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2010-02

再びマラソン・7

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ここまで、「第二次マラソン期(※)」のトレーニングについて考えてきましたが、いかがだったでしょうか?※1月から3月までのマラソンシーズンをさす。

既に何度も話してきましたが、マラソンを目指していくトレーニング方法や理論については、様々な考え方があります。そして、それらのトレーニング方法や理論が、経験や実践に裏打ちされたものであるなら、どれもが正しいトレーニング方法論となります。逆の言い方をするなら、誰もが平等に成功するマラソントレーニングは存在せず、いかにして自分自身に見合ったトレーニング方法を構築していくかが成功へのカギとなるのです。

このように説明すると「私には難しくてできない」と、あきらめてしまう人が多くいます。しかし、難しく考える必要は全くありません。それは、マラソンを上手に走っている人のマネをすれば良いからです。具体的には、自分と年齢性別や仕事、生活環境等が似ている人の成功体験を聞いて、それをマネしていくのです。

幸い、今はランニングブームの影響もあり、様々なランニング情報を伝えてくれる雑誌やHP等がたくさんあります。その中から自分自身の環境と似ている人の成功体験をピックアップしていき、それを実践していくのです。また、身近にあるクラブチームや練習会等に参加し、自分自身と同じレベルの人から直接話しを聞いてみるのは、更に効果的です・・・。

さて、今週末はいよいよ「東京マラソン」です。そして、これを皮切りに、第二次マラソン期後期(※)がはじまります。しかし、トレーニングは逆に、調整段階に入っていきます。何度も話していますが、調整期は「焦ったら休養」を、忘れないようにして下さい。※2月16日から3月末までのマラソンをさす。

また、これからの季節は、寒暖の差が大きくなったり、花粉が舞ったりと、体調管理が難しくなっていきます。同時に、気温が高くなる日も多くなります。具体的には、気温が15度をこえてくると、脱水症状に陥る確率が一気に高くなっていきます。ところが、多くの人はここまでのマラソンにおいて、暑さや給水対策について真剣に考えることは、ほとんどなかったと思います。

しかし、これからは春のマラソンへと移行していくので、暑さや給水対策は最重要事項となっていきます。もちろん、日々の体調管理の中にも脱水対策(※)を、確実に加えていく必要もあります。※ウォーターローディング。

そして、マラソンは万全の体調でスタートラインに立てるかどうかの勝負でもあります。最後の最後まで投げ出さず、体調管理をより重視していきましょう・・・。

再びマラソン・6

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今回は、具体的にハーフマラソンを活用した走り方を考えていきます。はじめに、皆さんはハーフマラソンを走るとき、どんなイメージを持ってスタートしているでしょうか?

実は、ハーフマラソンを活用するときはもちろん、ハーフマラソンを攻略するポイントのひとつとして、その距離をどのようにとらえるのかが重要になってきます。大きく二つにわけると、「マラソンの半分だから短い」と思う人と、「10kの倍だから長い」と、思う人にわかれると思います。もちろん、個々にマラソンを走った回数や10kのスピードがある人とでは、とらえ方も違って当然のことですが・・・。

そして、更にもうひとつ、「ハーフマラソンは10kの延長だが、ハーフマラソンの延長はマラソンではない」と、言うとらえ方です。もう少し別の言い方をすると、マラソンでは、ハーフ通過タイムをハーフマラソンの自己ベストタイム前後で通過すると、ほぼ間違いなく後半失速します。ところが、ハーフマラソンでは、10k通過を10kの自己ベストタイム前後で通過すると、かなりの高確率で自己記録を更新できます(経験上)。

もちろん、個人差も大きく上記のことが、全てのランナーに当てはまるわけではありません。しかし、このとらえ方を活かしたハーフマラソンの走り方をすると、逆にマラソンに向けた走り込み不足の人には、良い場合があります。

具体的には、走り込みが不足した人の走り方として、前半から攻めの走りをするのです。それはまさに、10k通過を10kの自己ベストタイム前後を意識して走ります。しかし、走り込みが不足していることから、特に15k以降は失速する確率が高くなります。しかも、マラソンの30k以降に近い感覚でかなり苦しむはずです。

そのため、失速したことがトラウマになってしまうのでは?・・・と、逆に不安がる人も当然いることでしょう。しかし、この失速して苦しむことが大きなポイントで、この苦しんだハーフマラソン以降は、身体がスタミナを蓄えようとしていきます(専門的な話は割愛します)。

また、実際のマラソンでは、どんなに速い選手でも10k通過を10kの自己ベストタイムで通過する設定にはしません(笑)。つまり、ハーフマラソンで前半から速い動きを経験したことで、逆にマラソンでは、かなりの余裕を持って走ることが可能となるのです。

以上のように少々荒業ですが、マラソンに向けた走り込みが不足している人は、ハーフマラソンを活用することで、逆に良い結果へと導ける場合もあります。しかし、この方法は怪我や故障のリスクも高く、マラソン毎にはおすすめできません。

マラソントレーニングは、じっくりと時間をかけ、マラソンを走りきるための「気持ちと身体」を段階的に作っていくことが基本であり、重要なことです。この点は、常に忘れないようにしましょう。

つづく。

再びマラソン・5

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今回から走り込みが思うように実施できなかった「グループ2」と「グループ3」の人が、ハーフマラソンを活用した場合の走り方を考えていきます。・・・とその前に、マラソントレーニングの一環としてハーフマラソンを走ることについて、私の経験上の話を少し記載しておきます。

多くの選手(市民ランナー)が、マラソンを目標にトレーニングを積み重ねていく段階で、ハーフマラソンや10k等のレースをトレーニングの一環として走っています。かくいう私も、私自身がコーチしている選手(市民ランナー)に対し、やはり同じように各種レースを走るようにすすめたりもします。また、ランニングブームの影響もあり、全国各地ではマラソン大会以上にハーフマラソン大会も数多く開催され、どの大会も大盛況な様子です。

このように、マラソンを目指していく段階で、ハーフマラソンを走ることは、いろいろな意味で一般的になっており、今や自然な流れとも言えます。もちろん、マラソンに向けたトレーニングの一環として走る場合と、単にハーフマラソンを目標にしていく場合とでは、トレーニング内容や調整方法も異なってきます。

その中でもマラソントレーニングの一環として走る場合は、そこまでのマラソントレーニング内容や体調等を加味し、レースでの走り方をしっかりとコントロールする必要があります。特に、そのレースまでのマラソントレーニングが順調な選手ほど、レースでの設定ペースをコントロールすることが重要になってきます。

なぜなら、マラソントレーニングが順調な選手の場合、トレーニングを順調に消化してきた自信(肉体的)が、多少なりともあります。更に、トレーニングの一環としてレースをとらえることにより、精神的にもリラックスした状態でハーフマラソンに挑むことができます。その状態は、肉体的にも精神的にも仕上段階とほぼ同じ、と言っても良いかもしれません。

そしてその結果、かなりの確率で自己記録の更新や、それに近いタイムで走りきる選手が意外と多いのです。ところが、そのレースで力を出し過ぎたことをほとんどの選手は自覚できず、狙ったマラソンに調子が合わなくなる確率も大きくなるのです(私の経験上)。

そんなケースを多く見てきた経験からマラソントレーニングが順調な選手ほど、トレーニングの一環としてハーフマラソン(※)を走ることは、逆にすすめていません。※10kレースがおすすめ。

しかし、走り込みが思うように実施できなかった選手は、そのハーフマラソンをうまく活用する方が良いケースも多く、実際に成功した例も逆に多く見てきました・・・。

つづく。

再びマラソン・4

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今回は、前回とは反対に12月から年末年始にかけて、あまり走り込みができなかったグループについて考えていきます。

◆グループ2).11月から12月のマラソンを走ったあと、忘年会や帰省等に時間をとられ、軽めのジョギング程度を実施するのがやっとだった。◆グループ3).11月から12月のマラソンを走ったあと、故障や風邪をひいてしまいほとんど走れなかった。

ふたつのグループに共通していることは、走り込みを実施しなくてはいけない時期に走り込みができなかったことです。実は、「このグループに該当する人は意外と多い?」と、毎年感じているのですが、皆さんはいかがでしょうか?

また、同時に食生活や生活リズムが乱れ、調子そのものまでも崩している人も見受けられます。何度かこのブログでも記載していますが、マラソンは日々の継続が最も重要です。そのため、どんな理由であろうと、トレーニングを継続していかない限りは、結果につながらないスポーツでもあります。・・・と、頭では理解していても年末年始のトレーニングは、そう簡単にはいきませんよね(涙)。

では、走り込みが不足してしまった人は、どうすれば良いのでしょうか?

一般的に言うと、第二次マラソン期前期でのマラソンは回避し、後期のマラソン(※)にスライドさせるのが賢明です。もしくは、目標タイム設定を見直し、自己記録更新ではなく、今現在の調子に見合った設定タイムに修正した走りをすることです。しかし、現実には後期のマラソンをこれからエントリーすること自体がとても困難な状況です・・・。※2月16日から3月末までの期間に開催されるマラソン。

では、何か対策はないのでしょうか?

実は、あまりおすすめできないのですが、ハーフマラソン大会を活用する方法があります。上記の話と矛盾しますが、1月から2月上旬にかけて全国各地では、ハーフマラソン大会が数多く開催されます。しかも、前期のマラソンを目指している人の多くは、マラソンとセットでハーフマラソンにもエントリーしているパターンが意外と多いのです。そこで、それをそのままセットで活かすのです。

具体的には、目標としているマラソンの2週間から3週間前のハーフマラソン(※)を活用した調整方法です。もちろん誰もが思いつく、とてもありきたりの調整方法に感じますが、どのように走るかが重要なポイントになります。※ハーフマラソン大会のエントリーができなかった人は、トレーニングの20k走に置き換えても構いません。

次回は、そのハーフマラソンの具体的な走り方を含めて、更に考えていきます。

つづく。

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