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2018-06

新・富津合宿

【新・富津合宿】6月30日(土)から2日間の日程で、関東パラ陸上競技選手権大会が東京都町田市において開催されます。今年の同大会は10月に開催されるアジアパラの日本代表選考にも関係する重要な位置付けとなります。

その大会に出場する選手の調整と、8月の北海道マラソンに向けた走り込みを目的とした強化合宿を千葉県富津市において実施しました。日程は、6月22日(金)から6月25日(月)までの3泊4日。

お世話になった宿舎は「ナカヤマイン」になります。聞きなれない名前ですが、今年3月一杯で閉館した富津岬荘から移転した宿舎になります。もちろん、女将さんはじめ従業員の皆様は同じです。

宿舎場所は富津公園内から移転し、富津公園入口交差点から木更津よりに約400mほど戻った道路に面した場所なので、トレーニング環境も全く変わることなく問題ありません。また、宿舎内の環境も視覚障がい選手たちが直ぐに慣れることができたので、旧富津岬荘以上に快適な環境になっております。

さて、今回の強化合宿ですが、スピードを極端に重視する訳でもなく、逆に距離を多く走る訳でもなく、トラック組もマラソン組にとってもほどよい強度と量にしました。また、これから夏に向けても、秋から冬と同じ設定タイムで同じ本数や距離を走ることは危険です。

なぜなら、冬と同じ設定タイムで同じ本数や距離を走っても、夏は気温の上昇と共に心拍数も上がるので、身体に掛かる負荷や強度も上がるからです。このため、暑い中でのトレーニングは、強度や量を考えないと危険です。まさに、そのさじ加減が本当に難しくなります。

特に、夏にレースを控えていて、それに向けた調整は「何をどの程度実施するのか」の判断は、困難を極めると言っても過言ではありません。もちろん、今回の合宿もその点に神経を使いましたが、「実際にレースの結果を見てみないと何とも言えない」と言うのが本音でしょうか。

無責任な言い方になりますが、夏のマラソンはもちろん、夏のレースに向けた調整やそのための体調管理は何度経験しても難しいのです。まずは「やり過ぎない」が暑さ対策の第一歩になります。

夏の北海道

【夏の北海道】日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿も7月と8月は、北海道でも実施します。先週は、その北海道合宿でのトレーニング環境を視察に行ってきましたが、現地入りした日は気温が10度を下回っていたので、とても驚きました。

また、昨年の北海道合宿中は、逆に気温が38度に上昇する日もあり、その日は国内で最も暑い地点にもなりました。ここ数年、異常気象と言う言葉もすっかり定着した感もありますが、2020東京パラが不安になります。

さて、ご存知の方も多いと思いますが、夏の北海道はマラソンや駅伝を目指す実業団チームや学生チームの合宿拠点として定着しています。そのため、トレーニング環境は充実しており、選手やチームを受け入れる体制も十分に整っています。

もちろん、その整った環境は視覚障がい選手たちも十分に活用できます。実際に、2016年のリオパラリンピックでは、北海道合宿での成果がメダル獲得につながりました。

今回、事前視察を実施したのは、新しいトレーニング環境を現地スタッフの方と確認することが最大の目的でした。特にロードでの新しいトレーニングコース確保は東京パラを目指す上でも必須です。

実は、視覚障がい選手の場合、一般選手のように路面の凹凸を自分自身で判断し、回避しながら走っていくことはできません。そのため、意図的に不整地を走るクロスカントリーコースでの走り込みは、残念ながら回避させるのが一般的です。

同様に、一般道路での走り込みも、車のわだちや凹凸がひどい場合、そのコースは走らせません。そのため、一般の選手たちが良いと感じているコースと、視覚障がい選手たちが良いと思っているコースとの間にギャップが存在します。

今回の視察はそれらの問題を解消し、視覚障がい選手が安全に確実に走り込める条件の整ったコースを確認することが目的でした。あらためて、2020東京パラに向け、残された夏はあと2回です。暑さ対策等の課題もありますが、大切な点はどこでどのようなトレーニングを積みながら調子を合わせていくかです。

今年の北海道合宿は、それらの課題を解消していく上で重要な位置付けとなります。

夏の強化合宿

【夏の強化合宿】6月7日(木)から11日(月)の日程で、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を長野県菅平高原において実施しました。今年度に入ってからは、5月連休に続いて2回目の菅平合宿となります。

今回の合宿は、8月の北海道マラソンを目標にするグループと、トラックレースを狙うグループに分け、トレーニングも分けて実施しました。

特に、マラソングループは積極的に走り込む内容です。合宿2日目は片道4kの起伏にとんだコースを4往復する32k走を実施し、3日目はトラックにおいて3万m走。そして、翌日は再び起伏にとんだコースで32k走と、3日連続で30k以上の距離を走り込みました。

また、3日目のトラック3万m走は、膝の負担を軽減させる意味からも設定タイムを同じにして3レーンを走らせたので、実際の距離は長く、負荷も高くなっています。

さて、どんな合宿にも共通しますが、トレーニング内容がハードになっていく上でポイントになってくるのは、ハードなトレーニングを先頭で牽引していけるリーダーの存在です。

実業団チームも学生チームも安定したパフォーマンスを発揮しているチームには、必ずこのハードトレーニングを牽引していける肉体的にも精神的にも強い選手が必ず存在します。いわゆるエースと言われる存在です。

今回の合宿は、そのエースと期待している選手が復活し、ハードトレーニングをしっかりと牽引してくれました。その結果、男子選手はマラソングループ、トラックグループ共に計画どおりのトレーニングを消化することができました。

一方、女子選手の方はこの点に課題が残り、個別にも課題の多い内容となりました。

今更ながら合宿の目的は、狙ったレースで結果を残すためです。そのため、レースに向けたトレーニングや合宿も効率を重視した方が良いと考える指導者もいます。

しかし、そのレースは生き物であり、当日のコンディションは常に違います。また、日本代表として出場するレースは相当なプレッシャーが掛かります。

実は、当日のコンディションやプレッシャーは逆に非効率な部分になります。つまり、効率的なトレーニングを積み重ねても、狙ったレースは必ず非効率になるのです。それを克服するには、ある程度の「量」が必要になります。これから夏に向け、更に走り込んでいきます。

6月のトレーニング

【6月のトレーニング】今年も早いもので、6月に入りました。そして、ここからはいよいよ暑い季節の到来で、日中のランニングは最も厳しい時期に入って行きます。

また、この6月は本格的な夏を前にして、暑さに身体を慣らす意味では、とても大切な月になります。いわゆる暑熱順化と呼ばれるもので、暑さに身体を慣らすためには、やはり暑い中で走ることも必要です。

もちろん無理は禁物ですが、暑さを避け朝夕の涼しい時間帯だけのトレーニングでは、夏の暑さに負けない身体をつくることは難しいと言えます。また、少し先の話しになりますが、ここ近年においては9月以降の本格的な秋のマラソンシーズンに入っても、気温が20度をこえる日が増えてきたように感じます。

実は、夏の暑さを避けてきたランナーの中には、秋のマラソンシーズンに入ってから暑さに負けて、走れない方もいます。よく実りの秋と言いますが、これは夏に鍛えた方に当てはまる言葉であり、夏の暑さを避けた方は、秋以降に調子が上がってくるか否かの判定は難しいと言えます。

そんな視点からもこの6月は暑さに身体を順化させながら夏に備えてほしいと思います。

さて、6月も各種レースが各地で盛んに開催されております。暑さに身体を慣らすと言いつつ、長い距離を走るのはやはり危険が伴います。そこで、日ごろ走る機会の少ない10キロ以下のレースやトラックでの記録会出場を推奨します。

いわゆるスピード強化とも言い、夏の走り込み前に一旦スピードを高めておくのは、秋のマラソンシーズンに向けても効果的です。実際に、正月の箱根駅伝やニューイヤー駅伝を目指すトップ選手たちも、この時期は積極的にトラックレースを走っています。

具体的な距離としては、5000mを中心に走っている選手が圧倒的に多く、この時期に自己記録を更新した選手の多くは、秋の駅伝シーズンに入っても安定したパフォーマンスを発揮する確率が高いと感じます。

つまり、この時期のトラックでの記録と秋からのロードレースの記録は密接な関係にあると言えます。これは、一般の市民ランナーの皆様も同じであり、6月は暑さに身体を順化させつつ、短い距離のレースを積極的に走りましょう。

フィットネスチェック

【フィットネスチェック】東京都北区にある国立スポーツ科学センター(JISS)において、日本ブラインドマラソン協会強化指定選手のフィットネスチェックを実施してきました。

このフィットネスチェックは昨年から実施頂いており、選手ごとの身体能力、メンタル面や栄養面などから現状を科学的に把握することで、これまでのトレーニング効果を確認したり、今後の競技パフォーマンスを予測したりするものです。

かつてはオリンピック候補選手に対するものでしたが、今ではパラリンピック候補選手に対しても対応頂けるようになりました。JISSスタッフの皆様も、視覚障がい選手に対する介助も慣れたもので、各測定時における選手に対する安全対策も完璧です。

あらためて、JISS関係者の皆様方に感謝申し上げます。

さて、選手強化活動の現場では、日々のトレーニングや各種レース時における選手ごとのパフォーマンスを把握し、その結果を振り返り、更に修正して次のステップに進むことを繰り返しています。

しかし、当日のコンディションは常に違っており、選手ごとの調子や状態も常に同じではありません。同じようなパフォーマンスを出したとしても微妙に違っています。では、何がどの程度違っているかを把握していくには、やはり科学的なデータが必要になります。

特に、今回のような身体能力面の測定については、自分自身の身体を正確な数値でとらえることができるので、今後の目標記録の設定やそれに対するトレーニング方法を立案していくのに欠かせません。

そして何より、選手自身の意識改革にもつながり、結果的には日々の日常生活も見直す貴重なきっかけになります。もちろん、我々スタッフも同じですが。

これから暑い季節になります。また、2年後の東京パラリンピックも暑さとの戦いは必至です。いわゆる暑さ対策についても、この国立科学センター(JISS)での測定結果やアドバイスを活かしていきます。

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