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期分け
連戦について・7
【連戦について・7】今回は、注意点3の「本命のマラソンの2週間から1週間前のタイミングでのレース」について考えていきます。
まずは、このタイミングでのレース結果は、「メンタル面」に直結する可能性が高いことです。ひとつは、予想外に悪いタイムで走った場合、「もうダメだ」と言う気持ちが支配的になり、マラソン当日に向けてマイナス思考に陥ってしまう可能性が高くなる点です。
こうなると、本当にダメになってしまう可能性が出てきます。同時に、それが焦りになって、本来なら練習量を落としていく時期にも関わらず、再び長い距離を走ったり、急激なスピード練習を再開したりと、本当に調子を落としていく方向に向かってしまう可能性も出てきます。
一方、想定以上に良いタイムで走った場合、今度は気持ちが高揚し、マラソン当日に向けて本来の調子を正確に見極めることが難しくなる可能性があります。実は、マラソン2週間前からのレースについては、順調に走り込みができた方ほど、自己新記録が出る可能性は高くなります。
そして、その調子をマラソン当日までキープできれば良いのですが、自己新記録をマースしたそのレースで力を出し切ってしまい、逆に本命のマラソンで失敗するケースも多いので、本当の調子を見極めるのが難しくなるのも事実です。
更に、出場したレースのコースやコンディションが極端に悪く、調子の良し悪しを判断することができないケースもあります。特に、起伏の多いコースを走ってしまうと、記録が悪くなるのはもちろんですが、起伏を走った疲労が残り、マラソン当日まで引きずってしまう可能性もあります。
以上のように考えていくと、良いことはひとつも無いように感じますが、2週間前からのレースを走って、更にマラソンでも記録を達成したケースもあります。重要なポイントは、これまで以上に自分自身が決めた設定タイムに沿って走り切ることです。
つまり、タイムが良くても悪くても、そこから本命のマラソンまで再調整する時期が短いので、スタート前に決めた設定タイムや戦術をゴールまで必ず守ることです。この点はどのタイミングで走ったレースも同じですが、2週間前からのレースは特に徹底するようにしましょう。
そして、エントリーした大会が起伏の多いコースだった場合、無理に走らず回避し、いつもの平坦な練習コースに変更することを推奨します。同時に、2週間前からのレースに出場するか否かに関係なく、この時期からの起伏走は避けるようにしましょう。
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マラソンに向けて・11
【マラソンに向けて・11】今回は、失速の原因がエネルギーに起因するケースについてです。前回同様、今度はエネルギーのA1ゾーン、B1ゾーン、C1ゾーンで考えていきます。
マラソンのスピードはB1ゾーンに相当しますが、C1ゾーンとの境目のスピードで走っていた場合、後半は苦しくなってきたのでB1ゾーンのペースに落としたとしても、間もなく更に失速してしまうケースがあります。
この場合、B1ゾーンのペースに落としたと言え、依然としてB1ゾーンのペースで走っている以上、グリコーゲンを確実に消費していきます。同時に、前半でC1ゾーンに近いスピードでグリコーゲンを多量に消費してしまったので、やがてグリコーゲンが枯渇して再びペースダウンに陥ります。こうなると、もはや回復の見込みは難しくなります。
次に、持ち味のスピードを武器にトラックや駅伝で大活躍し、マラソンに挑戦してきたばかりの男子選手に多い例です。スタート直後からのハイペースにも関わらず、見た目も本人の感覚も非常に軽く、中盤までは余裕で走っていたのに25kあたりから突然の失速に見舞われるケースです。
この選手の場合、スピード豊かで耐乳酸性が高いのが特徴です。また、酸素負債で説明すると、BゾーンとCゾーンの境目が高いので、速いスピードに対応できる能力も高い。したがって、前半はハイペースの割には、乳酸の蓄積が意外と進んでいなかったと考えられます。
ところが、エネルギー的にはC1ゾーンに近いB1ゾーンで走り続けていたことになり、グリコーゲンの消費は確実に進み、グリコーゲンが枯渇した時点で終わってしまったと思われます。
もちろん、この判断は難しく原因をつかむのはとても難しいのは事実です。しかし、原因がグリコーゲン不足やグリコーゲンの消費効率の悪さだとしたなら、単にスピード練習を増やしただけでは次回以降のマラソンを攻略していくことは難しいと考えます。
また、このタイプの選手がマラソンをしっかりと走れるまでには、相応の苦労と時間を伴い、前半軽く後半失速するパターンを繰り返します。少なくとも私の経験上そう思います。
マラソンにおいてもスピードのある選手が有利である点に違いありませんが、ハーフマラソンや30kとは違い、マラソンはスピードに頼って走り切れる距離ではないとも言えます。
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マラソンに向けて・10
【マラソンに向けて・10】今回からマラソンにおける最も重要課題のひとつである「失速」について考えていきます。
単に失速と言っても「酸素摂取量<酸素消費量」に陥り、酸素負債による失速があります。この場合、ペースを落とし「酸素摂取量≒酸素消費量」に戻せば乳酸も除去できて再び元気に走れるはずです。
ところが、同じ失速でも原因がエネルギーである場合、復活が相当難しくなります。特に、グリコーゲン枯渇による失速の場合、単にペースを落としたとしても復活することは、ほぼ不可能と言えます。
もちろん、どちらも失速ですが、2つの失速に違いがあるのと同時に、その原因を判断することはとても難しいのも事実です。まずは、具体的な失速例を参考にしながら更に掘り下げていきます。最初は酸素負債による失敗例です。
その具体例として、後半苦しくなってペースダウンしたが、落ち込みを最小限に防いでゴールできたケースです。この場合、いわゆるBゾーンとCゾーンの境目だったペースがCゾーンのペースに上がったため、酸素負債が限界近くに達したのです。
従って、ペースをBゾーンに落とすことにより、乳酸をうまく除去しながらゴールできたと考えられます。ところがこの時、ペースの落とし方が足りず、BゾーンとCゾーンの境目ギリギリで走っていると、再び酸素負債が発生します。
しかし、今度は限界点を超えて筋肉が耐えられなくなり、大失速になる可能性が高まります。もちろん、こうなると筋肉のダメージが大きくなり、修復不可能に陥ります。では、Bゾーンまで落とせば絶対に復活できるかと言えば、必ずしもそうではありません。
この場合、失速の原因が単に乳酸の蓄積だけではないからです。この点がとても難儀なところですが、次回は同じ失速でもエネルギーの視点から考えていきます。
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マラソンに向けて・9
【マラソンに向けて・9】前回のA1ゾーンから走行スピードが上がり、B1ゾーンに入ってくると、脂肪の燃焼だけで必要なエネルギーを生成することが難しくなっていきます。
つまり、脂肪の燃焼と並行してグリコーゲンを消費していくスピードに上がっていきます。そして、更に走行スピードが上がるC1ゾーンでは、ほとんどグリコーゲンだけに頼って走るゾーンと言われています。(例としては短距離走に該当する)
また、前回説明したとおり、体内におけるグリコーゲンの貯蔵量には限界があるので、B1ゾーン以上のスピードで走る限りは、スピードと距離に応じた限界点が存在することになります。
以上の点を踏まえてマラソンのスピードに置き換えてみると、A1ゾーンではある意味スピードが遅過ぎて、マラソンの目標タイムを達成することは難しいと言えます。逆にC1ゾーンのスピードを維持したままマラソンを完走することは、ほぼ不可能に近いと言えます。
したがって、記録を目指すマラソンの場合、必然的にB1ゾーンのスピードで走ることになります。ところが、B1ゾーンのスピードで走っていてもグリコーゲンの貯蔵量が少なかったり、C1ゾーンに近いグリコーゲンを大量に消費するスピードで走ったりすると、グリコーゲンが途中で枯渇し、失速することになります。
そして、酸素負債の話と同様、ゴール地点で限界点に達成するのが理想のペースと言えますが、グリコーゲンの貯蔵量は個人差や直前の食事による影響が大きいと言われており、それを自分自身で正確に把握することすら難しいとも言われています。
そのため、体内でおこっているエネルギー消費については、自分自身の身体でありながら自分の感覚で把握することも難しいが故に、余裕があったように見えても突然失速したりすると言われています。
この点については、私自身の経験に照らし合わせてもその通りであり、前半から中盤にかけて余裕のある選手が突然失速し、更に棄権してしまうケースもたくさん見てきました。同時に、後半の失速は体内のエネルギーに関する点が大きな原因であることは想像できますが、その対応策も簡単なことではないと言えます。
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マラソンに向けて・8
【マラソンに向けて・8】今回から再び話を戻し、「マラソンに向けて・5」の続きになります。
走行スピードに応じて遅い方からAゾーン、Bゾーン、Cゾーンと分けて考えてきました。ところが、走行スピードがCゾーンに達していないにも関わらず失速するケースがあり、この点を考えていくには、単に有酸素運動域と無酸素運動域の話だけでは説明できなくなってきました。
そこで、今回からエネルギーの視点からも考えていきます。
既にご存知のとおり、人が運動するために必要なエネルギーは、「グリコーゲンの消費」と「脂肪の燃焼」でまかなわえていると言います。具体的には瞬発力を必要とするような大きな力を発揮する際はグリコーゲンの消費。逆に少ない力を持続的に必要とする場合は脂肪の燃焼によりエネルギーを生成すると言われています。
また、グリコーゲンの貯蔵量には限りがあり、逆に脂肪はマラソン程度の運動時間なら事実上問題なくまかなえると言います。まずはこのことを前提に有酸素運動域と無酸素運動域と同様、スピードの違いから3つのゾーンに分類します。
スピードの遅い方からA1ゾーン、B1ゾーン、C1ゾーンと3つに分類します。更に同様にそれぞれのゾーンについて考えていきます。
まずは、最もスピードの遅いゾーンに該当するA1ゾーンについてです。これはAゾーンと同じく徒歩からはじまり、ゆっくりとしたジョギングに相当するスピードで、脂肪の燃焼だけでまかなうことができます。
ここで少し注釈を入れておきますが、グリコーゲンは化学燃料、脂肪は炭火に例えるとわかりやすく、脂肪を燃焼させるたには着火剤のようなものが必要です。したがって、運動直後には一時的にグリコーゲンが消費され、この着火剤の役目をします。
そのため、脂肪が燃焼をはじめるのに一定時間が必要なのは、このためとも言われています。
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マラソンに向けて・7
【マラソンに向けて・7】先日の11月20日(日)に開催された「つくばマラソン」では、私が直接コーチする12名の市民ランナー方も出場し、7名の方が見事に自己新記録を達成しました。
今回は参考までに、それぞれの具体的な目標タイムと実績タイムを振り返ってみます。
◆男性市民ランナーNさん:2時間39分40秒~2時間41分40秒/目標タイム⇒2時間42分47秒(サード記録)/実績タイム。◆男性市民ランナーUさん:2時間49分49秒~2時間51分58秒/目標タイム⇒2時間48分45秒(自己新記録)/実績タイム。◆男性市民ランナーIさん:2時間55分59秒~2時間57分15秒/目標タイム⇒2時間56分25秒(自己新記録)/実績タイム。◆男性市民ランナーIさん:2時間55分59秒~2時間57分15秒/目標タイム⇒3時間4分34秒(セカンド記録)/実績タイム。◆男性市民ランナーNさん:3時間31分00秒~3時間34分30秒/目標タイム⇒3時間31分35秒(自己新記録)/実績タイム。
◆女性市民ランナーEさん:2時間55分59秒~2時間57分15秒/目標タイム⇒2時間56分45秒(自己新記録)/実績タイム。◆女性市民ランナーTさん:2時間59分20秒~3時間3分40秒/目標タイム⇒3時間3分31秒(自己新記録)/実績タイム。◆女性市民ランナーHさん:2時間59分20秒~3時間3分40秒/目標タイム⇒DNF。◆女性市民ランナーKさん:3時間13分59秒~3時間15分40秒/目標タイム⇒3時間13分31秒(自己新記録)/実績タイム。◆女性市民ランナーMさん:3時間26分46秒~3時間29分59秒/目標タイム⇒3時間27分38秒(セカンド記録)/実績記録。◆女性市民ランナーIさん:3時間26分46秒~3時間29分59秒/目標タイム⇒3時間26分23秒(自己新記録)/実績タイム。◆女性市民ランナーKさん:3時間59分6秒~4時間3分0秒/目標タイム⇒4時間17分25秒(サード記録)/実績タイム。
今年のつくばマラソンは予想どおり、コンディションやコースも良かった様子でした。また、どの方も自分自身の調子と実際の目標タイムがマッチングしていた点が好結果につながりました。まさに目標ラップ表が戦術レベルまで昇華できた点が大きかったと感じます。
もちろん、数名の方が目標タイムに到達することが出来なかった点は、今回の反省を次回のマラソンに活かしていくのは言うまでもありません。
また、12月以降も全国各地でマラソン大会が目白押しです。これからも常に自己分析を怠らないように、日々の走り込みを継続してほしいと願っております。
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マラソンに向けて・6
【マラソンに向けて・6】今回は前回までの話を一旦置いて、少し違う話をします。
さて、10月から本格的なマラソンシーズンがスタートし、11月はマラソン大会が特に多くなってくる時期でもあります。そして、多くの市民ランナー方が自己記録更新等の目標を掲げてマラソン大会に挑んでいます。
かくいう私が直接コーチしている市民ランナー方も毎週のように各地のマラソン大会に出場しております。もちろん、それぞれがそれぞれの目標タイムを目指してスタートしますが、毎度のことながら目標を達成した方、残念ながら目標を達成できなかった方と様々です。
そして、ゴール後は誰でも反省し、良かった点や悪かった点を振り返り、次に活かそうと誓います。ところが、何度走っても同じような後半の失速や坂の多いコースを攻略できない等々の失敗を繰り返す市民ランナーは意外に多いと感じます。
また、どのランナーも目標タイムを設定するのと同時に、1k毎や5k毎のラップタイムを割り出し、それを目安にゴールを目指します。ところが、この目標タイムから導いた「目標ラップ表」が単なる目標タイムであり、自分自身の実態に合っていない場合が多いとも感じます。
つまり、目標ラップ表を考えるまでは良いのですが、これが自分自身の今の調子と、更に出場するマラソンコースや当日の予想されるコンディション等を加味した上での「戦術」レベルまで昇華できているか否かが重要なポイントになるのです。
具体的なポイントとして、目標のマラソン大会3ヶ月前からのトレーニング状況、更に半年前の調子(特にスピード面)、逆に2週間前からの体調。そして、目標のマラソン大会のコース状況、当日の予想される天候等については最低限考慮した上で戦術(目標ラップ表)を考える必要があります。
実は、箱根駅伝や実業団駅伝等の各種駅伝大会では、これらの状況等を加味した上で戦術(目標ラップ表)を立てながら適切に選手を配置していきますが、マラソンを攻略していく上での考え方も同じです。
目標ラップ表と戦術は似ているようですが、かなり違います。単なる目標ラップ表が戦術レベルに昇華できるようになってくると、どのマラソン大会でも安定したパフォーマンスを発揮できるようになっていきます。少なくとも私自身のこれまでの経験からは間違いないと思います。
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夏合宿・5
- 2016-08-21 (日)
- トレーニング計画
【夏合宿・5】夏合宿シリーズの最後は、走り込みを重視した具体的な実施例をあげていきます。これから紹介する実施例については、実際に私が計画し、実施した内容です。
■実施内容1).1日目午前:合宿地入り、1日目午後:90~120分jog + 1k走、2日目午前:30~40k走、2日目午後:帰宅。※1日目と2日目の入替可。
■実施内容2).1日目午前:合宿地入り、1日目午後:30~40k走、2日目午前:200m×20本、2日目午後:帰宅。
■実施内容3).1日目午前:合宿地入り、1日目午後:100~120分jog + 100m×10本、2日目午前:120~150分jog + 100m×10本。
以上が1泊2日の実施例となりますが、それぞれの走力や体力に応じて計画を考えるのは言うまでもありません。同時に、実施しない方が賢明と思われる計画として、2日間連続のスピードトレーニングです。
例として、1日目の午後にショートインターバルを実施し、2日目の午後にロングインターバルを実施するような計画です。2日間連続のスピード系トレーニングは怪我や故障につながるリスクが高くなるので避けるようにしましょう。特に、走歴や経験の浅いランナーは注意です。
最後に参考として2泊3日の実施例をあげておきます。
■実施内容4).1日目午前:合宿地入り、1日目午後:90~120分jog + 1k走、2日目午前:クロカン走、2日目午後:90~120分jog + 1k走、3日目午前:20~30k走、3日目午後:帰宅。※設定タイムは遅めで。
■実施内容5).1日目午前:合宿地入り、1日目午後:30~40k走、2日目午前:クロカン走、2日目午後:3k×2本、3日目午前:120~150分jog + 1k走、3日目午後:帰宅。※設定タイムは遅めで。
■実施内容6).1日目午前:合宿地入り、1日目午後:20~30k走、2日目午前:20~30k走、2日目午後:90~120分jog + 100m×10本、3日目午前:20~30k走、3日目午後:帰宅。※設定タイムは遅めで。
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夏合宿・4
- 2016-08-09 (火)
- トレーニング計画
【夏を走る・4】確認事項の3つ目になりますが、最も現実的な話になります。
■確認事項3).合宿予算(交通費、宿泊地、施設使用料、その他雑費)。
至極当然のことながら何でお金のことが最後にくるのかです。もちろん、お金にいとめを付けない人なら何の問題も無いかもしれませんが、多くの方はそうではありません。しかし、最初から予算の話から入るとイメージしている合宿と違う環境やトレーニング内容になってしまうトラブルも意外と多いからです。
そのため、最初に合宿の目的やトレーニング内容をイメージしてから予算と合わせていく流れの方がうまくかみ合っていきます。そして、誰もが最初に考える点は合宿地までの交通費と宿泊費です。まさに合宿予算の大部分に相当するので重要な点であることは言うまでもありません。
一方で見落としがちなのが、合宿地に入ってからの移動手段(レンタカー等)やトレーニング施設の使用料(意外と手続きが複雑なケースも多い)、そして、距離走やペース走を実施する際に必須の給水等(大量に必要)の雑費です。これらに関する費用はそれほど大きくないかもしれませんが、現地において計画どおりのトレーニングを実施できるか否かに直結する重要事項になるので、注意が必要です。
ところが、実際に涼しい高原等で合宿を実施すると、上記した事項の準備不足が原因で思うような走り込みが難しくなっているグループを毎年必ず目にします。特に、合宿地では世話役に徹することのできる方を帯同させることは重要なポイントになると考えます。もちろん、その方の費用等をどのように負担するかの問題も出てきますが、合宿を成功に導く分岐点になるのでよく吟味しましょう。
最後に合宿経験の少ない人ばかりで不安だったり、各種細かい準備が思った以上にたいへんと考えるなら、他のクラブチームが主催する合宿へ参加する選択もあります。この点は重要な選択肢のひとつとなるので、単に見かけの費用だけで決めず、トータル的に判断するようにしましょう。
以上のように合宿は単にお金で換算できない点も意外と多く、貴重な時間を有効に走り込むためには、総合的によく検討することも必要な点と考えます。
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夏合宿・2
【夏合宿・2】今回から夏合宿の確認事項について、それぞれを掘り下げていきます。
■確認事項1).合宿地の決定(日程、宿泊場所、自宅からの距離・移動手段、他)
あらためて言うまでもなく、夏合宿を計画する上で最も重要な項目です。ところが、意外と安易に考え、後で後悔するケースを見受けることは多いのです。特に多いのは、短期合宿にも関わらず、自宅から遠すぎてしまう失敗です。
暑さを避けて可能な限り涼しい環境で走り込みを実施したい気持ちばかりが先行し、合宿地に移動してみたら夕方になってしまうケースです。移動時間の目安として、その日の朝に自宅を出発したらお昼には合宿地に到着できる移動距離が推奨です。
この時、合宿地までの移動手段として、電車やバス等のアクセスをしっかりと確認し、実際にそこまでどのように移動するかを決定することは必須事項です。また、車での移動についても渋滞の有無等もあらかじめ予想し、時間にゆとりを持って計画することは重要事項になります。
同時に、宿泊場所となる宿とは事前によく連絡を取り、チェックインやチェックアウトの時間を確認しましょう。一般的な14時から15時のチェックインだと初日は単なる移動日となってしまいます。また、チェックアウトが10時だったりすると、帰る日も移動日となってしまいます。
その場合、1泊から2泊の短期合宿の場合、単なる観光になってしまい、目的の走り込みができなくなってしまいます。そのため、事前に宿泊する宿とチェックインやチェックアウトの融通をきかしてもらえるか否かを確認し、必要であればしっかりと交渉することも必要になります。
更に、宿の朝食や夕食についても確認しておき、昼食の有無や追加できるか否かも重要な確認事項となります。
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