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2010-09

富津合同マラソン練習会・3

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今回から富津合同マラソン練習会のメリットとデメリットについてを考えていきますが、メリットやデメリットと言っても、主宰している側が勝手に判断することではありません。至極当然のことながら練習会に参加した各ランナーが判断することです。

同時に、あるランナーにとってはメリットと感じても、別のランナーにとってはそう感じないこともあります。それは、メリットと感じることと、デメリットと感じることは、表裏一体でもあるからです。

そこで、富津合同マラソン練習会のポイント別にそのメリットと、デメリットの両面から考えていきます。※ポイント、デメリット、メリットの順に記載していきます。

◆ポイント1).富津合同マラソン練習会の練習会場は、交通量が少なく、100m毎にポイントした正確で平坦なコースを使用する。◆デメリット1).フラットコースのため、同じ距離でも起伏のあるコースに比べて負荷が軽すぎる。都内から練習会場へのアクセスが悪く、参加しにくい。◆メリット1).正確な距離を、正確なペースを確認しながら走ることができる。練習会に参加するためには、予め起床時間を決めることからはじまり、練習会場に移動するための交通手段を確認したりと、それなりの準備が必要となる。それは、マラソン大会当日と同様な流れとなるので、マラソン大会に参加するための貴重な予行にもなる。

◆ポイント2).距離走は、正確なペースを刻むペースメーカーが、グループ別にペースメークしながら集団で走っていく。◆デメリット2).設定ペース別で走るグループ数が限られているので、そのペースに該当しないランナーは参加しにくい。ペースメーカーの後ろについて走るだけなので、本当のペース感覚を自分自身でつかみにくい。◆メリット2).設定ペースが予め明確なので、目的意識を持って参加できる。現状の走力では難しいと思っているペースでも集団に引っ張られることで、ワンランク上の走りが可能となる。自分にとって速いと感じるペースを正確に体感できる。

◆ポイント3).面識のないランナーたちとも一緒に走るので、モチベーションを高めながら良い刺激を受けることができる。◆デメリット3).ペースメーカーがいるので、他のランナーたちと競い合うことが難しくなる。◆メリット3).ペースメーカーがいるので、集団のペースやリズムを他のランナーに乱される心配が少ない。正確なペースを刻んでいくので、ランナー同士の過当競争も少なくなり、練習のポイントや目的となる範囲を逸脱しない。

以上のように、大きく3つのポイントに絞ることができます。次回は、更に詳しく考えていきます。

つづく。

※写真は、新しい「チャンピオン・ランニングシューズ」です!

盲人マラソン強化合宿

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先日の三連休は、静岡県掛川市において日本盲人マラソン協会主催の強化合宿を実施しました。今回は、その合宿の内容や選手の調子について話していきます。

既にこのブログでも紹介していますが、今年の12月は中国でアジアパラリンピック大会、更に来年1月には、ニュージーランドにおいてIPC世界陸上競技選手権大会が開催されます。もちろん今回の合宿は、その両大会の日本代表候補選手たちも参加し、精力的な走り込みを実施しました。

最初に今回の強化合宿計画を簡単に記載しておきます。◆18日(初日):午前/集合、午後/200m×20本。◆19日(二日目):早朝&午前/各自フリー、午後/30k走。◆20日(三日目):早朝&午前/各自フリー、午後/全国視覚障害者駅伝大会(オープン参加)。・・・以上のような計画ですが、トレーニングコースは起伏の激しい3kの周回コースを使用するので、選手たちにとってはよりハードになります。

また、今回の強化合宿は、二日目の30k走と翌日の10kトライアル(駅伝オープン参加)を二日連続で実施する内容としています。それは、厳しい残暑の中とは言え、夏を乗り越えてきた各選手のスタミナやスピード持久力をより正確に把握するための流れでもあるのです。もちろん、その内容を踏まえ、来月以降のより具体的な戦略を計画していくための最重要合宿とも言えます。

実は今回の合宿は、今年3月に実施した富津強化合宿と同じ流れでもあります(千葉県民マラソン大会の10kに特別招待選手として参加)。しかし、今回の強化合宿は二泊三日のため、二日目は早朝トレーニングを実施することが可能となります。具体的には、早朝6時と午前9時30分に全選手が集合し、各選手が自主トレーニングを実施しました。

その結果、午後の30k走を実施する前に、どの選手も15kから20k程度は走り込むことになります。そのため、午後の30k走は、休日の午前中に実施する30k走よりも体力的には、フルマラソンのレースに近い負荷のトレーニングとなるのです。※全盲の和田選手は別メニューで、60k走を実施。

実際に二日目を終えた時点で比較的余力のあった選手は、弱視の岡村選手のみでした。そして、翌日の駅伝大会については、1チーム5人で20kのところを、2人で20kを走る形式でオープン参加しました。更に、駅伝当日は、30度をこえる厳しい残暑と厳しいアップダウンのあるコースが選手たちをより苦しめました。

さて、この駅伝形式で走る10kのポイントは、既に筋肉痛やスタミナが枯渇している厳しい状況の中で、どこまでスピードをキープして粘り抜けるかです。具体的には、各選手がフルマラソンのベストタイムと同程度のペースで押し切れるかが、現時点の調子を判断するひとつのハードルとなります。

当然のことながら、どの選手も悪戦苦闘しながらの走りでしたが、弱視の岡村選手と全盲の和田選手の2名がそのハードルをクリアーしました。実はこの2名の選手は、来年1月に開催されるIPC世界陸上競技選手権大会のマラソン代表候補選手です。もちろん、他の選手たちも粘り強い走りを見せ、11月のマラソンを狙える調子になってきています。

このように今回の合宿も、様々な方のご支援とご協力で無事に終了しました。そして、何よりも故障や怪我をする選手や伴走者がひとりもいなかったことは、ナショナルチームとしての底上げがワンランク上がったことでもあり、10月以降の更なる強化につなげることができます。

今後も皆さまの絶大なるご声援をよろしくお願い申し上げます。

富津合同マラソン練習会・2

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今回から練習会について、私が主宰する富津合同マラソン練習会を実例に考えていきます。最初に、私が主宰している主な練習会はふたつありますので、それぞれを簡単に説明します。

ひとつは、毎週水曜日に開催している「水曜練習会」です。これについては、トラックでの練習会となり、内容もインターバルトレーニングが中心となります。即ち、スピード系の練習会と位置付けています。一方、もうひとつの週末に開催している「富津合同マラソン練習会」は、ロードやクロカンでのペース走やLSDが中心となり、持久系の練習会として開催しています。

また、水曜練習会については、年間を通じてトレーニング内容に大きな変化はなく、淡々と継続しているのが特徴です。しかし、富津合同マラソン練習会については、年間の四季に応じて、同じ持久系の練習会でもトレーニング内容や強度に変化を付けています。特に国内の場合、秋から冬にかけてが、主なフルマラソンシーズンとなります。そのため、富津合同マラソン練習会に関しても春から夏より、秋から冬にかけての季節がメインとなります。つまり、今月から開始した富津合同マラソン練習会をより重視することになります。

具体的には、今月からの富津合同マラソン練習会は「秋季シリーズ」と位置付け、11月中旬までのほぼ毎週末に連続して開催して行きます。そして、その秋季シリーズのターゲットは、11月下旬から12月上旬に開催されるフルマラソンの大会となります。

更に、年明けの1月からは「冬季シリーズ」として、3月中旬までのほぼ毎週末も同様に開催していきます。このシリーズでは、2月末から3月末にかけて開催されるフルマラソンの大会が主なターゲットになります。

このように、富津合同マラソン練習会の大きな特徴として、目指していくフルマラソンの大会時期を明確にした上で、計画的かつ連続で開催していくことです。そのことは至極当然のことですが、マラソン経験の少ない人たちにとっても、この練習会を活用することで、計画的な走り込みが可能になります。

もちろん、10kやハーフマラソン等を目標にしている人や、10月や12月下旬以降に開催されるフルマラソンの大会を目指している人たちにとっても、ちょうど良い練習会になっています。

次回は更に、練習会のメリットやデメリットについて考えていきます。

つづく。

富津合同マラソン練習会・1

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連日、厳しい残暑が続いていますが、夏も終わり9月に突入しました。そして、今月からは秋の本格的なマラソンシーズンに向け、とても重要な走り込み期となります。また、全国各地でマラソンに向けた講習会やイベント、更には各種練習会も数多く開催されるようになり、ランナーなら誰でもマラソンを意識する時期になっていきます。

かくいう私も千葉県富津市富津公園を拠点に、「富津合同マラソン練習会」を主宰しており、先日の日曜日から秋季シリーズを開始したところでもあります。もちろん誰でも気楽に参加できる練習会ですが、そのメリットやデメリットについて、よく吟味した上で参加している人は意外と少ないように感じます。

さて、皆さんは練習会に参加する目的や自分自身の走力等を熟慮した上で、それぞれの練習会に参加しているでしょうか?

また、様々な練習会に手当たり次第参加した結果、逆に自分自身の調子を崩したり、自分自身の身の丈に合った目標タイムが見えなくなったことはないでしょうか?

一般的に練習会は、各種講習会やイベントとは違い、目標のマラソン大会や目標の記録を目指すためにトレーニング計画を作成し、それに沿って走り込んでいきます。そのため、せっかく練習会に参加してもトレーニング内容やレベルが、自分自身の目的や走力とアンマッチしている人を見かけることもあります。

更に、ほとんどの人は週末の休日をメインにし、マラソントレーニングを実施しています。そして、そのトレーニングをより効果的に積重ねていくために各種練習会に参加します。ところが、自家用車や電車を乗り継いで遠くから参加したにも関わらず、その練習会をうまく活用できない人や、たった一回の練習会だけに満足し、トレーニングを継続できない人も過去にいました。

そこでもう一度原点にかえり、「富津合同マラソン練習会」を実例にし、次回から練習会について考えていきます。

つづく。

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