- 2026-08-21 (金) 12:52
- 4.マラソントレーニング(理論)

【2026夏を走る・12】千葉県印西市にある順天堂大学さくらキャンパスにおいて、ブラインドマラソン強化指定選手たちの乳酸カーブテストを実施してきました。今回の測定も前回同様、同大学大学院スポーツ健康科学研究科教授、町田先生のご支援ご指導のもと、無事に実施することができました。あらためて、御礼申し上げます。
さて、乳酸カーブテストは、マラソンや自転車ロードレース、トライアスロンなどの持久力が重要な競技において、自身の持久力レベルを数値化(可視化)することが主な目的になります。特に、乳酸閾値(LT値)を把握することで、レースやトレーニングにおける設定ペースや心拍数の目安を数値化(可視化)することができるようになります。
この測定は段階的に負荷を上げながら行われ、各ステージで血中乳酸濃度と心拍数を測定します。ランニングではトレッドミル、バイクではペダリングを用い、各ステージは3分間の運動と1分間の休息で構成されます。休息中に耳たぶや指先から微量の血液を採取し乳酸濃度を測定します。ステージごとに負荷を増加させ、乳酸濃度の変化をプロットすることで「乳酸カーブ」が得られます (抜粋資料から)。
血中乳酸値とは、血液中に含まれる乳酸の濃度(mmol/L)を指します。乳酸はかつて「疲労物質」として悪者扱いされていましたが、現在のスポーツ科学ではエネルギー源として重要な役割を果たすことが明らかになっています(抜粋資料から)。
運動強度が低い場合、体は主に有酸素系のエネルギーシステムを利用し、乳酸は産生されてもすぐに除去されるため血中乳酸値は低く保たれます。しかし、運動強度が上がると乳酸の産生量が除去能力を上回り、血中乳酸値が急激に上昇し始めます。この変曲点が「乳酸閾値(LT)」と呼ばれるポイントです(抜粋資料から)。
そして、この乳酸閾値(LT値)を定期的に測定していくことで、そのデータをもとに選手個々の状態を科学的に把握することでできます。さらに、トレーニング内容を科学的に修正していくことも可能になります。今回、測定した選手たちの状態は概ね良好でした(トレーニングも的確な内容でできている)。
一方、このようなデータやトレーニング内容などは、AIなどを活用すれば簡単に知ることが可能になってきました。その結果、専門的な知識がなくでも、誰でも簡単にトレーニング理論やトレーニング方法などを知ることも可能になりました。
ところが、AIなどを活用して現状を把握し、それを改善するための適切なトレーニング方法を知ることができたとしても、成果を出すためには実際に走ること(練習)が不可欠です。
つまり、どんなに科学的な測定方法やトレーニング方法を知ったところで、知識だけでは「速くなる(強くなる)」ことはできません。この点は、いつの時代も「知識(知る)」から「成果(できた)」の過程には「練習(生みの苦しみ)」があり、必ずアナログ的な行動を踏むことが不可欠なのは変わりません(情報過多に陥ってはいけない)。
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