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2024冬を走る・10

【2024冬を走る・10】第73回別府大分毎日マラソン大会が開催されました。そして、今年も「新人の登竜門」に相応しいレースとなり、素晴らしい記録が誕生しました。また、同大会は、IPC公認視覚障がいマラソンの部も2016年大会から設置頂き、今年も男女8名の視覚障がい選手が記録に挑戦しました(男子2名、女子2名の選手が自己記録を更新)。

また、ここ数年は箱根駅伝などで活躍した学生選手が、そのまま別府大分毎日マラソン大会で初マラソンに挑み、快走している流れが定着しています。かつては箱根駅伝を走った後の2月から3月のマラソンに挑む学生選手は多くありませんでしたが、今は箱根駅伝後にマラソンを走る学生選手も増えました。

さて、あらためてマラソントレーニングの最終調整に入っていく30日から40日前に20k前後の駅伝やロードレース大会を「調整の一環として走ること」について少し振り返ってみます(安田の主観)。至極当然のことですが、このときの記録や順位は、目標としているマラソンの結果にも大きな影響を与えます。

具体例として、駅伝なら区間賞を獲得。ロードレース大会なら上位入賞など、いわゆる快走した場合、そのまま目標のマラソンまで走れてしまうケースが多いのは確かです。特にマラソンよりも速いペースで20k前後の距離を走る駅伝やロードレース大会で快走した場合、目標のマラソンで快走する確率は高くなります。さらに、それが初マラソンに挑む場合、その確率はより高くなると考えます。

イメージとして「ハーフマラソンまでの距離をマラソンペースよりも速く走れているので、初マラソンもゆとりを持って最後まで走れる(しかも無欲で)」と……。

ところが、この調整パターンは意外と再現性が難しく、まさに初マラソンから2回連続で成功したケース(選手)をあまり見かけません……。なぜなら、調整の一環として出場する駅伝やロードレース大会を自分のイメージどおりにコントロールすることは難しいからです(特に駅伝)。

「昨年の駅伝では区間賞を獲得したが、今年も同区間を走り、昨年の記録を更新したにもかかわらず区間8位だった」。同様に、「昨年は3位に入ったハーフマラソン大会で、今年は自己記録を更新したが、順位は12位だった」。などなど、ライバルたちも出場する大会は生き物なので、前年の成功パターンと同じような内容を再現することは極めて難しいのです(ほぼ不可能)。

繰り返しになりますが、昨年と同じ駅伝やロードレース大会を走り、前年の記録を更新しているにもかかわらず順位を落としたケースの場合、そのレースでは想定以上に力を出し切っている可能性が高い(調整の域を超える)。そして、さらにメンタル面のダメージも残る可能性がある(ライバルに負けた)。

こうなると、前年は無欲で無心に走れた初マラソンも、マラソン2回目の今年は不安要素ばかりが気になり、最終調整の段階から失敗する方向に心も体も流れていくリスクが高くなると思われます。

その結果、昨年は自分自身が無欲で走った初マラソンを快走したように、今年は初マラソンに無欲で挑戦したライバルたちの後塵を拝することに(ある意味、残酷な世界)……。

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