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2024秋を走る・10

【2024秋を走る・10】11月10日、徳島県徳島市において伴走教室が開催されました。その伴走教室に講師として私も参加してきました。その会場は地元の小学校体育館でしたが、当日は天候にも恵まれ、65名の参加予定者全員が無事に足を運んでくれました。

伴走教室の内容は、はじめに「視覚障がい」や「介助方法」などを説明する講義と、その内容を実際に体験する実技の2本立てになっています。原則として、これはどこで開催しても同じ流れになりますが、徳島の皆様はとても熱心に受講してくれました。

最初の講義が終わり、いよいよ実技です。その実技の最初は2人組になって、交代でアイマスクを着用して歩く体験からはじめます。日ごろ、目隠しをして歩いたり、目をつぶって何かに触ることはほぼ無いので、どの参加者も戸惑います。しかし、この経験が最も視覚障がい者のことを理解できる体験であることは確かです。

さて、一般的な話になりますが、人は1分間に15回から20回程度まばたきをしているそうです。仮に1日16時間ほど起きていると仮定した場合、約15,000回もまばたきをしていることになります。また、まばたきは1回に0.1秒から0.15秒かかると言われているので、かけ算をすると、起きている間も24分から48分程度は目を閉じていることになります。

実は、起きていても見ていない時間がそんなにあるとは何とも不思議ですが……。逆に言えば、人は見えていることが普通であり、情報のほとんどは目から得ているとも言えるでしょうか。だからこそ、あえて見えない体験をすることで、目以外からの情報をどのように得るのかを考えたり、視覚障がい者に対し、言葉で見えている情報を、どのように伝えるかを考える時間にもなります。

つまり、「視覚情報の言語化」です。

伴走(介助)は、伴走者が目から得た情報を横にいる視覚障がい者にどのような言葉で伝えるかが、最大のポイントになります。特に、一緒に並走していると、目の前の景色は一瞬で変わっていきます。そんな中、視覚障がい者の安全を確保するためには、伴走者がその都度的確に情報をつかみ、短い言葉で正確に素早く伝えなくてはいけません。

まさに「視覚情報の言語化」です。今の時代はSNSによる情報のやり取りが多くなり、自分が見たことや体験したことを、自分の言葉で直接相手に伝える機会が少なくなってきたように感じます。つまり、言葉によるやり取りが激減し、SNSの影響から逆に情報過多の状態に陥り易くなっています。

その結果、詐欺やフェイクにほんろうされる時代になってきたとも言えるのでしょうか。だからこそ、「視覚情報の言語化」が必須の伴走教室は、もっと注目される活動になっていくのかもしれません……。

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