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2025-02
2024冬を走る・13
- 2025-02-26 (水)
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【2024冬を走る・13】先日の大阪マラソン大会はマラソンファンの期待どおり、好記録が続出するレースとなりました。そんな中、日本人1位は、初マラソンの近藤亮太選手が初マラソン日本最高記録を樹立。また、「初マラソン初優勝」の快挙まであと少しでしたが、とても感動的な走りでした。ありがとうございました。
さて、そんな好記録続出だった大阪マラソン大会でしたが、残念なことに30.5kの折返し地点を間違えるアクシデントが発生しました。もちろん、テレビ観戦をしていてもその誘導ミスは、瞬間的にわかりました。幸い、先頭集団の選手たちが長く走った距離は約30m程度だったので、その被害は最小限(?)だったようです。
あらためて、マラソンコースに関する国際ルールだと、「距離の誤差は、42.195kの0.1%よりも長くなってはいけない」。つまり、今回はたまたま偶然、15m先に固定中継カメラが設置してあり、あたかも折返し地点のようだったので、先頭集団の選手たちはそこを折返した(したがって、42mよりも短くなった)。もしも、このカメラが22m先に設置してあったなら、先頭集団の選手たちは全員が失格になっていたのです。
また、このときのロスタイムを考慮すると、あと数名の日本人選手が2時間5分台でフィニッシュしていた可能性は高かったと思われます。いずれにしろ、国際マラソン大会の運営常識としては考えられない失態だったことは確かです。
実は、このようなマラソン大会などのロードレース大会における誘導ミスは過去にも発生しています。かくいう私が30数年前の現役時代に出場した別府大分毎日マラソン大会でも起こりました。もちろん、今のコースとは違いますが、先頭を独走していた海外選手が折返し地点手前で折返したテレビ中継車などについていき、そのまま先頭でゴール。しかし、ゴール後に失格。私は自分がゴールした後にそのことを知りましたが、何とも気の毒なアクシデントでした。
また、ある日本陸連公認のハーフマラソン大会で、選手に帯同したときのことです。いつものように、選手たちのスタートを見送り、ゴール地点で選手を待っていると、ゴールしてくる選手たちのタイムが、明らかに1分以上は速いのです。私は直ちに審判長を見つけ、「途中で誘導ミスがあったのでは?」と、確認のために抗議しました。
案の定、その審判長は「公認大会なのでそんなことはあり得ない」との一点張りでした。ところが、大会後日に審判員のミスで、折返し地点に設置するはずのコーンをかなり手前に置いてしまったことが発覚しました。もちろん、大会運営の中においても「選手誘導」に関することは、最重要項目のひとつなはずですが……。
しかし、同じようなミスはどこの大会においても起こり得る可能性があるとも言えるのでしょう。あらためて、今回の大阪マラソン大会における誘導ミスは、これ以上の大きな問題には発展しないと思われますが、今後も有効な対策は本当にあるのでしょうか……。
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2024冬を走る・12
- 2025-02-22 (土)
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【2024冬を走る・12】別府大分毎日マラソン大会後の強化合宿を、2月15日土曜日から2月19日水曜日までの日程で実施しました。もちろん、場所は千葉県富津市富津公園です。
今回の強化合宿は、別府大分毎日マラソン大会後と言うこともあって、参加選手は少なかったです。しかし、同マラソン大会で自己記録を更新した男子の熊谷選手、大石選手と女子の和木選手は参加し、元気に走り込んでいました。
特に、男子の熊谷選手は、5年弱振りの自己記録更新で優勝(IPC登録の部)。その熊谷選手は、2019年12月の福岡国際マラソンで達成した自己記録を今回更新しました。しかし、この間に2度のパラリンピック(東京とパリ)が開催されており、熊谷選手は両パラリンピックともにマラソン日本代表選手として出場しました。
つまり、マラソンの記録は5年振りの更新でしたが、この間に走力は着実に上がっていたとも言えます。今回の別府大分毎日マラソン大会で、これまでの自己記録を一気に80秒更新しましたが、言い方を変えると、毎年16秒ずつ成長していたとも……。
また、熊谷選手は今回の別府大分毎日マラソン大会の3週間前にハーフマラソン大会に出場しました。その大会で、自己新記録(ネットタイム)を達成し、好調をキープしたままマラソンに挑むことができました。前回のブログにも記載しましたが、多くのトップランナーたちも目標のマラソン大会前の30日から20日前後に、調整の一環としてハーフマラソンを走るパターンは定着しています。
ところが、選手自身は調整の一環としてハーフマラソンを走ったつもりでも、ライバル選手たちとの過当な競り合いで、マラソンのために蓄えてきた力を、そのハーフマラソン大会で出し切ってしまうケースがあります(走った本人にはその自覚がない)。その結果、目標のマラソン大会で思うような記録を出せなかった選手も多く拝見してきました。
熊谷選手も今回の別府大分毎日マラソン大会に向け、同様の調整方法でハーフマラソン大会を走りました。ところが、その大会がウェーブスタート方式(時差スタート)を採用しており、熊谷選手は幸か不幸か、後方のグループからスタートすることに……。
その結果、スタート直後からその後方グループの先頭で独走になり、終始自分のペース感覚でゴールまで走り通すことになりました。結局は、単独走でも自己記録を更新(ネットタイム)。逆に、他の選手と必要以上に競り合って、力を出し尽くすことを回避することにもなりました(まさに練習の一環として、普段の練習と同じように走れた)。
今回は、ハーフマラソン大会を調整の一環として走ったことが、マラソンでの自己記録更新にもつながりました。しかし、次回のマラソンで同じことを再現できるか否かは、ハーフマラソン大会のレース展開次第になります。つまり、出場する相手次第とも言えます。また、レースは生き物なので、自分の意思でレースをコントロールすることも難しい。したがって、調整の一環としてレースを活用する方法は、再現性が難しいとも言えるのでしょうか……。
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2024冬を走る・11
- 2025-02-15 (土)
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【2024冬を走る・11】今回も前回の続きになります。要は、目標にしているマラソン大会前の30日前後あたりに20k前後の駅伝大会やロードレース大会を調整の一環として走った場合についての振り返りです(安田の主観)。
特に、初マラソンの場合、そのままの勢いでマラソンも快走しているケースが多く、ひとつの成功パターンとして確立しているのは確かなようです。ところが、同じような流れで初マラソンから2回目のマラソンに挑む場合、逆にうまくいかないケースも意外と多く、再現性が難しい調整方法とも言えそうです。
さて、2月24日に大阪マラソン大会、続く3月2日には東京マラソン大会が開催されます。多くの市民ランナーはもちろん、世界からエリートランナーが多数招待されており、記録への期待が大きな大会でもあります。
さらに、国内のエリートランナーたちも多数出場します。特に、今年開催される東京世界陸上のマラソン日本代表を狙っている国内トップ選手たちが上位入賞(日本人上位)と記録を狙います。もちろん、マラソンファンのひとりとしても目の離せない大会となります。
また、両マラソン大会前の20日から30日前後にあたる2月2日は丸亀ハーフマラソン大会が開催され、2月9日には全日本実業団ハーフマラソン大会が開催されました。そして、どちらの大会も男子は歴史的な記録ラッシュとなりました。同時に、これらのハーフマラソン大会を大阪マラソン大会と東京マラソン大会出場のため、調整の一環として出走した男子選手も多数いました。
その丸亀ハーフマラソン大会において、61分59秒以内で完走した男子選手は82名。同様に、全日本実業団ハーフマラソン大会においては45名。机上の計算になりますが、ハーフマラソンを61分59秒以内で走れる男子選手は、マラソンで2時間8分以内の記録を狙える確率はかなり高くなります。
もちろん、両ハーフマラソンを走った選手たち全員がマラソンを走るわけではありませんが、少なく見ても相当数の選手が走ると思われます。つまり、どちらかのハーフマラソンを調整の一環として走り、設定タイムどおりの61分台で走れた男子選手にとっても、逆に自分よりも好調な選手がすでに相当数いることを見せつけられたハーフマラソン大会だったとも言えます。
但し、どんな選手も最終的な調子の良し悪しは、実際にマラソンを走ってみないとわかりませんが、どちらのマラソン大会も歴史的(?)な記録ラッシュになるのはほぼ間違いないと思われます。そして、調整の一環として走ったハーフマラソン大会(丸亀&全日本実業団)の順位が、目標のマラソン大会(大阪&東京)でどのように変動したかを注目したいと思います(勝ち負けへの影響)。
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2024冬を走る・10
- 2025-02-06 (木)
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【2024冬を走る・10】第73回別府大分毎日マラソン大会が開催されました。そして、今年も「新人の登竜門」に相応しいレースとなり、素晴らしい記録が誕生しました。また、同大会は、IPC公認視覚障がいマラソンの部も2016年大会から設置頂き、今年も男女8名の視覚障がい選手が記録に挑戦しました(男子2名、女子2名の選手が自己記録を更新)。
また、ここ数年は箱根駅伝などで活躍した学生選手が、そのまま別府大分毎日マラソン大会で初マラソンに挑み、快走している流れが定着しています。かつては箱根駅伝を走った後の2月から3月のマラソンに挑む学生選手は多くありませんでしたが、今は箱根駅伝後にマラソンを走る学生選手も増えました。
さて、あらためてマラソントレーニングの最終調整に入っていく30日から40日前に20k前後の駅伝やロードレース大会を「調整の一環として走ること」について少し振り返ってみます(安田の主観)。至極当然のことですが、このときの記録や順位は、目標としているマラソンの結果にも大きな影響を与えます。
具体例として、駅伝なら区間賞を獲得。ロードレース大会なら上位入賞など、いわゆる快走した場合、そのまま目標のマラソンまで走れてしまうケースが多いのは確かです。特にマラソンよりも速いペースで20k前後の距離を走る駅伝やロードレース大会で快走した場合、目標のマラソンで快走する確率は高くなります。さらに、それが初マラソンに挑む場合、その確率はより高くなると考えます。
イメージとして「ハーフマラソンまでの距離をマラソンペースよりも速く走れているので、初マラソンもゆとりを持って最後まで走れる(しかも無欲で)」と……。
ところが、この調整パターンは意外と再現性が難しく、まさに初マラソンから2回連続で成功したケース(選手)をあまり見かけません……。なぜなら、調整の一環として出場する駅伝やロードレース大会を自分のイメージどおりにコントロールすることは難しいからです(特に駅伝)。
「昨年の駅伝では区間賞を獲得したが、今年も同区間を走り、昨年の記録を更新したにもかかわらず区間8位だった」。同様に、「昨年は3位に入ったハーフマラソン大会で、今年は自己記録を更新したが、順位は12位だった」。などなど、ライバルたちも出場する大会は生き物なので、前年の成功パターンと同じような内容を再現することは極めて難しいのです(ほぼ不可能)。
繰り返しになりますが、昨年と同じ駅伝やロードレース大会を走り、前年の記録を更新しているにもかかわらず順位を落としたケースの場合、そのレースでは想定以上に力を出し切っている可能性が高い(調整の域を超える)。そして、さらにメンタル面のダメージも残る可能性がある(ライバルに負けた)。
こうなると、前年は無欲で無心に走れた初マラソンも、マラソン2回目の今年は不安要素ばかりが気になり、最終調整の段階から失敗する方向に心も体も流れていくリスクが高くなると思われます。
その結果、昨年は自分自身が無欲で走った初マラソンを快走したように、今年は初マラソンに無欲で挑戦したライバルたちの後塵を拝することに(ある意味、残酷な世界)……。
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