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2025春を走る・9

【2025春を走る・9】今年もゴールデンウィークに突入しました。そして、今年もこの連休を活用した強化合宿を長野県上田市菅平高原で実施しています。初日の5月2日はあいにくの雨。また、標高も高いので、気温は10度を下回り、真冬に逆戻りしたような悪コンディション下での練習となりました。

そんな中、箱根駅伝に出場している大学チームがペース走を実施していました。冷雨の厳しいコンディションの中でしたが、最後まで集団が大きく崩れることもなく、全員が設定タイム通りに走り切っていました。至極当然のことですが、駅伝やマラソンで勝つためには肉体面のスタミナやスピード強化は不可欠です。

しかし、結果を左右するのは、むしろ精神面(メンタル面)のスタミナや忍耐力などから強い影響を受けているのは今も昔も変わりません。と言いながら冷雨などの厳しいコンディション下での練習をたった1回実施したからと言って、精神力や忍耐力がすぐにアップすることはありません。

したがって、良い体調や良いコンディション下で、質の高い練習を継続するために、あえて悪コンディション下での練習を回避している選手やチームを見かけることもあります。その結果、狙い通りの走力に導いていける確率は高まるかもしれません。

ところが、1年にたった1回しか開催されない箱根駅伝当日に、大雪や台風なみの北風が吹き荒れる最悪のコンディションだったとしたなら、そのレースをあきらめるでしょうか。同様に、オリンピックやパラリンピックは4年に1回しか開催されません。その当日、気温が40度を超える猛暑に見舞われたなら、戦う前にあきらめるでしょうか……。

もちろん、答えは否です。一方、どんな人でも経験のない厳しい状況に立ち向かっていくことは簡単ではないことも、また事実。だからこそ、それを少しでも克服できる方向にもっていく対策も必要です。昨日のような悪天候でも、あえて計画どおりの練習を実施していくことは、実はムダではないとも言えるでしょう。

今の時代、情報が氾濫しており、自分自身では効率的だと信じながら進んできた道が、実は間違っていたと言う事例は枚挙にいとまがありません(特に若い世代?)。だからこそ日々の練習(生活も)では逆に「ムリ、ムラ、ムダ」を経験しておくことも、ときには必要なのかもしれません。

また、「ムリ、ムラ、ムダ」を伴う練習は、特に精神的な苦痛を伴うことが多いのも確かです。そのため、若い選手が自ら進んでそこに飛び込んでいくことは相当難しいとも感じます。だからこそ、ときには厳しい言葉で背中を押してくれるコーチやスタッフ陣も不可欠でしょうか。

そして、そんなことも理由のひとつなのか、箱根駅伝出場チームに30代の監督はほとんどいません。今の時代、SNSなどを駆使して若い世代の心をつかむのは、世代の近い指導者だと考えますが、特に苦しみを伴う長距離やマラソン競技の場合、実はそうでないことが多い……。

もちろん、パワハラやセクハラなどはご法度ですが、時代が変わっても精神的な苦しみを克服していく手段は、あまり変わっていないのかもしれません……。

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