Home > Archives > 2017-11

2017-11

マラソンシーズン

【マラソンシーズン】先日の11月26日(日)は、全国各地で大きなマラソン大会が多数開催されました。また、天候もまずまずだった様子で、どの大会も高い完走率でした。

特に、大阪マラソンとつくばマラソンは今年もたいへんな盛り上がりを見せたようです。かくいう私は、視覚障がいマラソン強化合宿のため、どちらの大会にも出向くことができず、出場したランナーたちの快走を祈るのみでしたが…。

さて、その大阪マラソンには、私が携わっている市民ランナーが5名出場し、つくばマラソンには同じく20名の市民ランナーが出場しました。

結果から報告すると、大阪マラソンに出場した5名の内、3名の方が自己新記録を達成。つくばマラソンに出場した20名の内、8名の方が自己新記録達成、2名の方が目標記録達成、更に2名の方がセカンド記録。

まとめると、2つのマラソンを出走した25名の内、11名が自己新記録達成、2名の方が目標記録を達成し、セカンド記録達成が2名となります。

「セカンド記録以上の達成率=15名/25名=60%」

上記は単なる数字の集計になりますが、この1年間の成果を十分に発揮した内容だったと思います。一方で、直前の体調不良等により、思うような走りができなかった方がいるのも事実です。

本格的なマラソンシーズンは始まったばかりなので、次のマラソンに気持ちと身体を切り替え、これまで同様に地道な走り込みを継続してほしいと思います。

もちろん、自己記録を達成できた方々は、成功した要因をしっかりと解析し、次回のマラソンも安定した走りを再現することが大切です。

少し厳しい見方になりますが、2回連続で目標どうりの走りをした方が、はじめてその上のタイムを意識できるようになると思います。要は、快走した次のマラソンがポイントで、同じように気負わず、気持ちにゆとりを持って走ることが重要です。

引き続き、風邪に注意です。

福知山マラソン

【福知山マラソン】京都・福知山マラソンが11月23日に開催されました。さて、この大会は、2000年から2015年の間、全日本盲人マラソン選手権大会も兼務頂き、盲人マラソンの発展と普及に多大な貢献を頂いた大会でもあります。

もちろん、今も同大会は視覚障がいの部を設置頂いており、毎年多くの視覚障がいランナーが参加しております。そして、今年も参加者の中に、1996年アトランタパラリンピックにおいて、視覚障がいマラソンで日本人初の金メダルを獲得した柳川氏の姿もありました。

柳川氏は既に60歳を過ぎ、かつてのような快走は難しい年齢になっていますが、マラソンを純粋に楽しむ姿勢と心は当時のままで、今年も完走第一を目標に伴走者と元気にスタートして行きました。

さて、同大会の制限時間は6時間です。スタートが10時30分なので、夕方の16時30分までにゴールすれば公式な完走となります。果たして柳川氏は、どんな走りを見せてくれるのでしょうか?

私は、ゴール地点で待機しながら、柳川氏の通過タイムを逐次確認しています。最初の10kは、1時間20分24秒です。これは、1kあたり8分のペースとなり、このペースをキープすると、ゴールは5時間30分前後になる計算です。

その後、30k通過までは見事にこのペースを刻んでいるのを確認しました。ところが、40k通過の記録がなかなか確認できません。かなり心配しましたが、5時間29分41秒で40kを通過したのを確認。30kからは、まさかのペースダウンです。また、このペースでいくと、6時間以内の完走が微妙な状況です。

更に、この時点で、視覚障がいの部でゴールしていない選手は、柳川氏を含めて3名でしたが、全員完走をゴール地点で祈るように待ちました。5時間40分から50分の間に柳川氏以外の2選手は無事にゴールし、残るは柳川氏のみです。

時計が5時間55分を過ぎると、ゴールアナウンサーからの応援もラストスパートに入りますが、心の焦りも私の中でピークを迎えました。もうダメかと思ったその時、ほとんど歩いているような走りをする柳川氏と伴走者の姿が目に飛び込んできました。

2人でバンザイをしながらゴールしたタイムは、「5時間57分26秒!」。

こんなにドキドキしながらマラソンを見たのは、1996年のアトランタパラリンピック以来かもしれません。まさに、柳川氏に相応しい見事な「42.195k」でした。

秋の走り込み・9

【秋の走り込み・9】先日の「さいたま国際マラソン大会」を皮切りに本格的なマラソンシーズンの到来となりました。特に、11月最後の日曜日は全国各地で大きなマラソン大会が重なります。

私が主宰する富津合同マラソン練習会に参加している市民ランナー方の多くも、その日に開催されるマラソン大会を目指して走り込んでいます。したがって、これからは最後の調整期にも入っていきます。

何度もこのブログにも記載していますが、調整の基本は「休養」です。つまり、「迷ったら休養」です。と、言いながら最後の距離走もそれぞれの設定タイムで走ります。具体的には、距離を短くし、設定タイムを少し上げていきます。

ところが、ちょうど走り込みの疲労も出てくる時期とも重なってくるので、距離を短くしているにも関わらず、ペースが上がらないケースも出てきます。特に、マラソン大会2週間から3週間前あたりは、疲労もピークになる方も多く、逆に後半ペースダウンすることもあります。

実は、このようなパターンになることは予め予想できるので、自分自身の走りとタイムに動揺したり焦らないことが大切です。しかし、一旦気持ちの中に動揺や焦りを感じると、それは行動につながり易くなります。そして、これから休養しなければいけない最終調整期にも関わらず、再び長い距離走を実施したり、スピード練習を突然実施したりと、本当に墓穴を掘る結果に陥るケースも多いのです。

もちろん、予定どおりの設定タイムで実施できた方は焦る必要もありませんが、逆に設定タイム以上にペースアップし、調子のピークを外す結果になることもあるので、やはり慎重に走ることがポイントになります。

何れにしろ、目標のマラソン大会に向けて1ヵ月を切った調整期は、目に見えない走り込みの疲労も絡んできます。だからこそ、目先の走りやタイムに一喜一憂せず、計画どおりに練習量を調整していく強い意志も不可欠なのです。

調整期の「迷ったら休養」も、実は「強い心」が必要です。そして、最終調整期は自分自身を信じる力も試されます。

秋の走り込み・8

【秋の走り込み・8】11月2日(木)から4泊5日の日程で、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。また、合宿のトレーニング計画は、ちょうど1ヵ月前の10月上旬に実施した強化合宿とほぼ同じです。

前回の合宿は、気温が30度前後まで上昇し、秋とは思えない厳しいコンディションの中での強化合宿となったため、どの選手も暑さに苦しみました。あれから1ヵ月が経過し、ようやくマラソンに向けた走り込みに相応しい気候に落ち着いてきました。

また、前回のブログで記載したとおり、涼しくなったからと言って、いたずらに距離走の設定タイムを上げることなく、主観的強度で「ゆとり(適正設定タイムの範囲で)」を重視した設定タイムで、走り込みを実施しました。どの選手も前回は暑さの中、決められた距離を走り切るのがやっとな感じでしたが、今回は逆に、どの選手もゆとりを持って距離走を走り切っていました。

あらためて、このゆとりを持って走り切ることは重要なポイントになります。それは、同じ内容の強化合宿を連続で実施した目的でもあるからです。つまり、そもそもゆとりある設定タイムで距離走を実施しているにも関わらず、何かの要因で逆にゆとりがほとんどない場合、どの選手も焦ります。そして多くの場合、その焦りから次の距離走では設定タイムを落とすのでなく、逆に上げようとする意識につながるケースが多いと感じます。

その結果、コンディションが良くなったとしても設定タイムを上げた分、逆につぶれるケースも多く、更にその次も同様に設定タイムだけを上げていき、負の連鎖にはまっていくランナーを多く見てきました。

目標のマラソン大会に向け、焦りから何とか後れを取り戻そうとする気持ちは痛いほど伝わってきますが、単に設定タイムを上げることで、帳尻を合わることに成功した事例を目にしたことは、ほとんどありません。(私の経験上)

また、この時期は本人が自覚していなくても、春にスピード強化をしたことや、夏に走り込みをしたことの成果が目に見えるようになってきます。そのため、いたずらに設定タイムを上げたり、軽い気持ちで各種レースに出場したりすると、思いがけない好記録をマークする人も多く見かけます。

しかし、ここで調子に乗って、距離走の設定タイムを上げ過ぎたり、各種レースを走り過ぎたりすると、これまで蓄えてきた力を出し切ってしまう結果となり、狙ったマラソン前に調子を落としてしまうケースは意外に多く、避けた方が良いパターンでもあるのです。

これらの事例からもマラソンの場合、「ゆとりを持つ(適正設定タイムの範囲で)」と言うのは、逆に「我慢をする」と言うことにもつながります。特にこの時期は、マラソンに向けたメンタル面を強化する意味でも「ゆとりを持つ(適正設定タイムの範囲で)」ことを意識してほしいと考えます。

秋の走り込み・7

【秋の走り込み・7】今回は距離走の「ゆとりを持った設定ペース」について更に考えていきます。

あらためて、「距離走はゆとりを持った設定ペースで走る」ことは、誰もが知っていることです。もちろん、そのとおりに実践するか否かは個々の考え方によります。また、多くの方はその日毎に考えて設定ペースを決めていると思いますが、いかがでしょうか。

同様に、目標のマラソンに対し、どの程度前から準備していくかは個人差の大きなところでもありますが、少なくともある一定期間は、いわゆる走り込み期として集中的に距離走を実施する方も多いと思います。

この時、「ゆとりを持った設定ペースで走る」ことを上記したように、その日の距離走毎に設定ペースを変えるランナーも多くいます。そのこと自体を否定しませんが、設定ペースの捉え方として、もうひとつの見方があります。

それは、走り込み期として距離走を集中的に実施するその期間を全て同じに捉える見方です。具体例として10月の1ヵ月間を走り込み期とし、週末毎に30k以上の距離走を実施する場合です。

今年の10月も日曜日は5回あり、30k以上の距離走も最大で5回は実施できましたが、この5回全てを同じ設定ペースで実施する方法です。目標のマラソンタイムから導いた距離走の設定タイム範囲内で、自身の設定タイムを決めたら判を押したようにその設定タイムで距離走を繰り返していく走り方です。

これは、その日の体調や気象条件等に合わせて設定タイムを決める方法とは逆になります。つまり、予めゆとりある設定ペースを決めたら、余程のことがない限り、同じ設定ペースで距離走を繰り返していくので、ランニング中に体感する余裕度に違いが生じます。

具体的には、気象条件が悪い日や疲労が蓄積している時は、同じ設定ペースでも苦しく感じるはずです。逆に、余裕を持って走れるようになった時は、自身の走力が狙い通りにアップしてきたと実感することでもできます。

このように、調子の良し悪し等で設定タイムを変更するのでなく、設定タイムを常に一定にすることで、設定タイムに対する余裕度を確認しながら走り込んでいく方法になります。

Home > Archives > 2017-11

Search
Feeds

ページの先頭へ