- 2009-06-29 (月) 21:24
- レース対策
前回、ハード面の対策だけでは、オーバーペースを防止することは難しいと、話をしました・・・。では、どんな対策を実施していけばよいのでしょうか?
それは、もう一方であるソフト面の対策に目を向ける必要があります。もう少しわかり易く言うと、感覚的な話です。実は、長距離走やマラソンのアドバイスや攻略法の話は意外と感覚的なことが多く、それだけメンタル的な部分も重要視されています。
そこで私も実践してきた、オーバーペースを自分自身で自覚するひとつの目安を紹介します。それは、スタートしてから最初の1分から2分程度(200mから400m前後)の間で、「今日は少し速いなぁ」と、感じるかどうかです。もしもそう感じたなら、それは間違いなく「全力疾走」をしています。
「えっ!」と、信じられないかもしれませんが、これは自分自身の経験も含め、ほぼ間違いありません。特に、市民駅伝大会を観戦していると、そのことが顕著にあらわれます。それはタスキをもらった瞬間、脱兎のごとく走り出していく姿はまさに「全力疾走」と、見ていてもハッキリとわかるからです。皆さんも思い当たる経験はありませんか?
では、それを防止する方法は?
至極当然な話になりますが、出足をおさえて走ることです。具体的には、◆対策1).10k以下のレースならスタート直後、1分から2分程度の間をおさえて走る。◆対策2).おさえて走っているときは、「ジョギング」をイメージする。
もちろん、スタート直後から、どんどん抜かれていく可能性が高いのですが、ここは我慢です(笑)。また、「ジョギングをイメージ」とは極端な感じもしますが、それでもスタート直後は必ず速くなります(汗)。
さて、各種マラソン大会で前方からスタートできず、やむなく後方からスタートすることになった経験は、皆さんにもあると思います。しかしそんなとき、全く意識していなかったにも関わらず、ネットタイム(※)では自己記録を更新していたケースは意外と多いのです。まさにこれこそが、スタート直後をしっかりとおさえた結果ではないでしょうか。
※日本陸連公認の大会を含めた各種大会での記録は、グロスタイムしか公式扱いされません。つまり、ネットタイムは参考記録扱い(自己満足だけの記録)となります。仮に、ネットタイムで国際マラソンの参加標準記録を突破したとしても、その記録では参加が認められませんので、注意して下さい。
このように、スタート直後の1分から2分程度の間、ペースをおさえることができたなら、少なくともオーバーペースによる後半の失速は、かなりの確率で防止できるでしょう。また、日々のランニング中でも、自分自身の感覚で1分や2分と感じたところで時計を確認し、実際の時間と一致していくように訓練していくことは、時間感覚を身につけるうえで有効的です。
最後に、オーバーペース防止策をまとめると、◆対策まとめ1).1k毎に時計を確認し、設定ペースを守る(ペースを確認する/ハード面)。◆対策まとめ2).スタート直後の1分から2分程度の間は、ジョギングをイメージし、スピードをおさえる(ペース&時間感覚を身につける/ソフト面)。
同時に、オーバーペースを防止するためにはスタート後、できるだけ早い段階で自分自身の気持ちと身体をうまくコントロールできるかどうかとも言えます。つまり、一緒にスタートした沢山の人たちにのまれることなく、冷静になれるかどうか・・・。
やはり、最後はこれですね(笑)。
つづく。
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