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4.マラソントレーニング(理論) Archive

2026夏を走る・12

【2026夏を走る・12】千葉県印西市にある順天堂大学さくらキャンパスにおいて、ブラインドマラソン強化指定選手たちの乳酸カーブテストを実施してきました。今回の測定も前回同様、同大学大学院スポーツ健康科学研究科教授、町田先生のご支援ご指導のもと、無事に実施することができました。あらためて、御礼申し上げます。

さて、乳酸カーブテストは、マラソンや自転車ロードレース、トライアスロンなどの持久力が重要な競技において、自身の持久力レベルを数値化(可視化)することが主な目的になります。特に、乳酸閾値(LT値)を把握することで、レースやトレーニングにおける設定ペースや心拍数の目安を数値化(可視化)することができるようになります。

この測定は段階的に負荷を上げながら行われ、各ステージで血中乳酸濃度と心拍数を測定します。ランニングではトレッドミル、バイクではペダリングを用い、各ステージは3分間の運動と1分間の休息で構成されます。休息中に耳たぶや指先から微量の血液を採取し乳酸濃度を測定します。ステージごとに負荷を増加させ、乳酸濃度の変化をプロットすることで「乳酸カーブ」が得られます (抜粋資料から)。

血中乳酸値とは、血液中に含まれる乳酸の濃度(mmol/L)を指します。乳酸はかつて「疲労物質」として悪者扱いされていましたが、現在のスポーツ科学ではエネルギー源として重要な役割を果たすことが明らかになっています(抜粋資料から)。

運動強度が低い場合、体は主に有酸素系のエネルギーシステムを利用し、乳酸は産生されてもすぐに除去されるため血中乳酸値は低く保たれます。しかし、運動強度が上がると乳酸の産生量が除去能力を上回り、血中乳酸値が急激に上昇し始めます。この変曲点が「乳酸閾値(LT)」と呼ばれるポイントです(抜粋資料から)。

そして、この乳酸閾値(LT値)を定期的に測定していくことで、そのデータをもとに選手個々の状態を科学的に把握することでできます。さらに、トレーニング内容を科学的に修正していくことも可能になります。今回、測定した選手たちの状態は概ね良好でした(トレーニングも的確な内容でできている)。

一方、このようなデータやトレーニング内容などは、AIなどを活用すれば簡単に知ることが可能になってきました。その結果、専門的な知識がなくでも、誰でも簡単にトレーニング理論やトレーニング方法などを知ることも可能になりました。

ところが、AIなどを活用して現状を把握し、それを改善するための適切なトレーニング方法を知ることができたとしても、成果を出すためには実際に走ること(練習)が不可欠です。

つまり、どんなに科学的な測定方法やトレーニング方法を知ったところで、知識だけでは「速くなる(強くなる)」ことはできません。この点は、いつの時代も「知識(知る)」から「成果(できた)」の過程には「練習(生みの苦しみ)」があり、必ずアナログ的な行動を踏むことが不可欠なのは変わりません(情報過多に陥ってはいけない)。

2026夏を走る・8

【2026夏を走る・8】関東地方も梅雨が明け、連日35度を超える危険な暑さが続いております。そんな過酷なコンディション下ですが、マラソン練習会は継続しております。もちろん、危険が伴うので、その練習内容(距離や時間)はよく吟味する必要があります。

そこでもう一度、真夏のランニングについての注意点などを再確認していきます。まずは、高温多湿下でランニングをするとき、人の体がどのように反応するかです(以下、専門資料などからの抜粋含む)。

暑い中でランニングをすると体温が一気に上昇します。そして、人の体は体温が上がりすぎることを防ぐために発汗が増えます。同時に、皮膚表面への血流量を増やして体温を低下させようとします。

ところが、皮膚表面への血流量が増加すると、逆に筋繊維への血流量が相対的に低下します。また、発汗により血液中の水分量減少が進み、血液における酸素運搬能力も低下します(血液がサラサラからドロドロへ)。その結果、主観的な運動強度は高くなり心拍数も上昇します。つまり、ランニングパフォーマンスも大きく低下することになります。

至極当然のことですが、上記したような危険が伴う暑い中でのランニングは、自粛(中止)するのが正しい判断です。ところが、マラソントレーニングは、気温の高い低いに関わらず、継続していくことがベースになります(特に、オリンピックとパラリンピックのマラソンは夏に実施するので、暑さを避けるわけにはいかない)。

つまり、「気温が高くなったら走らない」と判断する前に、気温が高くなった場合のマラソントレーニング方法を考えることも必要といえます。そこで、逆に暑い中でのマラソントレーニングのメリットを考えてみます。

まずは、気温が高い時は筋繊維への血流量も低下するため、逆に遅めのペースでもLTに到達し、LTが向上するといわれています。また、気温が高いので関節の可動域などは広がっているので、スプリント的な超高強度なショートインターバルなどを実施しても、ケガのリスクが低下するともいわれています。

同様に、距離走でも設定ペースを落とすので、ケガや故障のリスクが軽減されやすいといえるでしょう(そもそもペースアップする前に暑さでペースダウンする)。もちろん、暑熱順化のできていないランナーは、炎天下でのランニングを回避することは必須ですが……。

2026夏を走る・5

【2026夏を走る・5】今年も7月に入りました。そして、7月2日は一年のちょうど半分だそうです。毎年のことですが、月日が経つのは本当に早いものです……。

そして、いよいよ本格的な夏の走り込みに入っていきます。日本の長距離・マラソン選手やチームの多くは、夏に走り込みを実施します。これは、私が現役時代もそうでしたし、私たちの先輩方も同じように、夏は走り込みをしていました。

日本のマラソンや駅伝のシーズンは、主に秋から冬になります。したがって、逆算していくと、暑い夏はそれに向けた土台つくり(脚つくりやスタミナ養成)の時期に該当します。もちろん、長距離・マラソンのトレーニング方法に絶対はないので、違った流れもありますが……。

しかし、日本の長距離・マラソン界が、この大きな流れを崩さずに現在も受け継いでいることは確かです。つまり、日本の四季に合った伝統的なトレーニング方法でもあり、多くの名ランナーを輩出していきた「日本長距離・マラソン界の十八番」ともいえるでしょう。

さて、私が携わっているクラブチームやブラインドマラソンも、その伝統的なトレーニング方法に倣って、7月と8月は夏の走り込みを実施します。そして、これも至極当然のことですが、暑さを避け、比較的涼しい場所へ移動しての走り込みとなります。

ところが、近年は温暖化の影響なのか、涼しい場所といいながら日中の気温は30度をはるかに超えます。さらに、朝晩もそれほど涼しくならず、日本国内どこも同じような気温になっているような……。

と、いいながら真夏の千葉県や都内で長い距離を走り込んでいくのは、あまりにも過酷です。少しでも身体への負担を軽減するには、少しでも涼しい場所で走り込んだ方が効果的なのは確かです。

この後、7月と8月は例年どおり、長野県上田市菅平高原と北海道北見市で走り込みを実施していきます。これまで積み重ねてきた経験(猛暑の中)などを活かしながら、今年の夏も選手たちの走り込みを全力でサポートしていく所存です。

2026夏を走る・2

【2026夏を走る・2】台風の影響で1日遅れての実施となった強化合宿は、無事に終わりました。また、梅雨入りとも重なり、気温が逆に20度以下まで下がるなど、長距離・マラソンの走り込みを実施するには、逆にちょうど良いコンディションとなりました。

主観的な話になりますが、人は暑さなど、厳しくなっていく環境への順化は苦手です。ところが、逆に涼しくなっていくなど、身体にとって楽な方への環境にはすぐに順化します。まさに今回の強化合宿は暑さから一転し、気温が一気に10度前後も下がるコンディションになりました。したがって、どの選手も質の高い走り込みができていました。

もちろん、こんなに涼しくなるのは一時的で、季節的にはどんどん暑くなっていく方向なので、気を抜くわけにはいきません。そんな中、今週末から石川県金沢市において「日本パラ陸上競技選手権大会」が開催されますが、コンディション的には逆に心配でもあります……。

さて、前述したように多くの人は、厳しい環境から恵まれた環境への順化は短期間で対応できます。ところが、その逆への順化は、簡単ではありません。例として、夏から秋・冬へと涼しい季節へ移っていくと、多くの長距離ランナーは駅伝やマラソンなどで好記録や好成績を残していきます。

ところが、夏マラソンなど、暑い時期に調子のピークを合わせるのは難しく、夏マラソンに挑戦する長距離ランナーの多くは苦戦します。同様に、夏に開催されるオリンピックや世界選手権の日本代表に選考されるような超エリートランナーの実力を持ってしても、簡単にいかないのが現状でしょうか。

特に、夏に開催される長距離・マラソン種目を目指す場合、それに向けたトレーニングの大半は、逆に涼しい環境下に移動して行います。その結果、とても良い状態に仕上げていくことは可能です。ところが、本番は酷暑の中なので、どこかのタイミングで必ずその暑さに順化させる必要があります。

繰り返しになりますが、人は厳しい環境下への順化はとても苦手です。したがって、涼しい場所で十分にトレーニングを積めても、「最終的には、本番の暑い場所へ移動するタイミング(暑熱順化)をどうするのか?」が、とても重要なポイントになるのは言うまでもありません。

今回、千葉県富津市富津公園において実施した強化合宿は、たまたま涼しいコンディションになりましたが、果たして今週末の大会でどんなパフォーマンスを見せてくれるか……。

2026春を走る・13

【2026春を走る・13】そろそろ梅雨の時期に移っていきます。そして、気温が高くなるのはもちろんですが、湿度も高くなり、ランニングにとっても厳しい季節へ移っていきます。一方、この蒸し暑い時期をうまく活用することで、本格的な夏に向けた暑熱順化を進めていくことができます。

そこで、あらためて暑熱順化について考えていきます。

まずは暑熱順化とは、身体が暑さになれることを言います。もう少し別な言い方をすると、「暑い環境でもパフォーマンス低下や熱中症リスクを減らすための身体改造」とでも言うでしょうか。

特に、ランナーにとって暑さや湿度は、パフォーマンスが低下する最も大きな要因のひとつに該当します。したがって、梅雨から夏前の時期にこの暑さや湿度を克服していくための暑熱順化を進めていくことは、マラソン攻略の重要なポイントとも言えます。

もちろん、梅雨時期のランニングは気温や湿度が高くなるので危険も伴いますが、やり方次第では、むしろ強くなれる時期とも言えます。要は、この時期に身体が暑熱順化できると、夏にしっかりと走り込むことがでるからです。

そして、夏にしっかりと走り込みができると、秋以降のマラソンシーズンに向けた土台(スタミナなど)が構築されます。すると、涼しくなっていく秋以降のトレーニングは量から質へとスムーズな移行が可能となり、マラソンなどの記録更新に直結していきます。

さて、梅雨に入ると雨が多くなりますが、市民ランナーの方に話を伺うと、「雨天時は走らない」と答える方が多いのも確かです。しかし、そもそも気温の高い梅雨時期の雨天時は、雨が身体を冷やしてくれるため、比較的長く走ることが容易になります。つまり、逆に雨天時を活用しない手はないとも言えます。

また、マラソンは原則として雨天決行です。しかし、雨天時にランニング経験のないランナーが、いきなり雨の中でマラソンに挑戦することは難しいとも言えます。そこで、この雨天時のランニングを通じて「シューズやウェアの選択」「ペース配分(強度)」などを試すことで、独自のノウハウを蓄積していくことができます。

同時に、雨天時のランニングは、集中力(環境適応力)やメンタル面が自然に鍛えられます(安田の経験上)。このように雨天時でも根気よく走り込むことで、「悪条件に強いランナー」としての持ち味を磨いていくことも……。

2026春を走る・11

【2026春を走る・11】いよいよ「夏日(最高気温が25度以上の日)」と言われる日が多くなる季節に突入してきました。同時に、長距離・マラソン選手たちは、トラックシーズンにも入りました。

いわゆる「スピード養成期」とも言われています。つまり、トラックで5000mなど、比較的短い距離のレースを走ることで、長い距離のレース(マラソンや駅伝など)に必要なスピードも強化・養成するイメージになります。

さて、詳細は割愛しますが、人の体は「スピード」と「スタミナ」を同時に強化していくことは難しいと言われています(エネルギー回路が違う)。例えると、100mを9秒台で走れるスピードがあり、マラソンも2時間9分以内で走れる人間は存在しません(オリンピックの歴史においても100mとマラソンの2種目を掛け持ちにしていた選手はいない)。

したがって、スピードとスタミナを一旦切り離し、季節に合わせて別々に強化・養成していくトレーニング方法(期分け)が、日本でも主流になっています。もちろん、5月以降はさらに気温や湿度が高くなっていくので、逆にハーフマラソンやマラソンを積極的に走っていくことは、身体にとってもリスクが高くなっていきます。

そんな視点から考察しても、前述したように5月のトレーニングはスピード重視の「スピード養成期」にシフトするのは、理にかなっているとも言えるでしょう……。

一方、市民ランナーの方々は、トラックレースを走る機会は以前よりも増えてきましたが、学生選手や実業団選手に比べると、圧倒的に少ないのも確かです。したがって、お話を伺うと、その多くは「これまでにハーフマラソンとマラソンの二つしか走った経験はない」。

ところが、最近は仲間たちと気楽に参加できる「リレーマラソン」などのミニ駅伝大会が増えてきました。実は、このような大会に参加していくことで、市民ランナーの方々も前述してきた「スピード養成」に代替することは十分可能です。

また、ひとりが走る距離も短い大会が多く、まさにトラックレース同様の効果が期待できます。もちろん、いつも一緒に走っている仲間たちと参加するので、その応援を受けながら頑張ることもできます。

そして何よりも、その仲間たちとの親睦を深めることができ、マラソンに対するモチベーションがさらに高まります。暑くなってくるこれからの季節ですが、リレーマラソン大会などに積極参加し、マラソンに対する情熱も熱くしていきましょう!

2026春を走る・6

【2026春を走る・6】新年度最初の強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。毎年のことですが、この最初の強化合宿は2週間後に開催される「かすみがうらマラソン大会」に向けた、最後の調整合宿にも該当します。

すでに何度も記載してきましたが、調整の基本は「迷ったら休養」です。

さて、計画通りにトレーニングを消化してきた選手は、疲労が蓄積している状態です。したがって、最終調整の基本は計画通りに練習量を落としながら質は上げていく。そんなイメージでしょうか。

一方、諸事情により、計画していたトレーニングをうまく消化することができなかった選手は、この時点で相当焦りのある状況だったりもします。まさに、「練習を落としていくか否かを迷っている」とも言えるでしょうか。

特に、市民ランナーの方に多いパターンとして、「仕事や家族の事情で走り込みが不足したので、2週間前でも走り込んでおきたい(テストの一夜漬けと同じ発想)」と考えてしまうことです。もちろん、その気持ちは理解できます。しかし、トレーニングの原則(流れ)は「破壊と再生」です。

つまり、トレーニングによって、筋肉などに強い刺激(ダメージ)を与え、そのあとに栄養や休養を取ることで、筋肉はその刺激(ダメージ)を受ける前よりも成長する。要は、目標の2週間前からトレーニング量を増やしていくと、刺激(ダメージ)を受けた筋肉の回復が、逆に間に合わない可能性が高くなると言うことです。

この考え方(超回復理論)は、トレーニングの基本になりますが、目標のマラソン大会が近づくほど、逆にトレーニングの量や強度を上げてしまっているランナーは意外と多いのです(トップ選手も含め)。

日々のトレーニングや強化合宿では、無類の強さを発揮するのに、目標の大会は高確率で失敗している。このようなタイプのランナーに多いのも、上記した「直前までトレーニング量を落とせない」傾向が強かったりしています(私の経験上)……。

どんなにシューズや栄養面が進化しても、最後の調整で間違うと、それまでの努力が水の泡となってしまいます。あらためて、時代が進化していても最終調整の難易度は変わらない……。

2026冬を走る・7

【2026冬を走る・7】マラソンシーズン真っ只中です。千葉県富津市富津公園においても、マラソンに向けた走り込みをしている実業団選手や、箱根駅伝への復活を目指して走り込んでいる学生選手たちの姿が途切れません……。

また、年度末ということもあってか、4月からチームに加入予定の新しい選手の姿が見えるのも、この時期の特徴でしょうか。特に、箱根駅伝を目標にしている大学の場合、新しく入ってくる選手は高校を卒業(卒業予定)したばかりです。

ここ数年、5000m以下の距離においては、高校生の記録は実業団選手とそん色ないレベルにまで到達しています。しかし、箱根駅伝のひと区間は「20k以上」です。つまり、高校を卒業したばかりの選手にとって、それに対応するための練習量(走行距離)が、大きく変化するターニングポイントにもなります。

専門的な視点から考えても、単に5000mの記録を目標にしていく練習と、20k以上(ハーフマラソン以上)の記録を目標にしていく練習は違います。その大きな違いのひとつは、30k以上の距離を一気に走る練習(距離走)が、加わってくる点です。

もちろん、どんな選手も最初から20k以上の距離を走ることはできません。しかし、箱根駅伝を走るための練習に耐える能力があるか否かの見極めは重要です。「高校時代に5000mの記録がすごかった」と言っても、その記録や実績が箱根駅伝などに直結するとは限りません。

そして、この点を見極めていくためには、専門的(科学的)なデータはもちろんですが、指導者の「経験(鑑識眼)」が重要になります。つまり、選手の身体特性や能力は個々に違うので、単なる記録や数値だけでなく、どれだけ多くの選手を指導してきたかの経験値が不可欠になります。

また、その経験値は身体的能力だけでなく、その肉体面をコントロールしていく精神面の見極めも含まれるので、話は複雑難儀になります。特に、長い距離を走り込んでいく練習(距離走)は、どんどん追い込んでいくスピード練習とは違い、無我夢中に走ることはしません(できません)。

その練習(距離走)のポイントは、常に余力を残しながら、その余裕度を自分で考えながら走り込むことなので、肉体面以上に精神面の適性を見極めることが、より重要とも言えます。

先生(監督やコーチ)の指示とおりに走れば、記録や成績をある程度残せていた高校時代……。そして、体の成長がほぼ止まってくるこれからの時期に……自分自身で考えながら肉体面と精神面をリンクさせる方向へとシフトしていくのは、誰もが簡単にできることではない……。

2026冬を走る・6

【2026冬を走る・6】東北地方や日本海側においては、記録的な積雪を観測しております。また、先日の7日土曜日から8日の日曜日にかけては、千葉県でも雪が降りました。幸い、富津合同マラソン練習会は実施しなかったので、いつものメンバーたちは、それぞれが自主トレとなりました。

もちろん、この後も大きなマラソン大会が続くので、トレーニング計画に照らしてみても、重要な調整期に入っているのは言うまでもありません。特に、大阪マラソンや東京マラソンを目標にしているランナーにとっては、上記した7日から8日に計画していたトレーニングはとても重要だったに違いありません。

また、千葉県など冬でも温暖な地域に在住しているランナーにとって、先日のような雪に対応するノウハウや経験を持っていない方が多数だったと思います。例として、最後の30k走を実施予定だったのが、雪によりその練習を回避することに……。さらに、翌日も天候が回復しなかったため、代替トレーニングを考えることに……。

このような場合、雪の中を強行するランナーもいますが、雪で路面が滑ったり、低体温症に見舞われたりして、設定タイムを大きく下回ってしまうケースに陥りやすくなります。その結果、失速の理由は理解しているにも関わらず、目標のマラソン大会に向けては不安だけを残すことになります。

一方、雪のため、その日の練習を翌週にスライドさせて実施するランナーもいます。いわゆる振り替え練習(追試)です。実は、そのように考え、翌週に振り替えて実施するランナーは意外に多いと感じます。その結果、前週が逆に良い休養になったので、設定タイムを上回るような走りができたりします。

ところが、目標のマラソン大会から30日前あたりからは調整期に入っているので、計画していた練習を1週間もスライドすると、本番当日に大きな影響を与える確率は高くなります。つまり、逆に疲労が抜けきれず、調子のピークがずれるのです。

「2週間前の30k走(ハーフマラソンなど)は、絶好調だったのに……」

狙ったマラソン大会で目標タイムを達成できなかったランナーの振り返りに出てくる話に、比較的多いのが、上記したような内容です。もちろん、雪や雨による練習を振り替えたことが全ての原因とはならないでしょうが、調整期の天候不順は本番のパフォーマンスに大きな影響を与えるのは確かです。

「経験は技術」と話していた先人がいました。まさに、今回の雪が大阪マラソンや東京マラソンに出場するランナーたちに、どのような影響を与えることになったかも、注目したいと思います。

2026冬を走る・4

【2026冬を走る・4】先日は、大阪国際女子マラソン大会をはじめ、各地で多くのマラソン大会が開催されました。そして、ここから3月上旬あたりまでの間、大きなマラソン大会が全国で続きます。

いつも富津合同マラソン練習会で切磋琢磨している市民ランナーの皆様も、それらのマラソン大会に出走し、自己の記録に挑戦します。もちろん、毎年のことですが、同練習会で切磋琢磨している全員が自己記録を更新できるとは限りません。確率的には、自己記録(目標記録)に到達できなかった人の方が、むしろ多いのかもしれません……。

事実上のプロランナーとしてマラソンに挑んでいる実業団選手や学生選手(箱根駅伝常連大学など)をもってしても、常に日本新記録や自己新記録を達成することは相当難しいのが現実です。したがって、マラソンを走ったあとの振り返り(反省)において、不必要に落ち込むことはないとも言えます。

特に、マラソンの記録は、当日のコンディション(天候)とコース(起伏など)に最も影響を受ける特性があるので、まずはそこをしっかりと振り返ることが不可欠になります。ところが、レース後に市民ランナーの方と振り返りをすると、「とにかくダメだった」に終始する人が本当に多いと感じます。

よくよく話を聞くと、「小雪が舞って、北風が5メートル以上あった」など、実はまともに走れる天候ではなかった……。同様に、「何としてもサブフォーを」と意気込んで参加したにもかかわらず、申し込んだ大会は起伏に富んだ山岳コースなど、実は攻略することが難しいコースだった……。このように、自分自身でコントロールできない問題(※)に該当する振り返りが、意外と多いのです。※そもそも自己記録を狙える大会ではない。

次に、振り返りでよく聞く内容が、練習が途中で途切れてしまった話です。具体的には、概ね3ヶ月前あたりから走り込みを開始しますが、途中で1週間以上もそれが途切れてしまったことが複数回あることです。もちろん、市民ランナーの皆様は上記したプロランナーとは違うので、仕事や家庭をはじめ、付き合い(飲み会)などが、走り込みと同時進行です。

ところが、どんな理由(仕事の残業や家族サービスなど)であろうと、走り込みが1週間以上も途切れると、プロランナーを持ってしても記録達成は難しい状況に陥っていきます。もちろん、市民ランナーの皆様が、マラソンを最優先にした生活を送ることは相当難しいのは事実です。しかし、そこをどのように工夫していくかが、マラソン攻略のポイントだと考えます(走れない日を回避する工夫など)。

また、ランニング経験の浅い市民ランナーの方ほど、ランニングの継続よりもランニングフォームやトレーニング計画などにこだわる傾向が強いと感じます。つまり、目標記録を達成するためのポイント(原因)は、実は自分自身のもっと日常にあることかもしれません……。

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