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安田享平のランニングライフ

2025秋を走る・7

【2025秋を走る・7】先日は出雲駅伝が開催され、いよいよ本格的な駅伝シーズンがはじまりました。同時に、マラソンをはじめとする本格的なロードシーズン到来でもあります。

その出雲駅伝ですが、優勝候補にも名を連ねていた國學院大學が安定したチーム力を発揮して優勝。一方、優勝候補の本命とも言われていた青山学院大学や中央大学はその力をうまく発揮することはできませんでしたが、見応えのあるレースでした。

さて、学生の三大駅伝と呼ばれている今回の出雲大学駅伝。そして、11月に開催される全日本大学駅伝。さらに、正月の箱根駅伝と続いていきますが、その全長距離はだんだん長くなっていきます。具体的な全長距離は、出雲大学駅伝が「45.1k」。そして、全日本大学駅伝が「106.8k」となり、箱根駅伝は「217.1k」です。言うまでもなく、まさに約2倍ずつ全長距離がのびていくイメージでしょうか。

では、実際に全長距離の違う出雲大学駅伝の区間記録と箱根駅伝の区間記録は、どの程度違うのでしょうか。もちろん、駅伝はロード競技なので大会ごとにコースやその距離が異なり、単純に比較することはできません。また、1区以外は一斉スタートではないので、2区以降の選手はタスキを受けた順位によっては、区間記録や区間順位にも大きな影響を受けます。

したがって、大会の異なる区間記録を単純に比較することはできません。しかし、区間距離の長さと記録との関係を確認するため、今回は三大駅伝の区間最高記録を比較してみました(各区間とも日本人最高記録を比較)。

まずは、各駅伝の4区にスポットを当ててみました。最初に出雲大学駅伝の4区ですが、その区間距離と区間最高記録は「6.2k=17分20秒」。1kと5kの換算ペースは、「2分48秒と13分59秒」。続いて全日本大学駅伝は、「11.8k=33分3秒」。1kと5kの換算ペースは、「2分48秒と14分00秒」。そして、箱根駅伝は「20.9k=60分24秒」。1kと5kの換算ペースは「2分53秒と14分27秒」。

続いて3区も比較すると、出雲大学駅伝は「8.5k=23分46秒」で「2分48秒と13分59秒」。全日本大学駅伝は「11.9k=33分1秒」で「2分46秒と13分52秒」。箱根駅伝は「21.4k=59分47秒」で「2分48秒と13分58秒」。

あらためて、上記の比較した記録を見て最初に感じるのは、区間距離による記録の優劣差が意外と少ないことでしょうか。これは経験上の話になりますが、ひと区間の距離が5kから20k程度までの駅伝においては、その区間距離に関係なく選手の走っているスピードはそれほど変わらない……。

要は、ロードレース(駅伝など)の場合、距離が短いからと思って最初から突っ込んでも、やはり後半は失速するケースが多く、先日の出雲駅伝でもそんな理由から力を発揮できなかった選手が多かったような……。つまり、選手の心理としては、「距離が短いので最初からガンガン攻める」と強気の姿勢になりますが(最初から力みがある)……。

しかし、現実は最初から突っ込んでも、そのスピードを最後まで維持できる選手は、どの駅伝においてもほとんど見当たらないのが現状でしょうか(詳細は割愛)。昔から駅伝を攻略するポイントとしては、「前半はゆとりを持って入り、中盤は自分のリズムを守って最後にペースアップする」と言われています。実は、シューズ革命による高速化が進んでいる現在の駅伝も、この基本は変わらないと感じた先日の出雲駅伝でした……。

2025秋を走る・6

【2025秋を走る・6】10月も年間計画どおりに強化合宿を実施しておりますが、まだまだ暑ひ日が続いています。特に、ポイント練習を実施した先日の5日と6日は気温が30度前後まで上がり、ほとんど夏合宿に近いようなコンディション下での走り込みとなりました。

特に、5日は距離走、6日はスピード練習(インターバル)と、二日連続のセット練習だったので、どの選手も最後は「根性を見せる」ような状況でした。また、合宿中は毎朝5時30分からコンディションチェック(各種測定など)を実施していますが、セット練習の翌朝となった7日早朝の数値はどの選手も……。

そんなコンディションが続いている中、今回の強化合宿にはM高史さんが、かけつけてくれました。ご存知のとおり、M高史さんは川内優輝選手のモノマネなどで有名ですが、今では執筆活動や各種大会での実況担当(YouTube配信)など、その活躍は多岐にわたり、留まるところを知りません(伴走教室にも積極的)。

さて、そんなM高史さんですが、実は最も力を入れている活動のひとつは、ゲタを使ったエクササイズでしょうか。もちろん、ゲタとはあの履くゲタです。そのゲタを履くことによって、体の重心を体感(確認)しながら正しい姿勢に修正していくのです(簡単に言うと)。

しかし、ゲタと言っても、我々が知っているゲタとは似ているようでかなり違います。そのゲタの形状や種類は様々で、それぞれのゲタごとにエクササイズの目的やポイントが異なります。そして、初めてそれを目にする人にとっては、その種類の多さに驚かされます。

もちろん、M高史さんは、ゲタごとの特性や履き方のポイントなどを全て把握しています。また、今回の強化合宿に持参いただいたゲタ以外にも種類があるとのことでした。

早速、選手たちはそれらのゲタを履いて指導を受けました。特に、視覚障がい選手は「他人の動きを目で見て真似る」ことができません。それは、動きを伴うスポーツなどにとっては致命的なハンディとなります。しかし、ゲタを履くだけで、正しい重心の位置や体重の乗せ方などを把握できるのです。つまり、視覚障がい選手もそのゲタを履くだけで、簡単に重心の位置などを体感し、確認できるのです。

これまで、視覚障がい選手に様々なドリル(動き作りなど)も指導してきましたが、うまく伝わらないケースが多かったのは確かです。しかし今回、M高史さんが推奨する「ゲタのエクササイズ」は、ブラインドマラソン界にも大きな変化をもたらす可能性を秘めていると感じました。

2025秋を走る・5

【2025秋を走る・5】10月に入り、朝晩が涼しくなってきました。少しずつですが、マラソンシーズンに相応しい季節に移ってきたでしょうか。そんな中、千葉県富津市富津公園において「富津合同マラソン練習会」を、いつものように開催しております。

あらためて、同練習会の走り方としては、走力別にいくつかのグループにわかれます。そして、グループごとに設定タイムを変えて、距離走を実施するスタイルです。もちろん、個別の設定タイムに細かく対応できれば良いのですが、そこが難しい課題でもあります。

しかし、このスタイルでの練習会を20年以上も継続していると、それなりに実績やノウハウが蓄積されてきたのも確かです。特に、多くの名コーチと呼ばれた方々のコメントなどにも出てくる、「ゆとりを持って走り込む」。このフレーズがいかに重要で正しいかを証明してきたような練習会でもありました。

もちろん、マラソントレーニングは多岐に渡り、ランナーの数だけ攻略方法は存在すると言っても過言ではありません。しかし、「ゆとりを持って走り込む」ことがどれだけ重要な要素なのかは、繰り返し継続していかないと理解できない点でもあります。

さて、富津合同マラソン練習会において、最も速いグループの設定タイムは原則として「4分30秒/k」としています。そして、確実に言えることは、その設定タイムはかなり遅いことです。しかし、マラソンに向けた「強固な土台をつくる」ためには、その設定タイムで繰り返し「30kから40kの距離走」を集団で確実に繰り返していく流れにたどり着いたのです。

そして、そのポイントは「ゆとりを持って走り、途中でペースを上げない」ことになります。この設定タイムの距離走が定着するようになってから、富津合同マラソン練習会で走り込む市民ランナーたちのマラソンタイムは確実に短縮されるようになっていきました。具体的な過去のマラソン実績タイムを振り返ると、男女とも2時間40分突破までは確実にこの設定タイムの距離走で到達しています。

「えっ!そんなわけない!」と、信じられないかもしれませんが、この遅い設定タイムの距離走を週末ごとに継続することで、いわゆるスタミナが雪だるま式に蓄積されていくイメージでしょうか。まさに「ゆとりを持って走り込む」。同時に、「どんなコンディション下でも確実に走り切る(走り切れる)」をコンスタントに繰り返す。

至極当然のことですが、マラソントレーニングにおいては、「継続(積み重ね)が最大のポイント」になるのは間違いありません。少なくともこの富津合同マラソン練習会の経験と実績から学んだ、「古くて新しいノウハウ」でもあるのです。

2025秋を走る・4

【2025秋を走る・4】手元の温度計では、日中の気温は相変わらず30度前後まで上がりますが、湿度が50%以下に下がってきました。また、朝晩も涼しく感じられるようになってきたでしょうか。

そんな中、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。そして、これも毎年恒例のことですが、今回の強化合宿から来年の3月までは、この富津で走り込んでいきます。

そしてこの間、12月の防府読売マラソン大会と、来年2月の別府大分毎日マラソン大会の2大会を目標に強化合宿を重ねていきます。まずは、12月の防府読売マラソン大会が最初のターゲットになり、11月前半までの強化合宿においては、距離走(30k~40k)が軸になっていく計画です。

一方、上記したように、多少は涼しくなってきましたが、日中の気温は30度前後と高いので、依然として厳しいコンディションが続いているのは確かです。また、気温が高い日がこの後も続く予報なので、暑熱対策も継続しながら走り込んでいく必要もあります。

もはや、「今年は異常だった」ではなく、暑い夏はずっと続くことが「常態化」していると考え、過去の経験にとらわれない対応も必要になっているとも言えるのでしょう。そして、確実に言えることは、いつの時代もその環境にいち早く順化した選手が、勝ち残っていくことでしょうか。

さて、我々と同じ来年の3月までの富津には、箱根駅伝を目指す学生選手や実業団選手たちが戻ってきます。今回の合宿中も来月の箱根駅伝予選会突破を目指す大学が走り込んでいました。これも毎年のことですが、箱根駅伝予選会までちょうど1ヵ月前後と迫っている時期なので、各大学の練習風景にも緊迫感が漂っています。

もはや箱根駅伝は大学の部活動の域に留まらず、大学としても少子化の中で生き残っていくための経営手段のひとつとして、大きな役割を担っている存在とも言えるでしょう(詳細は割愛)。そんな視点で走り込んでいる各大学を拝見していると、学生選手たちを指導しているスタッフ陣の数や顔ぶれが、年々手厚くなっていると感じます。

もちろん、パラリンピックを目指している我々としても、箱根駅伝の進化に食らい付いていく大学側の強化に対する取組姿勢は、参考にする点が……。

2025秋を走る・3

【2025秋を走る・3】先日の三連休を活用し、千葉県富津市富津公園において練習会のメンバーたちと合宿を実施しました。厳しい残暑の中でしたが、それぞれのペースでしっかりと走り込みができました。

さて、東京世界陸上も開幕し、ちょうど我々の合宿と同じ日程で男女のマラソンも実施され、女子の小林香菜選手が7位入賞と健闘しました。また、個人的にはもっと過酷なコンディションになると思っていましたが、そこまで気温も湿度も上がらなかったように感じました。

また、東京世界陸上で、日本代表選手としてマラソンを走った男女の選手たちは、どの国よりも科学的な最先端の暑熱対策を取り入れ、さらに地の利を生かした戦略と戦術で勝負しましたが……。

あらためて、今回の東京世界陸上はもちろん、オリンピックやパラリンピックなど、国際大会の多くは真夏に開催されることが多く、どの競技や選手たちにとっても「暑熱対策」は必須になります。かくいう私もパラリンピックの視覚障がいマラソン強化に深く関係しているので、夏の暑熱対策は年間スケジュールに必ず組み込んでいます。

近年は、科学的なデータをベースにした様々な対策を取り入れ、それらを試してきました。もちろん、一定の成果もあり、気温が35度を超えるような過酷なコンディション下においても、「40k走」などのハードトレーニングを安全に実施することも可能になりました。

一方、そもそも暑さが苦手な選手がいるのも事実で、どんな対策を講じても夏マラソンをうまく走れない選手がいるのも確かです。もちろん、それぞれが何とか克服しようと努力するのですが、そう簡単なことではありません。

しかし、単純に夏マラソンを無事に完走することが目的であるなら、今の暑熱対策は十分に機能していると言えます。しかし、世界と戦う選手たちは完走することに「速さと強さ」をプラスします。したがって、科学を超えた「我慢や忍耐」を伴う要素も重なってくるので、対策もより複雑です(安田の主観)……。

2028年開催予定のロスオリンピックやパラリンピックも暑い中での勝負は必至です。しかし、それに向けた暑熱対策を試せる夏もあと2回。これまで積み重ねてきた経験やデータをフル活用できるように準備していきます。

2025秋を走る・2

【2025秋を走る・2】日本ブラインドマラソン協会が主催する伴走養成研修会が滋賀県野洲市において開催され、私も講師として参加してきました。今回も多くの熱心な受講者にご参加いただき、充実した研修会を実施することができました。

そして何よりも、実技の会場となった希望が丘文化公園内には陸上競技もあり、視覚障がいランナーたちも安全に走れる環境が整っていました。また、この公園は、滋賀県内を主な活動拠点とし、ブラインドマラソンの普及と発展に大きな貢献をしてきた「びわこタイマーズ」も練習拠点にしています。

そんな素晴らしい環境下で、今回の伴走者養成研修会を無事に実施することができました。まずは厳しい残暑が続く中でしたが、ご参加いただいた皆様、たいへんお疲れさまでした。あらためて、御礼申し上げます。

同様に、研修会の講師として、アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずきさんをはじめ、多くの方のお力添えもありました。重ねて御礼申し上げます。

さて、研修会の実技講習をしているときにいつも感じる点があります。特に、研修会に参加している視覚障がいランナーとその伴走者は、とても楽しそうに走るのですが、そのときに手足がしっかりと合っていない(シンクロしてない)コンビが実に多いことです。

もちろん、どの伴走者も視覚障がいランナーも伴走ロープ(絆)を持って走る際、最も大切なポイントは「手足を合わせる(シンクロさせる)」ことを、十分に理解しているはずなのですが……。

あらためて、人間の習性として「他人のリズムに合わせることが苦手」と、この研修会を通じていつも思ってしまいます。一方、一緒に二人で並走している以外の時間も実に仲が良く、とても楽しそうな時間を共有しているコンビが多いのも確かです。

これまで私が関係してきた視覚障がいランナーは、主にパラリンピックなどでメダル獲得を目標に走ることが何よりも優先されてきました。もちろん、伴走者も……。したがって、視覚障がいマラソンを速く走るための優先順位としては「伴走の技術(+走力)」が第一になります。つまり、まずはお互いがしっかりとシンクロして走っているか否かです。

ところが、今回のような研修会に参加される方の多くは、「楽しく生き生きと走る」ことが第一で、伴走の技術はほとんど気にしない(気の合う人と走りたい)。とても極端な見方になっていますが、要はどちらが良いか悪いかではなく、どんなスポーツも「強化と普及」は車の両輪として必ずセットで考えます。したがって、両方とも大切なことは確かなのですが……。

今回の伴走養成研修会も、私自身がいろいろと考える良い機会になったのも確かでした……。

2025秋を走る・1

【2025秋を走る・1】猛暑の中での開催も懸念されていた今年の「北海道マラソン」でしたが、当日の気温は30度を超えることなく、無事に終了しました。また、今年も視覚障がいの部を実施いただき、パラリンピックを目指す強化指定選手はもちろん、一般の視覚障がいランナーたちも多数出場することができました。

まずは、大会関係者のご理解とご尽力に対し、あらためて御礼申し上げます。

さて、今大会は「MGCシリーズ2025-26(男子G2/女子G2)」に指定された大会でした。したがって、「2時間12分00秒以内で日本人男子3位以内、2時間32分00秒以内で日本人女子3位以内」の選手には、ロサンゼルス五輪マラソンの最終選考会となる「MGC」の出場権が与えられます。

果たして結果は……。

男子は上位3選手が2時間12分を突破。女子は上位2選手が2時間32分を突破し、男女5名の選手が、MGCの出場権を獲得しました。そのレースは男女ともMGC出場設定タイムを突破できるか否か、ギリギリのタイムを維持しながらゴールまで競い合う展開となりました。

特に、男子の3位に入賞した選手は2時間11分59秒でゴールし、女子の2位に入賞した選手は2時間31分57秒でゴール。ともにあと数秒遅ければ、MGCを逃していた本当にギリギリのタイムでした。

また、同大会のコースは、ゴールに向かう最後の直線道路が数百メートル続きます。したがって、最後のゴールはトラックを走るコースよりもスパートのタイミングなどがつかみにくく、最後の数秒を押し込むのは難しい……(安田の主観)。

そんな中、最後のスパートで、その数秒を押し込んだ粘り強さは称賛に値します。そして、これも私の主観になりますが、42.195kを走ってきて「2時間59分59秒」でゴールするとか、自己記録を「1秒更新」するなど、最後の粘り(押し込む力)で、目の前の壁を突破できる選手は、本当に勝負強いと感じます。

今大会もゴール地点で選手たちの帰りを待っていましたが、その「数秒を押し込む力」は、久々に「手に汗握る」ゴールシーンでした。一方、視覚障がい選手たちもよく健闘しましたが、MGCを獲得した選手たちのような粘り強さは少し欠けていました……。

しかし、ロサンゼルスパラリンピックを目指す上で、最も重要な課題を確認することができた大会であった点は、逆に収穫でもありました。

※おかげさまで、今回の投稿でこのブログも900号となりました(1回/週の投稿)。

2025夏を走る・13

【2025夏を走る・13】8月も終わりに近づくと、「今年も暑かった夏が終わりますね……」。かつてはこのような会話を見聞する時代でしたが……。ところが、昨日のニュースでは、「8月27日、東京都心の猛暑日は10日連続、年間の猛暑日は23日となり、いずれも観測史上1位の記録を更新した。」とのことです。それもお盆を過ぎてからです……。

そんな記録的猛暑日が続く中、今月最後の富津合同マラソン練習会を24日に開催しました。暑さ対策のひとつとして、スタート時間を「8時30分」に早めて実施していますが、その時間はすでに30度を超えていました……。

また、今月末の31日に開催される北海道マラソンに出場するメンバーも多数いるので、今回の練習会を最後の調整として走っている方もいました。とはいうものの、この暑さの中でのペース走が本当に良い調整になっているのか否かは定かではありません。

さて、練習会を主宰する立場としては、かなり無責任な話をしていますが、いわゆる「異常気象」の影響をもろに受ける屋外競技は本当に過酷な状況に陥ってます。特に、長距離・マラソン競技については、「その過酷さを極めている」と言っても過言ではないでしょう。

そこで、あらためて「異常気象」とはどんな現象なのかを確認してみました。

『異常気象とは、普段の天候とはかけ離れた極端な気象のことです。気象庁とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、異常気象を異なる方法で定義しています。気象庁は気象要素が過去30年以上にわたって観測されていないほど極端である様子を、IPCCは気象要素を確率分布に当てはめたときに上位または下位10%に相当する極端な様子を異常気象と呼んでいます。』

一方、その異常気象の対策として、専門家の見解も確認してみました。

『現在の天気予報・気候予測の技術をもってすれば、異常気象をある程度予測することができます。気象庁は1カ月予報や3カ月予報、寒候期予報や暖候期予報を発表しており、農業やビジネスの見通しを立てる際の参考にできます。異常気象だといってただ恐れるのではなく、日々の情報を効果的に活用して対策を講じることが重要です。』

さらに、現時点で発表されている3カ月予報(9月から11月)を確認してみました。

『3カ月を通して平均気温は全国的に「高い」と予想されています。月別に見ると特に9月と10月は全国的に「高い」と予想されています。11月は北日本で「高い」と予想され、東日本は「平年並みか高い」、西日本と沖縄・奄美では「ほぼ平年並み」と予想されています。』

したがって、マラソンシーズンに入っていく秋以降の季節も「暑くて厳しいコンディションが続く可能性が高い」ということでしょうか。つまり、これらのことを考慮しながら対策案を検討してくと、多くのランナーが積み重ねてきた「期分け」によるマラソントレーニング方法も、根底から見直す必要があるのかもしれません(季節感が大きく変わり、過去と同じ計画を実施することが難しい)。

そして、今後のマラソントレーニングは、前例のない季節感や過去の経験にとらわれない考え方や、大胆な実行力も問われる時代に入っていくのかもしれません。

2025夏を走る・12

【2025年夏を走る・12】長野県の菅平高原においてクラブチームの夏季合宿を実施してきました。また、この合宿はかれこれ20年以上続いており、毎年恒例となっております。もちろん、当初から参加頂いているメンバーも健在で、今年もそれぞれが積極的に走り込んでいました。

さて、菅平高原と言えば「ラグビー合宿」です。ちょうど、我々が合宿を実施しているエリアには、大小100面以上のラグビーグラウンドがあります。まさに「ラグビーの夏の聖地」と呼ばれるゆえんです。

かくいう私自身は、ラグビーに関する知識などは持ち合わせていませんが、ラグビー合宿の歴史は古く、菅平高原は冬のスキーに代わる夏の誘客のため、1931年に法政大学ラグビー部の合宿を誘致したのが始まりと言われています。また、それに早稲田大学などが続き、1967年に日本代表が初めて合宿を行うと、一気にチーム数が増えていったそうです。

もちろん、今回の合宿中も菅平高原内にはラグビー選手たちがあふれてすごいことに……。そして、これも菅平高原の目玉とも言えるのが、菅平高原唯一のコンビニであるセブンイレブン菅平高原店でしょうか。また、このセブンイレブンは24時間営業ではなく、開店が早朝7時00分で閉店が午後11時00分と、本来の「セブンイレブン・スタイル」をキープしているのも特徴です。

そして、早朝7時の開店から午後11時の閉店までの間、ラグビー関係者やその他大勢のお客さんで、途切れ目無くごった返します。うわさでは「夏の時期は日本一儲かっている」と聞いたことがありますが、それが「うわさだ」としても十分に納得することができるにぎわいです。

そんな屈強な男たちが集まる夏の菅平高原で、我々の合宿も無事に終えることができました。また、個人的には今年に入って5回目の菅平合宿となりましたが、今年の菅平合宿は全て終了です。

まだまだ厳しい暑さは続きますが、菅平合宿の走り込みで蓄えたスタミナを秋以降のマラソンで発揮できるよう、選手たちと調整していきます。もちろん、場所を厳しい暑さの続く千葉県富津公園に戻して……。

2025夏を走る・11

【2025夏を走る・11】北海道北見合宿は無事に終了しました。まずは、今回もご支援頂いた北見市の皆様、北見プラザホテルの皆様に厚く御礼申し上げます。また、今回の北海道北見合宿は、先月同地で実施した時よりも気温が下がり、天候も雨や曇りになる日も多かったことから、どの選手も計画したトレーニング内容をほぼ完ぺきに消化することができました。

その具体的なトレーニング内容については割愛しますが、7泊8日の合宿期間で「40k走」を3本実施することができました。至極当然のことながら視覚障がい選手のトレーニングには、原則としてガイドランナー(伴走者)が必要になります(単独走ができる弱視選手に対しても、走行中の安全を確保する意味でもペーサーが必要になる)。

したがって、40k走を3本実施するためには、ガイドランナーも一緒に3本走ることになります。もちろん、その前提として、7泊8日の合宿に帯同可能な環境を作れるガイドランナーであることが必須条件となります。これについては今回のような強化合宿だけでなく、「国内外の遠征時は、常に視覚障がい選手のスケジュールに合わせ、自身も帯同できるか否か?」は、実は最も重要な課題のひとつになります。

例として、ガイドランナーとしての技術や実績は抜群でも、パラリンピックのような長期遠征をする際、所属先から休暇を取得して帯同できなければそのガイドランナーを選考することは極めて難しくなります(ガイドランナーは視覚障がい選手の日常生活をサポートする役割もあるので)。

このことについは視覚障がい選手たちが、地元で日々のトレーニングを計画的に継続する上でも最重要課題になります。例えば、「日曜日に40k走を計画していたが、急用でその日のガイドランナーがこれなくなった」などのトラブルが起こった時、「電話一本でかけつけてくれる別のガイドランナーも確保しているか否か?」は、さらに重要です。

繰り返しになりますが、ガイドランナーに求められる資質は、伴走の技術や実績以上に「視覚障がい選手のスケジュールに合わせられる」ことが、パラリンピックなどの長期遠征を伴う大会や強化合宿などでは重要視します。要は、単純に伴走の技術や経験が豊富だとか、視覚障がい選手との相性や走力が良いだけでは、そのガイドランナーを日本代表として帯同させることは難しい……。

あらためて、今回の北海道北見合宿においては、箱根駅伝でも活躍している帝京大学駅伝競走部から2名の選手が伴走サポートで全日程参加して頂きました。これは、毎年恒例になっており、選手の伴走だけでなく、単独走ができる弱視選手のペーサーや練習パートナーとしても大車輪のサポートをしてくれます。

至極当然のことになりますが、バリバリの現役学生選手から全日程のサポートを頂くだけで、視覚障がい選手たちのモチベーションも上がり、結果的にはトレーニングの量だけでなく、質も向上するのです。

特に、マラソンなどで視覚障がい選手がガイドランナーと並走(伴走)することは、一般の競技ルール上でも認められています。つまり、視覚障がいランナーも一般ランナーと同じルールと価値観で勝負できる代表的なインクルーシブスポーツなのです。

一方、上記したような視覚障がいランナーをサポートするガイドランナー(伴走者)の「環境整備(休日取得など)」が不可欠なのは、今後も変わらない課題のひとつとして残っていくでしょう。

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