安田享平のランニングライフ
2025夏を走る・13
- 2025-08-28 (木)
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【2025夏を走る・13】8月も終わりに近づくと、「今年も暑かった夏が終わりますね……」。かつてはこのような会話を見聞する時代でしたが……。ところが、昨日のニュースでは、「8月27日、東京都心の猛暑日は10日連続、年間の猛暑日は23日となり、いずれも観測史上1位の記録を更新した。」とのことです。それもお盆を過ぎてからです……。
そんな記録的猛暑日が続く中、今月最後の富津合同マラソン練習会を24日に開催しました。暑さ対策のひとつとして、スタート時間を「8時30分」に早めて実施していますが、その時間はすでに30度を超えていました……。
また、今月末の31日に開催される北海道マラソンに出場するメンバーも多数いるので、今回の練習会を最後の調整として走っている方もいました。とはいうものの、この暑さの中でのペース走が本当に良い調整になっているのか否かは定かではありません。
さて、練習会を主宰する立場としては、かなり無責任な話をしていますが、いわゆる「異常気象」の影響をもろに受ける屋外競技は本当に過酷な状況に陥ってます。特に、長距離・マラソン競技については、「その過酷さを極めている」と言っても過言ではないでしょう。
そこで、あらためて「異常気象」とはどんな現象なのかを確認してみました。
『異常気象とは、普段の天候とはかけ離れた極端な気象のことです。気象庁とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、異常気象を異なる方法で定義しています。気象庁は気象要素が過去30年以上にわたって観測されていないほど極端である様子を、IPCCは気象要素を確率分布に当てはめたときに上位または下位10%に相当する極端な様子を異常気象と呼んでいます。』
一方、その異常気象の対策として、専門家の見解も確認してみました。
『現在の天気予報・気候予測の技術をもってすれば、異常気象をある程度予測することができます。気象庁は1カ月予報や3カ月予報、寒候期予報や暖候期予報を発表しており、農業やビジネスの見通しを立てる際の参考にできます。異常気象だといってただ恐れるのではなく、日々の情報を効果的に活用して対策を講じることが重要です。』
さらに、現時点で発表されている3カ月予報(9月から11月)を確認してみました。
『3カ月を通して平均気温は全国的に「高い」と予想されています。月別に見ると特に9月と10月は全国的に「高い」と予想されています。11月は北日本で「高い」と予想され、東日本は「平年並みか高い」、西日本と沖縄・奄美では「ほぼ平年並み」と予想されています。』
したがって、マラソンシーズンに入っていく秋以降の季節も「暑くて厳しいコンディションが続く可能性が高い」ということでしょうか。つまり、これらのことを考慮しながら対策案を検討してくと、多くのランナーが積み重ねてきた「期分け」によるマラソントレーニング方法も、根底から見直す必要があるのかもしれません(季節感が大きく変わり、過去と同じ計画を実施することが難しい)。
そして、今後のマラソントレーニングは、前例のない季節感や過去の経験にとらわれない考え方や、大胆な実行力も問われる時代に入っていくのかもしれません。
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2025夏を走る・12
- 2025-08-21 (木)
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【2025年夏を走る・12】長野県の菅平高原においてクラブチームの夏季合宿を実施してきました。また、この合宿はかれこれ20年以上続いており、毎年恒例となっております。もちろん、当初から参加頂いているメンバーも健在で、今年もそれぞれが積極的に走り込んでいました。
さて、菅平高原と言えば「ラグビー合宿」です。ちょうど、我々が合宿を実施しているエリアには、大小100面以上のラグビーグラウンドがあります。まさに「ラグビーの夏の聖地」と呼ばれるゆえんです。
かくいう私自身は、ラグビーに関する知識などは持ち合わせていませんが、ラグビー合宿の歴史は古く、菅平高原は冬のスキーに代わる夏の誘客のため、1931年に法政大学ラグビー部の合宿を誘致したのが始まりと言われています。また、それに早稲田大学などが続き、1967年に日本代表が初めて合宿を行うと、一気にチーム数が増えていったそうです。
もちろん、今回の合宿中も菅平高原内にはラグビー選手たちがあふれてすごいことに……。そして、これも菅平高原の目玉とも言えるのが、菅平高原唯一のコンビニであるセブンイレブン菅平高原店でしょうか。また、このセブンイレブンは24時間営業ではなく、開店が早朝7時00分で閉店が午後11時00分と、本来の「セブンイレブン・スタイル」をキープしているのも特徴です。
そして、早朝7時の開店から午後11時の閉店までの間、ラグビー関係者やその他大勢のお客さんで、途切れ目無くごった返します。うわさでは「夏の時期は日本一儲かっている」と聞いたことがありますが、それが「うわさだ」としても十分に納得することができるにぎわいです。
そんな屈強な男たちが集まる夏の菅平高原で、我々の合宿も無事に終えることができました。また、個人的には今年に入って5回目の菅平合宿となりましたが、今年の菅平合宿は全て終了です。
まだまだ厳しい暑さは続きますが、菅平合宿の走り込みで蓄えたスタミナを秋以降のマラソンで発揮できるよう、選手たちと調整していきます。もちろん、場所を厳しい暑さの続く千葉県富津公園に戻して……。
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2025夏を走る・11
- 2025-08-14 (木)
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【2025夏を走る・11】北海道北見合宿は無事に終了しました。まずは、今回もご支援頂いた北見市の皆様、北見プラザホテルの皆様に厚く御礼申し上げます。また、今回の北海道北見合宿は、先月同地で実施した時よりも気温が下がり、天候も雨や曇りになる日も多かったことから、どの選手も計画したトレーニング内容をほぼ完ぺきに消化することができました。
その具体的なトレーニング内容については割愛しますが、7泊8日の合宿期間で「40k走」を3本実施することができました。至極当然のことながら視覚障がい選手のトレーニングには、原則としてガイドランナー(伴走者)が必要になります(単独走ができる弱視選手に対しても、走行中の安全を確保する意味でもペーサーが必要になる)。
したがって、40k走を3本実施するためには、ガイドランナーも一緒に3本走ることになります。もちろん、その前提として、7泊8日の合宿に帯同可能な環境を作れるガイドランナーであることが必須条件となります。これについては今回のような強化合宿だけでなく、「国内外の遠征時は、常に視覚障がい選手のスケジュールに合わせ、自身も帯同できるか否か?」は、実は最も重要な課題のひとつになります。
例として、ガイドランナーとしての技術や実績は抜群でも、パラリンピックのような長期遠征をする際、所属先から休暇を取得して帯同できなければそのガイドランナーを選考することは極めて難しくなります(ガイドランナーは視覚障がい選手の日常生活をサポートする役割もあるので)。
このことについは視覚障がい選手たちが、地元で日々のトレーニングを計画的に継続する上でも最重要課題になります。例えば、「日曜日に40k走を計画していたが、急用でその日のガイドランナーがこれなくなった」などのトラブルが起こった時、「電話一本でかけつけてくれる別のガイドランナーも確保しているか否か?」は、さらに重要です。
繰り返しになりますが、ガイドランナーに求められる資質は、伴走の技術や実績以上に「視覚障がい選手のスケジュールに合わせられる」ことが、パラリンピックなどの長期遠征を伴う大会や強化合宿などでは重要視します。要は、単純に伴走の技術や経験が豊富だとか、視覚障がい選手との相性や走力が良いだけでは、そのガイドランナーを日本代表として帯同させることは難しい……。
あらためて、今回の北海道北見合宿においては、箱根駅伝でも活躍している帝京大学駅伝競走部から2名の選手が伴走サポートで全日程参加して頂きました。これは、毎年恒例になっており、選手の伴走だけでなく、単独走ができる弱視選手のペーサーや練習パートナーとしても大車輪のサポートをしてくれます。
至極当然のことになりますが、バリバリの現役学生選手から全日程のサポートを頂くだけで、視覚障がい選手たちのモチベーションも上がり、結果的にはトレーニングの量だけでなく、質も向上するのです。
特に、マラソンなどで視覚障がい選手がガイドランナーと並走(伴走)することは、一般の競技ルール上でも認められています。つまり、視覚障がいランナーも一般ランナーと同じルールと価値観で勝負できる代表的なインクルーシブスポーツなのです。
一方、上記したような視覚障がいランナーをサポートするガイドランナー(伴走者)の「環境整備(休日取得など)」が不可欠なのは、今後も変わらない課題のひとつとして残っていくでしょう。
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2025夏を走る・10
- 2025-08-08 (金)
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【2025夏を走る・10】今週の火曜日から2回目の北海道北見強化合宿を実施しております。先月の同強化合宿時は記録的猛暑の中でしたが、今回はかなり涼しく感じます。また、天候も幸い雨や曇りが多く、走り込むには最適なコンディションです(今日時点までは)。
あらためて、8月は実業団選手や箱根駅伝を目指す学生選手たちにとっても、最も走り込む月になるでしょうか。そして、この8月に走った距離は秋以降の駅伝やマラソンの記録や成績に対し、大きな影響を与えることは、実は今も昔も変わりません。
特に、ここ数年は「シューズ革命(カーボン入りシューズの登場)」により、長距離・マラソンの記録が飛躍的にのびました。また、カーボン入りシューズ(バネ入り)を履きこなすために必要な体幹の筋力強化やランニングフォームの矯正に特化したトレーニングもどんどん進化し、老若男女問わずに普及しています。
一方、カーボン入りシューズが登場した当時の勢いは落ち着き、逆にマラソンでは以前のように後半失速する選手たちが増えてきたような気がします。同様に、トラックレースでも何となく記録が頭打ちになってきており、特にコンディションが悪くなったときに失速する選手も多くなってきたような(私の主観)……。もちろん、どの選手もカーボン入りシューズを履いているにもかかわらず……。
そんな中、学生選手たちの記録はどんどん飛躍しており、箱根駅伝をはじめとする各種駅伝の記録はもちろん、冬のマラソンにおいても好記録を叩き出す選手が続出しています。その要因としては、上記したような体幹の筋力強化やランニングフォームを矯正するためのドリルなどを日々徹底しているのも確かですが、特に夏の走り込みが充実しているからではないでしょうか(もちろん、年間を通じても)。
具体的には、純粋に走行距離が飛躍的にのびているのでしょう。カーボン入りシューズを履きこなすためには、それ相応の筋力やランニングフォームは必要ですが、筋力や技術だけで長距離・マラソンを走り切ることはできません。また、体幹の筋力強化やドリル(動きつくり)では、スタミナはつきません。つまり、ランニングフォームが矯正されても長い距離を速く走るには、まずはその距離を完走するためのスタミナが必要なのはいつの時代も変わらないのです。
もちろん、やみくもに「たくさん走れ!」ではありません。実は、スピード練習を科学的に効率よく走ることよりも故障やケガをしないように、走行距離を増やしてスタミナ(体力)をつけていく方が、ノウハウや根気(我慢や継続)がより必要です。
また、長距離・マラソンを走った方なら誰でも感じますが、特に肉体的な苦痛よりも精神的な苦痛が大きく、長い距離(時間)に対する絶望感を感じて途中で挫折するのです。つまり、精神面のスタミナをどのように鍛錬していくかが肉体面のスタミナ強化同様、長距離・マラソンを攻略していく上での大きなカギになるのです。
そして、精神面のスタミナ(肉体面のスタミナも)を強化する最も効率的な方法のひとつが、「その距離(マラソンなど)を繰り返し走ること」と、専門家の話を見聞しても、今も昔も本質は変わらないのです(時代が変わっても長距離・マラソンに必要なスタミナ養成は手間と時間がかかる)。
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2025夏を走る・9
- 2025-07-30 (水)
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【2025夏を走る・9】千葉県も厳しい暑さが続いておりますが、水曜練習会と富津合同マラソン練習会は実施しております。特に、富津合同マラソン練習会は、休日の午前中に実施するので、暑い中での練習会となります。
至極当然のことですが、暑い中で走ることは最も危険な行為のひとつと言っても過言ではありません。ところが、マラソンを目標に走り込んでいるランナーたちにとっては、走らないわけにもいきません。
もちろん、暑さ対策は様々なことを実践していますが、最終的に暑い中でのランニングは個々の暑熱純化(しょねつじゅんか)ができているか否かになります。そこで、暑熱純化についてもう一度簡単にふれておきます。
まずは「暑熱順化」とは、体が暑さに慣れて、熱中症になりにくくなるための生理的適応反応のことを指します(多くの文献や専門家の回答)。たとえば、急に気温が高くなった日や、梅雨明け直後の猛暑日に体調を崩す人が多いのは、この「暑熱順化」がまだ十分にできていないからと言われています(これも多くの文献や専門家の回答)。
次に、暑熱順化ができている体の変化としては、「汗をかきやすくなる(体温調節が効率化)」「汗の中の塩分が減る(ミネラルの損失が減少)」「心拍数の上昇が抑えられる」「体温が上がりにくくなる」「疲れにくくなる」など……。
要は、暑さに慣れることで体の負担が軽減された結果、夏バテや熱中症の予防につながることです。つまり、炎天下の中においてもランニングなどの運動にも耐え得る状態に体が順化することでもあります。
では、暑熱順化の具体的な方法についてですが、これも多くの文献や専門家が回答しているとおり、「軽い有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・自転車など)を、気温が高めの日中または夕方に行うこと(暑い中で運動する)」。
もちろん、個々の体調や体力に合わせることが最優先ですが、「暑さになれるには暑い中で動け(郷に入っては郷に従え)」なのです。この点は、毎年夏合宿を実施している経験からも合致します。また、人の体は過酷な状況に追い込まれても、それに順応していく能力は相当高いと思います(私の経験上)。
先日の富津合同マラソン練習会も、スタート時の気温はすでに30度を超えていましたが、参加者全員が元気に完走していました。あらためて、人の順化能力はすごいと、感じた次第です……。
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2025夏を走る・8
- 2025-07-25 (金)
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【2025夏を走る・8】北海道北見市で実施していた強化合宿は無事に終了しました。毎年のことですが、あらためてご支援頂いた北見市の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、ご存知のとおり、北海道北見市は猛暑日が続いており、我々の合宿期間中も連日30度を上回っていました(手元の温度計で)。特に、合宿最終日に実施した3本目の距離走は、早朝6時30分にスタートしたにもかかわらず、その時の気温はすでに30度を超えていました(終了時の気温は38度)。
もちろん、そんな過酷なコンディション下での40k走はどう考えても危険なので、距離を短縮し、個々の設定タイムも落としてスタートしました。ところが、3本目に実施したそのコースは、1周1.5kで起伏の激しい周回コースだったので、実はそれなりに過酷でしたが……。
あらためて、3本目のコースですが、東京パラ前(リオパラ直後)に北見市役所の関係者と、「北見市内で長い距離を安全に走れる場所は本当にないのか?」を、もう一度車で確認していたところ、偶然見つけた場所でした。そこは、ラグビー&サッカーの試合や合宿ができる広大なスポーツ施設で、その中にある周回道路を走るコースです。
至極当然のことですが、公園施設内の道路になるので、一般の方が勝手に出入りし、走ることはできません。ところが、これも北見市役所や施設関係者のご理解とご尽力により、我々の強化合宿に関しては、特別に使用許可を頂いているのです(一般車両が入ってこないので路面状態も良く、信号もないので安全面も確保できる)。
また、東京パラ前もパリパラ前も、同コースでしっかりと走り込めたことが、メダル獲得につながった点は言うまでもありません。すでに何度も話していますが、このように合宿先でのトレーニングコース(長い距離を走れる)を確保できるか否かは、強化合宿を実施する上で、最も重要な合宿条件のひとつになります。
冒頭に記載したとおり、北海道北見市(日本)の夏は年々過酷になってきておりますが、我々が北見市の皆様から頂いているご支援はそれ以上なのです。もはや、日本全国どこへ行っても猛暑を避けることは難しくなってきております。また、今のところパラリンピックが暑い環境下で開催されることも変わりません。
したがって、今後も北海道北見市を夏の強化拠点のひとつとして、パラリンピックでのメダル獲得を目標に走り込んでいくことも、変わることはないでしょう……。そして、来月(8月)は、今年2回目の北見強化合宿を実施します。
あらためて、よろしくお願いします!
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2025夏を走る・7
- 2025-07-18 (金)
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【2025夏を走る・7】今週は毎年恒例の北海道北見市において強化合宿を実施しております。また、この合宿期間中に日本陸連が主催するホクレン・ディスタンスチャレンジ2025大会が開催されており、同大会の北見大会(第4戦)と網走大会(第5戦)に、「視覚障がい5000m」を実施頂いております(これも毎年恒例)。
まずは、毎年ご尽力頂いている北見市並びに大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、今シーズンの前半は、特にスピード強化に重点を置いて取り組んできました。その総決算として上記した北見大会と網走大会の5000mをターゲットにしてきました。ところが、大会直前にパリパラリンピックにマラソンで出場した主力選手たちが次々と体調不良に陥るなどして離脱……。
そんな状況に陥りましたが、北見大会に出場した選手は3名(男子1、女子2)。幸い、強化指定選手の中においては、男女とも期待の若手選手は含まれています。特に、今シーズン自己記録を連発してきた男子若手の大石選手に期待していました。
視覚障がい5000mのスタート時間は、「18時00分(男女ミックスレース)」。天候は曇り、気温も28度と、この時期にしてはまずまずのコンディションと思われましたが……。そして、レースは我々の強化スタッフでもある中田氏が、ペースメーカーとして大石選手を先導しました。
ところが、1000mあたりから早くも発汗量が多くなり、2000mを通過するとかなり苦しい状況に……。そして、3000m以降は更に苦しい状況に陥りましたが、何とか粘り倒してゴール……。コンディション的には、「気温の割には曇っていたのでまずますかな」と思っていましたが、湿度が意外と高く、その影響があったようです(その後実施された一般男女5000mも苦戦していた)。
あらためて、今回の北見大会は、期待していた男女若手選手が自己記録を達成することはできませんでした……。そんな中、今年61歳になる藤井選手が快走しました。そんな書き方をすると、まるで期待していなかったように感じますが、今回もその快走に驚いたのは事実です。
藤井選手は、東京パラの視覚障がいマラソン女子で5位入賞を達成した実績のある大ベテラン選手です。しかし、同選手はいつもレース前は消極的で、「今回はあかん(関西人です)」を連発するのが口癖です。もちろん、今大会前もそうでした。
ところが、藤井選手はレース後半になると無類の強さを発揮します。具体的には、どんなコンディション下のレースにおいても、後半はビルドアップしてゴールします。つまり、苦しい状況に追い込まれるほど、強気な性格に豹変していく「生まれながらのファイター」なのです。今回も3000mから怒涛の追い上げを見せ、見事なセカンド記録を達成!
一方、我々の次世代選手に欠けている大切な部分でもあるこの「ファイター精神」。苦しさを伴う長距離・マラソン競技だからこそ、その精神が必須であり、藤井選手から学び取ってほしいところなのです。
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2025夏を走る・6
- 2025-07-11 (金)
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【2025夏を走る・6】富津合同マラソン練習会の参加メンバーを中心にした仲間たちと長野県菅平高原において、夏合宿を実施してきました。この合宿は毎年恒例となっており、すでに20数年継続しております。
また、私がここで合宿をはじめた当時は、私自身もガイドランナーとして2004アテネパラリンピックを目指していたときでした。そのころは、今のように菅平高原まで足を運んで夏合宿をするような市民ランナーの方も少なかったと記憶しております(ほぼ皆無だった?)。
しかし、今では夏になると、市民ランナーの皆様が仲間たちと走り込んでいる姿も、すっかり定着しています。この間、空前のランニングブーム到来やコロナによる自粛など、時代の流れも様々でした。そして、何よりもシューズ革命(カーボン入り)がおこり、長距離・マラソンの記録が驚異的にのびたことが、最も衝撃的な出来事だったでしょうか。
そんな時代の変化においても、長距離・マラソン選手やチームにとって変わらないのが、この夏合宿です。そして、私が現役当時も今現在も、実業団選手や学生選手たちは暑い夏の到来とともに、涼しい高原や北海道などに移動し、積極的に走り込みを実施します。
ところが、ここ数年はいわゆる温暖化の影響も相まって、夏は涼しいはずの高原や北海道においても、気温が30度を大きく上回る日が多く、すでに常態化していると言っても過言ではありません。また、それに伴って、朝晩もそれほど気温が下がらない日も多くなり、日本国内ならどこでも暑い夏になっているのが現状でしょうか。
そんな中、特に市民ランナーの皆様は、週末の休日などを活用した短期合宿を実施する方がほとんどなので、涼しいと思って移動してきた合宿地での暑さは、想像以上にこたえます。また、その合宿地までの移動手段は電車やバスなどの公共交通機関を使う方が多いので、暑さ対策をするための道具などを持ち込むことにも限界があります。
もちろん、合宿地までの移動に自家用車を使う仲間が数名いれば、それらの問題を解消することは十分可能ですが……。また、別の対策方法のひとつとして、合宿の宿泊先になる旅館関係者とも事前に様々な情報交換をしておくことは、現地入りしてからの暑さ対策にはかなり有効です(旅館内の設備や周辺環境の確認など)。
あらためて、これから本格的な夏の到来です。特に、市民ランナーの皆様が安全で元気に走り込めることを、心より祈念しております。
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2025夏を走る・5
- 2025-07-03 (木)
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【2025夏を走る・5】千葉県は、梅雨明け宣言をしていませんが、夏日が続いております。また、2025年も半年が経過。同時に、2025年度も3ヶ月が経過しました。まさに「月日が経つのは早い」と言いますが、そのことが身に染みているこの頃です。
そんな夏日が続く中においても、富津合同マラソン練習会をたんたんと継続しております。もちろん、給水の準備や走行距離を短くするなど、安全には注意いているのは言うまでもありませんが、同練習会に参加しているランナーたちは常連の方が多いので、この暑い時期の走り方も熟知しています。
さて、これも毎年のことですが、新年度になると新しいメンバーが同練習会に加わる季節にもなります。そして、今年度は70歳の女性ランナーが、仲間として一緒にランニングライフを楽しむことになりました。その方は、最初は君津の水曜練習会に参加したことがきっかけでした。
話しを聞くと、マラソン経験もあり、ランニング歴もそれなりにある方でしたが、インターバル練習のような苦しい経験はなかったようでした。案の定、参加当初は1本走ると、ゴール地点に倒れ込むような状況でした。
実は、多くの方は日常生活において、このように自らの身体を追い込んでいくような経験はほとんどありません。もちろん、軽いジョギングを日課にしているような方でも、インターバル練習のような苦しい経験は、ほとんど無いと言っても良いでしょう。
その70歳女性の方も同様、自分自身がどのようなペースで走れば、呼吸や身体がどの程度苦しくなるのかを把握できるような経験すらありませんでした。したがって、水曜練習会に毎週参加しても単に苦しいだけの状態が続いていました。
ところが、3ヵ月目の6月に入ると、「200m×8本(リカバリーを長めに)」を何とかやり遂げることができるようになり、1本ごとに倒れ込むようなこともなくなってきました。そして、今週の水曜練習会においては、50秒以内の設定タイムに対し、なんと「45秒平均」で走り切ったのです(路面が滑る土トラックで)。
その走りっぷりには、タイムを取っていた私自身も驚きました。同時に、「人に秘められた可能性の大きさ」をあらためて感じた次第です。振り返ると、4月のころは「この人は死んでしまうのでは?」と、思うような苦しみ方をしていました。ところが、3ヵ月間継続してきた結果、知らぬ間に速さを追求していけるレベルにまで成長していたのです。
また、「どうしても年齢を理由に気持ちにもブレーキがかかる」と、その方は話していました。ところがどうして、ひとたび自信が付いてくると、心のブレーキが解き放されるのと同時に、身体もどんどん前に進んでいくのです。「マラソンでサブフォーを達成したい」と、当初から口にしていましたが、そこに到達する条件のひとつを概ねクリアしたと言っても良いでしょう。
もちろん、私自身にとっても、各練習会をサポートする楽しみがひとつ増えた次第です。
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2025夏を走る・4
- 2025-06-28 (土)
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【2025夏を走る・4】長野県上田市菅平高原における強化合宿は無事に終了しました。今回は、さすがに前回のような低温になることはなく、日中は逆に平地と変わらないような暑さの中でのトレーニングになりました。
あらためて、ブラインドマラソンの強化合宿拠点は千葉県富津市をメインに、長野県上田市菅平高原と北海道北見市の3ヶ所になります。特に、暑さが厳しくなる5月から8月の間は、比較的涼しい長野県と北海道において走り込みを実施しています。
ところが、いわゆる温暖化の影響なのか、長野県も北海道も気温が30度を超える日が、当たり前になっているのが現状でしょうか。また、朝晩もかつてのような涼しい感じも薄れており、国内ならどこへ行っても同じような暑さになっているとも感じます……。
さて、そんな状況下の強化合宿中でも欠かさないのが、毎朝実施する選手のコンディションチェックがあります。同様に合宿中は、必ず1回は採血をして血液状態を確認しています(長距離・マラソン選手にとって、最も重要な体調管理の目安となる指標が血液検査)。
かくいう私も現役時代、毎月2回は必ず、J大学のT先生(故人)から血液検査を受けていました。もちろん、検査結果を元にT先生のご指導を受けますが、私も現役時代は例外なく貧血気味だったので、いろいろとご指摘を受けました。
そんな中、とても印象に残っていることがあります。それは、私の血液状態が改善された結果を見てのことでした。「安田は、この2週間は練習をさぼっていただろう(落としていただろう)?」と私を問い詰めるのです。
つまり、スポーツ性貧血なので、その貧血が改善されたと言うことは、「逆にトレーニングをさぼっていたから血液状態が良くなった」。別の例えを言うなら、アル中の患者が酒を断つことができれば、アル中は改善されるのと同じ理屈です。
そして、T先生が私によく話していたのは、「科学的トレーニングは数値だけに目が向いて、楽な方へ進んでしまうことが多々ある」。また、本来の科学的トレーニングとは、「科学的な裏付け(数値など)を元に、もっとハードなトレーニングに移行していくことだ」とも話していました。
当時の私はT先生の話を聞いて、まさにぐうの音も出ない状況でした。そして、現役を引退した現在、T先生のご指摘通り、貧血はすっかり改善されています。一方、逆に他の数値は年齢を重ねるごと、順調に悪化しております。
T先生、ありがとう。そして、ごめんなさい……。
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