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夏を走る

2026夏を走る・3

【2026夏を走る・3】先日の13日土曜日から14日日曜日の日程で、石川県金沢市において開催された「日本パラ陸上競技選手権大会」は無事に終わりました。まずは、大会関係者の皆様、出場された選手の皆様、ありがとうございました。

そして、最も懸念していた大会当日の天候でしたが、長距離種目にとっては最悪なコンディションの「晴(高温多湿)」となってしまいました。もちろん、このような表現をすると語弊がありますが、長距離・マラソン選手にとって、最大の敵は「暑さ」なので、ご理解いただければと思います……。

さて、ちょうどひと月前の5月、愛知県名古屋市で開催された「ジャパンパラ陸上競技大会」においても、前述した「暑さ」に記録を阻まれました。しかし、大会後はそのまま現地に残り、強化合宿にシフトして走り込みを実施しました(スピード重視)。

また、日本パラ陸上競技選手権大会の1週間前は、千葉県富津市において強化合宿を実施し、同大会に挑みました……。

結果は男女とも上位選手が、自己新記録や今シーズン最高記録を達成するなど、一定の成果を残すことはできました。もちろん、課題の残る選手もいましたが、4月以降の気温が高くなっていくこの時期、「スピード強化」へと移行していく流れを見直すことができた点は、コーチとしても収穫がありました。

至極当然のことですが、長距離・マラソンの指導者には様々な考え方を持った方がいます。とにかくスピードを重視していく考えの方。逆に、走り込みを重視していく考えの方。もちろん、どちらか一方に偏らない指導が求められますが、そう簡単にはいかない傾向にあるようです。

そこには、各指導者の経験(ノウハウ)や成功体験が深く関与しているからでしょうか。かくいう私は、「走り込みを重視していく考えの方」に近いと自覚しております。したがって、トラックよりもマラソンの方が……。

この後は、長野県上田市菅平高原において、もう一度スピード重視の走り込みを実施し、7月上旬に北海道網走市と北見市で開催予定の「ホクレンディスタンス」に挑みます。もちろん、マラソンにとってもスピード強化は最重要課題のひとつなので、しっかりと取り組んでいきます。

2026夏を走る・2

【2026夏を走る・2】台風の影響で1日遅れての実施となった強化合宿は、無事に終わりました。また、梅雨入りとも重なり、気温が逆に20度以下まで下がるなど、長距離・マラソンの走り込みを実施するには、逆にちょうど良いコンディションとなりました。

主観的な話になりますが、人は暑さなど、厳しくなっていく環境への順化は苦手です。ところが、逆に涼しくなっていくなど、身体にとって楽な方への環境にはすぐに順化します。まさに今回の強化合宿は暑さから一転し、気温が一気に10度前後も下がるコンディションになりました。したがって、どの選手も質の高い走り込みができていました。

もちろん、こんなに涼しくなるのは一時的で、季節的にはどんどん暑くなっていく方向なので、気を抜くわけにはいきません。そんな中、今週末から石川県金沢市において「日本パラ陸上競技選手権大会」が開催されますが、コンディション的には逆に心配でもあります……。

さて、前述したように多くの人は、厳しい環境から恵まれた環境への順化は短期間で対応できます。ところが、その逆への順化は、簡単ではありません。例として、夏から秋・冬へと涼しい季節へ移っていくと、多くの長距離ランナーは駅伝やマラソンなどで好記録や好成績を残していきます。

ところが、夏マラソンなど、暑い時期に調子のピークを合わせるのは難しく、夏マラソンに挑戦する長距離ランナーの多くは苦戦します。同様に、夏に開催されるオリンピックや世界選手権の日本代表に選考されるような超エリートランナーの実力を持ってしても、簡単にいかないのが現状でしょうか。

特に、夏に開催される長距離・マラソン種目を目指す場合、それに向けたトレーニングの大半は、逆に涼しい環境下に移動して行います。その結果、とても良い状態に仕上げていくことは可能です。ところが、本番は酷暑の中なので、どこかのタイミングで必ずその暑さに順化させる必要があります。

繰り返しになりますが、人は厳しい環境下への順化はとても苦手です。したがって、涼しい場所で十分にトレーニングを積めても、「最終的には、本番の暑い場所へ移動するタイミング(暑熱順化)をどうするのか?」が、とても重要なポイントになるのは言うまでもありません。

今回、千葉県富津市富津公園において実施した強化合宿は、たまたま涼しいコンディションになりましたが、果たして今週末の大会でどんなパフォーマンスを見せてくれるか……。

2026夏を走る・1

【2026夏を走る・1】今週の3日水曜日から千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施予定でしたが、台風の影響で木曜日にスライドさせてのスタートとなりました。もちろん、台風の影響で合宿の日程が変更になったのは初めてのことでしたが……。

また、いつもの富津強化合宿は土曜日からスタートし、水曜日までの4泊5日で実施するのが定番です。しかし、今回はこの後の大会を踏まえ、水曜日から日曜日までの日程としました。

さて、富津強化合宿の初日は(どの合宿も)、移動の疲れも加味し、軽めの調整にしています。しかし、今回は台風の影響で1日少なくなったので、集合した木曜日の午後からポイント練習(インターバル)を実施しました。案の定、走った選手たちの動きは重たく、どの選手たちもいっぱいいっぱいな感じでした……。

あらためて、強化合宿や大会などの遠征は移動が伴います。日ごろ、そんなに意識しない遠征時の移動ですが、意外と疲労が伴います。特に、合宿などの場合は荷物も多くなり、電車や飛行機を乗り継いで移動する際、かなりの負担になります。

至極当然のことながら、そんなことを表に出す選手はほぼいません……。もちろん合宿の場合、移動の疲労も加味しての強化になるので、移動を言い訳にする選手もほぼいません。ところが、これが大会に出場するための移動だった場合はどうでしょうか?

多くの場合、大会の前日に移動するのが一般的です。移動後は現地で一泊し、ゆっくりしてから翌日の大会に備える日程です。しかし、意外とよくあるパターンが、その移動時の電車や飛行機の中で熟睡してしまい移動した宿舎でほとんど眠れなかったなど、移動時の過ごし方で最後の調整が崩れてしまうケースです。

また、移動の疲れは加齢などによっても変わってくるので、その疲れが大会当日に出てしまうこともあります。したがって、日曜日の大会時は、土曜日ではなく金曜日から現地入りすると、調整がうまくかみ合ったりします。この場合、前述した移動時に熟睡したとしても、その問題も解消できます。

特に、大会出場に伴う移動は予算の関係もありますが、前述したようなことを振り返っておくことは大切です。特に、マラソンの場合、数カ月の走り込み(努力)が、前日の移動によって「水の泡」になる可能性もあるので……。

2026春を走る・13

【2026春を走る・13】そろそろ梅雨の時期に移っていきます。そして、気温が高くなるのはもちろんですが、湿度も高くなり、ランニングにとっても厳しい季節へ移っていきます。一方、この蒸し暑い時期をうまく活用することで、本格的な夏に向けた暑熱順化を進めていくことができます。

そこで、あらためて暑熱順化について考えていきます。

まずは暑熱順化とは、身体が暑さになれることを言います。もう少し別な言い方をすると、「暑い環境でもパフォーマンス低下や熱中症リスクを減らすための身体改造」とでも言うでしょうか。

特に、ランナーにとって暑さや湿度は、パフォーマンスが低下する最も大きな要因のひとつに該当します。したがって、梅雨から夏前の時期にこの暑さや湿度を克服していくための暑熱順化を進めていくことは、マラソン攻略の重要なポイントとも言えます。

もちろん、梅雨時期のランニングは気温や湿度が高くなるので危険も伴いますが、やり方次第では、むしろ強くなれる時期とも言えます。要は、この時期に身体が暑熱順化できると、夏にしっかりと走り込むことがでるからです。

そして、夏にしっかりと走り込みができると、秋以降のマラソンシーズンに向けた土台(スタミナなど)が構築されます。すると、涼しくなっていく秋以降のトレーニングは量から質へとスムーズな移行が可能となり、マラソンなどの記録更新に直結していきます。

さて、梅雨に入ると雨が多くなりますが、市民ランナーの方に話を伺うと、「雨天時は走らない」と答える方が多いのも確かです。しかし、そもそも気温の高い梅雨時期の雨天時は、雨が身体を冷やしてくれるため、比較的長く走ることが容易になります。つまり、逆に雨天時を活用しない手はないとも言えます。

また、マラソンは原則として雨天決行です。しかし、雨天時にランニング経験のないランナーが、いきなり雨の中でマラソンに挑戦することは難しいとも言えます。そこで、この雨天時のランニングを通じて「シューズやウェアの選択」「ペース配分(強度)」などを試すことで、独自のノウハウを蓄積していくことができます。

同時に、雨天時のランニングは、集中力(環境適応力)やメンタル面が自然に鍛えられます(安田の経験上)。このように雨天時でも根気よく走り込むことで、「悪条件に強いランナー」としての持ち味を磨いていくことも……。

2026春を走る・7

【2026春を走る・7】2026年度がスタートしましたが、今年度も千葉県木更津市にある「オーエンススポーツフィールド」様からの依頼で、ランニングクリニックの講師を担当することになりました。同クリニックの講師は今年で5年目に入りました。

具体的な実施回数は、4月から6月の間に3回(前期)、9月から10月の間に3回(後期)の合計6回になります。また、いわゆるランニングクリニックと呼ばれるイベント(教室)は全国各地で開催されており、その内容も大きく変わることはありません(私の経験上)。

つまり、ある程度の競技経験と知識があれば、どなたでも講師を務めることができるとも言えます……。ところが、このようなランニングクリニックの特徴としては、参加人数よりも参加者の年齢や走力に大きな幅がある点が、講師にとっては最大の悩みになると感じます。

私の経験談ですが、マラソンで「2時間30分」を目標にしているランナーと、これから「マラソン完走」を目標にしているランナーを同じ教室で指導したこともあります。このような場合、走力別のグループ分けが求められますが、講師の数に制限がある場合は簡単に対応できません。

また、どのランニングクリニックにおいても、参加者とは初めてお会いする方が圧倒的に多いので、「どんな走力・走歴」で「何を目標にしているか」など、個々の情報を正確に得る時間もありません。要は、ランニングクリニック関係の講師は誰でも簡単にできますが、前述してきたような事例もあり、実は逆に簡単なことではないとも言えます……。

さて、今年度のランニングクリニックは、これまでの経験や実績などを加味し、「40歳以上でジョギング・ランニング経験のある方」に限定させて頂きました。また、募集人数は各回とも20名。これは例年どおりですが、「今年は参加希望者が集まるのだろうか?」……。

4月11日土曜日に第1回のランニングクリニックを開催しました。果たして、参加者は25名。また、前期(6月まで)に実施する残りの2回も全て25名以上の応募があり、「すでに締め切った」とのことで、驚きと感謝です。

かくいう私は、このようなランニングクリニック関係の講師は、もちろん本業ではありませんが、これを本業(職業)にしている方もいます。あらためて、そのような講師に必要な能力は知識や経験よりも、どんな人とも即興で仲良く楽しくできる「コミュニケーション力(人間力)」が、なによりも強く求められます。

今年度も最初のランニングクリニックを何とか終えましたが、私自身もまだまだ修行が足りていないと……。

2025夏を走る・12

【2025年夏を走る・12】長野県の菅平高原においてクラブチームの夏季合宿を実施してきました。また、この合宿はかれこれ20年以上続いており、毎年恒例となっております。もちろん、当初から参加頂いているメンバーも健在で、今年もそれぞれが積極的に走り込んでいました。

さて、菅平高原と言えば「ラグビー合宿」です。ちょうど、我々が合宿を実施しているエリアには、大小100面以上のラグビーグラウンドがあります。まさに「ラグビーの夏の聖地」と呼ばれるゆえんです。

かくいう私自身は、ラグビーに関する知識などは持ち合わせていませんが、ラグビー合宿の歴史は古く、菅平高原は冬のスキーに代わる夏の誘客のため、1931年に法政大学ラグビー部の合宿を誘致したのが始まりと言われています。また、それに早稲田大学などが続き、1967年に日本代表が初めて合宿を行うと、一気にチーム数が増えていったそうです。

もちろん、今回の合宿中も菅平高原内にはラグビー選手たちがあふれてすごいことに……。そして、これも菅平高原の目玉とも言えるのが、菅平高原唯一のコンビニであるセブンイレブン菅平高原店でしょうか。また、このセブンイレブンは24時間営業ではなく、開店が早朝7時00分で閉店が午後11時00分と、本来の「セブンイレブン・スタイル」をキープしているのも特徴です。

そして、早朝7時の開店から午後11時の閉店までの間、ラグビー関係者やその他大勢のお客さんで、途切れ目無くごった返します。うわさでは「夏の時期は日本一儲かっている」と聞いたことがありますが、それが「うわさだ」としても十分に納得することができるにぎわいです。

そんな屈強な男たちが集まる夏の菅平高原で、我々の合宿も無事に終えることができました。また、個人的には今年に入って5回目の菅平合宿となりましたが、今年の菅平合宿は全て終了です。

まだまだ厳しい暑さは続きますが、菅平合宿の走り込みで蓄えたスタミナを秋以降のマラソンで発揮できるよう、選手たちと調整していきます。もちろん、場所を厳しい暑さの続く千葉県富津公園に戻して……。

2025夏を走る・11

【2025夏を走る・11】北海道北見合宿は無事に終了しました。まずは、今回もご支援頂いた北見市の皆様、北見プラザホテルの皆様に厚く御礼申し上げます。また、今回の北海道北見合宿は、先月同地で実施した時よりも気温が下がり、天候も雨や曇りになる日も多かったことから、どの選手も計画したトレーニング内容をほぼ完ぺきに消化することができました。

その具体的なトレーニング内容については割愛しますが、7泊8日の合宿期間で「40k走」を3本実施することができました。至極当然のことながら視覚障がい選手のトレーニングには、原則としてガイドランナー(伴走者)が必要になります(単独走ができる弱視選手に対しても、走行中の安全を確保する意味でもペーサーが必要になる)。

したがって、40k走を3本実施するためには、ガイドランナーも一緒に3本走ることになります。もちろん、その前提として、7泊8日の合宿に帯同可能な環境を作れるガイドランナーであることが必須条件となります。これについては今回のような強化合宿だけでなく、「国内外の遠征時は、常に視覚障がい選手のスケジュールに合わせ、自身も帯同できるか否か?」は、実は最も重要な課題のひとつになります。

例として、ガイドランナーとしての技術や実績は抜群でも、パラリンピックのような長期遠征をする際、所属先から休暇を取得して帯同できなければそのガイドランナーを選考することは極めて難しくなります(ガイドランナーは視覚障がい選手の日常生活をサポートする役割もあるので)。

このことについは視覚障がい選手たちが、地元で日々のトレーニングを計画的に継続する上でも最重要課題になります。例えば、「日曜日に40k走を計画していたが、急用でその日のガイドランナーがこれなくなった」などのトラブルが起こった時、「電話一本でかけつけてくれる別のガイドランナーも確保しているか否か?」は、さらに重要です。

繰り返しになりますが、ガイドランナーに求められる資質は、伴走の技術や実績以上に「視覚障がい選手のスケジュールに合わせられる」ことが、パラリンピックなどの長期遠征を伴う大会や強化合宿などでは重要視します。要は、単純に伴走の技術や経験が豊富だとか、視覚障がい選手との相性や走力が良いだけでは、そのガイドランナーを日本代表として帯同させることは難しい……。

あらためて、今回の北海道北見合宿においては、箱根駅伝でも活躍している帝京大学駅伝競走部から2名の選手が伴走サポートで全日程参加して頂きました。これは、毎年恒例になっており、選手の伴走だけでなく、単独走ができる弱視選手のペーサーや練習パートナーとしても大車輪のサポートをしてくれます。

至極当然のことになりますが、バリバリの現役学生選手から全日程のサポートを頂くだけで、視覚障がい選手たちのモチベーションも上がり、結果的にはトレーニングの量だけでなく、質も向上するのです。

特に、マラソンなどで視覚障がい選手がガイドランナーと並走(伴走)することは、一般の競技ルール上でも認められています。つまり、視覚障がいランナーも一般ランナーと同じルールと価値観で勝負できる代表的なインクルーシブスポーツなのです。

一方、上記したような視覚障がいランナーをサポートするガイドランナー(伴走者)の「環境整備(休日取得など)」が不可欠なのは、今後も変わらない課題のひとつとして残っていくでしょう。

2025夏を走る・10

【2025夏を走る・10】今週の火曜日から2回目の北海道北見強化合宿を実施しております。先月の同強化合宿時は記録的猛暑の中でしたが、今回はかなり涼しく感じます。また、天候も幸い雨や曇りが多く、走り込むには最適なコンディションです(今日時点までは)。

あらためて、8月は実業団選手や箱根駅伝を目指す学生選手たちにとっても、最も走り込む月になるでしょうか。そして、この8月に走った距離は秋以降の駅伝やマラソンの記録や成績に対し、大きな影響を与えることは、実は今も昔も変わりません。

特に、ここ数年は「シューズ革命(カーボン入りシューズの登場)」により、長距離・マラソンの記録が飛躍的にのびました。また、カーボン入りシューズ(バネ入り)を履きこなすために必要な体幹の筋力強化やランニングフォームの矯正に特化したトレーニングもどんどん進化し、老若男女問わずに普及しています。

一方、カーボン入りシューズが登場した当時の勢いは落ち着き、逆にマラソンでは以前のように後半失速する選手たちが増えてきたような気がします。同様に、トラックレースでも何となく記録が頭打ちになってきており、特にコンディションが悪くなったときに失速する選手も多くなってきたような(私の主観)……。もちろん、どの選手もカーボン入りシューズを履いているにもかかわらず……。

そんな中、学生選手たちの記録はどんどん飛躍しており、箱根駅伝をはじめとする各種駅伝の記録はもちろん、冬のマラソンにおいても好記録を叩き出す選手が続出しています。その要因としては、上記したような体幹の筋力強化やランニングフォームを矯正するためのドリルなどを日々徹底しているのも確かですが、特に夏の走り込みが充実しているからではないでしょうか(もちろん、年間を通じても)。

具体的には、純粋に走行距離が飛躍的にのびているのでしょう。カーボン入りシューズを履きこなすためには、それ相応の筋力やランニングフォームは必要ですが、筋力や技術だけで長距離・マラソンを走り切ることはできません。また、体幹の筋力強化やドリル(動きつくり)では、スタミナはつきません。つまり、ランニングフォームが矯正されても長い距離を速く走るには、まずはその距離を完走するためのスタミナが必要なのはいつの時代も変わらないのです。

もちろん、やみくもに「たくさん走れ!」ではありません。実は、スピード練習を科学的に効率よく走ることよりも故障やケガをしないように、走行距離を増やしてスタミナ(体力)をつけていく方が、ノウハウや根気(我慢や継続)がより必要です。

また、長距離・マラソンを走った方なら誰でも感じますが、特に肉体的な苦痛よりも精神的な苦痛が大きく、長い距離(時間)に対する絶望感を感じて途中で挫折するのです。つまり、精神面のスタミナをどのように鍛錬していくかが肉体面のスタミナ強化同様、長距離・マラソンを攻略していく上での大きなカギになるのです。

そして、精神面のスタミナ(肉体面のスタミナも)を強化する最も効率的な方法のひとつが、「その距離(マラソンなど)を繰り返し走ること」と、専門家の話を見聞しても、今も昔も本質は変わらないのです(時代が変わっても長距離・マラソンに必要なスタミナ養成は手間と時間がかかる)。

2025夏を走る・9

【2025夏を走る・9】千葉県も厳しい暑さが続いておりますが、水曜練習会と富津合同マラソン練習会は実施しております。特に、富津合同マラソン練習会は、休日の午前中に実施するので、暑い中での練習会となります。

至極当然のことですが、暑い中で走ることは最も危険な行為のひとつと言っても過言ではありません。ところが、マラソンを目標に走り込んでいるランナーたちにとっては、走らないわけにもいきません。

もちろん、暑さ対策は様々なことを実践していますが、最終的に暑い中でのランニングは個々の暑熱純化(しょねつじゅんか)ができているか否かになります。そこで、暑熱純化についてもう一度簡単にふれておきます。

まずは「暑熱順化」とは、体が暑さに慣れて、熱中症になりにくくなるための生理的適応反応のことを指します(多くの文献や専門家の回答)。たとえば、急に気温が高くなった日や、梅雨明け直後の猛暑日に体調を崩す人が多いのは、この「暑熱順化」がまだ十分にできていないからと言われています(これも多くの文献や専門家の回答)。

次に、暑熱順化ができている体の変化としては、「汗をかきやすくなる(体温調節が効率化)」「汗の中の塩分が減る(ミネラルの損失が減少)」「心拍数の上昇が抑えられる」「体温が上がりにくくなる」「疲れにくくなる」など……。

要は、暑さに慣れることで体の負担が軽減された結果、夏バテや熱中症の予防につながることです。つまり、炎天下の中においてもランニングなどの運動にも耐え得る状態に体が順化することでもあります。

では、暑熱順化の具体的な方法についてですが、これも多くの文献や専門家が回答しているとおり、「軽い有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・自転車など)を、気温が高めの日中または夕方に行うこと(暑い中で運動する)」。

もちろん、個々の体調や体力に合わせることが最優先ですが、「暑さになれるには暑い中で動け(郷に入っては郷に従え)」なのです。この点は、毎年夏合宿を実施している経験からも合致します。また、人の体は過酷な状況に追い込まれても、それに順応していく能力は相当高いと思います(私の経験上)。

先日の富津合同マラソン練習会も、スタート時の気温はすでに30度を超えていましたが、参加者全員が元気に完走していました。あらためて、人の順化能力はすごいと、感じた次第です……。

2025夏を走る・8

【2025夏を走る・8】北海道北見市で実施していた強化合宿は無事に終了しました。毎年のことですが、あらためてご支援頂いた北見市の皆様に厚く御礼申し上げます。

さて、ご存知のとおり、北海道北見市は猛暑日が続いており、我々の合宿期間中も連日30度を上回っていました(手元の温度計で)。特に、合宿最終日に実施した3本目の距離走は、早朝6時30分にスタートしたにもかかわらず、その時の気温はすでに30度を超えていました(終了時の気温は38度)。

もちろん、そんな過酷なコンディション下での40k走はどう考えても危険なので、距離を短縮し、個々の設定タイムも落としてスタートしました。ところが、3本目に実施したそのコースは、1周1.5kで起伏の激しい周回コースだったので、実はそれなりに過酷でしたが……。

あらためて、3本目のコースですが、東京パラ前(リオパラ直後)に北見市役所の関係者と、「北見市内で長い距離を安全に走れる場所は本当にないのか?」を、もう一度車で確認していたところ、偶然見つけた場所でした。そこは、ラグビー&サッカーの試合や合宿ができる広大なスポーツ施設で、その中にある周回道路を走るコースです。

至極当然のことですが、公園施設内の道路になるので、一般の方が勝手に出入りし、走ることはできません。ところが、これも北見市役所や施設関係者のご理解とご尽力により、我々の強化合宿に関しては、特別に使用許可を頂いているのです(一般車両が入ってこないので路面状態も良く、信号もないので安全面も確保できる)。

また、東京パラ前もパリパラ前も、同コースでしっかりと走り込めたことが、メダル獲得につながった点は言うまでもありません。すでに何度も話していますが、このように合宿先でのトレーニングコース(長い距離を走れる)を確保できるか否かは、強化合宿を実施する上で、最も重要な合宿条件のひとつになります。

冒頭に記載したとおり、北海道北見市(日本)の夏は年々過酷になってきておりますが、我々が北見市の皆様から頂いているご支援はそれ以上なのです。もはや、日本全国どこへ行っても猛暑を避けることは難しくなってきております。また、今のところパラリンピックが暑い環境下で開催されることも変わりません。

したがって、今後も北海道北見市を夏の強化拠点のひとつとして、パラリンピックでのメダル獲得を目標に走り込んでいくことも、変わることはないでしょう……。そして、来月(8月)は、今年2回目の北見強化合宿を実施します。

あらためて、よろしくお願いします!

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