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2026夏を走る・9

【2026夏を走る・9】7月も終わろうとしていますが、今月は陸上界では歴史的な月になりました。具体的には男子1000mと1マイルの世界記録が、ともに27年ぶりに更新されたのです。

7月10日、ダイヤモンドリーグ第10戦のモナコ大会の男子1000mにおいて、エマニュエル・ワニョニイ選手(ケニア)が、2分11秒83の世界記録で優勝。従来の記録は1999年にN.ゲニ選手(ケニア)が樹立した2分11秒96で、27年ぶりの更新となります。※7位に入った落合晃選手(駒澤大学)も2分15秒24 の日本新記録を達成。

7月18日、ダイヤモンドリーグ第11戦のノヴナ・ロンドン大会の男子1マイルにおいて、J.カー選手(英国)が3分42秒66の世界新記録で優勝。従来の記録はH.エルゲルージ選手(モロッコ)の3分43秒13(1999年)で、やはり27年ぶりの更新。

両種目とも中距離走に分類され、正式種目(オリンピック種目)ではないものの、ヨーロッパなどの競技会では盛んに行われています。と、いいながら両種目とも27年もの間、それらの記録が更新されなかったとは驚きです(シューズ革命後、ランニングシューズ同様、カーボン入りスパイクも登場しているにもかかわらず)。

特に、1マイルの距離(約1609m)は1500mの距離にも近く、男子1500mの世界記録もH.エルゲルージ選手(モロッコ)が1998年に樹立した3分26秒00の記録が、やはり28年も更新されずに残っています。今後、今回の世界記録更新が、1500mの記録更新につながっていくのかも注目です。

さて、1マイル走は、日本ではなじみの薄い種目ですが、ヨーロッパなどでは象徴的な中距離種目です。その昔、1マイルを4分以内で走りきるということは、「スポーツ最高のゴール」で「エベレスト登頂に匹敵するほど難しいもの」と、いわれていたそうです。また、その記録に挑戦すること自体が健康に害を及ぼすと、生理学者などにも言われていたとのことです。

1954年5月6日、イギリスのロジャー・バニスター選手が、3分59秒4の世界新記録を樹立し、4分の壁を人類で初めて突破した選手となりました。この偉業は人類のスポーツ史上における画期的な出来事とみなされていたようです。

また、この大記録は当時の世界中を驚かせ、「1マイルを4分で走るのは不可能」という選手たちの意識も取り除きました。その結果、オーストラリアのジョン・ランディ選手が、その記録をさらに更新する3分57秒9の世界新記録を、その翌月に樹立。そして、そこから約3年間で15人のランナーたちが3分台の記録を残したといわれています。

このように、誰かが記録の壁を突破すると、次々に記録は突破されていく連鎖の話は、意外に多く見聞します(箱根駅伝などでも)。あらためて、今月達成した男子1000mと1マイルの世界新記録を皮切りに、男子800mと1500mの世界記録更新ニュースが飛び込んでくることを、陸上競技ファンのひとりとして大いに期待しております。

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