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2025夏を走る・13

【2025夏を走る・13】8月も終わりに近づくと、「今年も暑かった夏が終わりますね……」。かつてはこのような会話を見聞する時代でしたが……。ところが、昨日のニュースでは、「8月27日、東京都心の猛暑日は10日連続、年間の猛暑日は23日となり、いずれも観測史上1位の記録を更新した。」とのことです。それもお盆を過ぎてからです……。

そんな記録的猛暑日が続く中、今月最後の富津合同マラソン練習会を24日に開催しました。暑さ対策のひとつとして、スタート時間を「8時30分」に早めて実施していますが、その時間はすでに30度を超えていました……。

また、今月末の31日に開催される北海道マラソンに出場するメンバーも多数いるので、今回の練習会を最後の調整として走っている方もいました。とはいうものの、この暑さの中でのペース走が本当に良い調整になっているのか否かは定かではありません。

さて、練習会を主宰する立場としては、かなり無責任な話をしていますが、いわゆる「異常気象」の影響をもろに受ける屋外競技は本当に過酷な状況に陥ってます。特に、長距離・マラソン競技については、「その過酷さを極めている」と言っても過言ではないでしょう。

そこで、あらためて「異常気象」とはどんな現象なのかを確認してみました。

『異常気象とは、普段の天候とはかけ離れた極端な気象のことです。気象庁とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、異常気象を異なる方法で定義しています。気象庁は気象要素が過去30年以上にわたって観測されていないほど極端である様子を、IPCCは気象要素を確率分布に当てはめたときに上位または下位10%に相当する極端な様子を異常気象と呼んでいます。』

一方、その異常気象の対策として、専門家の見解も確認してみました。

『現在の天気予報・気候予測の技術をもってすれば、異常気象をある程度予測することができます。気象庁は1カ月予報や3カ月予報、寒候期予報や暖候期予報を発表しており、農業やビジネスの見通しを立てる際の参考にできます。異常気象だといってただ恐れるのではなく、日々の情報を効果的に活用して対策を講じることが重要です。』

さらに、現時点で発表されている3カ月予報(9月から11月)を確認してみました。

『3カ月を通して平均気温は全国的に「高い」と予想されています。月別に見ると特に9月と10月は全国的に「高い」と予想されています。11月は北日本で「高い」と予想され、東日本は「平年並みか高い」、西日本と沖縄・奄美では「ほぼ平年並み」と予想されています。』

したがって、マラソンシーズンに入っていく秋以降の季節も「暑くて厳しいコンディションが続く可能性が高い」ということでしょうか。つまり、これらのことを考慮しながら対策案を検討してくと、多くのランナーが積み重ねてきた「期分け」によるマラソントレーニング方法も、根底から見直す必要があるのかもしれません(季節感が大きく変わり、過去と同じ計画を実施することが難しい)。

そして、今後のマラソントレーニングは、前例のない季節感や過去の経験にとらわれない考え方や、大胆な実行力も問われる時代に入っていくのかもしれません。

2025夏を走る・5

【2025夏を走る・5】千葉県は、梅雨明け宣言をしていませんが、夏日が続いております。また、2025年も半年が経過。同時に、2025年度も3ヶ月が経過しました。まさに「月日が経つのは早い」と言いますが、そのことが身に染みているこの頃です。

そんな夏日が続く中においても、富津合同マラソン練習会をたんたんと継続しております。もちろん、給水の準備や走行距離を短くするなど、安全には注意いているのは言うまでもありませんが、同練習会に参加しているランナーたちは常連の方が多いので、この暑い時期の走り方も熟知しています。

さて、これも毎年のことですが、新年度になると新しいメンバーが同練習会に加わる季節にもなります。そして、今年度は70歳の女性ランナーが、仲間として一緒にランニングライフを楽しむことになりました。その方は、最初は君津の水曜練習会に参加したことがきっかけでした。

話しを聞くと、マラソン経験もあり、ランニング歴もそれなりにある方でしたが、インターバル練習のような苦しい経験はなかったようでした。案の定、参加当初は1本走ると、ゴール地点に倒れ込むような状況でした。

実は、多くの方は日常生活において、このように自らの身体を追い込んでいくような経験はほとんどありません。もちろん、軽いジョギングを日課にしているような方でも、インターバル練習のような苦しい経験は、ほとんど無いと言っても良いでしょう。

その70歳女性の方も同様、自分自身がどのようなペースで走れば、呼吸や身体がどの程度苦しくなるのかを把握できるような経験すらありませんでした。したがって、水曜練習会に毎週参加しても単に苦しいだけの状態が続いていました。

ところが、3ヵ月目の6月に入ると、「200m×8本(リカバリーを長めに)」を何とかやり遂げることができるようになり、1本ごとに倒れ込むようなこともなくなってきました。そして、今週の水曜練習会においては、50秒以内の設定タイムに対し、なんと「45秒平均」で走り切ったのです(路面が滑る土トラックで)。

その走りっぷりには、タイムを取っていた私自身も驚きました。同時に、「人に秘められた可能性の大きさ」をあらためて感じた次第です。振り返ると、4月のころは「この人は死んでしまうのでは?」と、思うような苦しみ方をしていました。ところが、3ヵ月間継続してきた結果、知らぬ間に速さを追求していけるレベルにまで成長していたのです。

また、「どうしても年齢を理由に気持ちにもブレーキがかかる」と、その方は話していました。ところがどうして、ひとたび自信が付いてくると、心のブレーキが解き放されるのと同時に、身体もどんどん前に進んでいくのです。「マラソンでサブフォーを達成したい」と、当初から口にしていましたが、そこに到達する条件のひとつを概ねクリアしたと言っても良いでしょう。

もちろん、私自身にとっても、各練習会をサポートする楽しみがひとつ増えた次第です。

2025春を走る・11

【2025春を走る・11】長距離・マラソン選手たちも、トラックシーズンに入っております。もちろん、ロスパラリンピックを目標にしているブラインドマラソンの選手たちもトラックシーズンに入ります。そして、そのトラックレースに対応するための強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園で実施しております。

また、この時期になると、ここ富津では実業団選手や箱根駅伝を目指す学生選手たちの姿はほぼ見かけなくなりますが、どの選手たちも全国各地で開催される記録会などのトラックレースに出場していることでしょう。まずは、どの選手もケガや故障もなく、トラックレースに挑めることを祈念しております。

さて、トラックレースは、ロードレースや駅伝のような起伏のある長い道路を走るわけではないので、スピード練習の一環と捉え、短期間で複数のレースを走る選手が多数います。特に、記録会はその名のとおり、自己の記録に果敢に挑戦する場なので、積極的に出場してほしいと、個人的にも思います。

一方、たくさん出場できる反面、毎回同じような失速を繰り返したり、ライバル選手たちとの競り合いになると、毎回同じようなパターンで負け続ける選手たちがいます。つまり、勝ったり負けたりではなく、高確率で負けたり、失速したりするのです。いわゆる負けグセが付いている状態に陥る選手たちです。

もちろん、明らかに格上の選手に挑んでいる場合は別ですが、負けグセが身に付いてしまうと、レースでの失速や負けを繰り返し、レースそのものを楽しめなくなっていきます。至極当然のことですが、この状態が続くと、走ることそのものに対する意欲も低下していき、選手としての立ち位置も維持できなくなっていきます。

ところが、この負けグセが厄介と言われているのは、選手を引退した後も、その後の人生にも大きな悪影響を及ぼすとも言われているからです。具体的には、「すぐにあきらめる」、「やる前から否定的なことを言う」、「文句ばかりで自分はなにもしない」など、負けグセを放っておくことは、「これからの人生に大きなハンディを背負って生きていくのと同義」と、話している専門家は多数います。

では、負けグセが付いてしまう原因は何でしょうか?

かくいう私は専門家ではないので、正確に説明することはできませんが、多くの専門家が指摘している原因のひとつに、「負けても悔しがらない」があります。つまり、負けた相手に「強いですね」で、終わってしまい、負けを繰り返すパターンです(もちろん、謙虚な姿勢は大切ですが)。

このように、負けたことに関して無関心だと、勝つことに執着しなくなり、ここが勝負という状況でも「まあいいや」と考え、状況が好転せず負けてしまいます。まさに、駅伝での競り合いや、マラソンの35k以降で力を発揮できなくなるのです。つまり、悔しがらない選手は駅伝メンバーからも遠ざかっていくのです。

いろいろと話が長くなりましたが、要はこの時期に記録会などのトラックレースを多く走ることで、「負けたら悔しい」を繰り返し、逆に「負けグセも克服できるチャンス」と、捉えてほしいのです。それが、秋以降の駅伝やマラソンにも必ずつながると信じております……。

2025春を走る・5

【2025春を走る・5】例年以上に寒暖の差が大きいと感じますが……新年度もスタートしました。そして、新年度に入ったこの4月は、1年間で最も人事異動の多い月でもあります。そんな中、現役を引退する選手や他チームに移籍する選手たちもいることでしょう。そして、選手だけでなく、監督やコーチのようなスタッフ関係者が他チームに移籍するケースも、最近は増えてきました。

また、今さら言うことでもありませんが、それだけ陸上の長距離・マラソン選手はもちろん、その選手たちを支える側の「プロ化」が定着してきたとも言えるのでしょう。

さて、人間は環境の変化に弱い動物と言われています。これは、自分自身の経験してきたことや、これまで見聞してきたことからも納得できます。特に、長距離・マラソン選手はもちろん、スポーツ選手たちにとっては、日々の練習環境や練習パートナー(チーム)、そして、選手たちをサポートするスタッフ関係など、選手を取り巻くその環境から驚くほど影響を受けます。

ところが、それ以上に影響を受けると思われるのが、練習以外の生活環境です。具体的には、「引っ越し、転職、異動、結婚、離婚、出産、SNS……」などが該当するでしょうか。これらは、私が長年携わっているブラインドマラソン(パラリンピック関係)の強化においてもピタリと合致します。したがって、実は選手たちの練習環境を整備していく以上に、それらの生活環境の変化を見落とさないよう注視していくことが強く求められます。

そして実際に、パラリンピックなどの大きな大会の振り返りをすると、実はその生活環境の変化が成績にも影響していた選手は、過去を振り返っても意外と多いのです。ところが、それを見抜くことは、実は難しいことも確かなのです。なぜなら、生活環境は個々のプライベートに該当するので、ある線からは踏み込めなくなるからです。

同様に、選手自身もプライベートに踏み込んでほしくないと思うのは至極当然だからです。ところが、上記したような生活環境に端を発する問題が一旦おこると、今度は逆に、それを簡単に相談しにくいのも確かなのです。特に、日本人の特性とも言うのでしょうか、いわゆる「恥の文化」があるからです。

「引っ越ししたら近所とトラブルに」、「異動(転職)した部署(会社)の上司と考え方が合わない」、「同棲をはじめたら相手の粗ばかりが見えてきた」、「妻(夫)とケンカして別居した」、「産まれた子供に病気が見つかった」など、このようなトラブルや問題は誰にでも起こり得るのです。もちろん、選手たちにもです。

ところが、それらの問題を一旦抱えてしまった選手は例外なく、競技のパフォーマンスに悪影響を与えます。その結果、本来の調子からほど遠い状態へと、アッと言う間に落ちていくのです(そのまま去っていった選手たちもたくさん見てきました)。

あらためて、年度の変わり目はいろいろな意味からもリスクが高くなる時期とも言えます。月並みですが、選手からプライベートの問題も気楽に相談してもらえる環境づくりが不可欠なのは……。

2025春を走る・3

【2025春を走る・3】実業団vs大学の直接対決となる、エキスポ駅伝大会が開催されました。駅伝ファンのひとりとしては、とても見応えのある内容でした。選手の皆さん、お疲れ様でした。

今回の駅伝は、初の実業団チームと学生チームとの直接対決になるとのことで、SNSなどでも大きく取り上げていました。しかし、駅伝大会の歴史を紐解くと、それに近い駅伝大会が過去にも存在したことを知ることができます……。

今から30数年前、私も現役時代でしたが、全国で開催されていた駅伝大会をいくつか振り返ってみます(今は開催中止になっている駅伝大会)。はじめに、当時は日本三大駅伝と言われていた「朝日駅伝大会(福岡県・99.9k/7区間)」、「中国駅伝大会(広島県・107.5k/8区間)があげられます(三大駅伝のもうひとつは、今のニューイヤー駅伝大会)。

上記した2つの駅伝大会は、学生チームの参加も可能で、実際に実業団チームと大学チームが直接対決することもありました。かくいう私も当時の日本三大駅伝は走っていました。特に、朝日駅伝大会は私自身にとってもたくさんの思い出がある駅伝大会です。

それ以外にも、九州を10日間かけてタスキをつなぐ世界最長の「九州一周駅伝大会」。また、ほぼ同じ開催日程で、青森から東京までを7日間かけてタスキをつなぐ「東日本縦断駅伝大会(青東駅伝」がありました。

私は、青東駅伝大会に千葉県代表選手として、11年連続出場しました。この駅伝大会は、青森から東京までの約880kを61区間に分け、7日間で競い合う駅伝大会です。

参加する各都道県は、24名の代表選手を選考し、ひとりの選手は最低1回、最大3回走ります。また、ひと区間の距離は、10kから20k程度になります。当時の私は毎年確実に3回出走していました。しかも区間距離は15kを超える長距離区間に配置されることが多かったと記憶しております。

つまり、1週間で3本も15k以上のロードレース(起伏の激しい山岳コースが多かった)を走っていたことにもなります。今振り返っても「よく走っていたな」と、私も含め当時の選手たちは本当にタフでした。

また、この青東駅伝大会や九州一周駅伝大会を皮切りに、ニューイヤー駅伝大会の地区予選会、元日のニューイヤー駅伝大会。そして、朝日駅伝大会を走り、最後は中国駅伝大会へと連戦が続きました。

現在も駅伝大会の過密スケジュールを、マラソンを目指す上での弊害と指摘する関係者は多数いますが、30年以上前の選手たちは、その流れをまるで職人のように平然とこなしていました(それらの駅伝と並行してマラソンも走っていた)。

あらためて、駅伝大会も含め物事には必ず賛否両論ありますが、今となっては薄れゆく記憶に残る良き思い出になっております……。

2025春を走る・2

【2025春を走る・2】ここ数年、「部活動の地域移行」の話題が多くなりました。内容的には、「これまで中学校・高校の教員が担ってきた部活動の指導を、地域のクラブ・団体などに移行すること」です。

もう少し説明すると、文部科学省が2020年9月に「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について」の書面で、「2023年度から公立中学校での休日の部活動の地域移行をスタートすること」を発表したことです。

それを受け、スポーツ庁と文化庁が2022年12月に策定したガイドラインに基づき、まずは2023年度から3年間かけて、「公立中学校」の「休日」の「運動部」の部活動を優先し、「段階的に地域移行しようとしていること」を指します。

さて、前置きが長くなりましたが、私が在住する千葉県君津市においても、上記した方針にしたがって、「部活動の地域移行」を実施していくことに……。もちろん、様々な問題が山積しているので、市の教育関係者などが号令をかけただけでは、実行できるはずもありません。

まずは、君津市としては地域移行に向け、今年度と来年度をテスト期間とし、中学校の陸上競技の短距離と長距離に絞って試すことになりました。そして、その長距離部門のコーチ(指導者)として、私もお手伝いすることに……。

具体的には、昨年の9月ころから市の教育関係者や他のコーチとの打ち合わせを重ね、12月から今年の3月までの日曜日を活用して地域クラブ活動を実施しました。また、開催に先立って、君津市内の全中学校に開催案内を配布し、参加希望者を募りました。

もちろん、陸上部の生徒だけが対象ではないので、テニス部やサッカー部など、運動系の生徒や、逆に美術部などの文化系の生徒もいます。参加した生徒たちが記載した目標や目的を拝見すると、「専門的な指導を受けて速くなりたい」、「運動不足を解消したい」など、参加目的は本当に様々でした。

経験上の話になりますが、年齢に関係なく、ある程度走れる人よりも、初心者(未経験者)にランニング指導をする方が、はるかに難しいことは今も昔もかわりません。今回、限られた時間と場所で、経験者(上級者)と初心者を同時に指導することの難しさを、あらためて勉強することができました(部活動なので速くすることが第一の目的ではない)。

一方、コーチたちの指導を真剣な目で聞いている中学生たちの取組み姿勢に、やりがいや達成感を感じることができたのも確かです。この先、どんな方針になっていくのかはわかりませんが、自分にできることは今後も積極的にかかわっていきたい……。

2024冬を走る・11

【2024冬を走る・11】今回も前回の続きになります。要は、目標にしているマラソン大会前の30日前後あたりに20k前後の駅伝大会やロードレース大会を調整の一環として走った場合についての振り返りです(安田の主観)。

特に、初マラソンの場合、そのままの勢いでマラソンも快走しているケースが多く、ひとつの成功パターンとして確立しているのは確かなようです。ところが、同じような流れで初マラソンから2回目のマラソンに挑む場合、逆にうまくいかないケースも意外と多く、再現性が難しい調整方法とも言えそうです。

さて、2月24日に大阪マラソン大会、続く3月2日には東京マラソン大会が開催されます。多くの市民ランナーはもちろん、世界からエリートランナーが多数招待されており、記録への期待が大きな大会でもあります。

さらに、国内のエリートランナーたちも多数出場します。特に、今年開催される東京世界陸上のマラソン日本代表を狙っている国内トップ選手たちが上位入賞(日本人上位)と記録を狙います。もちろん、マラソンファンのひとりとしても目の離せない大会となります。

また、両マラソン大会前の20日から30日前後にあたる2月2日は丸亀ハーフマラソン大会が開催され、2月9日には全日本実業団ハーフマラソン大会が開催されました。そして、どちらの大会も男子は歴史的な記録ラッシュとなりました。同時に、これらのハーフマラソン大会を大阪マラソン大会と東京マラソン大会出場のため、調整の一環として出走した男子選手も多数いました。

その丸亀ハーフマラソン大会において、61分59秒以内で完走した男子選手は82名。同様に、全日本実業団ハーフマラソン大会においては45名。机上の計算になりますが、ハーフマラソンを61分59秒以内で走れる男子選手は、マラソンで2時間8分以内の記録を狙える確率はかなり高くなります。

もちろん、両ハーフマラソンを走った選手たち全員がマラソンを走るわけではありませんが、少なく見ても相当数の選手が走ると思われます。つまり、どちらかのハーフマラソンを調整の一環として走り、設定タイムどおりの61分台で走れた男子選手にとっても、逆に自分よりも好調な選手がすでに相当数いることを見せつけられたハーフマラソン大会だったとも言えます。

但し、どんな選手も最終的な調子の良し悪しは、実際にマラソンを走ってみないとわかりませんが、どちらのマラソン大会も歴史的(?)な記録ラッシュになるのはほぼ間違いないと思われます。そして、調整の一環として走ったハーフマラソン大会(丸亀&全日本実業団)の順位が、目標のマラソン大会(大阪&東京)でどのように変動したかを注目したいと思います(勝ち負けへの影響)。

2024冬を走る・10

【2024冬を走る・10】第73回別府大分毎日マラソン大会が開催されました。そして、今年も「新人の登竜門」に相応しいレースとなり、素晴らしい記録が誕生しました。また、同大会は、IPC公認視覚障がいマラソンの部も2016年大会から設置頂き、今年も男女8名の視覚障がい選手が記録に挑戦しました(男子2名、女子2名の選手が自己記録を更新)。

また、ここ数年は箱根駅伝などで活躍した学生選手が、そのまま別府大分毎日マラソン大会で初マラソンに挑み、快走している流れが定着しています。かつては箱根駅伝を走った後の2月から3月のマラソンに挑む学生選手は多くありませんでしたが、今は箱根駅伝後にマラソンを走る学生選手も増えました。

さて、あらためてマラソントレーニングの最終調整に入っていく30日から40日前に20k前後の駅伝やロードレース大会を「調整の一環として走ること」について少し振り返ってみます(安田の主観)。至極当然のことですが、このときの記録や順位は、目標としているマラソンの結果にも大きな影響を与えます。

具体例として、駅伝なら区間賞を獲得。ロードレース大会なら上位入賞など、いわゆる快走した場合、そのまま目標のマラソンまで走れてしまうケースが多いのは確かです。特にマラソンよりも速いペースで20k前後の距離を走る駅伝やロードレース大会で快走した場合、目標のマラソンで快走する確率は高くなります。さらに、それが初マラソンに挑む場合、その確率はより高くなると考えます。

イメージとして「ハーフマラソンまでの距離をマラソンペースよりも速く走れているので、初マラソンもゆとりを持って最後まで走れる(しかも無欲で)」と……。

ところが、この調整パターンは意外と再現性が難しく、まさに初マラソンから2回連続で成功したケース(選手)をあまり見かけません……。なぜなら、調整の一環として出場する駅伝やロードレース大会を自分のイメージどおりにコントロールすることは難しいからです(特に駅伝)。

「昨年の駅伝では区間賞を獲得したが、今年も同区間を走り、昨年の記録を更新したにもかかわらず区間8位だった」。同様に、「昨年は3位に入ったハーフマラソン大会で、今年は自己記録を更新したが、順位は12位だった」。などなど、ライバルたちも出場する大会は生き物なので、前年の成功パターンと同じような内容を再現することは極めて難しいのです(ほぼ不可能)。

繰り返しになりますが、昨年と同じ駅伝やロードレース大会を走り、前年の記録を更新しているにもかかわらず順位を落としたケースの場合、そのレースでは想定以上に力を出し切っている可能性が高い(調整の域を超える)。そして、さらにメンタル面のダメージも残る可能性がある(ライバルに負けた)。

こうなると、前年は無欲で無心に走れた初マラソンも、マラソン2回目の今年は不安要素ばかりが気になり、最終調整の段階から失敗する方向に心も体も流れていくリスクが高くなると思われます。

その結果、昨年は自分自身が無欲で走った初マラソンを快走したように、今年は初マラソンに無欲で挑戦したライバルたちの後塵を拝することに(ある意味、残酷な世界)……。

2024冬を走る・7

【2024冬を走る・7】2025年も千葉県富津市富津公園で強化合宿をスタートしました。今回の合宿は、2月の別大マラソンに向けた最後の合宿でした。内容は、量を落として質を上げる方にシフト。具体的には距離走の距離を短くし、設定タイムを上げる内容です。

中でも、パリパラ日本代表選手として活躍した、男子の和田選手と熊谷選手が好調を維持しており、2月の別大マラソンでは、日本人初の「2時間20分突破」を達成してもらいたいと……。

さて、大きな駅伝大会もひと段落し、個々のマラソンや各種ロードレースなどに目標がシフトしていきます。今回の富津合宿においても、実業団や大学チームがマラソン練習に取り組んでいました。特に、先日の箱根駅伝には惜しくも出場できなかったT大学の選手たちが積極的に長い距離を走っていました。

そこには、かつて箱根の名門大学として華々しい活躍をしていた面影はなく、ただ愚直に走り込む姿がありました。もちろん、選手を指導している監督は変わることなく、選手の後ろをしっかりとついていき、指示を出していました。

富津公園で合宿をしていると、実業団や学生チームが入れ替わりでやってきます。好成績を継続しているチームや、逆に何か歯車が狂い、チーム力が下降に入っているチームなど様々です。言えるのは、いつの時代も魔法の練習はなく、愚直に走り込みを継続していくのが一番の近道でしょうか。

また、チーム力が下降に入っている局面での指導は本当にたいへんです。特に、SNSなどで事実とは異なる話や内容が流され、結果的には優秀な選手を勧誘することも困難な状況に追い込まれていくからです。まさに負の連鎖です。

このように富津で合宿をしていると、様々なチームを拝見することができます。その中において、箱根駅伝は一旦出場を逃がすと、復活していくのが簡単ではありません。ところが、監督が変わると劇的にチーム力が復活することがあるのは確かであり、指導者の力は本当に大切だと感じます。

さらに、箱根駅伝においては、指導者自身が苦労をしてきたか否かが、とても指導には大切な要素だと感じます。学生は原則として4年間しかチャンスがありません。そして、実業団選手とは違い、監督の指示や指導はより強く(絶対であり)、学生選手が監督に逆らう(?)ことは相当難しい。

だからこそ、学生選手を指導していく上で、監督自身が苦労してきた経験は必須であり、人生経験の少ない学生選手たちからの信頼と信用を勝ち取るためには必要なのでしょう。ちょうど、各チームの監督などの人事が発表される季節になってきました。

監督が変わることによって、チーム力がどのように変わっていくのかを拝見していきたい……。

2024冬を走る・3

【2024冬を走る・3】毎年のことですが、1年が経つのは早いと言いますが……。2024年もあと10日弱となりました。そして、年明けの元日はニューイヤー駅伝、2日からは箱根駅伝と、出場する選手たちにとっては最後の調整期に入りました。

そして、先日の11日土曜日からいつもの千葉県富津市富津公園において、ブラインドマラソンの強化合宿を実施しました。また、我々にとって、次の目標は来年2月に開催される別大マラソンになります。今回の強化合宿はそのマラソンに向けた走り込みでした。

その強化合宿時、同じ富津公園内において、上記したニューイヤー駅伝と箱根駅伝に出場するチームや選手たちが最後の調整練習をしていました。具体的な練習内容は割愛しますが、どのチームも実戦に近い形式での走り込みがメインで、駅伝当日の具体的な区間配置や戦術などを決断していくとても重要な練習をしていました。

一方、全国的にもインフルエンザやコロナなども流行っているので、どのチームも選手たちも体調管理が最大のポイントになります。すでに何度も記載してきましたが、このタイミングでインフルエンザやコロナに感染すると、正月に調子を合わせることはほぼ絶望的になります。

さらに、どのチームも選手たちは同じ寮やアパートで生活をしていることが多いので、ひとりの選手が感染すると、瞬く間にチーム内に感染が拡大していきます。結果、チームや個人の目標とはほど遠い走りになってしまうケースに陥ることになります……。

あらためて、どのチームも選手たちも、最高の体調と調子で駅伝当日を迎えてほしいと願っております。

さて、ブラインドマラソンの強化合宿は、11日土曜日から15日水曜日までの4泊5日で実施しましたが、内容的には距離走を2回実施するなど、走り込みを重視した内容でした。また、上記したようにインフルエンザやコロナが流行っている証拠に、長い距離を走り込むには富津公園も絶好のコンディションになりました。

今回の強化合宿に参加した男子選手は、パリパラマラソン代表2選手がメインでしたが、予定どおりの設定タイムでたんたんと走り込めていました。両選手ともマラソン経験が豊富なので、私の方から何から何まで指示することはほぼありません。それぞれが経験と実績を持っているので、それに従って具体的な設定タイムや距離を決めていけば良いレベルに到達しています。

何事もそうですが、最初は練習方法など、何をどのようにしていけば良いかを知りません。しかし、練習(仮説)とレース(検証)を繰り返していくと、自分自身に合った独自の練習方法や調整方法などがつかめてきます。結果、それらの精度(確率)が向上し、レースでの安定感や粘り強さに結びついていきます。

ところが、それらを一瞬にして崩壊させるのが、インフルエンザやコロナです。繰り返しになりますが、特に駅伝選手は最後まで体調管理に注意してほしいと思います。そして、「迷ったら休養」です……。

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