安田享平のランニングライフ
2025夏を走る・10
- 2025-08-08 (金)
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【2025夏を走る・10】今週の火曜日から2回目の北海道北見強化合宿を実施しております。先月の同強化合宿時は記録的猛暑の中でしたが、今回はかなり涼しく感じます。また、天候も幸い雨や曇りが多く、走り込むには最適なコンディションです(今日時点までは)。
あらためて、8月は実業団選手や箱根駅伝を目指す学生選手たちにとっても、最も走り込む月になるでしょうか。そして、この8月に走った距離は秋以降の駅伝やマラソンの記録や成績に対し、大きな影響を与えることは、実は今も昔も変わりません。
特に、ここ数年は「シューズ革命(カーボン入りシューズの登場)」により、長距離・マラソンの記録が飛躍的にのびました。また、カーボン入りシューズ(バネ入り)を履きこなすために必要な体幹の筋力強化やランニングフォームの矯正に特化したトレーニングもどんどん進化し、老若男女問わずに普及しています。
一方、カーボン入りシューズが登場した当時の勢いは落ち着き、逆にマラソンでは以前のように後半失速する選手たちが増えてきたような気がします。同様に、トラックレースでも何となく記録が頭打ちになってきており、特にコンディションが悪くなったときに失速する選手も多くなってきたような(私の主観)……。もちろん、どの選手もカーボン入りシューズを履いているにもかかわらず……。
そんな中、学生選手たちの記録はどんどん飛躍しており、箱根駅伝をはじめとする各種駅伝の記録はもちろん、冬のマラソンにおいても好記録を叩き出す選手が続出しています。その要因としては、上記したような体幹の筋力強化やランニングフォームを矯正するためのドリルなどを日々徹底しているのも確かですが、特に夏の走り込みが充実しているからではないでしょうか(もちろん、年間を通じても)。
具体的には、純粋に走行距離が飛躍的にのびているのでしょう。カーボン入りシューズを履きこなすためには、それ相応の筋力やランニングフォームは必要ですが、筋力や技術だけで長距離・マラソンを走り切ることはできません。また、体幹の筋力強化やドリル(動きつくり)では、スタミナはつきません。つまり、ランニングフォームが矯正されても長い距離を速く走るには、まずはその距離を完走するためのスタミナが必要なのはいつの時代も変わらないのです。
もちろん、やみくもに「たくさん走れ!」ではありません。実は、スピード練習を科学的に効率よく走ることよりも故障やケガをしないように、走行距離を増やしてスタミナ(体力)をつけていく方が、ノウハウや根気(我慢や継続)がより必要です。
また、長距離・マラソンを走った方なら誰でも感じますが、特に肉体的な苦痛よりも精神的な苦痛が大きく、長い距離(時間)に対する絶望感を感じて途中で挫折するのです。つまり、精神面のスタミナをどのように鍛錬していくかが肉体面のスタミナ強化同様、長距離・マラソンを攻略していく上での大きなカギになるのです。
そして、精神面のスタミナ(肉体面のスタミナも)を強化する最も効率的な方法のひとつが、「その距離(マラソンなど)を繰り返し走ること」と、専門家の話を見聞しても、今も昔も本質は変わらないのです(時代が変わっても長距離・マラソンに必要なスタミナ養成は手間と時間がかかる)。
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2025夏を走る・9
- 2025-07-30 (水)
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【2025夏を走る・9】千葉県も厳しい暑さが続いておりますが、水曜練習会と富津合同マラソン練習会は実施しております。特に、富津合同マラソン練習会は、休日の午前中に実施するので、暑い中での練習会となります。
至極当然のことですが、暑い中で走ることは最も危険な行為のひとつと言っても過言ではありません。ところが、マラソンを目標に走り込んでいるランナーたちにとっては、走らないわけにもいきません。
もちろん、暑さ対策は様々なことを実践していますが、最終的に暑い中でのランニングは個々の暑熱純化(しょねつじゅんか)ができているか否かになります。そこで、暑熱純化についてもう一度簡単にふれておきます。
まずは「暑熱順化」とは、体が暑さに慣れて、熱中症になりにくくなるための生理的適応反応のことを指します(多くの文献や専門家の回答)。たとえば、急に気温が高くなった日や、梅雨明け直後の猛暑日に体調を崩す人が多いのは、この「暑熱順化」がまだ十分にできていないからと言われています(これも多くの文献や専門家の回答)。
次に、暑熱順化ができている体の変化としては、「汗をかきやすくなる(体温調節が効率化)」「汗の中の塩分が減る(ミネラルの損失が減少)」「心拍数の上昇が抑えられる」「体温が上がりにくくなる」「疲れにくくなる」など……。
要は、暑さに慣れることで体の負担が軽減された結果、夏バテや熱中症の予防につながることです。つまり、炎天下の中においてもランニングなどの運動にも耐え得る状態に体が順化することでもあります。
では、暑熱順化の具体的な方法についてですが、これも多くの文献や専門家が回答しているとおり、「軽い有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・自転車など)を、気温が高めの日中または夕方に行うこと(暑い中で運動する)」。
もちろん、個々の体調や体力に合わせることが最優先ですが、「暑さになれるには暑い中で動け(郷に入っては郷に従え)」なのです。この点は、毎年夏合宿を実施している経験からも合致します。また、人の体は過酷な状況に追い込まれても、それに順応していく能力は相当高いと思います(私の経験上)。
先日の富津合同マラソン練習会も、スタート時の気温はすでに30度を超えていましたが、参加者全員が元気に完走していました。あらためて、人の順化能力はすごいと、感じた次第です……。
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2025夏を走る・8
- 2025-07-25 (金)
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【2025夏を走る・8】北海道北見市で実施していた強化合宿は無事に終了しました。毎年のことですが、あらためてご支援頂いた北見市の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、ご存知のとおり、北海道北見市は猛暑日が続いており、我々の合宿期間中も連日30度を上回っていました(手元の温度計で)。特に、合宿最終日に実施した3本目の距離走は、早朝6時30分にスタートしたにもかかわらず、その時の気温はすでに30度を超えていました(終了時の気温は38度)。
もちろん、そんな過酷なコンディション下での40k走はどう考えても危険なので、距離を短縮し、個々の設定タイムも落としてスタートしました。ところが、3本目に実施したそのコースは、1周1.5kで起伏の激しい周回コースだったので、実はそれなりに過酷でしたが……。
あらためて、3本目のコースですが、東京パラ前(リオパラ直後)に北見市役所の関係者と、「北見市内で長い距離を安全に走れる場所は本当にないのか?」を、もう一度車で確認していたところ、偶然見つけた場所でした。そこは、ラグビー&サッカーの試合や合宿ができる広大なスポーツ施設で、その中にある周回道路を走るコースです。
至極当然のことですが、公園施設内の道路になるので、一般の方が勝手に出入りし、走ることはできません。ところが、これも北見市役所や施設関係者のご理解とご尽力により、我々の強化合宿に関しては、特別に使用許可を頂いているのです(一般車両が入ってこないので路面状態も良く、信号もないので安全面も確保できる)。
また、東京パラ前もパリパラ前も、同コースでしっかりと走り込めたことが、メダル獲得につながった点は言うまでもありません。すでに何度も話していますが、このように合宿先でのトレーニングコース(長い距離を走れる)を確保できるか否かは、強化合宿を実施する上で、最も重要な合宿条件のひとつになります。
冒頭に記載したとおり、北海道北見市(日本)の夏は年々過酷になってきておりますが、我々が北見市の皆様から頂いているご支援はそれ以上なのです。もはや、日本全国どこへ行っても猛暑を避けることは難しくなってきております。また、今のところパラリンピックが暑い環境下で開催されることも変わりません。
したがって、今後も北海道北見市を夏の強化拠点のひとつとして、パラリンピックでのメダル獲得を目標に走り込んでいくことも、変わることはないでしょう……。そして、来月(8月)は、今年2回目の北見強化合宿を実施します。
あらためて、よろしくお願いします!
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2025夏を走る・7
- 2025-07-18 (金)
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【2025夏を走る・7】今週は毎年恒例の北海道北見市において強化合宿を実施しております。また、この合宿期間中に日本陸連が主催するホクレン・ディスタンスチャレンジ2025大会が開催されており、同大会の北見大会(第4戦)と網走大会(第5戦)に、「視覚障がい5000m」を実施頂いております(これも毎年恒例)。
まずは、毎年ご尽力頂いている北見市並びに大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、今シーズンの前半は、特にスピード強化に重点を置いて取り組んできました。その総決算として上記した北見大会と網走大会の5000mをターゲットにしてきました。ところが、大会直前にパリパラリンピックにマラソンで出場した主力選手たちが次々と体調不良に陥るなどして離脱……。
そんな状況に陥りましたが、北見大会に出場した選手は3名(男子1、女子2)。幸い、強化指定選手の中においては、男女とも期待の若手選手は含まれています。特に、今シーズン自己記録を連発してきた男子若手の大石選手に期待していました。
視覚障がい5000mのスタート時間は、「18時00分(男女ミックスレース)」。天候は曇り、気温も28度と、この時期にしてはまずまずのコンディションと思われましたが……。そして、レースは我々の強化スタッフでもある中田氏が、ペースメーカーとして大石選手を先導しました。
ところが、1000mあたりから早くも発汗量が多くなり、2000mを通過するとかなり苦しい状況に……。そして、3000m以降は更に苦しい状況に陥りましたが、何とか粘り倒してゴール……。コンディション的には、「気温の割には曇っていたのでまずますかな」と思っていましたが、湿度が意外と高く、その影響があったようです(その後実施された一般男女5000mも苦戦していた)。
あらためて、今回の北見大会は、期待していた男女若手選手が自己記録を達成することはできませんでした……。そんな中、今年61歳になる藤井選手が快走しました。そんな書き方をすると、まるで期待していなかったように感じますが、今回もその快走に驚いたのは事実です。
藤井選手は、東京パラの視覚障がいマラソン女子で5位入賞を達成した実績のある大ベテラン選手です。しかし、同選手はいつもレース前は消極的で、「今回はあかん(関西人です)」を連発するのが口癖です。もちろん、今大会前もそうでした。
ところが、藤井選手はレース後半になると無類の強さを発揮します。具体的には、どんなコンディション下のレースにおいても、後半はビルドアップしてゴールします。つまり、苦しい状況に追い込まれるほど、強気な性格に豹変していく「生まれながらのファイター」なのです。今回も3000mから怒涛の追い上げを見せ、見事なセカンド記録を達成!
一方、我々の次世代選手に欠けている大切な部分でもあるこの「ファイター精神」。苦しさを伴う長距離・マラソン競技だからこそ、その精神が必須であり、藤井選手から学び取ってほしいところなのです。
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2025夏を走る・6
- 2025-07-11 (金)
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【2025夏を走る・6】富津合同マラソン練習会の参加メンバーを中心にした仲間たちと長野県菅平高原において、夏合宿を実施してきました。この合宿は毎年恒例となっており、すでに20数年継続しております。
また、私がここで合宿をはじめた当時は、私自身もガイドランナーとして2004アテネパラリンピックを目指していたときでした。そのころは、今のように菅平高原まで足を運んで夏合宿をするような市民ランナーの方も少なかったと記憶しております(ほぼ皆無だった?)。
しかし、今では夏になると、市民ランナーの皆様が仲間たちと走り込んでいる姿も、すっかり定着しています。この間、空前のランニングブーム到来やコロナによる自粛など、時代の流れも様々でした。そして、何よりもシューズ革命(カーボン入り)がおこり、長距離・マラソンの記録が驚異的にのびたことが、最も衝撃的な出来事だったでしょうか。
そんな時代の変化においても、長距離・マラソン選手やチームにとって変わらないのが、この夏合宿です。そして、私が現役当時も今現在も、実業団選手や学生選手たちは暑い夏の到来とともに、涼しい高原や北海道などに移動し、積極的に走り込みを実施します。
ところが、ここ数年はいわゆる温暖化の影響も相まって、夏は涼しいはずの高原や北海道においても、気温が30度を大きく上回る日が多く、すでに常態化していると言っても過言ではありません。また、それに伴って、朝晩もそれほど気温が下がらない日も多くなり、日本国内ならどこでも暑い夏になっているのが現状でしょうか。
そんな中、特に市民ランナーの皆様は、週末の休日などを活用した短期合宿を実施する方がほとんどなので、涼しいと思って移動してきた合宿地での暑さは、想像以上にこたえます。また、その合宿地までの移動手段は電車やバスなどの公共交通機関を使う方が多いので、暑さ対策をするための道具などを持ち込むことにも限界があります。
もちろん、合宿地までの移動に自家用車を使う仲間が数名いれば、それらの問題を解消することは十分可能ですが……。また、別の対策方法のひとつとして、合宿の宿泊先になる旅館関係者とも事前に様々な情報交換をしておくことは、現地入りしてからの暑さ対策にはかなり有効です(旅館内の設備や周辺環境の確認など)。
あらためて、これから本格的な夏の到来です。特に、市民ランナーの皆様が安全で元気に走り込めることを、心より祈念しております。
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2025夏を走る・5
- 2025-07-03 (木)
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【2025夏を走る・5】千葉県は、梅雨明け宣言をしていませんが、夏日が続いております。また、2025年も半年が経過。同時に、2025年度も3ヶ月が経過しました。まさに「月日が経つのは早い」と言いますが、そのことが身に染みているこの頃です。
そんな夏日が続く中においても、富津合同マラソン練習会をたんたんと継続しております。もちろん、給水の準備や走行距離を短くするなど、安全には注意いているのは言うまでもありませんが、同練習会に参加しているランナーたちは常連の方が多いので、この暑い時期の走り方も熟知しています。
さて、これも毎年のことですが、新年度になると新しいメンバーが同練習会に加わる季節にもなります。そして、今年度は70歳の女性ランナーが、仲間として一緒にランニングライフを楽しむことになりました。その方は、最初は君津の水曜練習会に参加したことがきっかけでした。
話しを聞くと、マラソン経験もあり、ランニング歴もそれなりにある方でしたが、インターバル練習のような苦しい経験はなかったようでした。案の定、参加当初は1本走ると、ゴール地点に倒れ込むような状況でした。
実は、多くの方は日常生活において、このように自らの身体を追い込んでいくような経験はほとんどありません。もちろん、軽いジョギングを日課にしているような方でも、インターバル練習のような苦しい経験は、ほとんど無いと言っても良いでしょう。
その70歳女性の方も同様、自分自身がどのようなペースで走れば、呼吸や身体がどの程度苦しくなるのかを把握できるような経験すらありませんでした。したがって、水曜練習会に毎週参加しても単に苦しいだけの状態が続いていました。
ところが、3ヵ月目の6月に入ると、「200m×8本(リカバリーを長めに)」を何とかやり遂げることができるようになり、1本ごとに倒れ込むようなこともなくなってきました。そして、今週の水曜練習会においては、50秒以内の設定タイムに対し、なんと「45秒平均」で走り切ったのです(路面が滑る土トラックで)。
その走りっぷりには、タイムを取っていた私自身も驚きました。同時に、「人に秘められた可能性の大きさ」をあらためて感じた次第です。振り返ると、4月のころは「この人は死んでしまうのでは?」と、思うような苦しみ方をしていました。ところが、3ヵ月間継続してきた結果、知らぬ間に速さを追求していけるレベルにまで成長していたのです。
また、「どうしても年齢を理由に気持ちにもブレーキがかかる」と、その方は話していました。ところがどうして、ひとたび自信が付いてくると、心のブレーキが解き放されるのと同時に、身体もどんどん前に進んでいくのです。「マラソンでサブフォーを達成したい」と、当初から口にしていましたが、そこに到達する条件のひとつを概ねクリアしたと言っても良いでしょう。
もちろん、私自身にとっても、各練習会をサポートする楽しみがひとつ増えた次第です。
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2025夏を走る・4
- 2025-06-28 (土)
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【2025夏を走る・4】長野県上田市菅平高原における強化合宿は無事に終了しました。今回は、さすがに前回のような低温になることはなく、日中は逆に平地と変わらないような暑さの中でのトレーニングになりました。
あらためて、ブラインドマラソンの強化合宿拠点は千葉県富津市をメインに、長野県上田市菅平高原と北海道北見市の3ヶ所になります。特に、暑さが厳しくなる5月から8月の間は、比較的涼しい長野県と北海道において走り込みを実施しています。
ところが、いわゆる温暖化の影響なのか、長野県も北海道も気温が30度を超える日が、当たり前になっているのが現状でしょうか。また、朝晩もかつてのような涼しい感じも薄れており、国内ならどこへ行っても同じような暑さになっているとも感じます……。
さて、そんな状況下の強化合宿中でも欠かさないのが、毎朝実施する選手のコンディションチェックがあります。同様に合宿中は、必ず1回は採血をして血液状態を確認しています(長距離・マラソン選手にとって、最も重要な体調管理の目安となる指標が血液検査)。
かくいう私も現役時代、毎月2回は必ず、J大学のT先生(故人)から血液検査を受けていました。もちろん、検査結果を元にT先生のご指導を受けますが、私も現役時代は例外なく貧血気味だったので、いろいろとご指摘を受けました。
そんな中、とても印象に残っていることがあります。それは、私の血液状態が改善された結果を見てのことでした。「安田は、この2週間は練習をさぼっていただろう(落としていただろう)?」と私を問い詰めるのです。
つまり、スポーツ性貧血なので、その貧血が改善されたと言うことは、「逆にトレーニングをさぼっていたから血液状態が良くなった」。別の例えを言うなら、アル中の患者が酒を断つことができれば、アル中は改善されるのと同じ理屈です。
そして、T先生が私によく話していたのは、「科学的トレーニングは数値だけに目が向いて、楽な方へ進んでしまうことが多々ある」。また、本来の科学的トレーニングとは、「科学的な裏付け(数値など)を元に、もっとハードなトレーニングに移行していくことだ」とも話していました。
当時の私はT先生の話を聞いて、まさにぐうの音も出ない状況でした。そして、現役を引退した現在、T先生のご指摘通り、貧血はすっかり改善されています。一方、逆に他の数値は年齢を重ねるごと、順調に悪化しております。
T先生、ありがとう。そして、ごめんなさい……。
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2025夏を走る・3
- 2025-06-20 (金)
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【2025夏を走る・3】愛知県豊田市において「伴走者養成講習会」が開催され、その講師としてお手伝いをしてきました。今回の講習会は、豊田ブラインド伴走協会のご支援とご尽力により、開催することができました。あらためて、感謝申し上げます。
特に、同協会の会長でもある山本氏の素晴らしいリーダーシップにより、今回の講習会はもちろん、年間を通じてとても熱心な活動が継続されています。また、山本氏はマラソンだけでなく、100mなどの短距離種目の伴走も手掛けるなど、本当に情熱的な人柄です。
何事にも共通していますが、情熱的なリーダーがいる活動には多くの人が集まります。今回の山本氏から話を伺うと、伴走活動以外にも様々なことを手掛けており、それぞれの活動が結びついて更に大きくなっていくような相乗効果を自ら仕掛け、自ら実践しているのです。
また、物事を長く継続できている人や、いわゆる「打たれ強い人」に共通していることのひとつに、「情熱的でよく動く」があります。つまり、よく動くので長く続く。また、よく動くので人よりも目立ち、その結果として批判もあびる。しかし、情熱的でよく動くので、いちいち立ち止まったり、クヨクヨしたりもしない……。
あらためて、全国各地からの依頼を受け、伴走者養成講習会のお手伝いもしていますが、どこの講習会においても必ず情熱的なリーダーが存在します。そして、その姿に我々講師の方が感銘を受け、学ぶ点や参考にすることが多いのも確かです。
特に、周りの人を焚きつける人間力には、毎回感銘を受けます。一方、その力を言葉や文字などであらわすことは意外と難しく、「なんで、あんなことができるのか?」と、今回の講習会もいろいろと考える機会になりました。
次回、山本氏とお会いできるときは、もっと掘り下げたお話を伺いたいと思います……。
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2025夏を走る・2
- 2025-06-14 (土)
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【2025夏を走る・2】宮城県仙台市で開催されたジャパンパラ陸上大会の後、ブラインドマラソンチームはそのまま火曜日まで仙台市に残り、合宿を実施しました。幸い、ジャパンパラ陸上大会が開催されたトラックをそのまま使用することができたので、同トラックで充実したトレーニングを実施することができました。
さて、今回のジャパンパラ陸上大会において、視覚障がい中長距離種目において失格になった選手がいました。とても残念なことでしたが、パラ陸上競技には一般の陸上競技には存在しない特殊なルールがあります。それは同じ障がいのカテゴリー内で、公平に競い合うために必要なルールであり、パラ陸上大会に出場する選手や関係者はそれらを十分に理解しておくことが大前提になります。
特に、視覚障がい部門の場合、ガイドランナー(伴走者)を伴うカテゴリーにおいては、テザーと呼ばれる手錠型のロープ(形状も長さも厳格に指定)で、誘導しなくてはいけない絶対ルールがあります。かつては、ロープを持たなくても良いルールや、いわゆる伴走ロープと呼ばれる輪になったロープでの伴走も認められていましたが、今のWPA公認国際大会において、それらのルールは一切存在しません。
あらためて、WPA公認大会における国際ルールの一部を抜粋します。
7. 競技クラスT11-12の競技者のガイドランナーは認められており、助力やペースメーカーとは見なされない。競技クラスT11の競技者はすべての種目でガイドランナーとともに競技しなくてはならない。T12では、ガイドランナーを伴うか、一人で競技するかは競技者の選択である。大会組織委員会はガイドランナーであることが識別できるベストを提供する。
8. T11-12の競技者がガイドランナーを伴って競技を開始した場合、成績が承認されるためには、競技者とガイドランナーがともに規則を守り、誠実に努力し、当該種目を完走しなければならない。7.9.1 競技中、競技者と伴走するガイドランナーの誘導方法はテザー使用を必須とする。さらに、ガイドランナーから口頭で指示を受けてもよい。ガイドランナーは走行(または徒歩)によって任務を完了しなければならず、機械的移動手段の使用は認められない。
7.9.2 テザーによる結束は、競技者と伴走するガイドランナーの手または腕でのみでなされるものとする。競技者とガイドランナーは、テザーを緩みがあるようにして手、手首、その他身体の一部を持ってはいけない。7.9.3 競技者と伴走するガイドランナーは、スタートからレースを終えるまで常にテザーでつながっていなくてはならない。ガイド交代の時を除き、競技者と伴走するガイドランナーが共にフィニッシュライン手前側の垂直面の到達しフィニッシュするまでの間、テザーを離すことは認められない。
7.10.1 ガイドランナーは競技中のいかなる時点においても、レースを有利に進めるために競技者を押す、引っ張る等して前進を助けてはならない。以上が、主なルールになります(ほんの一部)。もちろん、これらのルールを順守しながら安全にレースを完走することが第一になりますが、それぞれに記載してある内容をよく理解しておくことも必須です。
例えば、上記のルール7.10.1は、ガイドランナーが押したり引いてはいけないと記載してありますが、「常に選手の真横で並走しなくてはいけない」とは記載してありません。つまり、ガイドランナーが給水を取ったり、トラックのコーナーを伴走する際、どうしても選手のやや前方に移動したり、後方に移動してしまうことが必ずあります。したがって、そこを審判からルール違反だと指摘されたとき、逆に自分たちの正当性を証明できる内容の抗議を考えておく必要もあると言うことです。
要は、何事もルールや規則は熟読し、なんと記載しているかの文言を確認しておくことも大切です。
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2025夏を走る・1
- 2025-06-05 (木)
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【2025夏を走る・1】いよいよ初夏と言われる季節に入ってきました。毎年のことながら長距離・マラソン選手にとっては、最も過酷な季節に突入していくことにもなります。そして、これも毎年のことですが、個々の体調に合わせた暑熱対策で、これからの暑さを乗り切ってほしいと思います。
さて、あらためて6月に入りましたが、多くの長距離・マラソン選手にとっては「スピード強化」と位置付け、積極的にトラックレースなどを走っていることでしょう。もちろん、ロスパラリンピックを目指しているブラインド選手たちも5月から本格的なトラックシーズンに入りました。
そして、今月7日から宮城県仙台市において「ジャパンパラ陸上競技大会」が開催されます。同大会には、上記したブラインド選手たちも出場し、トラック種目を走ることでマラソンに必要なスピード強化をします。特に、5000mの記録はマラソンの具体的な目標タイムを設定していく上での指針となる重要な記録になります。
詳細は割愛しますが、今大会と来月に出場する5000mで達成した記録を選手ごとに解析していくと、秋以降のマラソンでどの程度の記録が狙えそうなのかを、予測タイム(仮説)として考えることができます。そして、その予測タイム(仮説)をベースに、夏合宿で実施する距離走(30k~40k)などの設定タイムも考えていきます(もちろん、練習中の調子などを加味しながら再検証し、設定タイムなどは都度修正もしますが……)。
すでに何度かこのブログにも記載してきましたが、5000mの記録とマラソンの記録はとても密接な関連性があり、「マラソンで〇時間〇〇分〇〇秒を目指すなら、5000mの記録は〇〇分〇〇秒が必要」と言った記録の方程式も、ほぼ決まっています(それも高い確率で)。
したがって、トラックでのスピード強化と言うのは、マラソンで「〇時間〇〇分〇〇秒」を達成するために不可欠な「5000mの〇〇分〇〇秒」に到達するための強化を指します。つまり、日々実施しているスピード練習(インターバル走やペース走など)も、その5000mの必須タイムに到達するための設定タイム(疾走距離に対する)や、その疾走本数になるのです。
また、「長距離・マラソン選手は年間を通じてオフがない」と言われている理由のひとつが、マラソンは上記したような距離間の密接な関連性もあり、季節ごとにそれぞれの強化をしているからなのです。同時に、秋からのマラソンシーズンに向け、どんなランナーも自己記録を更新したいと考えますが、その目標を達成するためには、「年間計画(期分け)が必要」と言われるゆえんでもあるのです。
あらためて、市民ランナーの皆様もこの時期はトラック(陸上競技場)で実施される競技会や記録会への挑戦を強く推奨します。もちろん、今までトラックを走った経験のないランナーでも気楽に参加できる記録会もあります。また、仲間との定例練習会の中で、トラック記録会(3000mや5000mなど)を実施してみてはいかがでしょうか。秋以降のマラソンで、自己記録を更新できるヒントが必ず見つかります。
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