- 2025-06-14 (土) 10:15
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【2025夏を走る・2】宮城県仙台市で開催されたジャパンパラ陸上大会の後、ブラインドマラソンチームはそのまま火曜日まで仙台市に残り、合宿を実施しました。幸い、ジャパンパラ陸上大会が開催されたトラックをそのまま使用することができたので、同トラックで充実したトレーニングを実施することができました。
さて、今回のジャパンパラ陸上大会において、視覚障がい中長距離種目において失格になった選手がいました。とても残念なことでしたが、パラ陸上競技には一般の陸上競技には存在しない特殊なルールがあります。それは同じ障がいのカテゴリー内で、公平に競い合うために必要なルールであり、パラ陸上大会に出場する選手や関係者はそれらを十分に理解しておくことが大前提になります。
特に、視覚障がい部門の場合、ガイドランナー(伴走者)を伴うカテゴリーにおいては、テザーと呼ばれる手錠型のロープ(形状も長さも厳格に指定)で、誘導しなくてはいけない絶対ルールがあります。かつては、ロープを持たなくても良いルールや、いわゆる伴走ロープと呼ばれる輪になったロープでの伴走も認められていましたが、今のWPA公認国際大会において、それらのルールは一切存在しません。
あらためて、WPA公認大会における国際ルールの一部を抜粋します。
7. 競技クラスT11-12の競技者のガイドランナーは認められており、助力やペースメーカーとは見なされない。競技クラスT11の競技者はすべての種目でガイドランナーとともに競技しなくてはならない。T12では、ガイドランナーを伴うか、一人で競技するかは競技者の選択である。大会組織委員会はガイドランナーであることが識別できるベストを提供する。
8. T11-12の競技者がガイドランナーを伴って競技を開始した場合、成績が承認されるためには、競技者とガイドランナーがともに規則を守り、誠実に努力し、当該種目を完走しなければならない。7.9.1 競技中、競技者と伴走するガイドランナーの誘導方法はテザー使用を必須とする。さらに、ガイドランナーから口頭で指示を受けてもよい。ガイドランナーは走行(または徒歩)によって任務を完了しなければならず、機械的移動手段の使用は認められない。
7.9.2 テザーによる結束は、競技者と伴走するガイドランナーの手または腕でのみでなされるものとする。競技者とガイドランナーは、テザーを緩みがあるようにして手、手首、その他身体の一部を持ってはいけない。7.9.3 競技者と伴走するガイドランナーは、スタートからレースを終えるまで常にテザーでつながっていなくてはならない。ガイド交代の時を除き、競技者と伴走するガイドランナーが共にフィニッシュライン手前側の垂直面の到達しフィニッシュするまでの間、テザーを離すことは認められない。
7.10.1 ガイドランナーは競技中のいかなる時点においても、レースを有利に進めるために競技者を押す、引っ張る等して前進を助けてはならない。以上が、主なルールになります(ほんの一部)。もちろん、これらのルールを順守しながら安全にレースを完走することが第一になりますが、それぞれに記載してある内容をよく理解しておくことも必須です。
例えば、上記のルール7.10.1は、ガイドランナーが押したり引いてはいけないと記載してありますが、「常に選手の真横で並走しなくてはいけない」とは記載してありません。つまり、ガイドランナーが給水を取ったり、トラックのコーナーを伴走する際、どうしても選手のやや前方に移動したり、後方に移動してしまうことが必ずあります。したがって、そこを審判からルール違反だと指摘されたとき、逆に自分たちの正当性を証明できる内容の抗議を考えておく必要もあると言うことです。
要は、何事もルールや規則は熟読し、なんと記載しているかの文言を確認しておくことも大切です。
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