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パラリンピック Archive

復活

【復活】あるベテラン選手が昨年の10月頃から膝の痛みを訴え、富津練習会や合宿に参加できなくなりました。この間、整形外科での精密検査や各種治療を施してきましたが、思うように回復しない状況が続いていました。

定期的に、本人から膝の状態を確認していましたが、劇的に回復してきた話しを聞くことはなく、半年以上の時間が経過していました。もちろん、思うように回復しない状態に最もストレスを抱えているのは選手自身です。

原因は長く走ってきた疲労の蓄積も多分にあり、年齢的にも簡単に回復するのは難しいと、誰もが感じていました。同時に、回復が遅れるほど、「このままフェードアウトしていくかも?」と周りの関係者はその不安も感じていました。

ところが、今月9日の富津練習会に突然復帰したのです。本当に久々のことです。膝が完治した話しも聞いていなかったので、本人には走れるか否かの確認をしました。「ゆっくりのペースなら」と、本人が話していたので、いつもよりゆっくり目のグループで35k走を実施しました。

そして、1週間後の富津練習会にも参加し、同じようにゆっくり目のグループで30k走を実施しました。ランニングフォームや走りのリズムは好調時と遜色なく、最後までしっかりと走り切れていました。概ね完全復活と言える状態の走りです。

もちろん、今でも膝の状態は完治した訳ではありません。では、何でここまでしっかりと走れるようになったのかを、本人に聞いたのは言うまでもありません。

痛みを感じないスピードと時間(距離)、痛みを感じない路面とコース、走った翌日の状態と休養の間隔など、故障した選手なら誰もが考え実践していることを愚直に半年以上も継続してきたとのことでした。

故障した多くの選手は、上記したことを念頭に入れながら何とか復活しようと試行錯誤します。しかし、故障した多くの選手は焦る気持ちの方が先行し、逆に上記したことを根気強く我慢しながら継続していくことが難しいのです。

その結果、同じような故障を繰り返し、負のルーティーンから抜け出すことができなくなるのです。もちろん、怪我や故障はしない方が良いのは言うまでもありません。しかし、怪我や故障を乗り越えた選手は、マラソンに不可欠な「我慢と辛抱」を身に付けることができるのも事実なのです。

移行期

【移行期】いよいよ梅雨の季節になりましたが、今度は気温が10度以上も下がり、季節が逆戻りした感じです。まさに体調管理に注意しなければいけない季節となりました。

さて、8月に開催される夏のマラソンを目標にしているランナーの皆さんは、そろそろ走り込みなどの準備をはじめる頃でしょうか。実は、日本ブラインドマラソン協会の強化指定選手の多くは、8月に開催される北海道マラソンに出場します。

なぜなら、来年開催される東京パラリンピックの選考大会にこの北海道マラソンも入っているので、東京パラリンピック代表を目指している選手たちは出場します。また、東京パラリンピックのマラソンは9月第一日曜日の実施予定なので、この北海道マラソンの日程と1週間のずれしかありません。

つまり、この北海道マラソンを目標にしたトレーニングは、そのまま東京パラリンピックの予行にもなるのです。そして、その予行ができる最後のチャンスが今年の夏です。既に、数年前から8月の北海道マラソンを目標にした強化合宿も実施してきたので、夏マラソンに向けたノウハウも蓄積してきました。

今年は、東京パラリンピックに向けた最後の夏となりますが、それらの経験やデータを駆使しながら「暑さ対策」をより確実なものにしていきたいと考えています。

そのスタートとなる強化合宿を先日の6月8日(土)から2泊3日の日程で、千葉県富津市において実施しました。今回の強化合宿は先月までのトラックレースから本格的な走り込みに入っていくための「移行期(準備期)」とし、内容もゆとりを持った感じにしました。

ところが、冒頭に記載したとおり、梅雨入りして気温も20度まで下がったので、逆にとても走り易いコンディション下での強化合宿となりました。その結果、最長でも30k走が行ければと思っていたのが、それ以上の距離を実施した選手がほとんどでした。

このあたりの判断は、暑さ対策のために毎年8月の北海道マラソンを攻略してきた経験やノウハウが選手個々に備わってきたとも言えます。そして、来年の暑い東京を走って勝負するのは個々の選手たちです。暑さ対策も最後は選手の自覚と意欲になります。

来年に向けた最後の夏を有意義に挑戦してほしいと願っております。

記録

【記録】先日の5月18日(土)から2日間の日程で東日本実業団陸上選手権大会が埼玉県熊谷市において開催されました。そして、今年も同大会において視覚障がい男女の1500mと5000mを実施していただきました。もちろん、WPA公認です。

まずは、視覚障がい種目実施にご尽力いただいた大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

さて、来年はいよいよ東京パラリンピックが開催されますが、日本代表に選考されるためにはWPAから指定された参加標準記録を突破することが必須です。また、単に参加標準記録突破だけでなく、種目ごとのWPA世界ランキング上位にランクされていないと選考されません。

詳細は割愛しますが、パラリンピック出場を目指す選手たちにとって、国内でWPA公認記録を狙える機会は圧倒的に少なく、今大会は数少ない貴重なチャンスとなります。

一方で、これから夏に向かっていく季節は、長距離種目にとっては気温も湿度も過酷を極めてくるコンディションとなっていきます。したがって、5月開催の同大会は、長距離種目にとっては記録を狙えるギリギリの季節とも言えます。

また、今回は大会側のご理解とご協力で、視覚障がい男子5000mのスタート時間を早朝9時00分に繰り上げていただいた結果、下記のような好記録ラッシュとなりました。同時に、T11男子5000mは和田選手と唐澤選手がWPA世界ランキングの1位と2位に躍進することにもなりました。(2019年5月19日現在)

この後、6月から本格的な夏の強化合宿を実施していきますが、更なる記録更新に向け、選手とともに精進していきます。

◆視覚障がい男子5000m結果
1位/堀越信司(T12)/15分33秒38(大会新)
2位/和田伸也(T11)/15分42秒88(大会新、T11アジア新、T11日本新、自己新)
3位/唐澤剣也(T11)/15分44秒28(大会新、T11アジア新、T11日本新、自己新)
4位/高井俊治(T13)/15分44秒29(大会新、T13アジア新、自己新)
5位/谷口真大(T11)/16分19秒90
6位/山下慎治(T12)/17分23秒38
7位/米岡 聡(T11)/17分48秒69(自己新)
8位/立木勇弥(T13)/18分45秒69

調整

【調整】4月6日(土)から2泊3日の日程で、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津市富津公園で実施しました。今年度最初の強化合宿です。

また、今回の強化合宿は、今月28日にロンドンマラソンで同時開催されるWPAマラソン世界選手権に出場する選手だけで実施。更に、28日から逆算すると、ちょうど3週間前に当たり、いわゆるマラソントレーニングでいうところの調整期に入るタイミングです。

あらためて、マラソンはそのトレーニング方法に正解はなく、選手の数だけトレーニングパターンやノウハウが存在する競技とも言えます。そのため、目標のマラソンに向けた調整方法も様々です。

6日からの強化合宿は、これまでの経験や実績を加味した調整合宿になりました。具体的には、7日の日曜日に実施した30k走がメインです。

さて、目標のマラソン3週間(~2週間)前は、そこまで走り込みに主眼を置いてきたトレーニングから調整に入っていくターニングポイントにも当たります。もちろん、この点の考え方はそれぞれですが、多くのランナーが量から質へとトレーニングをシフトしていくゾーンに入っていきます。

したがって、このタイミングまで相応に走り込めた選手は、疲労の蓄積で身体が重く感じる状態です。逆に、怪我や故障を回避する意味も含め、ハーフマラソンなどのレースを活用しながら調整してきた選手は、重たい感じなどは無いかもしれません。

そのため、どちらのケースが良し悪しかは、マラソン当日の結果を見るまでわかりません。しかし、「今の状態が何でそうなのか?」を自身でつかめていないと次の一手を誤り、最後の最後で失敗することになります。

言うまでもなく、ここが最終調整の最も難しい点です。同時に、目先のタイムに一喜一憂する必要はなく、より正確に自身の現状を把握できるか否かが成功の行方を左右していくのです。

言葉で言うのは簡単ですが…。

寒暖の差

【寒暖の差】3月21日から3月25日の日程で、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津公園において実施しました。今回の合宿は、今年度最後の合宿となりましたが、この1年間は約120日間(土日、祝日込)を強化合宿に費やしました。

ちょうど1年間の3分の1程度になり、新年度も同様の流れとなります。そして、来年の東京パラリンピックに向け、更に強化を加速させていく予定です。

さて、年度末の3月に入ると気温が上がってくるのと、いわゆる寒の戻りを繰り返す季節となります。今回の合宿はまさにそんな天候でした。

合宿初日と2日目の天候は晴れて、気温は20度をこえる暑さとなりました。ところが、合宿3日目の23日は朝から冷雨となり、気温は8度弱と、今度は真冬に逆戻り。

そして、翌日は再び晴れて、気温も15度をこえる暑さとなり、日替わりで寒暖の差が10度以上と、選手にとっては厳しいコンディションとなりました。

また、来月はイギリスで開催されるロンドンマラソンにおいて、WPAマラソン世界選手権が実施されます。出場する選手たちは、概ね順調に合宿メニューを消化し、寒暖の差にも全く動じないメンタル面も良い状態に仕上がってきた様子でした。

今回の強化合宿のポイント練習は「40k走→5kトライアル×2本→40k走」と、3日連続で追い込みました。ちょうど2回の40k走は晴れて気温が高くなり、5kトライアルの日が冷雨となりました。

実は、4月のロンドンはマラソンにちょうどよいコンディションなのですが、昨年の同大会は気温が25度をこえ、大会史上最も過酷なコンディションとなりました。

今回の合宿は、どのようなコンディションになっても体調管理をコントロールできることを確認することができた点は、どの選手も自信になったと思います。もちろん、最後まで気を抜くことなく、体調重視で調整していきます。

あれから5年

【あれから5年】2019年がスタートしましたが、今年の日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿は、1月11日(金)から開始しました。東京パラリンピックもいよいよ来年となりましたが、どの選手にもチャンスはあり、どの選手も悔いのない走り込みを積み重ねてほしいと願っております。

さて、今のような本格的な強化合宿を開始したのは、2005年度からです。オリンピックと比較すると、強化の歴史は圧倒的に浅いですが、世界に向ける情熱はオリンピック選手には負けません。

特に、視覚障がいマラソン女子の強化は、2014年度からスタートしました。そして、パラリンピックの公式種目になったのも2016年のリオデジャネイロパラリンピックからと、まさにこれからの種目です。

2014年度に女子の強化を開始した当時は、選手を集めるのにとても苦労し、3時間40分を突破するのがやっとという選手ばかりでした。年齢も40代から50代ばかりで、「これを日本代表の強化指定選手といえるのか?」と誰もが疑問に感じたのも事実です。

あれから5年経過しましたが、実は強化指定選手のメンバーはほとんど変わっていません。つまり、発足当時から全選手が平等に5つ歳を重ねたわけで、主力選手は40代から50代、更に60代と、正真正銘の高齢化となっております。

ところが、驚くことにその女子強化指定選手たちの自己記録は、この5年間で全員が更新しているのです。いまでは、ほぼ全選手が3時間20分を突破し、合宿や日々走り込む姿勢や意欲は20代の実業団選手たちに引けをとりません。

「継続は力なり」といいますが、まさにそれを実行しています。もはや強化合宿中に年齢のことを話題にしたり、言い訳にする選手も、年齢を指摘するスタッフもいなくなりました。

2月の別大マラソンは視覚障がい男子マラソンの日本選手権も兼ねておりますが、その別大マラソンに女子強化指定選手も全員がエントリーしました。日本選手権を兼ねていない女子選手の方が意欲的ともいえます。

男子選手以上に、熱い女性の戦いに期待したいと思います。

2019年

【2019年】2019年がスタートしました。本年もよろしくお願い申し上げます。

今年も元日から恒例の駅伝三昧となりましたが、ニューイヤー駅伝は旭化成が連覇を達成し、箱根駅伝は青山学院大学の連覇をとめた東海大学が初優勝と、対照的な結果となりました。

また、どちらの駅伝も出場した各チームの走力が拮抗しており、区間賞を獲得した選手の快走より、逆にミスをした区間のタイム差がチーム順位に大きく影響していたように感じました。

特に、箱根駅伝は往路で10位までにゴールした大学がそのまま大手町まで変わらず10位以内でゴールしていました。もちろん、10位以内の順位変動はありましたが、大手町では11位以下のチームが10位以内に逆転するシーンはありませんでした。

その復路は、区間賞や区間新を達成した選手が大きく順位を押し上げたり、前とのタイム差を劇的に短縮するシーンは少なく、逆に区間2桁順位のタスキリレーが続いてもチーム順位が大きく落ちるシーンも少なかったように思います。

どのチームも走力が拮抗し、どの区間も区間上位と下位のタイム差が縮まっているからでしょうか。また、情報化社会といわれて久しいですが、強豪大学が実践してきたトレーニングやノウハウは、もはや秘密事項ではなくなりつつあり、平準化してきたからでしょうか。

さて、2019年もはじまったばかりですが、来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。そして、力が拮抗している状況から抜け出す重要な1年になりますが、今年も地道に走り込んで確実に走力を積み上げていきたいと思います。

アジアパラで

【アジアパラで】インドネシア・ジャカルタで開催されたアジアパラ競技大会は閉幕し、無事に帰国しました。まずは、たくさんのご声援を選手たちに頂き、あらためて御礼申し上げます。

日本ブラインドマラソン協会の強化指定選手からは、男女6名の選手が日本代表選手として同大会に出場しました。我々は、10月3日にジャカルタ入りして現地調整し、レースは8日の女子1500m、11日の男子1500m。そして、12日の男子5000mに出場しました。

8日に実施されたT12/13クラス女子1500mに出場した松本選手は、5分17秒98の日本新・自己新をマークしましたが、残念ながらメダル獲得には届きませんでした。松本選手は専門種目外でしたが、400mにも出場し、68秒45の自己新をマーク。初の国際大会出場でしたが、臆さず力を出し切る内容でした。

さて、ジャカルタの気温は、日中は35度から37度でカラッとしていますが、日差しが強いので中長距離種目にとっては過酷なコンディションです。もちろん、日が沈んだ後も気温は30度以上あり、湿度が60%前後と今度は蒸し暑くなります。

11日の19時以降も同様の過酷なコンディションが続き、その中で男子1500mが実施されました。T11クラスには3選手が出場し、和田選手が銀メダル、唐澤選手が銅メダル、谷口選手が5位。T12/13クラスには堀越選手が出場し、銅メダルと粘りの走りで両クラスともメダルを獲得しました。

翌日の5000mも18時以降に実施されましたが、やはり32度・湿度65%(手元)と、過酷なコンディションの中、サバイバルレースとなりました。

T11クラスは、日本の3選手が前日以上の粘りを見せ、唐澤選手が金メダル、和田選手が銀メダル。そして、谷口選手も銅メダルと表彰台を独占することができました。続くT12/13クラスは、堀越選手が満を持して残り2000mからのロングスパート。一気に独走態勢に持ち込み、見事2連覇となる金メダルを獲得。

選手とガイドは、これまで蓄積してきた経験やノウハウを存分に活かしたピーキングで、しっかりと結果を残してくれました。

帰国後は、ロードでの走り込みにシフトしていき、今回の結果をマラソンに反映させていきます。目指すは2年後の東京パラですが、今年は2度目の夏を今回のアジアパラで経験できたことで、貴重な夏のデータをもうひとつ積み上げることができました。

引き続き、選手への絶大なるご声援をお願い申し上げます。

厳しい残暑

【厳しい残暑】9月7日から千葉県富津市富津公園において日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を実施しました。さて、8月までは暑さを避け、涼しい場所で合宿を重ねてきましたが、9月から来年3月までは拠点であるこの富津で強化合宿を重ねていきます。

毎年のことですが、9月は残暑が厳しく、千葉県富津市においても30度をこえる日があります。案の定、この合宿中も30度をこえる日が続き、メイン練習である30k走は厳しいコンディションとなりました。

2年後の東京パラリンピックのマラソンと同時期である今回の合宿は、本当の意味で2年後をシュミレーションした状況となりました。なぜなら、記録的猛暑となった8月は、連日35度をこえる日が続きました。

ところが、9月に入って涼しくなる日が数日続き、今回再び30度をこえました。その結果、実際の気温は30度までだったのですが、8月の猛暑以上にダメージを受けた選手が多かったからです。

夏前から苦労して身体を暑熱順化させてきたのですが、同じ場所で楽な状態(涼しい)が短期間でも入ると、身体はあっと言う間に楽な方に順化します。科学的な理論は別にしても、実際に30k走を実施した選手たちはそのような状態でした。

暑い日も連日続けば良いのですが、季節の変わり目のように気温の変動が日々大きくなる時期は、逆に暑さ対策も少し見方を変える必要があると感じました。

さて、これから季節は涼しい方向へ移っていくので、暑さ対策からは一旦離れますが、暑い中で強さを発揮するために、ここからは速さを追求していきます。

つまり、夏マラソンでゆとりを持って走り切るためには秋から冬のマラソンで速さを追求し、自己記録を更新しておくことが必須条件になります。

実はこれも重要な暑さ対策につながるのです。

猛暑対策

【猛暑対策】全国的な猛暑が続く中、涼しい長野県菅平高原において日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を実施してきました。夏にこの菅平高原において合宿を実施するようになって、個人的な合宿も含めると20年近くになりますが、これまで経験したことのないような暑さだったのは言うまでもありません。

ロードでの距離走もできるだけ日陰の多いコースに変更して実施しましたが、熱中症になる選手も出るなど、これも菅平高原においては経験したことのないトラブルでした。

先日、2020東京五輪で実施されるマラソンのスタート時間が発表されましたが、「日が昇ってしまえば何時でも危険である」との認識をあらためて感じました。もちろん、その後に開催されるパラリンピックのマラソンも9月上旬予定なので、危険な状況に変わりありません。

と、言いながらその厳しい暑さの中で勝負することは避けて通れません。そのため、様々な暑さ対策が必須になります。今回の強化合宿においても、給水における新しい対策を試みました。詳細は割愛しますが、概ね選手たちには好評でした。

しかし、その給水を準備するためにはかなり大掛かりな装置が必要になります。また、作った給水を「その状態をキープしながら各給水地点に設置するためには、どうするのか?」と、あらため問題も見えてきます。

酷暑の中でのマラソンは「給水が命」であり、重要事項になります。ご存知のとおり、各選手が個別に準備するスペシャルドリンクと呼ばれる給水は、スタート数時間前に所定の場所に提出します。

実はその段階で常温に長時間さらされる可能性が高いので、予め給水を冷却していたり、凍らせていたとしても、30k以降に設置するスペシャルドリンクは常温の水道水と同じような状態になっているのが一般的です。

このように給水の中身についての対策は様々な角度から研究され、実際に我々の強化現場においても試せる段階になっています。しかし、その給水を保持するための容器や保管方向など、付帯する重要課題については、ルール上の問題もあるのでこれからなのが現実です。

至極当然のことですが、2020年の東京で金メダル獲得を目指す前に、選手や伴走者の命に係わる危険をどのように回避していくかの課題は「待ったなし」の状態と言えます。

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