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2025春を走る・5

【2025春を走る・5】例年以上に寒暖の差が大きいと感じますが……新年度もスタートしました。そして、新年度に入ったこの4月は、1年間で最も人事異動の多い月でもあります。そんな中、現役を引退する選手や他チームに移籍する選手たちもいることでしょう。そして、選手だけでなく、監督やコーチのようなスタッフ関係者が他チームに移籍するケースも、最近は増えてきました。

また、今さら言うことでもありませんが、それだけ陸上の長距離・マラソン選手はもちろん、その選手たちを支える側の「プロ化」が定着してきたとも言えるのでしょう。

さて、人間は環境の変化に弱い動物と言われています。これは、自分自身の経験してきたことや、これまで見聞してきたことからも納得できます。特に、長距離・マラソン選手はもちろん、スポーツ選手たちにとっては、日々の練習環境や練習パートナー(チーム)、そして、選手たちをサポートするスタッフ関係など、選手を取り巻くその環境から驚くほど影響を受けます。

ところが、それ以上に影響を受けると思われるのが、練習以外の生活環境です。具体的には、「引っ越し、転職、異動、結婚、離婚、出産、SNS……」などが該当するでしょうか。これらは、私が長年携わっているブラインドマラソン(パラリンピック関係)の強化においてもピタリと合致します。したがって、実は選手たちの練習環境を整備していく以上に、それらの生活環境の変化を見落とさないよう注視していくことが強く求められます。

そして実際に、パラリンピックなどの大きな大会の振り返りをすると、実はその生活環境の変化が成績にも影響していた選手は、過去を振り返っても意外と多いのです。ところが、それを見抜くことは、実は難しいことも確かなのです。なぜなら、生活環境は個々のプライベートに該当するので、ある線からは踏み込めなくなるからです。

同様に、選手自身もプライベートに踏み込んでほしくないと思うのは至極当然だからです。ところが、上記したような生活環境に端を発する問題が一旦おこると、今度は逆に、それを簡単に相談しにくいのも確かなのです。特に、日本人の特性とも言うのでしょうか、いわゆる「恥の文化」があるからです。

「引っ越ししたら近所とトラブルに」、「異動(転職)した部署(会社)の上司と考え方が合わない」、「同棲をはじめたら相手の粗ばかりが見えてきた」、「妻(夫)とケンカして別居した」、「産まれた子供に病気が見つかった」など、このようなトラブルや問題は誰にでも起こり得るのです。もちろん、選手たちにもです。

ところが、それらの問題を一旦抱えてしまった選手は例外なく、競技のパフォーマンスに悪影響を与えます。その結果、本来の調子からほど遠い状態へと、アッと言う間に落ちていくのです(そのまま去っていった選手たちもたくさん見てきました)。

あらためて、年度の変わり目はいろいろな意味からもリスクが高くなる時期とも言えます。月並みですが、選手からプライベートの問題も気楽に相談してもらえる環境づくりが不可欠なのは……。

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