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2025春を走る・12

【2025春を走る・12】埼玉県熊谷市において、東日本実業団陸上競技選手権大会が開催されました。同大会は、実業団登録をしている選手たちが出場する大会ですが、視覚障がい選手の「1500mと5000m」も実施頂くようになって、10年が過ぎました。

最近は、パラ種目を実施頂いているい陸上競技大会も増えてきましたが、その先駆けのひとつとなった大会が、この東日本実業団陸上競技選手権大会なのです。あらためて、大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

さて、実業団選手と言えば、多くの人が長距離・マラソン選手のことを指していると考えます。ところが、ここ数年の東日本実業団陸上競技選手権大会においては、かなり状況が変わってきています。参考までに、今年の同大会にエントリーしている種目別の人数を確認すると……。

実は、エントリー人数の最も多い種目は、「男子100m」なのです。そして、その人数はなんと「310名」。参考までに男子5000mのエントリー人数は、160名です。実業団陸上と言えば、5000mなどの長距離種目をイメージするのが一般的ですが、今や男子100mにエントリーしている選手の方が圧倒的に多いのです。

さらに、驚きなのは、この大会は選手権大会なので、単なる記録会ではありません。つまり、順番を決める大会です。ところが、310名もエントリーしている男子100mは、どのような予選をして、最後の決勝進出者8名に絞っていくのでしょうか。

大会プログラムには、「予選35組0着+8」と記載してあります。つまり、予選からガチンコ勝負をし、予選35組を走った上位8選手が決勝進出になるのです(但し、決勝以外の上位24名でB、C、D決勝を行う)。もちろん、私は長距離が専門ですが、こんな予選方法で決勝進出者を決める100mは見たことがありません。

その昔、1984年に開催されたロサンゼルス五輪で、カール・ルイス選手が4冠を達成しました。当時は、日本人が100mやリレー種目で世界と勝負することなど、全く考えられない時代でした。あれから40年、日本人は9秒台に突入し、400mリレーにおいては五輪でメダルを獲得。その記録もカール・ルイス選手たちが当時樹立した世界記録を上回るレベルにまで到達したのです。

そして、東日本実業団陸上競技選手権大会も今年で67回目になります。ついに、男子100mにエントリーしている選手数が、男子5000mのエントリー数を超える時代になったのです。まさに、「強化と普及の両輪がその競技の発展を左右する」と言われていますが、男子100m(短距離)はそれを体現したお手本です。

また、実業団選手以外のランナーを市民ランナーと呼びますが、短距離界も「市民スプリンター」が活躍する時代に……。

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