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2008-05

ランニングブーム・2

誰でも何処でもはじめられるランニングですが、実際に自分で考えたランニングコースを走ってみると、イメージと違うことが多々あります。例えば、自宅近くの公園も実際に自分の脚で走ってみると、驚くほど狭かったりします。同じように、バスで通っている駅までの道のりを自分の脚で走ってみると、近すぎて汗も出なかった?・・・等々の経験は、意外と多いものです。一方、逆に思い切って職場まで通勤ランをはじめようと自宅をスタートしたが、途中で力尽きてしまい・・・。

何れのケースもランニングコースの設定ミスによるものです。つまり、そのコースが自分自身の走力や体力、更に生活環境や生活リズムとかけ離れていることが、主な原因と思われます。このように、自分の生活スタイルに合ったランニングコースを探すには、幾つかの注意点が必要です。

まず、第一に安全の確保です。車の通りが激しいところや、同じ公園でも人や自転車等が常に密集しているところは、様々な危険が潜んでいるので、避けた方が賢明です。また、仕事の都合上、夜のランニングが主になっている方なら、街灯やナイター設備のある公園や陸上競技場等を利用することは、安全上とても重要です。

そして、実際にランニングをスタートし、ゴールする地点が自宅や職場なのか、それとも車や電車等で移動する場所なのかどうかも重要です。つまり、ランニングウェアーに着替えたりする場所や施設の確保。更に、その荷物や貴重品を安全に保管することが可能かどうかです。よく自分の車を荷物保管に使用するケースもありますが、ひと気のない場所だと車上荒し等の被害にあう可能性もありますので、注意が必要です。

同様に、帰宅途中のランニングについても、その場所が自宅と反対方向だったりすると、ランニング後に帰宅する時間がたいへん遅くなってしまいます。そのため、日々継続していくことが難しくなる方々も見受けられます。つまり、日常生活のリズムが大きく変化するような場所や環境は、あまりお薦めできません。やはり、無理なく日常生活の一部にランニングを組み込んでいくことが第一です。

まずは、その様な視点に立ってもう一度、自宅周辺や通勤途中の環境を見直すことからはじめてみましょう。意外とランニングに適した場所を近所で見つけられたりするものです。そして、他人に合わせるのでなく、自分の生活環境と生活リズムを第一に、自由な発想で自分独自のランニングコースを探してみましょう!

次回は、具体的なランニングコース設定について考えます。

暑さ対策は?

5月25日(日)は、山梨県・山中湖ロードレース大会が開催されます。この大会は、毎年1万人以上のランナー達が参加する伝統ある市民ロードレース大会です。そして、今年はランニングブームも追風に、参加申込者数が更に増加したとのことです。また、この大会々場には「ブルックス」の専用ブースもありますので、是非ともお立ち寄り下さい。

かくいう私も過去に一度だけハーフマラソンの部で「優勝」したことがあります。かなり前の話になりますが、1996年の大会です。この年、同じ職場の先輩が親睦旅行を兼ね、この大会をみんなで走る企画を立てました。私は、走ることより職場の方々とうまいビールを飲む目的で参加しました(笑)。

5月の山中湖は、気温や湿度が高くなり、暑さに慣れていない身体にはかなりこたえます。また、標高も800m前後と微妙な高さで、当時の私は、スタート直後から先頭に立ち、「ゴール後のビール!」だけを目指し、突っ走ったことを覚えています。もちろん距離もハーフなので、うまいビールを飲むために途中の給水は、最初から取る気もありません。

その日の天候は、爽やかに晴渡り、気温もかなり上昇しました。しかし、快調にとばせたのは10k付近までで、15kを過ぎた頃からペースはどんどん鈍りだし・・・残り2kからは、まさに死ぬ思いでした(優勝:68分28秒/写真)。

原因は、天候を無視した前半のオーバーペースと、給水を取らなかったことによる軽い脱水症状だったのです。今更ながらとても危険な走り方です。ゴール地点があと数百メートル先だったら間違いなく歩いていたでしょう。給水の必要性は、当時も十分認識していましたが、ゴール後の「ビール」と、自分自身の走力や体力を過信していたのです。

同じような経験をされた方もいるかもしれませんが、5月以降のレースはいろいろな意味で危険が伴ってきます。身体が暑さに慣れていないのに、気温や湿度はどんどん高くなり、紫外線も強くなってくるからです。至極当然のことですが、レース中の給水をはじめ各種暑さ対策は必要不可欠です。

特に、給水については、レース数日前から水を少しずつ摂取する「ウォーターローディング」をおすすめします。具体的には、仕事中も含め約1時間毎にコップ1杯程度(200cc前後)のミネラルウォーターを飲むようにします(コーヒーやスポーツドリンクはダメです)。これにより、無理なく体内に水分を蓄えることができ、レース中やレース後のダメージを軽減できます・・・。

しかし、何よりも大切なことは、余裕を持ってスタートし、笑顔でゴールすることです。この点を忘れず、スタート後も気持ちにゆとりを持ち、レースを楽しみましょう!

ランニングブーム

あらためて言うまでもありませんが、空前のランニングブームと言われております。ランニングは、誰でも何時でも何処でも、たったひとりではじめられることが最大のメリットであり、今の時代に合っているのかもしれません。更に、以前は男性的なイメージが強く、何となく暗い感じもしたのですが、ここ数年で女性ランナー達が急増し、ランニングに対するイメージも「華やか」で「素敵」に変わってきたと感じます。

一方、ランニングは簡単にはじめられる反面、単純動作の繰返しであるのと同時に、成果が出てくるまで時間が掛かります。実は、ここがランニングの最も難しい点であり、どうやって継続していくかが大きなポイントです。つまり、継続するための工夫が必要不可欠であり、各自の生活スタイルに合った「継続する方法」を確立しているかが、ランニングと楽しく付き合っていくための重要なカギとなります。

具体的には、環境(練習コース、施設等)、パートナー(クラブ、仲間、コーチ等)、グッズ(シューズ、ウェアー等)、・・・等々、いくつかの要素に分類できます。そして、そのどれもが大切であり、それぞれの要素が自分の生活スタイルに合っている方ほど、継続的に充実したランニングライフを送っていると言って良いでしょう。

また、今のランニングブームは、それらの要素が様々なかたちで充実してきたことにも裏付けされており、今後もしっかりと定着していくのではないでしょうか。次回は、それらの要素をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

※天候不順な日が続いております。風邪に注意です。

北京へ

今年は、北京五輪です。そしてその後、北京パラリンピックが開催されます。私は日本盲人マラソン協会(JBMA)のお手伝いもしており、日本代表選手及び伴走者の選考や強化を担当しております(JBMA理事/強化担当)。既に、北京パラリンピック視覚障害者マラソンの日本代表候補選手選考は無事に終わり、3名の選手を選考しました。また、視覚障害者マラソンには、伴走者(ガイドランナー)が必要なクラスもあり、今回の代表候補選手達と同様、各選手に対し伴走者も2名ずつ選考しました。

連休も明け、いよいよ北京に向け本格始動です!このブログでも北京パラリンピックに向けた取り組みや、選手達の様子等々をお伝えしていきたいと思います。

ところで、皆さんは視覚障害者マラソンをご存知でしょうか?その前に、視覚障害者と聞くと、視力を完全に失い暗黒の世界に生活していると誤解してないでしょうか?実は、視力が1.0以上の方もいます。そのため視覚障害者の方でも単独走行が可能な方もいます。つまり、視覚障害と言うのは、総合的な視覚能力に障害があることを言います。

このように、視覚障害者と言っても障害の程度に大きな違いがあり、全く視力のない全盲の選手と、そうでない弱視の選手とでは、大きなハンディが生じます。そこで、そのような問題を解消するため、視力の程度に応じたクラス分けを実施しています。(クラス分けは、全ての障害者スポーツで実施しています。)

視覚障害者の国際クラス分けは、3つに分かれており、視力の弱い方からT11(B1)、T12(B2)、T13(B3)となっています。T11は、「視力は光覚までで、どの距離や方向でも(手の形を)認知できないもの(伴走者有)」。T12は、「手の形を認知できるものから、視力0.03まで、または視野が5度以下のもの(伴走者有無どちらでも可)」。T13は、「視力は0.03以上0.1までのものと、視野が5度以上20度以下のもの(伴走者無)」。従って、パラリンピックの視覚障害者マラソンの金メダルは、クラス毎に3名の選手が手にすることになります。

以上のように、ひと口に視覚障害者マラソンと言っても、見た目の伴走者有無だけで判断することはできません。つまり、国際的な公式競技会に出場するには、国際認定を持った専門のドクターから視力検査及びクラス分け認定を受ける必要があります。同時に、このクラス分け認定を受けることで、選手自身もはじめて世界の舞台で正々堂々と、公平な勝負ができるようになるのです。(詳細は割愛します。)

今日も走る

皆さんは、「なぜ走りだしたのでしょうか?」と、問われたとき、何と答えるでしょうか?単純にダイエットが目的で走りだした方、東京マラソンのテレビを見て影響された方・・・等々、様々なキッカケがあり、どれも走りはじめるには十分な動機付けと・・・。

次に、「なぜ走り続けているのでしょうか?」と、問われたとき、何と答えるでしょうか?体重が落ちてきた、目標の記録を達成した、○○さんに勝てた・・・等々、これも各人が様々な成功体験を通じ、ランニングの楽しさを知ったから・・・。

では、走っている方を世間の人たち(?)は、どう見ているのでしょうか?

私が、社会人になり、市民ランナーとしてひとりで走り続けていた20年ほど前の話です。当時も雨が降ろうが、真夏の炎天下であろうが、走り続けていました。しかし、そんな中で走っている私に対し、「信じられない!」とか「他にすることがないのか!」・・・等々、走っていることを否定的に見たり、意見したりする方が圧倒的に多かったと記憶しています。ところが、最近では当時と全く同じように走っていても、「凄いね!」とか「頑張れ!」・・・等々、走っていることを肯定的に見たり、意見する方が大幅に増加したと感じます。

更にもう少し見方をかえ、自分が車を運転中だったり、バス等に乗っていた時、歩道を少し小太りな50歳前後の男性が走っていたとします。しかもキレイな走り方でなく、服装もまるで息子さんが着ていた体操服のような感じです。さて、皆さんはどう感じるでしょうか?

全く運動経験のない方なら、「私も何かはじめないと」と、自分のお腹を触ったりしないでしょうか?また、同じランナーなら、「私ももっと頑張ろう」と、食い入るようにその姿を目で追わないでしょうか?

時代はかわり、走ることは、誰でもいつでも簡単にはじめることができるスポーツであるのと同時に、周りの方々から「尊敬」される数少ないスポーツに成熟した証拠ではないでしょうか。それも単に速いとか強いとかでなく、どんな方でも走りだした瞬間から、そう評価されるのです。(もちろん、安田個人の意見です。)

と、言うことで、GWの後半は、自信を持って人目の多い街中にも走って行きましょう!

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