝候補の本命とも言われていた青山学院大学や中央大学はその力をうまく発揮することはできませんでしたが、見応えのあるレースでした。
さて、学生の三大駅伝と呼ばれている今回の出雲大学駅伝。そして、11月に開催される全日本大学駅伝。さらに、正月の箱根駅伝と続いていきますが、その全長距離はだんだん長くなっていきます。具体的な全長距離は、出雲大学駅伝が「45.1k」。そして、全日本大学駅伝が「106.8k」となり、箱根駅伝は「217.1k」です。言うまでもなく、まさに約2倍ずつ全長距離がのびていくイメージでしょうか。
では、実際に全長距離の違う出雲大学駅伝の区間記録と箱根駅伝の区間記録は、どの程度違うのでしょうか。もちろん、駅伝はロード競技なので大会ごとにコースやその距離が異なり、単純に比較することはできません。また、1区以外は一斉スタートではないので、2区以降の選手はタスキを受けた順位によっては、区間記録や区間順位にも大きな影響を受けます。
したがって、大会の異なる区間記録を単純に比較することはできません。しかし、区間距離の長さと記録との関係を確認するため、今回は三大駅伝の区間最高記録を比較してみました(各区間とも日本人最高記録を比較)。
まずは、各駅伝の4区にスポットを当ててみました。最初に出雲大学駅伝の4区ですが、その区間距離と区間最高記録は「6.2k=17分20秒」。1kと5kの換算ペースは、「2分48秒と13分59秒」。続いて全日本大学駅伝は、「11.8k=33分3秒」。1kと5kの換算ペースは、「2分48秒と14分00秒」。そして、箱根駅伝は「20.9k=60分24秒」。1kと5kの換算ペースは「2分53秒と14分27秒」。
続いて3区も比較すると、出雲大学駅伝は「8.5k=23分46秒」で「2分48秒と13分59秒」。全日本大学駅伝は「11.9k=33分1秒」で「2分46秒と13分52秒」。箱根駅伝は「21.4k=59分47秒」で「2分48秒と13分58秒」。
あらためて、上記の比較した記録を見て最初に感じるのは、区間距離による記録の優劣差が意外と少ないことでしょうか。これは経験上の話になりますが、ひと区間の距離が5kから20k程度までの駅伝においては、その区間距離に関係なく選手の走っているスピードはそれほど変わらない……。
要は、ロードレース(駅伝など)の場合、距離が短いからと思って最初から突っ込んでも、やはり後半は失速するケースが多く、先日の出雲駅伝でもそんな理由から力を発揮できなかった選手が多かったような……。つまり、選手の心理としては、「距離が短いので最初からガンガン攻める」と強気の姿勢になりますが(最初から力みがある)……。
しかし、現実は最初から突っ込んでも、そのスピードを最後まで維持できる選手は、どの駅伝においてもほとんど見当たらないのが現状でしょうか(詳細は割愛)。昔から駅伝を攻略するポイントとしては、「前半はゆとりを持って入り、中盤は自分のリズムを守って最後にペースアップする」と言われています。実は、シューズ革命による高速化が進んでいる現在の駅伝も、この基本は変わらないと感じた先日の出雲駅伝でした……。
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2025秋を走る・4
- 2025-09-26 (金)
- 9.箱根駅伝

【2025秋を走る・4】手元の温度計では、日中の気温は相変わらず30度前後まで上がりますが、湿度が50%以下に下がってきました。また、朝晩も涼しく感じられるようになってきたでしょうか。
そんな中、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。そして、これも毎年恒例のことですが、今回の強化合宿から来年の3月までは、この富津で走り込んでいきます。
そしてこの間、12月の防府読売マラソン大会と、来年2月の別府大分毎日マラソン大会の2大会を目標に強化合宿を重ねていきます。まずは、12月の防府読売マラソン大会が最初のターゲットになり、11月前半までの強化合宿においては、距離走(30k~40k)が軸になっていく計画です。
一方、上記したように、多少は涼しくなってきましたが、日中の気温は30度前後と高いので、依然として厳しいコンディションが続いているのは確かです。また、気温が高い日がこの後も続く予報なので、暑熱対策も継続しながら走り込んでいく必要もあります。
もはや、「今年は異常だった」ではなく、暑い夏はずっと続くことが「常態化」していると考え、過去の経験にとらわれない対応も必要になっているとも言えるのでしょう。そして、確実に言えることは、いつの時代もその環境にいち早く順化した選手が、勝ち残っていくことでしょうか。
さて、我々と同じ来年の3月までの富津には、箱根駅伝を目指す学生選手や実業団選手たちが戻ってきます。今回の合宿中も来月の箱根駅伝予選会突破を目指す大学が走り込んでいました。これも毎年のことですが、箱根駅伝予選会までちょうど1ヵ月前後と迫っている時期なので、各大学の練習風景にも緊迫感が漂っています。
もはや箱根駅伝は大学の部活動の域に留まらず、大学としても少子化の中で生き残っていくための経営手段のひとつとして、大きな役割を担っている存在とも言えるでしょう(詳細は割愛)。そんな視点で走り込んでいる各大学を拝見していると、学生選手たちを指導しているスタッフ陣の数や顔ぶれが、年々手厚くなっていると感じます。
もちろん、パラリンピックを目指している我々としても、箱根駅伝の進化に食らい付いていく大学側の強化に対する取組姿勢は、参考にする点が……。
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2025春を走る・10
- 2025-05-10 (土)
- 9.箱根駅伝

【2025春を走る・10】連休中の菅平合宿は無事に終了しました。毎年、この時期の長野県菅平高原は寒いのですが、今年は例年以上に気温が低かったように感じました。具体的には、初日から冷雨となったり、気温が10度に達しない日も多く、厳しいコンディション下での強化合宿でした……。
さて、今さらながら、長距離・マラソンは競技の特性上、年間を通じて「シーズンオフ」と言われる時期が見当たりません。つまり、ちょうどこの春からはトラックシーズンに入り、そのままスピード強化も兼ね、夏ごろまではトラックでのレースが続いていきます(オリンピックやパラリンピックも夏に開催される)。
また、夏はいわゆる「走り込み」をする時期ですが、最近は走り込みの一環として夏のハーフマラソンや北海道マラソンなど、逆に暑さ対策も兼ね、積極的にレースを走る選手やチームも増えています。そして、秋からは、ロードレースや駅伝へとシフトしていき、いよいよ長距離・マラソンの本格的なシーズンに突入していくのです。
このように、長距離・マラソン選手たちは、年間を通じてまさに、「走り回っている状態」とも言えるでしょうか……。しかし、箱根駅伝を目指す学生選手や実業団選手たちは、確かに年間を通じて走り回っていますが、季節によって出場するレース(トラックとロード)やトレーニング内容を変えながら、バランスよく強化している様子も伺えます(市民ランナーの皆様も大いに見習う点です)。
ちょうど今の時期は、積極的にトラックレースを走り、いわゆる「スピード強化」をしています。季節的にも夏に向かって気温や湿度が上がってくるので、長い距離を走り込んでいくには厳しい時期にも入っていきます。そこで、まずはスピードを高めるために、トラックの5000mを軸に強化していきます(10000mまで)。
トラックレースは、ハーフマラソン以上のロードレースと比較しても、レース後のダメージも少ないので、月に何本もトライすることが可能です。つまり、スピード強化をしながらレースでの実戦経験も積めることにもなり、市民ランナーの皆様にも推奨できます。
そして、暑さが本格的になっていく初夏からは、走り込みをメインにした「スタミナ強化」に移行していきます。もちろん、上記したように夏の間も、ハーフマラソンなどのレースを走り込みの一環として積極的に走る選手も多数います。また、今の箱根駅伝を目指す学生選手は、夏の月間走行距離が「1000k」を超えるのは常識となっています(もちろん、量だけでなく質も高い)。
秋になると、いよいよロードレースや駅伝シーズンに入ります。トレーニングは、スピードとスタミナをミックスさせた「スピード持久力」と呼ばれる、より実戦的な内容に移行していきます。そして、箱根駅伝やニューイヤー駅伝、各種マラソン大会などに調子のピークを合わせていきます。
話はかなり先の方まで進みましたが、まずはトラックシーズンです。今年は世界陸上が東京で開催されるので、その代表争いも佳境に入ってきており、陸上競技ファンのひとりとしては目が離せません。選手の皆様方の快走を心より祈念しております……。
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2024冬を走る・5
- 2025-01-04 (土)
- 9.箱根駅伝

【2024冬を走る・5】2025年も駅伝観戦からのスタートとなりました。駅伝は「走りながらタスキをつないでいく」。ある意味、最もシンプルなスポーツですが、多くの日本人はタスキをつないでいくその姿に大きな感動を覚えます。かくいう私もそのひとりです。
また、人生をマラソンに例えることが多いですが、実は人生に近いのは駅伝とも言われています。なぜなら、マラソンは途中で止めることができますが、駅伝はタスキを次の走者に渡さないといけません。つまり、途中で投げ出せないのが駅伝であり、人生だからでしょうか……。
そして、元日のニューイヤー駅伝は旭化成が優勝。2日からの箱根駅伝は青山学院大学が優勝。どちらも優勝候補と呼ばれていた強豪チームが、下馬評どおりの力を発揮しました。その旭化成は、スタートの1区とアンカーの7区で区間賞を獲得するなど、他の長距離区間(15k以上)でも安定した走りでタスキをつないでいました。
一方、箱根駅伝の青山学院大学は、花の2区や山の5区と6区で区間新をマークするなど、箱根駅伝の要となる区間を走った選手たちが盤石でした。もちろん、それ以外の区間もブレーキがなく、他大学で唯一追い上げムードを見せたのは、7区の佐藤選手(駒澤大学)だけだったでしょうか……。
いずれにしろ、駅伝ファンにとっては、旭化成も青山学院大学もすごいチームであり、出場した全チームの走りにも多くの感動を受けました。あらためて、出場した選手の皆様、ありがとうございました。
さて、今さらながらこれだけ情報が飛び交う時代に、何か特別なトレーニング方法や専用器具を用いていることなどを隠すことは難しい。したがって、どこのチームも大なり小なり、やっていることに変わりはないと感じます。そんな中で常に安定した成績を残し続けている旭化成や青山学院大学は、やはりすごいチームです。
特に、駅伝やマラソントレーニングのほとんどは単純に走るだけです。そして、強くなるためには、単純にたくさん走り込んだ方が良い。ところが、たくさん走り込めば故障やケガのリスクが高まり、貧血などのリスクも高まっていきます。一方、ケガをしないように走り込みの量を落とせば、一緒に走力も落ちていく……。
特に、長距離やマラソンは道具を使わないスポーツなので、技術的な要素がほとんどありません(ランニングフォームも結局は走り込んで身につく)。したがって、上記したように走力は一旦落ちると、元の状態に戻すのがたいへんです。しかし、それ以上に良い状態をキープしていくことはもっとたいへんです。今回の旭化成も青山学院大学も、強いチーム状態を何年もキープしている点は驚異的です。
また、その点に関しては、様々なコメントや意見などが散見されますが、結局のところ肝となる秘訣は何なのでしょうか?
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2024秋を走る・7
- 2024-10-25 (金)
- 9.箱根駅伝

【2024秋を走る・7】寒暖の差が大きくなりましたが、なかなか秋らしいさわやかな気候になりません……。先日の箱根駅伝予選会も厳しい暑さの中でのレースでした。しかし、その翌日に開催された東京レガシーハーフマラソン大会は秋らしい天候となり、好記録も誕生していました。
特に、10k以上の長距離レースを走る場合、当日の気温に記録は大きく左右されます。一般的には、暑くなっていく春から夏に実施される10k以上の長距離レースは、速さよりも強さ(スタミナ)が求められます。一方、涼しくなっていく秋から冬にかけては、強さよりも速さ(スピード)を追求していくのが一般的な流れでしょうか。
したがって、先日の箱根駅伝予選会に出場した有力大学やその選手たちは、最終的には「1kを3分ペース」でハーフマラソンを押していける調子に仕上げ、そのまま予選会に挑む流れが主流のようです(過去の大会実績を振り返ると)。
ところが、先日のように気温が25度を超えるような過酷なコンディションになると、ハーフマラソンをまともに完走すること自体が難しくなります。もちろん、当日の天候に合わせ、設定ペースを落として走れば問題ないのですが、1kを3分ペースで刻める状態に仕上げた感覚(リズム)を、逆に下方修正することは意外と難しいのです。
また、予選会のレースでは、各大学に所属している外国人選手やエースたちが、暑くなってもスタートからそれなりのハイペースで刻んでいくのは毎年のことです。したがって、気温が高くなっても、スタートからレース全体のペースもそれなりに速くなることは予測できます。
このとき、気温が高いことを理由に、先頭集団から離れていきながらもチームや個人のペースをしっかりと死守できる精神力の強さがあれば良いのですが……。つまり、スタート後、前の集団や選手たちがどんどん視界から消えていく恐怖に耐え、「残り3kで追いつける」と信じて自分たちのペースで走り続けることは、実は簡単ではありません。
いわゆる後半ペースアップしていく「ネガティブスプリット」は、特に暑い中での長距離レースでは必須です(夏マラソンなど)。しかし、箱根駅伝予選会はタイム以上に順位です。したがって、単純に後半ペースアップする戦術は指示して何とか実行できます。ところが、後半ペースアップしながら狙った順位でゴールすることは、相手の実力や状況にも大きく左右されるので、狙いどおりにはいきません……。
さて、厳しい暑さの中での勝負となった今回の箱根駅伝予選会でしたが、上位通過した大学とその選手たちは、日々の走り込みに裏付けされた「強い精神力(暑さにも強い)」も兼ね備えていました。その勢いで、正月の本戦での快走を心より祈念しております!
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2024秋を走る・6
- 2024-10-17 (木)
- 9.箱根駅伝

【2024秋を走る・6】駅伝ファン待望の学生3大駅伝の開幕となる出雲大学駅伝が開催されました。そして、今年の出雲大学駅伝は、まるで駅伝ファンの期待に応えるかのように、優勝候補の駒澤大学と国学院大学が最終区間まで見応えのある素晴らしいレースを見せてくれました。
この後、いよいよ箱根駅伝予選会があり、全日本大学駅伝へと続いていきます……。
同じように、実業団選手たちも元旦のニューイヤー駅伝を目指し、各地区の予選会が迫ってきました。そんな中、いつもの千葉県富津市富津公園で練習会をしていると、11月3日に開催される東日本実業団対抗駅伝に出場する実業団チーム(強豪2チーム)が、実戦に近いペースでのトライアルをしていました。
たまたま両チームのスタッフの方々とお話をする時間があったので、状況などを伺ってみたところ、特に東日本地区は厳しい戦いになるとのことでした。詳細は割愛しますが、要は東日本地区からニューイヤー駅伝に出場できる枠が、12枠から10枠に減ったからです。
ただでさえ東日本地区の出場権争いは激烈になっている中、2枠減は想像を絶する争いになることは必至です。一方、駅伝は日本の長距離界においては欠かすことのできない伝統競技であり、特に実業団選手にとっては選手生活の根幹でもあります。
それだけに、いつも拝見している実業団選手たちの様子と、この時期の緊張感などは明らかに違います。特に、プロスポーツは努力すれば誰もが報われることはなく、自己新記録を達成しても相手に負ければ、それで選手生命が終わりになることもあります。
また、私の現役時代と違い、今の実業団選手たちは、箱根駅伝(大学駅伝)を走った選手たちが多数を占めています。その大学駅伝では、仮に負けても「最後までよくやった」「最後の粘りは次につながる」など、選手もファンも涙にくれ、最後は情に流されていくような話で完結することは多いと感じます。
もちろん、実業団選手にもそのようなことはありますが、ニューイヤー駅伝に出場できるか否かのボーダー争いをしているチームの現状は本当に厳しいと思います。具体例としては、次年度以降のチーム存続問題。選手個々の移籍や引退問題など、成績次第では厳しい現実がまっている場合もあります。
駅伝ファンのひとりとしては、どのチームも選手たちも力を出し切ってほしいと願っております。そして何よりも、最後まであきらめない「熱い走り」が、次世代選手の夢や希望などにもつながっていくと信じております。
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