【伴走者・9】2012年8月、ロンドンパラリンピックが開幕しました。同大会は2000年シドニーパラリンピック大会以来、3大会ぶりに知的障がい選手が出場する競技も復活。20競技503種目に初出場の北朝鮮などを含む史上最多の164の国と地域から約4200名の選手が参加しました。
私自身も5回目のパラリンピック帯同となりましたが、本当に驚くことばかりの大会でした。特に、陸上競技場のスタンドが連日満員になっていたのは驚きと感動でした。また、単にスタンドが満員になっているだけでなく、観客の皆様がパラリンピック競技のルールや見どころなどもしっかりと把握していたのには、もっと驚きました。
まさに観客と選手が一体となり、躍動したパラリンピック選手たちの姿は私の知っているパラリンピックではなく、「オリンピックをも超えている」と感じました。
そのロンドンパラリンピックには、マラソンに3選手(2選手がトラックにも出場)、トラック種目に1名の視覚障がい選手を派遣しました。その内訳は、T12クラスの単独走選手が2名、T11クラスの選手が2名。そして、帯同した伴走者は5名でした。
また、どの大会もマラソンは最終日に実施されるので、マラソン代表選手は現地でじっくりと調整できる反面、大会の雰囲気などに惑わされず、自分自身のリズムをたんたんと押し通せる「強い心」が必須となります。
マラソン前にトラック種目の5000mに3選手が出場。T12クラスに2選手が出場し、ダブル入賞。圧巻は、T11クラスに出場した和田選手でした。伴走者と一心同体となったレース中の巧みな駆け引きの結果、見事に銅メダルを獲得!
最終日のマラソン(T12クラス)にはT12選手1名と、T11選手2名が出場。結果は、T12の岡村選手が4位、T11の和田選手が5位。更に、T11の高橋選手が7位と3選手そろって入賞を果たしました。もちろん、メダルを獲得できなかった点は悔しさも残りましたが、2008年北京大会の惨敗から見事な復活でした。
同大会に帯同した5名の伴走者は全員が元実業団選手。引退しているとは言え、高い走力を維持し、選手たちをけん引してくれました。そして、何よりもその伴走者たちがかつて名選手として培ってきた貴重な経験やノウハウが、選手たちの躍進につながったのが今大会でした。
※千葉県富津市富津公園は、引き続き駐車場や展望台への道などを封鎖しております。
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- yoko kijima 20-05-26 (火) 14:49