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絆・6

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【絆・6】先日の4月21日(日)は、全国各地でマラソン大会等が多く開催されました。特に、障害者陸上に関する大会は、長野マラソン、かすみがうらマラソン、そして、熊本県で開催された「チャレンジ陸上大会2013」と、大きな大会が同日に3つも開催されました。

私自身は例年どおりなら、かすみがうらマラソンに役員として参加しますが、今年は熊本県で開催されたチャレンジ陸上2013へ出向きました。

前日の土曜日から全国的に悪天候が懸念されていましたが、案の定、東日本は厳しいコンディションとなりました。長野マラソンは積雪、かすみがうらマラソンも冷雨と、4月のコンディションとしては最も過酷な状況でした。

一方、熊本県の天候は回復し、朝から絶好のコンディションとなりました。今回、盲人マラソン協会の強化指定選手たちは、かすみがうらマラソンと、この熊本県で開催されたチャレンジ陸上大会2013に分かれました。その熊本には、トラック種目でIPC世界陸上を目指す、全盲の和田、谷口選手と、弱視の堀越選手の3選手が「5000m」に挑みました。

3選手とも好調をキープしており、特にロンドンパラリンピック5000mで銅メダルを獲得した全盲の和田選手は、そのときの日本記録を非公式ながら上回る「15分51秒」を、既にマークしております。3選手とも自己記録更新の期待がかかります。

12時45分、タイムテーブルどおりの時間にスタート。3選手ともそれぞれの目標タイムに沿ったそれぞれの設定タイムを刻んでいきます。ところが、3選手とも動きは悪くありませんが、設定タイムから微妙に遅れていきます。具体的には、1周(400m)毎に1~2秒前後ずつ遅れていく感じです。結局、3選手ともゴールでは、目標タイムに対して20秒~25秒前後遅れのフィニッシュとなりました…。※谷口選手はそれでも自己新記録でした。

3選手ともゴール後は首をかしげており、目標タイムを達成できなかった原因を特定できていない様子でした。もちろん、次の大会に向け、立て直していくしかありません。しかし、障害者陸上で国際公認記録となるIPC公認大会は、国内に4大会しかありません。すなわち、残りの大会はあと「3」です。

一般選手のように、日本陸連公認の各種記録会に出場しながら調子を上げていくことは、ルール上難しい状況です。そのため、常に調子のピークをしっかりと合わせていく「ピーキング」が最重要となります。※日本陸連公認とIPC公認は、原則としてリンクしません。

今回の熊本県で、日本記録も幾つか誕生しましたが、全体的に記録は低調でした。今シーズン最初のトレックレースだったことが、記録低調要因のひとつであったことは誰もが感じるところです。しかし、上記したとおり、「今年度のIPC公認の国内大会は残り3」です。

少ないチャンスで世界へのキップを目指すのが、障害者陸上の宿命でもあります。そのためには、「自己記録更新」を狙える状況を常にキープしておくことが、何より優先されます。

つまり、日々のトレーニングはもちろん、日々の自己管理や生活習慣等々、記録を最優先した生活スタイルにシフトしていく必要があるのです。今後は更に、この点を意識した強化を継続していきます。

つづく。

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ターコ 13-04-30 (火) 23:18