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マラソントレーニング

第22回かすみがうらマラソン大会

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「第22回かすみがうらマラソン大会」が、茨城県土浦市で2年ぶりに開催されました。この大会も回を重ねる度に規模は大きくなり、今年の参加者は何と2万7千名をこえ、国内3番目の大会へと成長しました。

また、この大会は国際盲人マラソン大会も兼ねており、特に今年はロンドンパラリンピック日本代表推薦選考でもありました。今回、その選考対象となる部門には7名の視覚障害者ランナーが挑戦しました。

日本人トップは、アテネパラリンピック金メダリストであるT11クラス(全盲)の高橋勇市選手でした。既に大ベテランの域に入っていますが、ここ一発の集中力と狙った大会に調子を合わせるピーキングは他の選手を圧倒していました。

その高橋選手のトレーニング方法は、狙ったマラソン大会に向け、たくさんのレースに出場していきます。そして、レースでの実戦をトレーニングと位置付けながら狙ったマラソン大会に調子を合わせていく調整で数々の実績を残してきた選手です。

一方、今大会の総合優勝は、あの川内優希選手でした。記録は2時間22分38秒と平凡でしたが、40kからの2.195kは6分9秒と、驚異的なスパートでカバーし、力の違いを見せつけました。しかし、実績のある選手が、格下のレースに出場すると様々な批判を受けるケースも多々あります。また、下手な成績を残すと、更に批判を受けるケースも多いので、実績を残せば残すほど好きなレースに出場していくことは難しくなります。

ところが、川内選手はそんな周りの言葉に惑わされることなく、自分自身のマラソンに対する理論と情熱で突き進んでいます。実は、全盲の高橋選手もこの点は似ていると感じます。

特に、レースを「質の高いトレーニング」と位置付け、思い通りのランニングライフを満喫しながらレベルの高い実績を残している点は二人に共通しています。

また、二人とも何かと話題の多い選手と感じますが、自分自身の考え方の軸が絶対にブレません。このメンタル面の強さこそが、数々の大きな実績を残してきた大きな要因のひとつに違いありません。

そして、これからも二人はマラソン界の常識を覆していくような快走を見せてくれることでしょう。

期分け・41

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マラソンの走り方について、前後半のハーフに分けてどのようなペース配分が効果的かを考えています。これまで、前後半のペース配分を一定に保つイーブンペース型と、後半のハーフをペースアップする後半ビルドアップ型について考えてきました。

その結果、どちらの走法も効率的なペース配分ですが、常にその走法で安定したパフォーマンスを発揮していくことは意外と難しいとの考えに至りました。もちろん、全てがこのとおりとは言えません。しかし、イーブンペース型も後半ビルドアップ型もかなりの経験と走力が要求される走法であることに違いありません・・・。

そして今回は、、最後に残った走法である「後半ペースダウン型(スローダウン)」を考えていきます。ただし、この走法は場当たり的な「前半突っ込み型(後半失速)」とは違いますので、誤解のないようお願いします。

もちろん、どちらも後半ペースダウンする走法なので、常識的にはどちらも良い走法とは言えません。しかし、ふたつのパターンには相違があります。では、最初に何をさかいに「前半突っ込み型(後半失速)」と、「後半ペースダウン型(スローダウン)」とに分かれるかを考えていきますが、そのヒントは何キロ地点からペースダウンしたかを分析していくと判断できます。

それは、自ら経験したランナーも多くいると思いますが、ちょうど中間点をさかいに判断することができます。具体例として、中間点前からペースダウンした場合、高い確率で30k以降は歩く程度のスピードまで失速し、完走することも難しい状況に・・・。ところが、30k過ぎからペースダウンした場合、多くのランナーは何とかゴールまで粘り抜くことができます。そして、ハーフ地点から30k間でペースダウンした場合も高い確率で「前半突っ込み型」と同様になります。

このように分けると多くのランナーは、「そんなことは誰でも知っている常識」と笑います。

しかし、この中間点をさかいにペースダウンするか否かは、実業団選手(プロ)にも当てはまります。特に、最近のレースではペースメーカーがつき、男子マラソンはちょうど1kを3分のペースで刻んでいきます。そして、ほとんどの国際マラソン大会では中間点まで数十名の大集団を形成します。ところが、ほとんどの国際マラソン大会ではそこから一気に集団が崩れていきます。

その結果、中間点前後からペースダウンしたランナーの多くは一気に崩れ、完走すら危うい状況まで失速していきます。

つづく。

期分け・40

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前回からの続きで、「後半のハーフをペースアップする走り方」について考えていきます。

この走り方は前回もふれたように、最も効率的な走り方のように見えますが、マラソンに限って言えば最も再現性(安定性)の難しい走り方と感じます。その理由については下記に記載しますが、概ねハーフマラソン以下のロードレースや駅伝の走り方と大きく相違する点でもあります。

すなわち、マラソンに限っては、後半ペースアップする走法を自分自身の持ち味としてどんなマラソンでも常に発揮することは極めて難しいと感じます。※後半を諦めずに粘り抜く走り方とは違います。

では、なぜ難しいのかを考えてみます。

◆理由1).後半ペースアップするタイミングや、どの程度のペースアップならゴールまで押し切れるかを自分自身で判断することが難しい。

至極当然のことですが、マラソンは走っている時間や距離が長く、自分自身の体調や調子よりも当日の天候やコースに大きく影響を受けます。したがって、前半を抑えているつもりでも、コースによっては前半のアップダウンで狙いどおりに体力を温存できないケースや、後半に入って気温が上昇したり向かい風になるケースもあり、自分自身のイメージどおりに走ることが、実は難しいのです。

◆理由2).マラソンは、一緒にレースを走っているランナーからの影響を大きく受け易く、特に後半は自分自身のペースを貫いていくことが難しい。

例として、自分自身もペースアップしているにも関わらず、どんどん後続から追い抜かれているレース展開になった場合、メンタル的にも苦しくなり、高い確率で失速します。逆に、後半どんどん追い抜いている展開になったとしても、大きく失速しているランナーを追い抜いている状況はよくあり、実は追い抜きながら自分自身も失速しているケースは意外と多いのです。

◆理由3).後半ペースアップして好記録や好成績を達成できたとしても、なぜうまくペースアップできたかをゴール後に自分自身で解析することが難しい。

「30kから足が軽くなった」と、振り返るランナーがいます。しかし、次のマラソンでも同じように30kから調子が上がるような調整をすることは、実業団選手(プロ)を持ってしてもかなり困難な調整と言えます。また、「苦しくなっても前の選手がタイミングよく落ちてきた」と、振り返るランナーがいます。これについても常に同じようなレース展開にすることを誰も保障できません。他にも後半ペースアップするためには、前半をどの程度の余裕を持って通過するかを具体的な数値で表すことが難しく、レース中にそれを判断することは更に難しいと言えます。

以上のように、後半ペースアップする走法でマラソンを攻略していくことは意外に難しいと考えます。そして、過去においても後半ペースアップする走法を身上にして活躍したマラソンランナーは、ほとんどいなかったと記憶します・・・。

つづく。

期分け・39

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少し間があきましたが、引き続きマラソンの前半と後半のペース配分についてです。

前回は、世界記録及び日本記録の実績ラップから前後半ハーフの差異。また、私がコーチしている女性市民ランナーの実績ラップから前後半ハーフの差異を分析しました。※詳細については、前回の「期分け・38」を参照願います。

世界記録や日本記録の場合、記録を狙うためのペースメーカーがキッチリと先導するため、ほとんどイーブンペースです。このことから記録を狙うには1k毎に狙った設定ペースを刻んでいくことが最も効率的であることが読み取れます。

ところで、どんなランナーでもイーブンペースで刻むことができるのでしょうか?

実は、このイーブンペースでマラソンを攻略することは確かに効率的ですが、ある設定ペースを一定に刻むには、自分自身の走力や当日のコンディションを常に把握しておく必要があります。更に、マラソンに向けた調整段階での5kや10kのタイム、あるいはハーフマラソンのタイムから目標のマラソンタイムを狙える調子か否かをスタート前までに見極める判断力が必要不可欠になります。

このように、最も効率的なイーブンペースでマラソンを走り切るためには、それを実戦するための準備(トレーニング)と、相応の走力を身につけておく必要があります。つまり、偶発的にイーブンペースで走り切ることはできても、常に安定したイーブンペースで走り切ることは簡単なことではないのです。同時に、優れたペース感覚が身についていないと、コースやコンディションの違うマラソン大会毎にイーブンペースを再現することもできません。※但し、実力より遅いペース設定でのイーブンペースは、この考えに該当しません。

一方、前半のハーフをおさえて、後半のハーフをペースアップする走り方はどうでしょうか?

正月の箱根駅伝をはじめ各種駅伝大会では、「前半を抑えて後半ペースアップする走り」を指示しているチームが多く、実際にそのような走りの選手が好走しています。もちろん、マラソンもそのような走り方が、効果的なひとつであるに違いありません。

ところがマラソンの場合、走る距離や時間の長さが駅伝とは全く比較になりません。そのため、前半を抑えて後半ペースアップする走りで成功したとしても、それを何度も再現して記録を更新しているランナーは、とても少ないと感じます。それどころか逆に、後半ビルドアップしながら追い上げての優勝や、自己記録を更新したランナーの多くは、その後のマラソンで伸び悩んでいるケースを意外と多く目にします。これは、実業団選手にも多く見受けるケースです。

ではなぜ、後半ビルドアップするレース展開の再現性は難しいのでしょうか?

この点については、次回考えていきます。

つづく。

期分け・38

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引き続きマラソンを攻略していく上でのペース配分について考えていきますが、今回は過去の記録を解析してみます。

はじめに、マラソン世界記録と日本記録についての前半と後半の実績タイムと、その差異についてです。

◆男子マラソン世界記録:2時間3分38秒/前半1時間1分44秒-後半1時間1分54秒=▽10秒(▽0.27%)。◆女子マラソン世界記録:2時間15分25秒/前半1時間8分2秒-後半1時間7分23秒=△39秒(△0.96%)。◆男子マラソン日本記録:2時間6分16秒/前半1時間2分29秒-後半1時間3分47秒=▽1分18秒(▽2.08%)。◆女子マラソン日本記録:2時間19分12秒/前半1時間9分19秒-後半1時間9分53秒=▽34秒(▽0.82%)。※男子の日本記録は優勝ではなく、3位で樹立した記録。

上記の記録については、5k毎のラップタイムを割愛していますが、どれも見事なイーブンペースであると言えます。そして、どの記録もペースメーカーがキッチリとペースメークして樹立した記録でもあります。

では、次に私がコーチする女子選手(市民ランナー)が残した記録を解析してみます。具体的には、2時間50分00秒から2時間59分59秒までの実績タイムから導いたデータですが、その記録内でゴールした回数は合計で55回です。

◆2時間50分00秒~2時間54分59秒(22回):平均タイム2時間52分34秒/前半平均1時間25分15秒-後半平均1時間27分19秒=▽2分4秒(▽2.42%)。◆2時間55分00秒~2時間59分59秒(33回):平均タイム2時間57分18秒/前半平均1時間27分17秒-後半平均1時間30分1秒=▽2分44秒(▽3.14%)。◆合計(55回):平均タイム2時間55分24秒/前半平均1時間26分28秒-後半平均1時間28分56秒=▽2分28秒(▽2.86%)。

以上のような記録の解析になりますが、参考までに後半ペースアップした回数は、5回と3回で合計8回です。また、逆に後半の落ち込みが4分以上(≒5%以上)の回数は、4回と6回で合計10回でした。もちろん、データの数が多いとは言えないので単純に結論を導き出すことはできませんが、マラソンを攻略していく上での効果的なペース配分が何となく見えてきます。

次回は、更に掘り下げて考えていきます。

つづく。

期分け・37

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前回は実際のマラソンを走るうえで、大きく3つのパターンについて考えましたが、今回もそのパターンについてです。※下記参照

◆パターン1).イーブンペース型。◆パターン2).前半突っ込み型。◆パターン3).後半ビルドアップ型。

はじめに前回の続きで、ペースメーカーが存在しなかった10数年前のマラソンは、どんなレース展開だったのかを振り返ってみます。

当時のマラソン大会の多くは、スタート直後から有力選手を軸に大集団が形成されるレース展開が主流でした。そして、10k、20kと通過していく毎に集団からランナーが次々と脱落していき、最後に残ったひとりが優勝する典型的なサバイバルレースだったと記憶します。

そのため、このサバイバルレースはゴールに向かってどんどんビルドアップしていき、最後は最も速いランナーが優勝するパターン3のように見えます。しかし、当時の5k毎ラップタイムを分析していくと決してそうでないことがわかります。

詳細は割愛しますが、特にマラソンの場合、30k前後までは駅伝のように意図的なペースの上げ下げはほとんどありません。そのため、力のあるランナーが他のランナーを振り落していくのではなく、力のないランナーが自然に脱落していく流れになります。

つまり、スタートから30kあたりまでは、大きな集団が形成されるのでペースは思ったほど上がらず、逆にややペースダウンしている流れが多かったと記憶します。そして、集団の人数が絞られてくる35kあたりからレースが動きだし、最後に残ったランナーが優勝となるレース展開でした。

これを上記パターンに当てはめると、パターン3の後半ビルドアップ型に見えます。しかし、35k付近まではお互いがけん制し合うのでペースは思ったように上がりません。そして、そこからペースアップしても結果的にはパターン1のイーブンペース型が最も近くなります。

さて、前回記載したとおり、近年のマラソン大会はペースメーカーを付け、記録を重視する傾向が強くなっています。その結果、上位数名が好記録をマークする確率は高まりましたが、逆に全選手がつぶれて凡レースとなる展開も多くなったと感じます。※全体的には雑なレース展開が多く、一気に好記録が出る反面、安定感のある選手が育ち難い。

一方、上記したように10数年前のマラソン大会は、前半は大集団を形成し、抑え気味のペースで後半に突入する展開が主流でした。そのため、記録よりも勝負重視となり、見ごたえのあるレースが多かったと感じます。※2時間15分前後の若手ランナーが育ちやすく、次世代を担う選手層を確保し易い。

はたして、どちらのレース展開が良いのかを簡単に決めることはできません。しかし、身の丈をこえる速いペースメーカーの後ろを積極果敢に付いていくことは、後半の大きな失速に直結する確率が相当高まることは事実です。そして同時に、前半のオーバーペースによる失速は、マラソンの場合、単に完走することも困難にします。この点は駅伝と決定的に違う点であり、マラソンを成功に導くためのペース配分を考える大きなヒントになります。

つづく。

※おかげさまで、このブログも200話目となりました。

期分け・36

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今回から実際のマラソンを走る上で、目標タイムに対してどんな設定ラップタイムで走っていくかを考えていきます。

既にご存知のとおり、マラソンはスタートしたら単純にゴールを目指すシンプルなスポーツですが、ゴールを目指す走法についてはいくつかのパターンがあります。はじめにそのパターンをあげてみます。

◆パターン1).イーブンペース型:単純に1k毎の目標ラップタイムを守ってゴールまで淡々と一定ペースで走るパターン。◆パターン2).前半突っ込み型:前半のハーフを速めに通過し、後半は失速しながらも走り切るパターン。◆パターン3).後半ビルドアップ型:前半のハーフを抑え気味に通過し、後半のハーフをペースアップしながらゴールするパターン。

主なパターンは上記3つになりますが、どんなレベルの選手が走っても必ずどれかに当てはまる至極当然のパターンです。

ところが、どのパターンが自分自身に最も適しているかをしっかりと自己分析できているランナーは驚くほど少ないと感じます。もちろん、出場する大会毎にコンディションやレース展開は違います。そのため自分自身に合うパターンを見つけることは、難しいことでもあります。

さて、皆さんはどのパターンが得意でしょうか?

それでは上記パターンについて、それぞれを詳しく考えていきますが、はじめに最近の傾向について考えてみます。※但し、テレビ中継のあるエリートマラソンについてです。

この時期は、ほぼ週末毎にマラソンのテレビ中継があります。そして、どの大会もペースメーカーがレースを先導します。ペースの目安として男子は1kを3分、女子は3分25秒あたりでしょうか。

これを上記パターンに当てはめると、パターン1のイーブンペース型になります。しかし、ペースメーカーは25kから30kあたりで役目を終えます。したがって、そこからが本当の勝負です。つまり、そこからがマラソン競争となり、パターン3の後半ビルドアップ型へとなるはずですが、大会によってはそこから大きく失速してパターン2へと陥ることも多々あります。

特に国内の大会では、ペースメーカーが離れた後、ペースが上がらずパターン2となるマラソン大会の方が多いような感じさえ受けます。もちろん、その理由は様々ですが、レース展開が走っているランナーの走力や走法にマッチングしていないことが大きな原因と感じます。

しかし、最も効率のよさそうなイーブンペース型で走っているにも関わらず好記録ラッシュに結びつかないところが、マラソンの難しさでもあります。そして同時に、目標の記録をどのような走法で攻略していくかは、とても重要なポイントであると考えます。

つづく。

期分け・35

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今回も「マラソン期」で実際にマラソンを走る際の目標タイムやそれに伴う数字(タイム)について考えていきます。

前回もふれましたが、マラソンを走る前にほとんどのランナーは目標タイムを設定します。そして同時に、目標タイムに対し、1k毎の通過設定タイムや5k毎の通過設定タイムに関しては、ほとんどのランナーが確認します。ところが、10kや15kの通過設定タイム、更には25kや35kの通過設定タイムになると、逆にほとんどのランナーは確認及び把握していないケースの方が多いと感じます。

もちろん、1k毎の目標ペースをスタートからゴールまでキッチリと刻める走力やペース感覚の優れたランナーなら全く問題ありません。ところが、実際のマラソンレースでそれを実行するのは簡単なことではありません。

なぜなら、実際のマラソンレースでは、走力や目標タイムの違う数千人から数万人のランナーが一斉にスタートします。その結果、他のランナーに惑わされる可能性が高くなるからです。特に、スタート直後から10k前後あたりまでは人波が凄く、自分自身のペースを維持していくことは事実上困難な状況と言えます。※マラソンは「1対1」の勝負ではなく、「1対他」の勝負となります。

同様に、大会主催者側が準備しているペースメーカーのいるグループについたとしても、そのペースメーカーを務めているランナーがペースを一定に刻める保障もありません。つまり、前半のペースが遅れた場合や速すぎた場合、ペースメーカーの判断でペースの上げ下げを必ず実施します。

そのため、目標タイムに対する5kの設定タイムはキープできたとしても、その間の1k毎にペースの上げ下げをするケースが多々あり、走力の伴っていないランナーはそのペースの変化で力を使い切ってしまいます。

ところが、このとき自分自身の目標タイムに対する各ポイントの通過設定タイムをしっかりと把握していたとします。すると、そのペースの変化を身体(感覚)だけでなく、自分自身の時計を目で見て確認し、実際の数字(タイム)として頭の中で正確な判断ができます。

このような話しをすると「そんなことは当たり前」と、誰もが言います。しかし、実際のマラソンレースではペースが速すぎたり遅すぎたりしていることを正確な数字(タイム)として把握できず、最終的には自滅するパターンが意外と多いのです。

つづく。

期分け・34

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ここまで長々と「期分けシリーズ」を連載してきましたが、いよいよ狙ったマラソンを走る「マラソン期」について考えていきます。

はじめに、ここまでの期分けを簡単に振り返っておきます。

◆スピード養成期:4月~7月 → ◆第1次走り込み期(基礎体力養成期):8月~9月 → ◆第1次走り込み期(スピード持久力養成期):10月~11月 → ◆調整期:11月~12月 → ◆マラソン期:11月~1月。・・・以上のような流れとなります。そして更に、それぞれの期について考えてきました。※期間(月)については目安です。

もちろん、毎度のことですが、上記の期分けが絶対ではありません。なぜなら、市民ランナーの多くは実業団選手(プロ)や学生選手のようにランニングを軸にした生活スタイルを継続していくことが難しいからです。したがって、それぞれがそれぞれの仕事や生活スタイルに合わせた流れ(期分け)を構築していくことが重要なポイントになります。

一方で、マラソンは球技のようなスポーツと違い道具を使いません。そのため、ランニングに上手い下手はありません。また、別の見方をすると、バッティングセンターで素人が140キロの速球を偶然打ち返すことはできても、マラソン4時間のランナーが運よく2時間10分で走れることは絶対にあり得ません。

つまり、いかなる理由があったとしても「走ること」を継続していかないと、マラソンを攻略していくことはできません。更に、目標のマラソンに向けて必要不可欠なことは、それぞれの走力やレベルに合ったトレーニング計画であり、期分けなのです。

さて、前置きが長くなりましたが、ここまで上記の期分けを通じて計画的なトレーニングを考えてきました。そして、いよいよ目標のマラソンに挑戦する「マラソン期」です。

今更言うことでもありませんが、狙ったマラソン前の睡眠時間や食事内容については、どんなレベルのランナーでも気を使います。また、当日のコンディションに合わせた暑さや寒さ対策、シューズ等についても考えます。同じく、レース中の給水対策に至っては、既にランナーにとって常識です。

ところが、意外と盲点になることがあります。それは、目標タイムの設定やペース配分についての数字です。具体的には、目標タイムが3時間突破のランナーなら、「4分15秒/kペース」で目標を達成できることは、どんなランナーでも把握しています。

しかし、3時間突破をするための15k通過予定タイムや25k通過予定タイムになると、ほとんどのランナーは答えることができません。そして、実際のマラソンでスタートから「4分15秒/kペース」が乱れると・・・。

次回はこの点を掘り下げていきます。

つづく。

期分け・33

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新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、毎年のことですが、お正月三が日は「駅伝観戦」と、決めつけている方々も多かったと思いますが、いかがだったでしょうか?かくいう私も駅伝三昧の三日間でした・・・。

今年のお正月三が日は天候にも恵まれ、「ニューイヤー駅伝」、「箱根駅伝」ともに好記録が続出し、見ごたえのある駅伝でした。特に、どちらの駅伝も優勝したチームの安定した走りが目をひきました。具体的には、各区間に配置された選手たちがブレーキも無くそれぞれの役割を見事に全うし、予定どおりの力を出し切ったその「調整力」に驚きました。

駅伝はマラソンと違いチームで競い合います。しかも、区間毎の距離やコースの起伏等が全て異なります。同時に、スタート時間も全区間異なるので、区間毎に起床時間から食事時間、更にはウォーミングアップ等の流れに至るまで全てが異なります。

このように駅伝は、区間毎にまるで違うレースが展開されます。更に、それらをチームの目標に向けてひとつに合わせていくことは、本当に至難の業です。今回、ふたつの駅伝では、その調整力の差がそのままチーム順位に現れ、あらためて調整(ピーキング)の重要性を見せつけられる思いがしました。

また、正月の駅伝を目指している選手たちも春にはトラックレースを走り、夏には走り込みを実施します。ところが、1万メートルの平均タイムを短縮したとしても、夏の走り込みが計画どおり積めたとしても、最後の調整期間で勝負の明暗が分かれます。

この点は、マラソンを目指している市民ランナーの人たちも全く同じです。

マラソンは駅伝のように区間毎にスタート時間が異なったり、同じ大会で別々なコースを走ることはありません。しかし、マラソンも大会毎によってスタート時間が異なります。同じくコースの特性も違います。それらの点は駅伝もマラソンも同じであり、駅伝からのノウハウをマラソンに活かすことは可能です。

例として、箱根駅伝の1区を走るランナーは8時のスタート時間に合わせて夜中の2時から3時には起床し、体調を整えます。同様に、早朝9時より早い時間にスタートするマラソン大会だったとしたなら起床時間や食事等のノウハウはもちろん、早朝に体調を合わせていく調整方法は参考になります。また、アップダウンの多い区間を走る選手のトレーニング方法や調整方法は、起伏の多いマラソンコース攻略にも応用できるはずです。

このように、正月の駅伝を攻略したチームや選手たちの調整方法については、マラソンを目指す市民ランナーにとっても参考になると考えます。また、これから新聞や雑誌、ネット等で正月の駅伝を制したチームや選手たちの記事を目にする機会が増えてきます。是非ともそのコメントを注視し、調整方法のヒントを学んでほしいと思います。

つづく。

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