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2025春を走る・6

【2025春を走る・6】2025年度最初の強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園において実施しました。故障選手以外の強化指定選手はほぼ揃い、新年度に相応しい強化合宿となりました。もちろん、今年度も千葉県富津市においては、富津公園に隣接している「ナカヤマイン様」を強化拠点として活動していきます。

さて、マラソン・長距離だけでなく、どのスポーツも強化をしていく上で欠かすことのできないのが、合宿拠点となる宿泊先です。その昔、私が現役時代は合宿の宿泊先を見つけて予約することは、特に苦労することはなかったと記憶しております(そもそも困った記憶がない)。

ところが、ここ最近はインバウンドなどの影響により、全国どこの宿泊先も予約することが極端に難しくなってきました(宿泊料金の高騰も)。同時に、長年お世話になってきた宿泊先の関係者が高齢化などを理由に、旅館そのものをやめてしまうケースも散見するようになってきました(逆にスポーツ選手を相手にした旅館などをはじめようとする若い人もほとんどいない)。

結果、強化合宿の拠点となる宿泊先の予約合戦は過熱を極め、新しい場所での合宿を計画しても、陸上競技場やロードコースなどの関係施設と言うよりも、宿泊先を確保できない事態が増えてきていると感じます。幸い、我々のブラインドマラソン強化合宿については、来年3月までの予約は全て完了しております(全国の各強化拠点において)。本当に感謝です。

また、新年度は、大学や実業団チームなどにおいても、必ず選手の入れ替えがあるのが一般的です。ところが、我々のブラインドマラソンをはじめパラ競技の多くは、選手の入れ替えはほとんど発生しません(種目によっては競技人口が激減している)。と言うか、諸事情により引退していく選手は定期的にいるので、この先も選手の数が減少していくリスクは高いと言っても過言ではないでしょう。

したがって、各競技内での競争原理はもちろん、選手の高齢化がどんどん進み、全てにおいてマンネリ化に陥り易い状況とも言えます。そして、我々のブラインドマラソンはその最たるもので、高齢化の最先端を走っているのは間違いないでしょう。

では、なぜ強化活動を継続できているのでしょうか。その根拠はなんでしょうか。もちろん、パラリンピック種目であることなど、強化活動を継続していける諸条件をクリアしているからですが、それだけでは高齢化の進んだ選手たちの走力はもちろん、モチベーションを維持・向上させることはできません。

実は、日本国内における一般ランナーたちの記録を年齢別にランキングしたデータがあります。その中において、男子は「2時間30分以内の記録」を達成しているのはちょうど50歳前後まで。女子で「サブスリーの記録」を達成しているのはちょうど60歳前後まで。さらに、女子は何と言っても65歳の弓削田氏が3時間を切る勢い(3時間1分)をキープしたまま元気にバリバリ走っています。

要は、我々のブラインドマラソン選手たちよりもさらに年上で、さらに速い一般ランナーたちが国内には多数おり、ブラインドマラソン選手たちが上記したその記録に到達できれば、パラリンピックでもメダル争いに絡めるのです。特に、女子は65歳の弓削田氏のような記録を残していければ、少なくとも同じ65歳までは十分に世界と戦うことができるのです(実は、国内には我々のお手本となる一般ランナーが多数存在している)。

そして何と、その弓削田氏は、日本ブラインドマラソン協会の強化スタッフの一員として、今年度から正式にお力添えを頂けることになりました。実はすでに、昨年から非公式で我々の強化指定選手たちはアドバイスを頂いており、2月の別大マラソンにおいては、その成果として男女とも自己新記録ラッシュに結びついたのです(特に女子選手)。

65歳以上の女性ランナーの中では世界で一番速くて元気。また、自己にも厳しい弓削田氏の存在やその言葉は選手たちはもちろん、スタッフにとっても重たい。さらに、高齢化の荒波を吹き飛ばす頼もしい存在として、その背中を追いながら一緒にロスパラリンピックまで突っ走りたい……。

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