- 2024-05-24 (金) 11:34
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【2024春を走る・12】陸上競技はいわゆる「トラックシーズン」に入っており、神戸でも世界パラ陸上競技選手権大会が開催されております。今年はパリパラも開催されますが、そのパリパラを目指すトップ選手たちが世界から集まっております。もちろん、日本選手たちも多数出場しております。
同大会は、5月25日が最終日となりますが、どの選手も最後まで自身の力を出し切ってほしいと願っております……。
先日の5月18日と19日の両日は、埼玉県熊谷市において東日本実業団陸上競技選手権大会が開催されました。同大会は、オリンピックを目指す実業団選手だけでなく、シニア部門や視覚障がいの1500mや5000mなども実施しております。
このように様々な年齢層や競技レベルの視点に立った競技運営をしている陸上競技大会が増えてきました。パラ競技に携わる者としては感謝のひと言です。あたらめて、御礼申し上げます。
さて、国内の陸上競技大会や記録会などを拝見していると、長距離種目の参加人数だけが突出している大会が多く、他の種目はその競技を成立させることができるか否か、ギリギリの人数で競い合う状況などもままありました。
しかし、日本人がオリンピックの男子400mリレーでメダルを獲得し、さらに100mで9秒台に突入したあたりからでしょうか、各種陸上競技大会においても短距離選手の参加人数があきらかに増えてきました。
前述した東日本実業団陸上競技選手権大会においても、男子100mの予選は29組もありました。こうなると、予選からタイムレースになります。また、その予選を拝見していると、どの組の選手も速く、100mを10秒台で軽く走っている選手の多さに驚きました(日本代表経験選手も予選敗退するケースもある)。
どのスポーツも例外なく競技人口を増やすことが最重要課題となりますが、そのポイントは「強化と普及の両輪(循環サイクル)」をうまく回していくことにつきます。かつては、日本陸上競技界の短距離は、世界と勝負することのできない種目の代名詞でした。
しかし、前述したようにオリンピックでメダルを獲得するなど、強化が好転しだすと、それに憧れを持つ小中高生(一般人も)が増えます。つまり、山で言うとこの「すその(普及)」が広がります。その結果、さらに山を「高くしていくこと(強化)」が可能となり、世界で活躍できる選手が輩出される確率が高まります(強化と普及の好循環サイクル)。
残念ながらブラインド種目を含むパラ陸上競技は、そのような好循環サイクルに至っておりません。もちろん、一般競技と何もかも同じようにはいきませんが、日本陸上競技界の短距離種目が大躍進してきたその過程と取組みなどを……。
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