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夏の走り込み・9

【夏の走り込み・9】今週末の25日は、北海道マラソン大会が開催されます。今回の北海道マラソン大会も、WPA公認の視覚障がいの部が実施されます。特に、今回は来年開催される東京パラの選考大会にもなっています。

その選考大会に向け、ここまで強化合宿を重ねてきました。そして、北海道マラソン大会に向けた最後の調整合宿を8月16日から2泊3日の日程で実施しました。場所は、千葉県富津市です。まだまだ猛暑の続く8月に富津で実施する強化合宿の目的は、来年の東京パラに向けたシュミレーションも兼ねています。

至極当然のことですが、調整の基本は「量を落として質をキープする」ことになるので、練習時間はどんどん短くなっていきます。そのため、パラリンピックや世界選手権大会のような長期遠征になった場合、逆に「暇を持て余す」ことになります。

日本代表に選出されるような選手は原則として真面目です。したがって、長期遠征に行っても規則正しく生活し、規則正しく練習する習慣が身についているので、試合のために遠征しているにも関わらず、その生活スタイルはまるで強化合宿そのもになっている選手は意外と多いのです。

繰り返しになりますが、最終調整は「量を落として質をキープする」ことです。しかし、これまで何度も国際大会に帯同し、多くの選手(多種目も)を見てきましたが、現地調整に入っているにも関わらず、強化合宿とおなじように「量をキープして質もキープする」流れに陥っているケースは多いのです。

もちろん、そんな状態に陥った選手が好成績を残すことは相当難しいといえます。しかし、知らない国や土地に長期遠征し、選手村やホテルで1日何もしないで時間をつぶす生活は想像以上に苦痛を伴います。と、いいながら1日部屋の中でゴロゴロしたり、やたらと街中を散策する生活も、結果に結びつくとは思えません。

先日の富津強化合宿も2泊3日と短期間でしたが、最終日の午前中以外は、あえて何もしない合宿としました。朝集合して各自フリーとし、午前中に集合して各自フリー。更に、午後も集合して各自フリーとした中で、いかにして心と体をコントロールしながら調子を整えていくのか?

あらためて、長期遠征時の「暇を持て余す」ことは最も難しい課題である点は、これまでの経験からも明らかです。ここまで、猛暑を前提とした調整方法や暑熱対策ばかりを課題にしてきましたが、あらためてこの点の対策も考えていきます。

夏の走り込み・8

【夏の走り込み・8】8月10日からの3連休を活用し、恒例のRUNWEB菅平合宿を実施しました。暑さを避け、涼しい高原での合宿といいながら、8月の菅平高原も暑いです。

この合宿は2泊3日と短期間ですが、最大の目的は距離走です。具体的には、40k走を1回実施するための合宿となります。一般的には「夏の走り込み」といいますが、この時期は関東をはじめそれぞれの地元では、暑くて走り込めないのが現状です。

そこで、8月中に1回は長い距離を走ることを目的に、この菅平合宿を実施してきました。この8月の菅平合宿は、既に15年以上継続しており、ノウハウやデータもそれなりに蓄積してきました。具体的には、この合宿で実施する40k走をそれぞれの設定タイムで完走できると、秋からのマラソンで好走する確率が高くなることは、過去の実績からある程度予測できます。

もちろんグループ別に走りますが、最も速いグループから1kを4分30秒、5分00秒、5分30秒、6分00秒ペース。この設定タイムを見て速いと感じるか否かは個々の走力によりますが、最も速い4分30秒のグループは、マラソンの自己ベスト記録が2時間30分切りから40分程度の走力になります。

しかし、2時間30分を突破するランナーが、40k走の設定タイムを1kあたり4分30秒ペースで走るのは、「かなり遅いのでは?」と感じるのは事実です。そのため、これまでもグループから離れてもっと速いペースで40k走に挑む例は過去にも多々ありました。しかし、設定タイムより速く走った多くのランナーが途中で失速したり、リタイヤしています。(同様に他のグループでも)

実は夏の走り込みの最も難しい点が、この距離走の設定タイムになります。つまり、多くのランナーが、頭で計算し、理論的に走ろうとするが故に失敗するケースといえます。夏は言わずと知れた「暑さ」が最大の敵となりますが、年間を通じて共通する点は、トレーニング強度の決め方になります。

そのトレーニング強度は、個々のベストタイムはもちろん、当日のコンディションや心拍数など、目安にする指標は様々です。しかし、最も信憑性が高いと思われるのは、個々の「主観的判断力」と考えます。つまり、このペースは「きつい」と感じるのか、「楽」と感じるのかの判断です。

特に、夏の暑い時期は、この「主観的判断力」が重要になりますが、実は暑さを読み間違えるランナーが多いのです。「かなり楽」と感じてスタートしても後半は「かなりきつい」となるのが、夏の走り込みです。そのため、この夏に自分自身の「主観的判断力」を高めることができたランナーは、秋からの本格的な走り込みもゆとりを持って継続でき、結果に結びつける確率も高まるのです。

夏の走り込み・7

【夏の走り込み・7】北海道北見市常呂町において実施した強化合宿も無事に終了しましたが、梅雨明け後の関東などでは猛暑日が連日続いています。しかし、昨日の常呂町は18度でした。また、合宿期間中も30度をこえるような日もほとんどなく、走り込むには絶好のコンディション下での強化合宿となりました。

今回の強化合宿は、今月26日に開催される北海道マラソン大会に向けた調整がメインとなりました。今年の北海道マラソン大会は、来年開催される東京パラリンピックの視覚障がいマラソン代表推薦選考大会に指定されています。

実は、この北海道マラソン大会の開催日と、来年の東京パラリンピックで実施される視覚障がいマラソンの競技日程(予定)が近いのです。そのため、夏のトレーニングや合宿を通じて単に暑さに強いとか弱いとかを見極めるより、この北海道マラソン大会での走りを見た方がより実戦的な適性を評価できることにもなります。

あらためて、夏のマラソンは秋や冬のマラソンと大きく違う点のひとつとして、「偶然がない」という点です。つまり、秋や冬のシーズン中のマラソンは、たまたま自分自身の調子などが良かったりすると、想定外の好記録が出たりするケースが多々あります。

しかし、暑い中でのマラソンは相応の準備を積んでこないと、目標どおりのタイムでレースを進めること自体が難しいと言えます。その理由はいうまでもなく、「暑い」からです。もちろん、8月から9月に開催されるマラソンに対する準備(走り込み)も急激に暑くなってくる5月前後から入るので、全ては暑さの中で完結していくことになります。

単に暑さを避け、涼しい場所で走り込んだとしても、最後は暑い東京で勝負するので、どのタイミングで暑さを避け、どのタイミングで暑さに戻ると良いのか?逆に、最初から最後まで暑い都内で完結させる方が良いのか?

科学的なサポートを受けたり、様々なデータを駆使しても、実は正解がありません。最後は個々の暑さに対する感覚と経験にゆだねるしかない面が大きな割合を占めていきます。幸いにも昨日の北海道北見市常呂町の気温は18度でした。しかし、選手個々の自宅のある関東から九州までの本日の気温は、36度前後と昨日の2倍です。

合宿終了後、1日にしてこの大きな気温差は身体にこたえます。しかし、これをひとつの経験として難なく取り込める選手が、来年の東京パラリンピック代表選手に選考される条件のひとつである点に違いありません。

夏の走り込み・6

【夏の走り込み・6】本日から北海道北見市常呂町において、強化合宿を実施します。もちろん、来年の東京パラに向けた様々な対策も重要な目的となります。特に、その中において最重要項目となるのは、言うまでもなく「暑熱対策」です。

7月の強化合宿においても暑熱対策を実施しましたが、記録的な低温が続く中だったので、そもそも給水を取る必要もないほどの快適なコンディションでした。本来なら「涼しくて走り易かった」と、喜ぶところですが、暑熱対策をテストするには逆に厳しいコンディションとなっていたのです。

また、来年の東京パラに向けた最後の夏となるにも関わらず、「暑くない夏では何もできない」と危惧もしていました。ところが、梅雨が明けると、今度は一気に猛暑に突入し、北海道内もかなり気温が高くなってきている様子です。

さて、昨日の早朝、都内のある河川敷において、日本陸連の競歩ナショナルチームが暑熱対策を実施したので、視察をさせていただきました。参加選手は男子50kと20kの日本トップ10の選手たちです。

内容は、早朝7時スタートで、50k選手と20k選手のグループ別にトレーニングメニューを実施する中で、様々なデータを採取しながら暑熱対策を実施していました。そのスタート時の天候は晴れ、気温30度、湿度80%と、絶好の暑熱対策日和となっていました。

具体的なトレーニング内容や暑熱対策については割愛しますが、どの選手も意欲的にトレーニングをこなし、テキパキとデータ採取や暑熱対策を実施していました。もちろん、既に暑熱対策のノウハウは蓄積しているので、裏方として各種対応にあたっているスタッフ陣も動きや指示に無駄が全くありません。

日本の競歩は、今や世界屈指の強豪国に上り詰めていますが、その理由も頷ける内容でした。そして、早朝の数時間でしたが、ブラインドマラソンにも活かせる様々なヒントを得ることもできました。

早速、本日からの強化合宿でも試していきます。

暑くなりますように…。

夏の走り込み・5

【夏の走り込み・5】先日の22日は、ホクレンディスタンス網走大会が開催されました。17日の北見大会同様、「視覚障がい男女5000m」を実施いただき、記録に挑戦しました。ところが、当日は前回の北見大会以上の強風が吹き荒れ、残念ながら記録を狙うには厳しいコンディションとなりました。

案の定、どの組もレース中盤以降は、強風の影響で失速していく選手が多く、厳しいレースが続いていました。もちろん、視覚障がい男女5000mのレースがスタートする時も強風がおさまることはありませんでした。

陸上競技は原則として屋外競技のため、今回のような強風や、暑さや寒さなど、当日の気象条件に記録が大きく左右されることが宿命となっております。また、陸上競技の特徴として、単に記録だけを競う競技ではなく、誰が勝ったか負けたかの勝負を競う競技でもあります。

そして、来年の東京五輪やパラリンピックでは、この誰が勝ったか負けたかの勝負がとても重要になる点は言うまでもありません。つまり、メダル獲得を達成するためには、記録以上に勝負が重要になります。

ところが、様々な場面で目にするトレーニング理論やノウハウは、ある記録を達成するための視点からが多く、勝負で勝つための視点に立った具体的なトレーニング理論やノウハウを目にすることは多くありません。

また、誰かに勝ったり負けたりする勝負を突き詰めていくと、肉体的な面や技術的な面より、相手との駆け引きなどを含む精神的な面の割合が大きくなっていくと感じます。つまり、トレーニングも質より量、効率より非効率な経験から身に付く「粘り強さ」などが重要な要素になっていくとも感じます。

今回、7月16日から24日までの日程で実施した強化合宿において、ホクレンディスタンスの5000mを2本、40k走を3本実施しました。もちろん、5000mは記録を狙いましたが、結果的にはとても厳しいコンディション下でのレースとなりました。

また、合宿前半では暑さに調子を崩す選手もいました。ところが、合宿後半に向かっていくほど疲労の蓄積と裏腹に、どの選手も「粘り強さ」を発揮できるようになっていきました。そして、最後の40k走は全選手がしっかりと最後まで走り切り、その「粘り強さ」を更に強化することができたました。

暑くて熱い夏はこれからです!

夏の走り込み・4

【夏の走り込み・4】今月16日から北海道北見市において、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を実施しており、この北見市においての強化合宿は毎年恒例となっております。また、同時期に開催されているホクレンディスタンスにも参戦しております。

まずは、ホクレンディスタンスにおいて「視覚障がい男女5000m」の実施にご尽力いただいた関係者の皆様方に、あらためて厚く御礼申し上げます。

我々の初戦は17日に開催された北見大会でした。結果は、ホームストレートの強い向い風などの影響で目標の記録を残すことはできませんでしたが、どの選手も現状の力を出し切ることはできました。

さて、この北見合宿に至るまでの間、長野県菅平や千葉県富津などで走り込みを実施してきましたが、今年は記録的な天候不順が続いております。したがって、7月にも関わらず、暑さに悩むことなく走り込めてきました。

しかし、この北海道北見市に入ってからは晴れの日が続いております。そんな中、18日は最初の40k走を実施しました。スタート時の気温は28度前後でしたが、風も強かったので少し設定タイムを落としてスタートしました。

ところが、途中から調子を崩す選手も出てきて、最後までゆとりを持って走り切れた選手の方が少ない状況でした。また、不調に陥った選手たちは軽い熱中症になっており、7月に入っているにも関わらず、体が暑さに順化していなかったことを露呈した結果となりました。

専門的なコメントはできませんが、天候不順の影響で涼しい中ばかりでの走り込みとなり、体が暑さに順化していなかったということです。例年だと、7月時点で気温が28度の場合、「今日は気温が低くて走り易い」となっているのですが、今年はその気温だと、体が暑さに対応できなかったということです。

来年の東京パラリンピックは「暑さ対策」が重要なポイントになり、様々な暑熱対策を実施しております。しかし、今年のような天候不順が続いた場合、逆にどのように対応していくのか?

暑さばかりに気を取られてきましたが、まさかの冷夏を想定しておくことも必要かもしれません。

夏の走り込み・3

【夏の走り込み・3】7月中旬になってきましたが、天候不順な日々が続いております。先週の菅平合宿も肌寒く感じる天候が続いていました。そのため、長い距離を走り込むには絶好のコンディションとなり、どの選手たちも積極的に走り込んでいました。

具体的な実施内容としては、1週間で30kから40kの距離走を3回実施しました。コースは、起伏の激しいロードコースで2回、最もフラットなトラックで1回実施しました。設定タイムはそれぞれの選手毎に違いますが、かなりゆとりを持ったスピードになります。

マラソンに向けた走り込み期に実施する距離走やペース走の距離や設定タイムについては、正式な定義はありません。まさに個々の経験やノウハウが活かされる部分であり、個々の成功体験によって考え方やとらえ方も違ってくる部分です。

但し、確実に言えるのはマラソンに向けた最も重要なトレーニングは、「ペース走や距離走」である点です。これについては、疑う余地はありません。なぜなら、どんなにトラックのスピードを持っていようが、どんなにハーフマラソンが速かろうと、マラソンを走り切るスタミナ(持久力)が備わっていないと、マラソンを完走することすらできないからです。

ところが、どんな距離をどんなペースで走り込めば、どんな力がついていくかは、前述したように、個々によって違います。そのため、いろいろな方法論や成功体験談などがネット上で常に飛び交っているのは、既にご存知のとおりです。

もちろん、それら個々の情報について、どれが正しいか否かにつていのコメントをすることはできません。

さて、私が主宰している合宿や練習会などで実施している走り込みについては、概ね20k程度までの距離をペース走、それ以上の距離を距離走と呼んでいます。また、どんな設定タイムで走り込んでいくかにつての詳細は割愛しますが、ペース走は5kのタイムを基準にし、距離走はマラソンのタイムを基準にそれぞれの設定タイムを導いています。

来週から9日間の日程で、北海道北見市において強化合宿を実施します。40k走を3回実施予定ですが、コースや場所が大きく変わるので、設定タイムも微調整していきます。

どの選手もキッチリと走り込ませていきます。

夏の走り込み・2

【夏の走り込み・2】7月に入りました。本格的な夏の到来と思いきや、天候不順な日々が続いております。今週も長野県上田市菅平高原において強化合宿を実施しております。ここ菅平高原も例年と比較すると、涼しいというより寒いといった感じの気候が続いております。

もちろん、今回の強化合宿も夏の走り込みとなります。1週間の強化合宿期間の中で、起伏の激しいロードにおいて40k走などを実施していきます。目的は、いわゆる脚つくりですが、このコースの最後の坂は、ちょうど東京パラのマラソンコースに似ているので、一石二鳥にもなっております。

さて、夏のマラソンを目標にした夏の走り込みは、至極当選のことながら秋以降のマラソンシーズンに向けた走り込みとは違ってきます。特に、距離走の設定タイムが夏マラソン攻略の重要ポイントになると考えます。

詳細については記載できませんが、誰もが考える「ゆとり」が大切になります。また、仕上げの段階に入ったとき、距離を落として質を上げていきますが、このタイミングと質の上げ方にもポイントがあります。

この点の詳細についても記載できませんが、夏のマラソンを目指す調整段階において質を上げ過ぎていくと、逆に疲労が抜けなくなってしまうケースは意外と多く、ここのサジ加減も難しいところです。

また、多くのランナーは夏に調子のピークを合わせることは少ないので、そもそも1年間のピークを夏に合わせることはしません。この点はパラの選手も同様で、暑いのが好きとか嫌いとかでなく、とにかく夏にマラソンを走っていくことが重要になります。

既に数年前から8月の北海道マラソンに出場することで、夏のマラソンに向けた夏の走り込みのノウハウを蓄積してきました。今年の夏は最後のシュミレーションとなります。あまり頭ばかりで考えることなく、身体が暑さと仲良くしていけるようにしていきます。

夏の走り込み

【夏の走り込み】日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を6月20日(木)から6月25日(火)の日程で、長野県菅平高原において実施しました。本格的な夏の走り込みに突入です。

目標は、東京パラの代表選考大会にも指定されている北海道マラソンになります。この北海道マラソンの開催日は、毎年8月の最終日曜日になっています。実は、来年開催される東京パラのマラソンは、9月第1日曜日の予定です。

つまり、北海道マラソン開催日から1週間ずれているだけになります。したがって、この北海道マラソンを目標にした走り込みは、そのまま来年開催される東京パラに向けた予行にもなり、北海道マラソンを走ることによって、より実戦的な経験とデータを蓄積できることになります。

既に、数年前からこの点の流れを重視した強化合宿を実施し、夏のマラソンを攻略するためのノウハウを蓄積してきました。今年はそれらのノウハウをより確実にするための夏合宿となります。

あらためて説明するまでもなく、夏のマラソンは高い気温や湿度との戦いになります。そして何よりも、その夏のマラソンに向けた走り込み時期も高い気温や湿度との戦いになる点が、最も厳しい点になります。

秋から冬のマラソンと同じような距離や設定タイムで走り込むと、単なる疲労を蓄積させるだけになってしまいます。実は、夏のマラソンを失敗する最大の要因はこの点に尽きると言っても過言ではありません。

と、言いながら逆に距離を落として質を上げたとしても、頭で考えているほど効率的に体は仕上がっていきません。更に、涼しい場所で走り込みを積み重ねても本番は暑い場所なので、どこかのタイミングで必ず暑さに体を慣らさなくてはいけません。そのタイミングも頭で考えているほど簡単ではないので、最終調整の段階で多くのランナーが失敗するのです。

このように夏のマラソンについて考えだすと、何かとマイナス思考に陥っていきますが、夏のマラソンも大切な点はブレることなく、「自分を信じる力」になるのでしょうか。そして、夏のマラソンは速さより我慢や粘り強さが求められるだけに、チャンスはより平等になるとも言えます。

復活

【復活】あるベテラン選手が昨年の10月頃から膝の痛みを訴え、富津練習会や合宿に参加できなくなりました。この間、整形外科での精密検査や各種治療を施してきましたが、思うように回復しない状況が続いていました。

定期的に、本人から膝の状態を確認していましたが、劇的に回復してきた話しを聞くことはなく、半年以上の時間が経過していました。もちろん、思うように回復しない状態に最もストレスを抱えているのは選手自身です。

原因は長く走ってきた疲労の蓄積も多分にあり、年齢的にも簡単に回復するのは難しいと、誰もが感じていました。同時に、回復が遅れるほど、「このままフェードアウトしていくかも?」と周りの関係者はその不安も感じていました。

ところが、今月9日の富津練習会に突然復帰したのです。本当に久々のことです。膝が完治した話しも聞いていなかったので、本人には走れるか否かの確認をしました。「ゆっくりのペースなら」と、本人が話していたので、いつもよりゆっくり目のグループで35k走を実施しました。

そして、1週間後の富津練習会にも参加し、同じようにゆっくり目のグループで30k走を実施しました。ランニングフォームや走りのリズムは好調時と遜色なく、最後までしっかりと走り切れていました。概ね完全復活と言える状態の走りです。

もちろん、今でも膝の状態は完治した訳ではありません。では、何でここまでしっかりと走れるようになったのかを、本人に聞いたのは言うまでもありません。

痛みを感じないスピードと時間(距離)、痛みを感じない路面とコース、走った翌日の状態と休養の間隔など、故障した選手なら誰もが考え実践していることを愚直に半年以上も継続してきたとのことでした。

故障した多くの選手は、上記したことを念頭に入れながら何とか復活しようと試行錯誤します。しかし、故障した多くの選手は焦る気持ちの方が先行し、逆に上記したことを根気強く我慢しながら継続していくことが難しいのです。

その結果、同じような故障を繰り返し、負のルーティーンから抜け出すことができなくなるのです。もちろん、怪我や故障はしない方が良いのは言うまでもありません。しかし、怪我や故障を乗り越えた選手は、マラソンに不可欠な「我慢と辛抱」を身に付けることができるのも事実なのです。

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