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パラリンピック Archive

夏を走る・5

【夏を走る・5】先週は梅雨らしい季節と話していたところ、なんと梅雨が明けました。また、雨天で走り易い日もあると、選手にも話しをしていましたが、梅雨が明けると連日35度前後の猛暑日です……。

その梅雨明けとほぼ同じタイミングの6月25日から29日の日程で強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。もちろん初日から最終日までの間、連日30度を超える厳しコンディション下でのトレーニングになりました。

今回の強化合宿には順天堂大学から3選手がガイドランナーなどのサポートとして参加頂きましたが、その3選手は今年の箱根駅伝で3位入賞を果たした主力メンバーです。また、その3選手を大学で指導している順天堂大学コーチの仲村先生にも帯同頂き、動きつくりなどの指導や選手個々にアドバイスなども頂戴しました。

駅伝強豪大学なので、「何か特別なノウハウがあるのかも?」と思いがちですが、仲村先生の指導やアドバイスはシンプルで的確であり、何よりも「日々の継続」を強調していました。我々はどうしても新しい情報ばかりに目が向きますが、地道に足元を固めていくことの大切さを再認識することができました。

さて、今回の合宿は連日30度を超える厳しい暑さの中でのトレーニングでしたが、どの選手も既に暑熱順化ができており、暑さを理由に途中で大きく離脱する選手は皆無でした。これは、昨年の東京パラを目指していた同時期よりも明らかに調子が良く、どの選手も毎年積み重ねてきた経験や実績を活かせています。

そして、来週末からは恒例の北海道北見合宿に入ります。同合宿中は、今年もホクレン・チャレンジディスタンス大会に出場し、5000mを2本走りますが、間に40k走をセットにして走り込んでいきます。

その後、8月下旬に開催予定の北海道マラソンを目標にした調整に入ります。ただし、7月後半からの強化合宿は涼しい北海度ではなく、再び千葉県富津市富津公園に場所を戻します。今年は夏マラソンに向けた最後の調整をあえて暑い場所で実施します。

2024年のパリパラに向けた暑熱対策もこれまでの経験と実績を活かしながら、あらたな経験と実績も加味していきます。

夏を走る・4

【夏を走る・4】私の住んでいる千葉県も今年は梅雨らしい天候が続いています。そのため、気温も比較的高くない日もあるので、私のようにジョギングをするだけなら問題ないでしょうか……。

先日の日曜日は、富津合同練習会を実施しました。天候は曇っていたのですが、スタートした9時からゴールのお昼頃までは、ちょうど晴れました。したがって、気温も一気に上昇し、長い距離を走るには過酷なコンディションに……。

同練習会に参加しているメンバーの中には、8月に開催予定の北海道マラソンを目標にしている選手もいます。また、その大会にむけた準備(走り込みなど)を開始する時期にも入っています。

あらためて、夏マラソンは7月から8月あたりの暑い季節にマラソンを走るため過酷です。しかし、本当に過酷なのは、その夏マラソンを走るための準備(走り込みなど)です。なぜなら、8月のマラソンを目標にすると、その準備(走り込みなど)を開始するのは、遅くとも暑くなってくる6月からになるからです。

昨年の9月5日は東京パラのマラソンでしたが、メダルを獲得することができました。そのマラソンに向けた最後の追い込みを開始したのは、昨年の6月からでした。具体的なポイント練習のひとつは、6月から8月第1週までの間に実施した9本の40k走でした。

経験上の話になりますが、いわゆる冬のマラソンはハーフマラソンなどで調子が上がっている場合、スタミナに不安(走り込み不足)があっても、勢いで好記録をマークするケースが多々あります(トップ選手も含め)。

ところが、夏マラソンの場合、スピードが出せる調子に仕上がっていても、スタミナ(全身持久力)がないと最後まで走り切ることはかなり難しいといえます(大失速する)。つまり、暑さの中で長時間動き続けるには、スタミナがより重視されるのです(暑熱対策も含め)。

また、暑い中で長時間走ると、どんなレベルの選手でも脱水症状などの様々なリスクがともない、計画どおりに走り込むのが難しいのは確かです。しかし、計画どおりに走り込めていないと、夏マラソンで勝負するのが難しいのも確かです。

また、この相反するような課題を解消できる的確な方法を、私は見聞したことはありません。つまり、夏マラソンが無くならない限り、この矛盾(?)と向き合い続けていくのでしょうか……。

夏を走る・3

【夏を走る・3】先日の11日から12日の日程で、日本パラ陸上競技選手権大会が兵庫県神戸市で開催されました。同大会に向け、4月後半から強化合宿を重ねてきたので、その成果を確認するために、私も神戸に行きました。

果たして結果は、東京パラのT12女子マラソンで金メダルを獲得した道下選手が、5000mでアジア新記録を達成するなど、目標どおりの記録を残した選手を多数確認することができました。一方、うまく調子を合わせることができなかった選手もいました。

また、その結果を振り返ると、日本代表選手として東京パラを走った選手のほとんどは目標どおりの結果を残していました。ところが、出場できなかった選手ほど練習の成果を記録として残すことができなかったように見受けました。

やはり、大舞台を経験した選手たちは、「確実にひと回りもふた回りも成長した」と、レースをみていてもはっきり確認できました。あらためて、「人は大きな経験をすることで、大きな成長をする」と、感じました。

そして、我々は国から予算を頂戴して選手強化を継続している以上、最終目標は「パラリンピックでメダルを獲得する」です。それ以外はありません。もちろん、選手個々に走力やトレーニング環境が違うので、誰もが最初からその目標に到達することはできません。

陸上競技でパラリンピックを目指すパラ選手は、オリンピックを目指す一般選手に比べると、競技人口は圧倒的に少なく、いわゆる底辺が広いピラミッド型にもなっていません。したがって、一度パラリンピックに出場するレベルに到達した選手が、長期間に渡ってその地位をキープする傾向が強い特性を持っています(競争原理が働きにくい)。

逆の見方をするなら、パラリンピックに出場したことのない選手が、パラリンピック日本代表選手を倒すことは、一般のトップ選手がオリンピック日本代表選手に勝つこと以上に難しいと感じます(私の主観)。

2024年5月に今大会の会場において、WPA世界陸上競技選手権大会が開催されます。そして、この大会で上位入賞した数名の選手にはパリパラリンピックの出場切符が渡されます。今回、目標どおりのタイムに到達しなかった選手たちも、そのチャンスを手にできるよう、今日からさらに精進してほしいと願っております。

夏を走る・1

【夏を走る・1】5月28日から4泊5日の日程でいつもの千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。今回の強化合宿は、6月11日から開催される日本パラ陸上競技選手権大会に向けたスピード強化がテーマでした。

5日間の中で実施したポイント練習は、ロードでの距離走が1回、トラックでのスピード練習が2回。ところが、実施したその3日間とも快晴となり、気温も30度を超えるなど、長距離選手にとっては過酷なコンディションになりました。

さて、今回の強化合宿に参加した選手は、東京パラT12マラソンでメダルを獲得した堀越選手、道下選手。同じく東京パラT11トラックでメダルを獲得した和田選手など、主力選手が揃いました。

また、今回の強化合宿に参加したガイドランナーもエース級が揃い、質の高いトレーニングを切磋琢磨しながら消化することができました。その強化合宿中の具体的なトレーニング内容は割愛しますが、私が強化合宿を見てきた中でも歴代トップ5に入るような充実ぶりだったことは間違いありません。

とくに、合宿最終日に実施した「ペース走+インターバル走」は、全選手がこちらの指示した設定タイムを上回る積極的な走りをしていました。また、いつものように強化合宿を見ていて久々に「これは強い!」と、選手たちの成長に手ごたえを感じました。

そして、選手たちの快走には、常にガイドランナーたちの支えがありますが、今回のようにトップガイドランナーが揃うと、強化合宿(トレーニング)が引き締まります。その結果、選手たちも消極的な姿勢や走りを見せなくなります。

あらためて、マラソンや長距離は個人競技ではなく、「チーム競技」であると強く感じました。もちろん、レース中は個人ですが、過酷で単調なマラソントレーニングを単独で乗り越えていくには限界があります。

つまり、強化合宿(定期練習会も)のように仲間と切磋琢磨しながら厳しいトレーニングを重ねていくことで、はじめて個人の力も上がっていくのです。少なくとも私はそう確信しております。これからも目の前に立ちはだかってくる困難を「チーム力」で乗り越えいきます。

春を走る・12

【春を走る・12】京都市の西京極陸上競技場において「ジャパンパラ陸上競技大会」が開催されました。同競技場は、全国高校駅伝大会や全国都道府県対抗女子駅伝大会など多くの主要大会を開催しており、陸上長距離界では有名な競技場です。

と、知ったかぶりの話しをしている当の本人は同競技場を訪れるのは、実は初めてでしたが……。

さて、大会は5月14日(土)から15日(日)の2日間で開催されました。また、天候は懸念されていた雨にはならず良かったと思いますが、逆に長距離種目にとっては厳しかったでしょうか。

そんなコンディション下での大会でしたが、東京パラのトラック種目でメダルを獲得したT11クラスの和田、唐澤両選手は積極的な走りを見せていました。同様に、マラソンでメダルを獲得したT12クラスの堀越、道下両選手も粘りの走りができていました。

もちろん、他の選手たちも記録へ挑戦する走りを見せていましたが、今の力を出し切るまでに至っていない様子でした。具体的には、今の調子や走力に見合ったペースをつかみ切れていないためか、スタート直後から安定したラップタイムやリズムを刻めていない選手が多かったように感じました。

トラックレースはロードのマラソンと違い、スタートから速いペースで進みます。したがって、一度リズムを崩してしまうと、そこから立て直して後半挽回することはかなり難しくなります。また、トラックレースに関しては、本命のレース当日までの間、記録会などの実戦をくぐりながら調整する方が良い面もあります。

今回、2日間のレースを視察し、練習不足というよりも実戦不足の選手が多かったように感じました。このあと、6月に神戸で日本パラ陸上競技選手権大会が開催されるので、調整にタイムトライアル(実戦形式)などを加味しながらスピード感覚をトラック仕様に切り替えてほしいと思います。

どの選手も地力はついているので、あとは自信を持って調整していきましょう!

春を走る・10

【春を走る・10】今年のGWも長野県菅平高原において強化合宿を実施しております。また、コロナに関する規制も一旦解除されたこともあってか、サッカーチームなどの姿も多く見受けます。そして、このまま元の状態に戻っていくことを願っております……。

さて、今年もGW期間中の菅平高原は、実業団チームや大学チームの姿も多く、どのチームも質の高いトレーニングを積んでいます。そして、これも毎年のことですが、それらの様子を拝見しているだけでも、いろいろと参考になります。

特に、今年はGWの前半に実業団チームの選手たちが集中していたので、菅平高原のトラックは、その選手たちでにぎわっていました。そんな中、ひときわキレのある動きをしている選手がいたので、しばらく見入っていましたが、よく見ると住友電工の遠藤選手でした。

もちろん、私が偉そうに評価することはできませんが、やはり他の選手たちとは違って見えました。特に、短い距離のスピードやそのフォームは他の選手よりも洗礼されていました……。

そして、その数日後の5月4日、宮崎県延岡市で開催された「ゴールデンゲームズinのべおか」において、その遠藤選手が5000mで快走。特にラスト200mからのスパートは菅平で拝見したキレのある動きのままでした(LIVE配信より)。

後半のGWは、ブラインドマラソンの強化合宿を実施しております。今回はトラックでのトレーニングに終始し、今月14日からのトラックレースに向けた最後の追い込みです。さいわい、どの選手も好調で、質を高めたスピードトレーニングも順調に消化しております。

先日の「かすみがうらマラソン」で快走した弱視の堀越選手と熊谷選手も、そのときの疲れも抜け、スピードに乗れる動きをしています。また、東京パラで金メダルを獲得した道下選手も好調で、5000mで自身の持つ日本記録更新が可能なゾーンに入っています。

どの選手も久々のトラックレースになりますが、最後まで怪我と故障に注意しながら最終調整に移行していきます。

春を走る・8

【春を走る・8】多くの方々のご理解とご支援のおかげで、今年のかすみがうらマラソン大会は無事に開催されました。また、同大会は古くからブラインドマラソンを受け入れていただき、普及と発展に多大な貢献と功績を残してきました。あらためて、関係者の皆様方に厚く御礼申し上げます。

さて、今年の同大会には東京パラに出場した4選手が出場しました。特に、堀越、熊谷、米岡の男子3選手はこの大会に向け強化合宿などでは、ほぼ計画どおりに調整することができていました。そのなかでも、東京パラで銅メダルを獲得した堀越選手は、別大マラソンでの転倒・棄権のダメージを払拭し、2時間20分突破を目指したトレーニングを計画どおりに消化することができ、記録への期待も高まっていました。

しかし、当日の気温は20度を超える厳しいコンディションになりました。今回のように、4月中のマラソンで20度を超える場合は、体感的には夏マラソンとそん色なく、後半は厳しい状況に陥り易くなります。特に暑い中でのマラソンは、走り込み(距離走)不足のランナーほど、後半は大失速します。

そんな厳しいコンディション下でのレースとなりましたが、弱視で単独走の堀越選手と熊谷選手は、更にスタートからゴールまで集団もなくほぼ独走。そして、慣れないコースのため、スペシャルドリンクがほとんど取れない中でのレースでしたが、両選手とも無事にゴール。

堀越選手は、5kごとのラップタイムを、すべて16分台にまとめ、「2時間21分21秒(アジア新)」。熊谷選手も同様に、すべて17分台のラップタイムをキープし、「2時間27分32秒(セカンド記録)」。両選手とも蓄えた力を狙い通りに発揮しました。また、総合順位も4位と8位、ともに入賞。そして、全盲の米岡選手も後半を粘り抜き、「2時間45分44秒(自己新)」を達成しました。

もちろん、他の強化指定選手たちも力走しましたが、今大会に関しては上記した3選手との差(本気度)は、強化合宿時から歴然としていまいた。このあと、ほとんどの選手は、一旦トラックレースを走りますが、次の目標は8月の北海道マラソンになります。

パリパラに向け、残された夏は2回です。つまり、夏マラソンの試し打ちができるのも、たったの2回のみです。東京パラが1年延期になった悪影響はここから出てきます。何も考えていない選手たちは、早くも振り落とされていくでしょう。

パリパラに向け、準備できる時間とチャンスは考えているほど多くない……。

春を走る・6

【春を走る・6】今年度の第1回強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。今合宿の目的は開催まであと2週間を切った「かすみがうらマラソン」へ向けたものになりました。

すでに何度も話してきましたが、マラソンの調整方法は様々で正解もありません。しかし、偉大な先人たちが残してきた実績(経験と科学的なデータに裏打ちされた実績)から個々の調整方法に大きな違いは少なくなってきたと思います。

特に、情報伝達が早くなった昨今は、実業団選手が実践しているトレーニングを市民ランナーの方がアレンジして実施しているケースも珍しくありません。もちろん、その記録や成績を保証するものではありませんが……。

一方で、高性能な腕時計などが登場し、心拍数や走行距離など様々なデータを確認しながら走ることも可能になりました。しかし、それを目安にレースを戦っているトップ選手はほとんど見かけません。不思議なことに……。

同様に、優勝インタビューで「30kの心拍数が170以下だったので勝てると思った」と振り返るトップ選手はほぼいません。逆に「30kから身体が楽になってきたので、勝負できると思った」と主観的なコメントが支配的です。同じく、調整の期間に入ってくると、主観的に自身の調子や状態をつかめている選手は本番のレースでも外すことが少ないと感じます(私の経験上)。

例として、2週間前の練習で「身体は重たい感じだが、スピードは出せる」「最初は無理やり動かす感じだが、後半になるほど楽になっていく」など、このようなコメントをする選手は「順調に走り込めたな」と見て取れます。

今回の強化合宿においても、何名かの選手からは、上記したようなコメントを聞くことができました。もちろん、本番のレースまで2週間あるので、最後の調整次第で良くも悪くも大きく変わります。いわゆる「危険なゾーン」に入ってきたともいえます。

昨年の東京パラ2週間前もこのような状態に仕上げることができ、逆にそこから本番までは徹底的に管理しました。もちろん、調子のピークを合わせるためでしたが……。今回はそのようなことはできないので、個々の裁量に委ねるしかありません。

しかし、これまでの失敗と成功から学んだ経験を活かしながら調子のピークを合わせてくれることでしょう。

春を走る・4

【春を走る・4】今年度最後の強化合宿が終わりましたが、すぐに新年度がスタートします。また、4月は「かすみがうらマラソン」が実施されます。同大会は、ブラインドマラソン部門もあり、その中には「IPC公認の部」もあるので、今回の強化合宿に参加した選手たちも出場します。

特に、男子の弱視選手で単独走が可能な3選手が、揃ってマラソンを走ります。3選手とも調子は上向きなので、期待の持てるレースになりそうです。まずは、しっかりと最後の調整を実施してほしいところです。

さて、その「かすみがらうらマラソン」は、ウェーブスタートを採用しています。知っている方も多いと思いますが、いわゆる時差スタート方式です。具体的には、参加人数が数万人規模になると、何よりもスタートが大混雑します。特に、後方からスタートすると、スタート地点に到達するまでに相当なロスタイムが発生します。

また、マラソンは出走したどの選手も必ず同じ地点からスタートし、同じゴール地点を通過する競技なので、出走人数が増えれば増えるほど、スタート地点までのロスタイムが大きくなり混雑します。同時に、それを回避することもかなり難しい競技特性があるのです。

しかし、その問題を少しでも解消する効果的な方法のひとつが、ある一定間隔でグループごとにスタートさせていくウェーブスタートになります。かすみがうらマラソンの場合、マラソンは5分間隔で4グループが順にスタートしていきます。よく考えたとても良い方法だと、個人的にも思います。

一方、ゴールの着順もそのグループの中で決まれば良いのですが、総合順位については、それら複数のグループをまたいだ順位になるケースが一般的なので、少し複雑になります。かつて、ネットタイムとグロスタイムについて記載したときと同じように、見た目の順位と記録上の順位が一致しなくなります。

具体例として、最初のグループからスタートし、トップでゴールした選手よりも3グループからスタートし、見た目は50番目でゴールした選手の方がタイムが良かったということが起り得るのです。つまり、最後にスタートしたグループの選手たちがゴールするまでは、総合順位が決まらないことになります。

かくいう私自身は、上記したようなケースに出くわしたことはありませんが、他の大会においては、順位をめぐってトラブルになったケースもあるようです。皮肉なことですが、スタートの混雑を避けようとして、ゴールが複雑になってしまう。永遠の課題なのでしょうか……。

春を走る・2

【春を走る・2】3月9日の水曜日まで千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。これで今年度の強化合宿も残すところあと1回となりました。特に、今年度は東京パラもありましたが、世の中の流れが早すぎるためか、あの感動や達成感も遠い昔のことのように感じます……。

さて、3月に入ると、ロングディスタンスの選手たちは「ロード」から「トラック」に移行していく時期にも入っていきます。今回の強化合宿に参加した選手の中にも今月末からトラックレースに切り替える選手もいました。

さて、トラックシーズンに突入する3月から4月上旬に開催される最初のレースで、いきなり好記録を叩き出す選手は意外に多いと感じます。理由はそれぞれですが、ひとつ言えるのは、冬のロードシーズン中にしっかりと走り込みができており、なおかつ、出場した各種ロードレース(駅伝も)で好記録をマークしていることです。

つまり、冬の走り込みをしっかりと積めており、スタミナ強化ができていたことです。要は、スピード強化もベースはスタミナであり、スタミナのない選手がいくらスピード強化を実施しても思うようにはいかないとも言えます。

ところが、最初のトラックレースで好記録を出した選手がそのまま5月以降に開催される各種選手権大会でタイトルを獲得するかと言えば、決してそうではないようにも感じます。むしろ、その後はじり貧に陥っていくパターンは意外に多いとも感じます(見方をかえれば、蓄えていたスタミナが枯渇したと……)。

しかし、そんな選手も夏の走り込み期を乗り切ると、秋の記録会で再び好記録を叩き出したりします。やはり、上記したようにベースとなるスタミナを強化した上にスピード練習を積めたときが、好記録につながっているとも言えます。

このことから、トラックシーズンに入ってもそのベースとなるスタミナを、少なくとも維持していくことはスピード強化をより効果的にするためにも大切なことと言えるでしょう。したがって、トラックシーズンに入っても長い距離や時間を走るトレーニングは定期的に実施することは必要です。

また、これからは気温と湿度が高くなっていく季節にも入るので、長い距離や時間を走るトレーニングの負担は逆に増えます。そのため、走る時間帯や設定タイムなど、細かい調整も不可欠になりますが、スピードとスタミナのバランスをよく考えながら走り込んでほしいと思います。

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