Home > ■マラソンの雑感
■マラソンの雑感 Archive
2026夏を走る・13
- 2026-08-25 (火)
- ■マラソンの雑感

【2026夏を走る・13】クラブチームの仲間たちと長野県菅平高原で夏合宿を実施してきました。これは毎年恒例となっている菅平合宿(2泊3日)ですが、今年も充実した走り込みと、仲間たちとの親睦を深めることができました。
また、同じ旅館には箱根駅伝出場を目指しているH大学も合宿をしていました。実は、昨年も一緒でした。もちろん、彼らはひと月以上の長期間に渡ってこの夏合宿を実施しているので、我々のようなクラブチームの短期合宿とは内容も目的も異なります。
毎日、旅館の玄関に置いてあるホワイトボードに大学のマネージャーが、その日の練習メニューを書き込みます。そして、何気なく拝見すると、かなりレベルの高いトレーニング内容に驚かされました(失礼な言い方で申し訳ありません)。
あらためて、今の時代は情報化社会なので、いわゆるSNSなどを通じて箱根駅伝常連大学の練習メニューなどを簡単に知ることができます。したがって、箱根駅伝に出場できないチームの練習メニューを拝見しても、その内容などに大きな違いはありません。しかも夏合宿は、長期間に渡って実施しており、走り込みの量に関しても遜色ないと思われます。
では、箱根駅伝常連大学(強いチームや選手)との違いは何なのでしょうか?
いわゆる練習メニューやレースを走ることなどは、ある程度マニュアル化できる「形式知」になります。これはSNSなどを通じてだれでも情報として得ることができ、真似することができます。ところが、その得た情報を成果にするためには、どこがポイントになるかを常に考えながら継続することも必要です。つまり、積み重ねてきた経験や勘による「暗黙知」が不可欠になります。
私の主観になりますが、強いチームや個人はいつの時代も、日々の練習やその成果をレースで発揮するために、その土台となる私生活に乱れがありません。つまり、「規則正しい生活を送り、人間性を高めること(感謝の気持ちなどを忘れない)」に徹しています(習慣化)。
このような徹底した日々のルーティーンを通じて、体や心の小さな変化も選手自身で感じ取れる能力が高まっています。箱根駅伝常連大学は、まさに新聞紙を一枚ずつ重ねていくような日々の努力を継続していくことで、「暗黙知」が備わっているのでしょう。
もちろん、今回一緒だったH大学の大学生活を拝見することはできません。しかし、夏合宿そのものに大きな違いを感じなかったことで、逆に私自身がいろいろと振り返るきっかけになりました。つまり、これらはブラインドマラソン強化指定選手たちにも当てはまり、地元での日々の生活や練習にこそ課題が残っていることを……。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
2026夏を走る・9
- 2026-07-30 (木)
- ■マラソンの雑感

【2026夏を走る・9】7月も終わろうとしていますが、今月は陸上界では歴史的な月になりました。具体的には男子1000mと1マイルの世界記録が、ともに27年ぶりに更新されたのです。
7月10日、ダイヤモンドリーグ第10戦のモナコ大会の男子1000mにおいて、エマニュエル・ワニョニイ選手(ケニア)が、2分11秒83の世界記録で優勝。従来の記録は1999年にN.ゲニ選手(ケニア)が樹立した2分11秒96で、27年ぶりの更新となります。※7位に入った落合晃選手(駒澤大学)も2分15秒24 の日本新記録を達成。
7月18日、ダイヤモンドリーグ第11戦のノヴナ・ロンドン大会の男子1マイルにおいて、J.カー選手(英国)が3分42秒66の世界新記録で優勝。従来の記録はH.エルゲルージ選手(モロッコ)の3分43秒13(1999年)で、やはり27年ぶりの更新。
両種目とも中距離走に分類され、正式種目(オリンピック種目)ではないものの、ヨーロッパなどの競技会では盛んに行われています。と、いいながら両種目とも27年もの間、それらの記録が更新されなかったとは驚きです(シューズ革命後、ランニングシューズ同様、カーボン入りスパイクも登場しているにもかかわらず)。
特に、1マイルの距離(約1609m)は1500mの距離にも近く、男子1500mの世界記録もH.エルゲルージ選手(モロッコ)が1998年に樹立した3分26秒00の記録が、やはり28年も更新されずに残っています。今後、今回の世界記録更新が、1500mの記録更新につながっていくのかも注目です。
さて、1マイル走は、日本ではなじみの薄い種目ですが、ヨーロッパなどでは象徴的な中距離種目です。その昔、1マイルを4分以内で走りきるということは、「スポーツ最高のゴール」で「エベレスト登頂に匹敵するほど難しいもの」と、いわれていたそうです。また、その記録に挑戦すること自体が健康に害を及ぼすと、生理学者などにも言われていたとのことです。
1954年5月6日、イギリスのロジャー・バニスター選手が、3分59秒4の世界新記録を樹立し、4分の壁を人類で初めて突破した選手となりました。この偉業は人類のスポーツ史上における画期的な出来事とみなされていたようです。
また、この大記録は当時の世界中を驚かせ、「1マイルを4分で走るのは不可能」という選手たちの意識も取り除きました。その結果、オーストラリアのジョン・ランディ選手が、その記録をさらに更新する3分57秒9の世界新記録を、その翌月に樹立。そして、そこから約3年間で15人のランナーたちが3分台の記録を残したといわれています。
このように、誰かが記録の壁を突破すると、次々に記録は突破されていく連鎖の話は、意外に多く見聞します(箱根駅伝などでも)。あらためて、今月達成した男子1000mと1マイルの世界新記録を皮切りに、男子800mと1500mの世界記録更新ニュースが飛び込んでくることを、陸上競技ファンのひとりとして大いに期待しております。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
2026春を走る・9
- 2026-04-30 (木)
- ■マラソンの雑感

【2026春を走る・9】今年も早いもので、GWに入ってきました。そして、ブラインドマラソン強化も恒例の長野県菅平合宿へ……。その長野県菅平高原は、標高が1500m前後の準高地と呼ばれており、多くの長距離・マラソン選手にとって、重要な強化拠点のひとつに位置付けられております。
さて、そんな日本のGW前に開催されたロンドンマラソンで、ケニアのセバスチャン・サウェ選手がついに2時間の壁を突破する「1時間59分30秒」の驚異的な世界記録を達成しました。
この大記録は「人類が夢見てきた記録」であることに違いありません。しかし、今から6年以上前の2019年10月12日、当時の男子マラソン世界記録保持者であったエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)が、オーストリア・ウィーンで実施された非公認レースにおいて、すでに「1時間59分40秒2(2時間切り)」の記録を達成しております。
要は、男子マラソンについては、条件(ペーサー・シューズ・コンディションなど)が整えば、いつでも「2時間切り」を達成できるゾーンに入っていた。また、男子の5000mや10000m、あるいはハーフマラソンの世界記録から推察すると、男子マラソンは「1時間58分台」で走れるゾーンにも入っていると言えるでしょうか(安田の主観)……。
また、何度かこのブログにも記載してきましたが、「短距離は素質」で「長距離は努力」と、私も子供のころからそのように教わってきました。しかし、ケニアやエチオピアの黒人選手たちが、本格的に長距離・マラソンに参戦するようになってきた2000年ころからは、この考え方がくつがえってきたと感じます。
つまり、「短距離は努力(技術)」で「長距離は素質(資質)」であると……。
1984年のロス五輪で陸上競技の4冠に輝いたカール・ルイス選手が活躍していた時代、日本の100mは10秒3から4台の記録でした。一方、長距離・マラソンは瀬古利彦選手や宗兄弟、中山竹通選手などが世界のトップ選手と互角以上に渡り合っていました。
あれから40年……。日本の100mは9秒台に突入し、400mリレーにおいては五輪でメダルを獲得するなど、日本人が得意とする「努力(技術)」で世界に追いつきました。一方、長距離・マラソンは、逆に生まれ持った素質(資質)である「身体的・神経的・気質的なベースの差」が顕著になり、もはや努力(技術)だけでは埋めることのできないタイム差が……。
果たして、日本人が再び世界に追いつくためのトレーニング方法は……。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
2026春を走る・7
- 2026-04-16 (木)
- ■マラソンの雑感

【2026春を走る・7】2026年度がスタートしましたが、今年度も千葉県木更津市にある「オーエンススポーツフィールド」様からの依頼で、ランニングクリニックの講師を担当することになりました。同クリニックの講師は今年で5年目に入りました。
具体的な実施回数は、4月から6月の間に3回(前期)、9月から10月の間に3回(後期)の合計6回になります。また、いわゆるランニングクリニックと呼ばれるイベント(教室)は全国各地で開催されており、その内容も大きく変わることはありません(私の経験上)。
つまり、ある程度の競技経験と知識があれば、どなたでも講師を務めることができるとも言えます……。ところが、このようなランニングクリニックの特徴としては、参加人数よりも参加者の年齢や走力に大きな幅がある点が、講師にとっては最大の悩みになると感じます。
私の経験談ですが、マラソンで「2時間30分」を目標にしているランナーと、これから「マラソン完走」を目標にしているランナーを同じ教室で指導したこともあります。このような場合、走力別のグループ分けが求められますが、講師の数に制限がある場合は簡単に対応できません。
また、どのランニングクリニックにおいても、参加者とは初めてお会いする方が圧倒的に多いので、「どんな走力・走歴」で「何を目標にしているか」など、個々の情報を正確に得る時間もありません。要は、ランニングクリニック関係の講師は誰でも簡単にできますが、前述してきたような事例もあり、実は逆に簡単なことではないとも言えます……。
さて、今年度のランニングクリニックは、これまでの経験や実績などを加味し、「40歳以上でジョギング・ランニング経験のある方」に限定させて頂きました。また、募集人数は各回とも20名。これは例年どおりですが、「今年は参加希望者が集まるのだろうか?」……。
4月11日土曜日に第1回のランニングクリニックを開催しました。果たして、参加者は25名。また、前期(6月まで)に実施する残りの2回も全て25名以上の応募があり、「すでに締め切った」とのことで、驚きと感謝です。
かくいう私は、このようなランニングクリニック関係の講師は、もちろん本業ではありませんが、これを本業(職業)にしている方もいます。あらためて、そのような講師に必要な能力は知識や経験よりも、どんな人とも即興で仲良く楽しくできる「コミュニケーション力(人間力)」が、なによりも強く求められます。
今年度も最初のランニングクリニックを何とか終えましたが、私自身もまだまだ修行が足りていないと……。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
2026春を走る・3
- 2026-03-17 (火)
- ■マラソンの雑感

【2026春を走る・3】今回は、2017年に登場したいわゆるカーボン入りシューズ(スパイクも)で、長距離種目の記録がどのように短縮されたかを確認してみます。もちろん、その影響を正確に検証するのでなく、2015年末時点の男子1万メートルの日本歴代20位までの記録と、2025年末時点との比較をしました。
2015年は、男子1万メートルで村山紘太選手が、27分29秒69の日本記録を達成しました(この時、同レースで2位だった鎧坂哲哉選手の27分29秒74も日本記録でした)。また、その記録は2001年に高岡寿成選手がマークした27分35秒09の日本記録を、14年振りに更新しました。
同様に、日本歴代20位の記録は、1998年に渡辺康幸選手がマークした27分46秒39。さらに、日本歴代20位以内の記録には、1980年代に活躍した瀬古利彦選手たちの記録も多数残っていました。参考までに2015年末時点の日本歴代20位以内の記録達成年の平均は、「2003年(2015年とは12年の差)」です。
一方、2025年は、鈴木芽吹選手が、27分05秒92の日本記録を達成しました。同様に、日本歴代20位の記録は、上記した高岡寿成選手の27分35秒09。2025年末時点の日本歴代20位以内の記録達成年の平均は、「2021年(2025年とは4年の差)」。また、2020年以前の記録として残っているのは、上記した2015年末時点の日本歴代上位3選手だけとなりました。やはり、カーボン入りシューズ(スパイク)が、記録に与えた影響は大きいと言えるのでしょう。
そこで、2025年末時点の男子マラソンの歴代20位も調べてみました。
2025年は、大迫傑選手が2時間4分55秒の日本記録を達成しました。そして、日本歴代20位の記録は、柏優吾選手の2時間6分28秒。また、上記した男子1万メートルの記録同様、日本歴代20位以内の記録達成年の平均は、「2023年(2025年とは2年差)」。そして、2020年以前の記録で残っているのは、高岡寿成選手が2002年にマークした当時の日本記録でもあった2時間6分16秒と、2018年にその記録を更新した設楽悠太選手の2時間6分11秒の二つのみ。つまり、男子マラソンは、1万メートル以上にシューズの恩恵がありそうです。
あらためて、2017年に登場したカーボン入りシューズ(スパイクも)は年々進化し、各メーカーから選手の走法に合わせた様々なタイプも登場しています。また、そのシューズを履きこなすための「ドリル(動きつくり)や補強運動(筋トレ)」も進化しており、逆にこちらからのアプローチ定着が、記録短縮に貢献していることも確かです。
さて、かくいう私がカーボン入りシューズを履くことはありません。しかし、ひとつ言えるのは、一足数万円もするカーボン入りシューズ(スパイクも)が飛ぶように売れる今の時代、自分の現役選手でなくて良かった……かな?
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
2026春を走る・1
- 2026-03-03 (火)
- ■マラソンの雑感

【2026春を走る・1】今年度もご縁があって、私が在住する千葉県君津市の「中学校部活動の地域移行テスト事業(陸上競技・中長距離)」をお手伝いしております。もちろん、様々な問題が山積しているので、今年度も市の教育関係者が音頭を取り、それをお手伝いする流れです。
しかし、テスト期間として実施できるのも、来年度までとのことです。つまり、再来年度から本格始動の予定と言うことです。もちろん、あと1年後に学校部活動が地域移行し、クラブチームとして活動することは、現実的には相当難しい……。
では、なぜ難しいのでしょうか?
あらためて、日本の学校部活動について調べてみたところ、実は日本の学校部活動は、世界の研究者から「世界最大のスポーツ指導システム」とも呼ばれているようです。その理由は、その規模だそうです。
日本では中学校・高校の部活動の顧問は、ほぼ全てが学校教師です。中学・高校の教員は約47万人ほどいるそうですが、そのうちかなりの割合が部活動顧問をしています。推計では、約20万から30万人が何らかの部活指導に関わっているようです。これは、プロコーチ・クラブ指導者などを含めてみても、世界でも最大規模だそうです。
さらに日本の学校部活には「大会ピラミッド」があります。中学生なら県大会、地区大会、全国大会などです。そして、これを運営しているのが、日本中学校体育連盟です。同様に、高校では全国高等学校体育連盟が運営しています。つまり学校単位で全国競技システムが存在しているのです。
日本では「野球、陸上、バレー、卓球、バドミントン」など多くの競技が学校部活からはじまると言っても良いでしょう。これは世界的には、本当に珍しい構造だそうです。そして、この制度が成立した最大の理由はコストが低いことと、言われています。なぜなら「指導者は教師」「施設は学校」だからです。要は、国家的な巨大スポーツシステムが低コストで運営されていたとも言えます。
まさに地域移行が難しい理由とは、この巨大システムをゼロから作り直すことになるからでしょうか。また、それに不可欠なものは「指導者、運営者、施設、財源」などです。そして、言うまでもなく、これらは全て簡単にそろえることができません(同時にそろえるのは、ほぼ不可能)。
日本の部活動は「青少年スポーツ参加率、競技レベル、全国大会」の点で、世界的に見ても非常に成功した制度と言われている所以でもあるのでしょう。ただし、「成功しすぎて代替システムが存在しない」という大きな問題があるのも確かです。つまり、たかだか数年程度で、それらの問題を解消し、地域移行にすることは……。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
2026冬を走る・8
- 2026-02-27 (金)
- ■マラソンの雑感

【2026冬を走る・8】寒暖の差が大きくなり、花粉も舞ってくる季節に移ってきました。そんな中、先日の22日は大阪マラソンが開催されるなど、各地でマラソン大会が目白押しでした。
その大阪マラソンは、元旦のニューイヤー駅伝でも快走した吉田響選手に注目が集まりました。そして、当日のレースもマラソンファンの期待通り、8k過ぎから集団を飛び出し、まさに異次元のラップを刻んで後半に突入していきました。
しかし、後半は気温が高くなったこともあって、吉田選手はそこから失速しました。それでも何とか粘りぬいて「2時間9分35秒」の35位で初マラソンを完走しました。その吉田選手のレース内容に対する評価は賛否両論ありましたが、ハーフマラソンを「61分54秒」で通過するなど、マラソンファンのひとりとしては次につながる積極的なレースだったと感じました。
さて、今回のような積極果敢なレースを拝見すると、マラソンファンとしては必ず思い出すレースがあります。それは、1987年12月に開催された「福岡国際マラソン選手権大会」です。今から39年も前のレースですが、個人的にはこのレースで爆走した中山竹通選手こそが、日本マラソン史上最高の選手だったのではと思ったりもします。
そのレース当日の天候は冷雨。気温7度、5m前後の強風もあった中でのスタート。そして、直後からハイペースになり、15k手前から中山選手が独走態勢へ……中間点をなんと「61分56秒(速報値)」で通過。
後半は雨脚が強くなり、気温も4度まで下がるなど、マラソンのコンディションとしては最悪の展開に……。しかし、その過酷なコンディションの下、中山選手は最後まで粘りぬき「2時間8分18秒」のタイムで、ぶっちぎりの優勝。
上記した今年の大阪マラソンのコンディションとは真逆だったので、同じように前半を突っ込んだ吉田選手と中山選手を比較することはできません。しかし、今と当時ではシューズが全く違います(薄底・ノンカーボン)。また、ランニングウェアの素材やサプリメントなども進化してます。
その結果、男子マラソンの日本記録は、更新され続けてきました。ところが、マラソンはある意味、自然との勝負でもあります。大会当日が、猛暑になったり冷雨になったりと、シューズやウェアでは補えない選手個々の適応力や耐久力などが、勝負に大きな影響を与えるのは確かです。
選手強化において、逆に科学や道具(シューズなど)では補えない部分をどのように強くしていくかは、今後も大きな課題として引き継がれていくのでしょうか……。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
2025冬を走る・1
- 2025-12-03 (水)
- ■マラソンの雑感

【2025冬を走る・1】2025年も12月を残すのみとなりました。そして、今週末は防府読売マラソン大会が開催予定です。同大会は、第26回日本視覚障がい女子マラソン選手権大会も兼ねていることから、パラリンピックを目指す男女のブラインド選手たちも出場します。皆様のご声援をお願い申し上げます。
さて、同日は福岡県において、「福岡国際マラソン2025」も開催予定です。同大会は、かつての「福岡国際マラソン選手権大会」を、運営体制を一新した後継大会として2022年から12月の第1日曜日に開催している大会です。また、便宜上、2021年までの大会を「第1期」、2022年以降の大会を「第2期」と、区別する場合もあるようです。
実は、私もその福岡国際マラソンの第1期(1990年代)で走った経験があります。当時は、マラソンを志すランナーたちにとっては憧れの大会でした。その参加資格も「大会前1年以内に2時間26分以内の公認記録を有する者」と、当時の実業団選手たちにとっても、かなりハードルの高い大会だったと記憶しております(出場選手も毎年100名前後だった)。
私は、1991年大会にはじめて出場しましたが、当時は夜勤もある勤務をしながら市民ランナーとして走っていました。また、はじめて出場した憧れの福岡国際マラソンでしたが、幸い当時の青東駅伝で知り合った神奈川県代表のY選手(高校教員)も出場しており、目標タイムも同じだったことから、一緒に「2時間20分突破」を目指して走ることにしました。
大会当日、スタート直後からY選手と並走してゴールを目指しました。また、同じ目標タイムを狙った選手が他にもいたので、自然と5名程度の集団になっていました。そして、30k地点を通過したとき、そのラップタイムを確認すると、目標タイムから10数秒遅れていました。
その直後、Y選手が前に出てペースを上げましたが、そのペースについていけたのは35k付近まで……。それでも自分なりに粘り抜き、何とか平和台陸上競技場に戻ってきました。その入口からゴールまで約500mですが、視界に飛び込んできたのは、ガッツポーズでゴールするY選手の後ろ姿でした。そして、ゴール脇にある時計に目を移すと、「2時間19分台」。
私も最後のトラック1周を何とか走り切り、「2時間21分台の自己新記録(当時)」でゴールすることができました。ゴール後、Y選手と健闘をたたえあいましたが、何とも言えない悔しさがこみ上げてきたのを、今でも記憶しております……。
あらためて、どんなレベルのランナーでも、マラソンに挑戦するときは必ず目標タイムを設定し、そのためのペース配分を計算してスタートします。その目標タイムが、サブスリー(3時間突破)やサブフォー(4時間突破)など、どの大会においても公式ペーサーが準備される可能性の高い目標タイムなら問題ありませんが、3時間21分とか2時間23分などの場合、どのように走るか(戦術)を、あらかじめ考えておく必要があります。
もちろん、スタート直後から1k毎にペースを確認し、単独走でゴールまで押し切れるなら問題ありませんが、実際のマラソンにおいて、そんな完璧なランナーを拝見したことはほとんどありません(単独走の多くは途中で失速する)。したがって、同じマラソン大会に出場する自分と同レベルのランナー情報を集めておくことは、必須事項とも言えるでしょう。
私が福岡国際マラソンを走っていた当時は、携帯電話やメールなどは普及していない時代でしたが、今は逆に様々な情報があふれています。それらの情報をどこからどのように集め、どうやって活用していくかは個々の考え方次第ですが、マラソン攻略方法の重要事項になっている点は今も昔も変わりません……。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
2025秋を走る・3
- 2025-09-19 (金)
- ■マラソンの雑感

【2025秋を走る・3】先日の三連休を活用し、千葉県富津市富津公園において練習会のメンバーたちと合宿を実施しました。厳しい残暑の中でしたが、それぞれのペースでしっかりと走り込みができました。
さて、東京世界陸上も開幕し、ちょうど我々の合宿と同じ日程で男女のマラソンも実施され、女子の小林香菜選手が7位入賞と健闘しました。また、個人的にはもっと過酷なコンディションになると思っていましたが、そこまで気温も湿度も上がらなかったように感じました。
また、東京世界陸上で、日本代表選手としてマラソンを走った男女の選手たちは、どの国よりも科学的な最先端の暑熱対策を取り入れ、さらに地の利を生かした戦略と戦術で勝負しましたが……。
あらためて、今回の東京世界陸上はもちろん、オリンピックやパラリンピックなど、国際大会の多くは真夏に開催されることが多く、どの競技や選手たちにとっても「暑熱対策」は必須になります。かくいう私もパラリンピックの視覚障がいマラソン強化に深く関係しているので、夏の暑熱対策は年間スケジュールに必ず組み込んでいます。
近年は、科学的なデータをベースにした様々な対策を取り入れ、それらを試してきました。もちろん、一定の成果もあり、気温が35度を超えるような過酷なコンディション下においても、「40k走」などのハードトレーニングを安全に実施することも可能になりました。
一方、そもそも暑さが苦手な選手がいるのも事実で、どんな対策を講じても夏マラソンをうまく走れない選手がいるのも確かです。もちろん、それぞれが何とか克服しようと努力するのですが、そう簡単なことではありません。
しかし、単純に夏マラソンを無事に完走することが目的であるなら、今の暑熱対策は十分に機能していると言えます。しかし、世界と戦う選手たちは完走することに「速さと強さ」をプラスします。したがって、科学を超えた「我慢や忍耐」を伴う要素も重なってくるので、対策もより複雑です(安田の主観)……。
2028年開催予定のロスオリンピックやパラリンピックも暑い中での勝負は必至です。しかし、それに向けた暑熱対策を試せる夏もあと2回。これまで積み重ねてきた経験やデータをフル活用できるように準備していきます。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
2025夏を走る・13
- 2025-08-28 (木)
- ■マラソンの雑感

【2025夏を走る・13】8月も終わりに近づくと、「今年も暑かった夏が終わりますね……」。かつてはこのような会話を見聞する時代でしたが……。ところが、昨日のニュースでは、「8月27日、東京都心の猛暑日は10日連続、年間の猛暑日は23日となり、いずれも観測史上1位の記録を更新した。」とのことです。それもお盆を過ぎてからです……。
そんな記録的猛暑日が続く中、今月最後の富津合同マラソン練習会を24日に開催しました。暑さ対策のひとつとして、スタート時間を「8時30分」に早めて実施していますが、その時間はすでに30度を超えていました……。
また、今月末の31日に開催される北海道マラソンに出場するメンバーも多数いるので、今回の練習会を最後の調整として走っている方もいました。とはいうものの、この暑さの中でのペース走が本当に良い調整になっているのか否かは定かではありません。
さて、練習会を主宰する立場としては、かなり無責任な話をしていますが、いわゆる「異常気象」の影響をもろに受ける屋外競技は本当に過酷な状況に陥ってます。特に、長距離・マラソン競技については、「その過酷さを極めている」と言っても過言ではないでしょう。
そこで、あらためて「異常気象」とはどんな現象なのかを確認してみました。
『異常気象とは、普段の天候とはかけ離れた極端な気象のことです。気象庁とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、異常気象を異なる方法で定義しています。気象庁は気象要素が過去30年以上にわたって観測されていないほど極端である様子を、IPCCは気象要素を確率分布に当てはめたときに上位または下位10%に相当する極端な様子を異常気象と呼んでいます。』
一方、その異常気象の対策として、専門家の見解も確認してみました。
『現在の天気予報・気候予測の技術をもってすれば、異常気象をある程度予測することができます。気象庁は1カ月予報や3カ月予報、寒候期予報や暖候期予報を発表しており、農業やビジネスの見通しを立てる際の参考にできます。異常気象だといってただ恐れるのではなく、日々の情報を効果的に活用して対策を講じることが重要です。』
さらに、現時点で発表されている3カ月予報(9月から11月)を確認してみました。
『3カ月を通して平均気温は全国的に「高い」と予想されています。月別に見ると特に9月と10月は全国的に「高い」と予想されています。11月は北日本で「高い」と予想され、東日本は「平年並みか高い」、西日本と沖縄・奄美では「ほぼ平年並み」と予想されています。』
したがって、マラソンシーズンに入っていく秋以降の季節も「暑くて厳しいコンディションが続く可能性が高い」ということでしょうか。つまり、これらのことを考慮しながら対策案を検討してくと、多くのランナーが積み重ねてきた「期分け」によるマラソントレーニング方法も、根底から見直す必要があるのかもしれません(季節感が大きく変わり、過去と同じ計画を実施することが難しい)。
そして、今後のマラソントレーニングは、前例のない季節感や過去の経験にとらわれない考え方や、大胆な実行力も問われる時代に入っていくのかもしれません。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
ホーム > ■マラソンの雑感
- Search
- Feeds
