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日本製鉄君津
2025夏を走る・3
- 2025-06-20 (金)
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【2025夏を走る・3】愛知県豊田市において「伴走者養成講習会」が開催され、その講師としてお手伝いをしてきました。今回の講習会は、豊田ブラインド伴走協会のご支援とご尽力により、開催することができました。あらためて、感謝申し上げます。
特に、同協会の会長でもある山本氏の素晴らしいリーダーシップにより、今回の講習会はもちろん、年間を通じてとても熱心な活動が継続されています。また、山本氏はマラソンだけでなく、100mなどの短距離種目の伴走も手掛けるなど、本当に情熱的な人柄です。
何事にも共通していますが、情熱的なリーダーがいる活動には多くの人が集まります。今回の山本氏から話を伺うと、伴走活動以外にも様々なことを手掛けており、それぞれの活動が結びついて更に大きくなっていくような相乗効果を自ら仕掛け、自ら実践しているのです。
また、物事を長く継続できている人や、いわゆる「打たれ強い人」に共通していることのひとつに、「情熱的でよく動く」があります。つまり、よく動くので長く続く。また、よく動くので人よりも目立ち、その結果として批判もあびる。しかし、情熱的でよく動くので、いちいち立ち止まったり、クヨクヨしたりもしない……。
あらためて、全国各地からの依頼を受け、伴走者養成講習会のお手伝いもしていますが、どこの講習会においても必ず情熱的なリーダーが存在します。そして、その姿に我々講師の方が感銘を受け、学ぶ点や参考にすることが多いのも確かです。
特に、周りの人を焚きつける人間力には、毎回感銘を受けます。一方、その力を言葉や文字などであらわすことは意外と難しく、「なんで、あんなことができるのか?」と、今回の講習会もいろいろと考える機会になりました。
次回、山本氏とお会いできるときは、もっと掘り下げたお話を伺いたいと思います……。
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2025夏を走る・2
- 2025-06-14 (土)
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【2025夏を走る・2】宮城県仙台市で開催されたジャパンパラ陸上大会の後、ブラインドマラソンチームはそのまま火曜日まで仙台市に残り、合宿を実施しました。幸い、ジャパンパラ陸上大会が開催されたトラックをそのまま使用することができたので、同トラックで充実したトレーニングを実施することができました。
さて、今回のジャパンパラ陸上大会において、視覚障がい中長距離種目において失格になった選手がいました。とても残念なことでしたが、パラ陸上競技には一般の陸上競技には存在しない特殊なルールがあります。それは同じ障がいのカテゴリー内で、公平に競い合うために必要なルールであり、パラ陸上大会に出場する選手や関係者はそれらを十分に理解しておくことが大前提になります。
特に、視覚障がい部門の場合、ガイドランナー(伴走者)を伴うカテゴリーにおいては、テザーと呼ばれる手錠型のロープ(形状も長さも厳格に指定)で、誘導しなくてはいけない絶対ルールがあります。かつては、ロープを持たなくても良いルールや、いわゆる伴走ロープと呼ばれる輪になったロープでの伴走も認められていましたが、今のWPA公認国際大会において、それらのルールは一切存在しません。
あらためて、WPA公認大会における国際ルールの一部を抜粋します。
7. 競技クラスT11-12の競技者のガイドランナーは認められており、助力やペースメーカーとは見なされない。競技クラスT11の競技者はすべての種目でガイドランナーとともに競技しなくてはならない。T12では、ガイドランナーを伴うか、一人で競技するかは競技者の選択である。大会組織委員会はガイドランナーであることが識別できるベストを提供する。
8. T11-12の競技者がガイドランナーを伴って競技を開始した場合、成績が承認されるためには、競技者とガイドランナーがともに規則を守り、誠実に努力し、当該種目を完走しなければならない。7.9.1 競技中、競技者と伴走するガイドランナーの誘導方法はテザー使用を必須とする。さらに、ガイドランナーから口頭で指示を受けてもよい。ガイドランナーは走行(または徒歩)によって任務を完了しなければならず、機械的移動手段の使用は認められない。
7.9.2 テザーによる結束は、競技者と伴走するガイドランナーの手または腕でのみでなされるものとする。競技者とガイドランナーは、テザーを緩みがあるようにして手、手首、その他身体の一部を持ってはいけない。7.9.3 競技者と伴走するガイドランナーは、スタートからレースを終えるまで常にテザーでつながっていなくてはならない。ガイド交代の時を除き、競技者と伴走するガイドランナーが共にフィニッシュライン手前側の垂直面の到達しフィニッシュするまでの間、テザーを離すことは認められない。
7.10.1 ガイドランナーは競技中のいかなる時点においても、レースを有利に進めるために競技者を押す、引っ張る等して前進を助けてはならない。以上が、主なルールになります(ほんの一部)。もちろん、これらのルールを順守しながら安全にレースを完走することが第一になりますが、それぞれに記載してある内容をよく理解しておくことも必須です。
例えば、上記のルール7.10.1は、ガイドランナーが押したり引いてはいけないと記載してありますが、「常に選手の真横で並走しなくてはいけない」とは記載してありません。つまり、ガイドランナーが給水を取ったり、トラックのコーナーを伴走する際、どうしても選手のやや前方に移動したり、後方に移動してしまうことが必ずあります。したがって、そこを審判からルール違反だと指摘されたとき、逆に自分たちの正当性を証明できる内容の抗議を考えておく必要もあると言うことです。
要は、何事もルールや規則は熟読し、なんと記載しているかの文言を確認しておくことも大切です。
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2025夏を走る・1
- 2025-06-05 (木)
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【2025夏を走る・1】いよいよ初夏と言われる季節に入ってきました。毎年のことながら長距離・マラソン選手にとっては、最も過酷な季節に突入していくことにもなります。そして、これも毎年のことですが、個々の体調に合わせた暑熱対策で、これからの暑さを乗り切ってほしいと思います。
さて、あらためて6月に入りましたが、多くの長距離・マラソン選手にとっては「スピード強化」と位置付け、積極的にトラックレースなどを走っていることでしょう。もちろん、ロスパラリンピックを目指しているブラインド選手たちも5月から本格的なトラックシーズンに入りました。
そして、今月7日から宮城県仙台市において「ジャパンパラ陸上競技大会」が開催されます。同大会には、上記したブラインド選手たちも出場し、トラック種目を走ることでマラソンに必要なスピード強化をします。特に、5000mの記録はマラソンの具体的な目標タイムを設定していく上での指針となる重要な記録になります。
詳細は割愛しますが、今大会と来月に出場する5000mで達成した記録を選手ごとに解析していくと、秋以降のマラソンでどの程度の記録が狙えそうなのかを、予測タイム(仮説)として考えることができます。そして、その予測タイム(仮説)をベースに、夏合宿で実施する距離走(30k~40k)などの設定タイムも考えていきます(もちろん、練習中の調子などを加味しながら再検証し、設定タイムなどは都度修正もしますが……)。
すでに何度かこのブログにも記載してきましたが、5000mの記録とマラソンの記録はとても密接な関連性があり、「マラソンで〇時間〇〇分〇〇秒を目指すなら、5000mの記録は〇〇分〇〇秒が必要」と言った記録の方程式も、ほぼ決まっています(それも高い確率で)。
したがって、トラックでのスピード強化と言うのは、マラソンで「〇時間〇〇分〇〇秒」を達成するために不可欠な「5000mの〇〇分〇〇秒」に到達するための強化を指します。つまり、日々実施しているスピード練習(インターバル走やペース走など)も、その5000mの必須タイムに到達するための設定タイム(疾走距離に対する)や、その疾走本数になるのです。
また、「長距離・マラソン選手は年間を通じてオフがない」と言われている理由のひとつが、マラソンは上記したような距離間の密接な関連性もあり、季節ごとにそれぞれの強化をしているからなのです。同時に、秋からのマラソンシーズンに向け、どんなランナーも自己記録を更新したいと考えますが、その目標を達成するためには、「年間計画(期分け)が必要」と言われるゆえんでもあるのです。
あらためて、市民ランナーの皆様もこの時期はトラック(陸上競技場)で実施される競技会や記録会への挑戦を強く推奨します。もちろん、今までトラックを走った経験のないランナーでも気楽に参加できる記録会もあります。また、仲間との定例練習会の中で、トラック記録会(3000mや5000mなど)を実施してみてはいかがでしょうか。秋以降のマラソンで、自己記録を更新できるヒントが必ず見つかります。
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2025春を走る・13
- 2025-05-30 (金)
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【2025春を走る・13】先日の東日本実業団陸上競技選手権大会において、視覚障がい男女の1500mと5000mも実施頂きました。ご存知のとおり、出場した選手の数は男女とも5名以下と少数でした。しかし、この人数は、当初からほぼ変わっていません。
また、出場している選手たちの顔ぶれも大きく変わっていないのが現状です。そんな中、貴重な若手男子選手のひとりである大石選手が、1500mと5000mの両種目で自己新記録を達成したことは、とても大きな収穫でした。
さて、語弊のある言い方になりますが、一般の陸上競技においては、素質(実績)のある選手を見出し、その選手を自分のチームにスカウトできるかが、チーム力向上のポイントになっています。特に、駅伝などについては、いかにして素質(実績)のある選手を勧誘できるか否か。つまり、スカウティングの長けているチームが、上位を独占していると言っても過言ではないでしょう。
また、素質(実績)のある選手の多くは、今の記録や成績を達成するためにたどってきた経験から、強くなっていくための練習方法(ノウハウ)をそれぞれが持っています。そして、素質(実績)のある選手たちを同じチームで切磋琢磨させていくと、相乗効果で記録をのばせる確率が飛躍的に高まります。
そうなっていくと、チーム躍進には指導力と言うよりも、切磋琢磨できる環境をいかに提供していけるか否かの方がより重要になってくると思われます。もはや、現場での指導力と言うよりも、スカウティングも含めたマネジメント力が勝敗を左右する時代に突入しているのかもしれません。
一方、視覚障がい長距離・マラソンを含めたパラ陸上競技については、競技人口そのもが極端に少ない。と言うよりも「ほぼいない(知的障がいを除く)」と言った方が正しいでしょうか。したがって、陸上競技を経験したことのない人にも声をかけ、仲間に引き込んでいく活動も不可欠になります(上記した大石選手も数年前まではサッカー選手)。
あらためて、我々は一般の強豪チームから強化のノウハウを学んでいかなくてはいけません。同時に、競技を取り巻く環境などの違いが大き過ぎる現状から目をそらすわけにもいきません(現実逃避はダメ)。要は、身の丈に合わせた強化方法を確実に継続していくことがベースにあり、何事も机上の空論に陥らないようにしていくことも重要なのです。
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2025春を走る・12
- 2025-05-25 (日)
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【2025春を走る・12】埼玉県熊谷市において、東日本実業団陸上競技選手権大会が開催されました。同大会は、実業団登録をしている選手たちが出場する大会ですが、視覚障がい選手の「1500mと5000m」も実施頂くようになって、10年が過ぎました。
最近は、パラ種目を実施頂いているい陸上競技大会も増えてきましたが、その先駆けのひとつとなった大会が、この東日本実業団陸上競技選手権大会なのです。あらためて、大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、実業団選手と言えば、多くの人が長距離・マラソン選手のことを指していると考えます。ところが、ここ数年の東日本実業団陸上競技選手権大会においては、かなり状況が変わってきています。参考までに、今年の同大会にエントリーしている種目別の人数を確認すると……。
実は、エントリー人数の最も多い種目は、「男子100m」なのです。そして、その人数はなんと「310名」。参考までに男子5000mのエントリー人数は、160名です。実業団陸上と言えば、5000mなどの長距離種目をイメージするのが一般的ですが、今や男子100mにエントリーしている選手の方が圧倒的に多いのです。
さらに、驚きなのは、この大会は選手権大会なので、単なる記録会ではありません。つまり、順番を決める大会です。ところが、310名もエントリーしている男子100mは、どのような予選をして、最後の決勝進出者8名に絞っていくのでしょうか。
大会プログラムには、「予選35組0着+8」と記載してあります。つまり、予選からガチンコ勝負をし、予選35組を走った上位8選手が決勝進出になるのです(但し、決勝以外の上位24名でB、C、D決勝を行う)。もちろん、私は長距離が専門ですが、こんな予選方法で決勝進出者を決める100mは見たことがありません。
その昔、1984年に開催されたロサンゼルス五輪で、カール・ルイス選手が4冠を達成しました。当時は、日本人が100mやリレー種目で世界と勝負することなど、全く考えられない時代でした。あれから40年、日本人は9秒台に突入し、400mリレーにおいては五輪でメダルを獲得。その記録もカール・ルイス選手たちが当時樹立した世界記録を上回るレベルにまで到達したのです。
そして、東日本実業団陸上競技選手権大会も今年で67回目になります。ついに、男子100mにエントリーしている選手数が、男子5000mのエントリー数を超える時代になったのです。まさに、「強化と普及の両輪がその競技の発展を左右する」と言われていますが、男子100m(短距離)はそれを体現したお手本です。
また、実業団選手以外のランナーを市民ランナーと呼びますが、短距離界も「市民スプリンター」が活躍する時代に……。
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2025春を走る・11
- 2025-05-17 (土)
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【2025春を走る・11】長距離・マラソン選手たちも、トラックシーズンに入っております。もちろん、ロスパラリンピックを目標にしているブラインドマラソンの選手たちもトラックシーズンに入ります。そして、そのトラックレースに対応するための強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園で実施しております。
また、この時期になると、ここ富津では実業団選手や箱根駅伝を目指す学生選手たちの姿はほぼ見かけなくなりますが、どの選手たちも全国各地で開催される記録会などのトラックレースに出場していることでしょう。まずは、どの選手もケガや故障もなく、トラックレースに挑めることを祈念しております。
さて、トラックレースは、ロードレースや駅伝のような起伏のある長い道路を走るわけではないので、スピード練習の一環と捉え、短期間で複数のレースを走る選手が多数います。特に、記録会はその名のとおり、自己の記録に果敢に挑戦する場なので、積極的に出場してほしいと、個人的にも思います。
一方、たくさん出場できる反面、毎回同じような失速を繰り返したり、ライバル選手たちとの競り合いになると、毎回同じようなパターンで負け続ける選手たちがいます。つまり、勝ったり負けたりではなく、高確率で負けたり、失速したりするのです。いわゆる負けグセが付いている状態に陥る選手たちです。
もちろん、明らかに格上の選手に挑んでいる場合は別ですが、負けグセが身に付いてしまうと、レースでの失速や負けを繰り返し、レースそのものを楽しめなくなっていきます。至極当然のことですが、この状態が続くと、走ることそのものに対する意欲も低下していき、選手としての立ち位置も維持できなくなっていきます。
ところが、この負けグセが厄介と言われているのは、選手を引退した後も、その後の人生にも大きな悪影響を及ぼすとも言われているからです。具体的には、「すぐにあきらめる」、「やる前から否定的なことを言う」、「文句ばかりで自分はなにもしない」など、負けグセを放っておくことは、「これからの人生に大きなハンディを背負って生きていくのと同義」と、話している専門家は多数います。
では、負けグセが付いてしまう原因は何でしょうか?
かくいう私は専門家ではないので、正確に説明することはできませんが、多くの専門家が指摘している原因のひとつに、「負けても悔しがらない」があります。つまり、負けた相手に「強いですね」で、終わってしまい、負けを繰り返すパターンです(もちろん、謙虚な姿勢は大切ですが)。
このように、負けたことに関して無関心だと、勝つことに執着しなくなり、ここが勝負という状況でも「まあいいや」と考え、状況が好転せず負けてしまいます。まさに、駅伝での競り合いや、マラソンの35k以降で力を発揮できなくなるのです。つまり、悔しがらない選手は駅伝メンバーからも遠ざかっていくのです。
いろいろと話が長くなりましたが、要はこの時期に記録会などのトラックレースを多く走ることで、「負けたら悔しい」を繰り返し、逆に「負けグセも克服できるチャンス」と、捉えてほしいのです。それが、秋以降の駅伝やマラソンにも必ずつながると信じております……。
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2025春を走る・10
- 2025-05-10 (土)
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【2025春を走る・10】連休中の菅平合宿は無事に終了しました。毎年、この時期の長野県菅平高原は寒いのですが、今年は例年以上に気温が低かったように感じました。具体的には、初日から冷雨となったり、気温が10度に達しない日も多く、厳しいコンディション下での強化合宿でした……。
さて、今さらながら、長距離・マラソンは競技の特性上、年間を通じて「シーズンオフ」と言われる時期が見当たりません。つまり、ちょうどこの春からはトラックシーズンに入り、そのままスピード強化も兼ね、夏ごろまではトラックでのレースが続いていきます(オリンピックやパラリンピックも夏に開催される)。
また、夏はいわゆる「走り込み」をする時期ですが、最近は走り込みの一環として夏のハーフマラソンや北海道マラソンなど、逆に暑さ対策も兼ね、積極的にレースを走る選手やチームも増えています。そして、秋からは、ロードレースや駅伝へとシフトしていき、いよいよ長距離・マラソンの本格的なシーズンに突入していくのです。
このように、長距離・マラソン選手たちは、年間を通じてまさに、「走り回っている状態」とも言えるでしょうか……。しかし、箱根駅伝を目指す学生選手や実業団選手たちは、確かに年間を通じて走り回っていますが、季節によって出場するレース(トラックとロード)やトレーニング内容を変えながら、バランスよく強化している様子も伺えます(市民ランナーの皆様も大いに見習う点です)。
ちょうど今の時期は、積極的にトラックレースを走り、いわゆる「スピード強化」をしています。季節的にも夏に向かって気温や湿度が上がってくるので、長い距離を走り込んでいくには厳しい時期にも入っていきます。そこで、まずはスピードを高めるために、トラックの5000mを軸に強化していきます(10000mまで)。
トラックレースは、ハーフマラソン以上のロードレースと比較しても、レース後のダメージも少ないので、月に何本もトライすることが可能です。つまり、スピード強化をしながらレースでの実戦経験も積めることにもなり、市民ランナーの皆様にも推奨できます。
そして、暑さが本格的になっていく初夏からは、走り込みをメインにした「スタミナ強化」に移行していきます。もちろん、上記したように夏の間も、ハーフマラソンなどのレースを走り込みの一環として積極的に走る選手も多数います。また、今の箱根駅伝を目指す学生選手は、夏の月間走行距離が「1000k」を超えるのは常識となっています(もちろん、量だけでなく質も高い)。
秋になると、いよいよロードレースや駅伝シーズンに入ります。トレーニングは、スピードとスタミナをミックスさせた「スピード持久力」と呼ばれる、より実戦的な内容に移行していきます。そして、箱根駅伝やニューイヤー駅伝、各種マラソン大会などに調子のピークを合わせていきます。
話はかなり先の方まで進みましたが、まずはトラックシーズンです。今年は世界陸上が東京で開催されるので、その代表争いも佳境に入ってきており、陸上競技ファンのひとりとしては目が離せません。選手の皆様方の快走を心より祈念しております……。
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2025春を走る・9
- 2025-05-03 (土)
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【2025春を走る・9】今年もゴールデンウィークに突入しました。そして、今年もこの連休を活用した強化合宿を長野県上田市菅平高原で実施しています。初日の5月2日はあいにくの雨。また、標高も高いので、気温は10度を下回り、真冬に逆戻りしたような悪コンディション下での練習となりました。
そんな中、箱根駅伝に出場している大学チームがペース走を実施していました。冷雨の厳しいコンディションの中でしたが、最後まで集団が大きく崩れることもなく、全員が設定タイム通りに走り切っていました。至極当然のことですが、駅伝やマラソンで勝つためには肉体面のスタミナやスピード強化は不可欠です。
しかし、結果を左右するのは、むしろ精神面(メンタル面)のスタミナや忍耐力などから強い影響を受けているのは今も昔も変わりません。と言いながら冷雨などの厳しいコンディション下での練習をたった1回実施したからと言って、精神力や忍耐力がすぐにアップすることはありません。
したがって、良い体調や良いコンディション下で、質の高い練習を継続するために、あえて悪コンディション下での練習を回避している選手やチームを見かけることもあります。その結果、狙い通りの走力に導いていける確率は高まるかもしれません。
ところが、1年にたった1回しか開催されない箱根駅伝当日に、大雪や台風なみの北風が吹き荒れる最悪のコンディションだったとしたなら、そのレースをあきらめるでしょうか。同様に、オリンピックやパラリンピックは4年に1回しか開催されません。その当日、気温が40度を超える猛暑に見舞われたなら、戦う前にあきらめるでしょうか……。
もちろん、答えは否です。一方、どんな人でも経験のない厳しい状況に立ち向かっていくことは簡単ではないことも、また事実。だからこそ、それを少しでも克服できる方向にもっていく対策も必要です。昨日のような悪天候でも、あえて計画どおりの練習を実施していくことは、実はムダではないとも言えるでしょう。
今の時代、情報が氾濫しており、自分自身では効率的だと信じながら進んできた道が、実は間違っていたと言う事例は枚挙にいとまがありません(特に若い世代?)。だからこそ日々の練習(生活も)では逆に「ムリ、ムラ、ムダ」を経験しておくことも、ときには必要なのかもしれません。
また、「ムリ、ムラ、ムダ」を伴う練習は、特に精神的な苦痛を伴うことが多いのも確かです。そのため、若い選手が自ら進んでそこに飛び込んでいくことは相当難しいとも感じます。だからこそ、ときには厳しい言葉で背中を押してくれるコーチやスタッフ陣も不可欠でしょうか。
そして、そんなことも理由のひとつなのか、箱根駅伝出場チームに30代の監督はほとんどいません。今の時代、SNSなどを駆使して若い世代の心をつかむのは、世代の近い指導者だと考えますが、特に苦しみを伴う長距離やマラソン競技の場合、実はそうでないことが多い……。
もちろん、パワハラやセクハラなどはご法度ですが、時代が変わっても精神的な苦しみを克服していく手段は、あまり変わっていないのかもしれません……。
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2025春を走る・8
- 2025-04-24 (木)
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【2025春を走る・8】第35回かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン大会は、今年も大会関係者のご尽力により、無事に終了しました。あらためて、御礼申し上げます。
その大会結果ですが、男子フルマラソンはプロランナーとして活動する川内優輝選手が「2時間19分10秒」で、2012年以来の優勝。特に、この1年間は故障に悩まされていた様子でしたが、見事な復活レースでした。しかも、140回目のフルマラソンとのことで、これまたアッパレです。
さて、4月に開催される国内のマラソン大会は、天候が安定しないのが特徴です。過去の同大会においても、晴れて気温が20度を超えたり、暴風雨に見舞われたりと、当日のコンディションを予測するのが難しい大会のひとつです。
そして、今年の大会ですが、天候は曇り。しかし、スタート時の気温は23度を超えて蒸し暑く、20kからの後半が強い向風。過去の大会と比較しても、かなり厳しいコンディションだったのは間違いありません。そんな悪コンディションの中、上記したように川内優輝選手が前半から独走。そして、後半の強い向風の中でも持ち味の粘りを発揮し、1年4ヵ月ぶりのサブ20達成は見事でした。
一方、ブラインド選手(IPC登録)は、2月に走った別大マラソンから2ヵ月の短期間で出場。特に、その大会で自己記録を更新した男子の熊谷選手と大石選手の走りに期待をしていました。しかし、20k以降の強い向風に苦戦し、自己記録更新には届きませんでした。
もちろん、2月のマラソンから2ヵ月の短期間で調子を戻すことが難しかったのは確かです。また、季節的にはどんどん暑くなっていく方向なので、マラソントレーニングを継続してくのも、その疲労を抜いていくのも厳しい季節に入っています。
そんな視点から振り返ると、両選手とも20度を超える気温や後半の強い向風にも気持ちを切らさず、ゴールした点は一定の評価をすることができるでしょう。しかし、我々が目標にしているパラリンピックは8月下旬に開催されます。つまり、暑くなっていくこの時期から本格的なマラソントレーニングに移行していくので、暑さに強い体と心を兼ね備えていることが絶対条件になります。
今大会で復活の優勝を果たした川内優輝選手は、再びマラソンの連戦体制に入り、12月のマラソン大会を目標に、調子を上げていく流れのようです。我々も「現状打破」を掲げ、8月の北海道マラソン大会を次の目標に走り込んでいきます。
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2025春を走る・7
- 2025-04-18 (金)
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【2025春を走る・7】今週末の4月20日(日)は、「かすみがうらマラソン大会」が、茨城県土浦市で開催されます。同大会は、1991年に第1回大会が開催されたので、今年で35回目の開催となります。
また、1995年の第5回大会から「国際盲人マラソン(当時の名称)」を兼ねて頂くなど、視覚障がいマラソンの普及と発展にも大きく寄与してきた大会です。もちろん、今現在もIPC公認のマラソン大会としては、国内で最も歴史のある大会でもあります。
ここで少し補足をしておくと、実は同日に長野県で「長野マラソン大会」が開催されます。この大会においても「視覚障がいの部」を実施頂いております。しかし、こちらは「IPC公認大会」ではないので、特にパラリンピックなどを目標にしている視覚障がいランナーの皆さんが、同大会で視覚障がいマラソンの日本記録などを達成しても未公認記録扱いになります(パラ競技としては)。
したがって、ロスパラリンピックをはじめ、将来パラリンピックなどを目標にしている視覚障がいランナーの皆さんは、今後もかすみがうらマラソン大会への出場が必須になっていきます(長野マラソン大会はIPC公認条件をクリアしていないため)。
同様に、マラソン以外のパラ選手が一般の日本陸連公認記録会や競技会に出場し、世界記録を達成したとしても、その記録がパラ競技の公認記録にはつながりません。つまり、障がいの種類や程度によって、パラ陸上競技独自の国際ルールがあり、その判定ができるパラ陸上競技専門の資格を持つ公認審判員の有無など、上記した「IPC公認」を満たしているか否かの大きなハードルがあるからです。
さて、最近は視覚障がいマラソンの競技人口は減ってきています。特に、パラリンピックを目指すブラインドランナーが減少傾向にあり、いろいろな意味で危惧しております。もちろん、今も昔もパラリンピックを目標にしているブラインドランナーは少数ですが、逆に今は視覚障がいマラソンと言うジャンルがしっかりと確立され、日本国民のほとんどがその存在を知っている時代です。
また、何事も成功させる要因のひとつに「ライバルの少ない土俵を探し、その土俵で最大限の努力をする」が、あります。特に、ブラインドランナーの皆さんが、パラリンピックを目標にすることは、まさにその土俵のひとつに該当すると考えます。
もちろん、パラリンピックに出場することは簡単ではありませんが、一般のオリンピックや箱根駅伝を目指しているランナーの人数と比較すると、圧倒的に少数であるのは確かです。したがって、上記した「ライバルの少ない土俵」なのも間違いなく、パラリンピックに出場できる可能性は、一般競技者のそれよりもかなり高い確率とも言えるでしょうか。
そして、今週末に開催される「かすみがうらマラソン大会」からパラリンピックを志すブラインドランナーがひとりでも多く現れることを心より願っております。
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