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2022-10

秋を走る・9

【秋を走る・9】この1週間で一段と冷え込んできました。比較的温暖な千葉県富津市においても早朝の冷え込みを感じます。そんな中、10月最後の強化合宿を実施しました。目的は、12月に開催される防府読売マラソン大会に向けた走り込みです。

しかし、そろそろ走り込みの疲労もピークに差し掛かってくる時期でもあります。したがって、全体的には重たい感じが支配的で、合宿計画を微調整する選手も見受けられました。

さて、12月のマラソンに向け、おおむね1ケ月前に当たるこの時期は疲労の蓄積もあり、選手によっては故障ギリギリの状態で踏ん張っているケースもあります。また、選手の心理としては「ここで練習を落としたらもったいない」と、いわゆる根性と気合いだけで走っている選手も散見されてきます。

その結果、本当に故障に追い込まれ、狙ったマラソン大会を断念するケースもありますが、いわゆる「のるか反るか」の考えは賢明ではありません。つまり、疲労の蓄積によって脚などに痛みがあるか否かなど、ここからは自身の状態を客観的に捉え、現実的な判断をしていくことがポイントになるからです。

同様に、過去のトレーニング実績とも照らし合わせ、同じような状態に陥った経験がある場合は、それを参考にすることも良いでしょう。このように、走り込みの疲労がピークに差し掛かるこの時期は、自身の感覚と客観的なデータ(血液検査など)を照らし合わせながら自分の状態を正確につかむことが何よりです。

その結果、今の状態からでも調整可能なゾーンに残っていると判断できるなら、そのまま調整していけます。一方、不安要素が多く、調整が難しいと判断する場合は、逆にいくつかの選択を考えます。

ひとつ目は、当初の目標タイムを下方修正し、何とか出場する方向に持っていく選択です。この場合、どの程度の調子なら最後まで走り切れるかの判断がポイントになります。しかし、下方修正も極端に遅くなるようなケースなら思い切って回避する方が良いでしょう。

そこでふたつ目は、ここまでのマラソン練習を一旦白紙に戻し、体調の回復を最優先する選択。もしくは、12月以降のマラソンに目標をスライドし、今のマラソン練習を修正しながらそのままま継続していく選択になります。

何れにしろ、本格的なマラソンシーズンに突入したばかりのこの時期は、焦る必要はありません。来年3月までをマラソンシーズンと捉えるなら、仕切りなおす時間はタップリとあります。不本意ながら「体調不良」と判断できる方は、ここで無理をしないように……。

秋を走る・8

【秋を走る・8】東京パラリンピックから1年が過ぎました。過ぎてしまえば遠い昔の出来事のような気がするのは、パラリンピックごとに感じることです。私自身は、東京パラで7大会連続のパラリンピックとなりましたが、母国開催だったこともあり、その思いはより強く感じたのかもしれません……。

さて、その東京パラのメイン会場となった新国立競技場を発着点とする東京レガシーハーフマラソン大会が開催されました。そして、そのコースは東京パラのマラソンコースとほぼ同じで、東京パラのマラソンに出場したパラ選手たちにとっては、思い出深いそのコースを走ることができました。

また、2020年4月以降はコロナ禍の影響で、多くのマラソン大会などが中止や延期に追い込まれていただけに、今回のような大会復活を多くの市民ランナー方が待ち望んでいたことでしょう。

まずは、大会開催にご尽力された関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

秋も深まり、いよいよ本格的なマラソンシーズンに突入しておりますが、目標のマラソン大会に向け、練習の一環としてハーフマラソンに出場する方も多いと思います。距離もマラソンの半分であり、ここまでの調子を確認するにはちょうど良いともいえます。

しかし、ハーフマラソンのその距離は20kを超えるので、特にマラソン練習の一環として走る方は目的などを明確にしておく必要があります。その主な理由として、スタートから記録を意識し過ぎると、15k以降は大きく失速するリスクが高まるからです(特に、今回のようにラスト数キロが上り坂の場合)。

そして何よりも、マラソン練習の一環として出場したハーフマラソンにおいて後半失速すると、どんなレベルのランナーでもスタミナへの不安を残すことになります。同時に、後半の失速は脚へのダメージを残すことにもなり、翌日からも続いていくマラソン練習に悪影響を与えます。

これらの点は予め考慮し、前半はマラソンのイメージで抑え気味に走り、後半もペースをキープしながら、少しずつビルドアップしてゴールすることを、個人的には推奨します。今年は多くの大会が復活しているだけに、マラソン練習の一環としてハーフマラソンに出場予定の方は、特に注意してほしいと思います。

秋を走る・7

【秋を走る・7】強化合宿を千葉県富津市で実施する場合、トレーニングのメインとなる距離走(30k~40k)は可能な限り多くのランナーたちと切磋琢磨できるように調整しています。また、何度かこのブログにも記載しましたが、マラソンや長距離種目は、究極の個人競技のひとつです。

しかし、競技の特性上、単独で走り込むより、同じ走力の仲間たちと切磋琢磨しながら走り込む方が、効率的なのも確かです。また、お互いを理解する意味でも、同じマラソンを目指す仲間として一緒に走り込むのは良いことです。

特に、マラソンや長距離種目のトレーニングをわかり易く表現すると「ただ走っているだけ」なので、はじめて会う人はもちろん、老若男女関係なく、誰でも一緒に走れます。つまり、練習会などに初参加しても、自分の走力に合いそうなグループに入り、集団の後ろに黙って付いて走れば良いので、シンプルで簡単なことが何よりの特徴です。

そこに、「過去の実績」や「個々のプライド」など何もなく、ただ一緒に最後まで走り切るだけです。もちろん、途中でそのグループから遅れたり、やめてしまったとしても、誰に迷惑をかける訳でもなく、すべてを自己完結できるのがマラソン練習会なのです。

これは、いわゆるパラスポーツのカテゴリーに入るランナーに対しても同じで、一緒に走ることは全く違和感もなく、問題もありません。どんな人でもマラソン練習会に「参加してみようかな?」と、思い立ったのなら、その練習会が自分自身の走力に合っているか否かを確認し、積極的に参加すべしです。

また、上記したように「ただ走っているだけ」にもかかわらず、練習後はお互いをたたえあう光景を必ず目にします。まさに、マラソン大会のゴールと同じです。これは人間の特性なのか否かは知りませんが、初対面でも同じ目的を持って集団で行動(走る)すると、最後は必ず仲間意識が芽生えています。

その意識は「ただ走っているだけ」のマラソントレーニングにとっては、とても大切な要素です。なぜなら、記録を目指していくほど、さらに「ただ苦しいだけ」の要素も濃くなってくるため、その苦しみを乗り越えていくには、仲間の力が不可欠になってくるからです。

10月に入り、本格的な走り込みに入っていますが、富津合同マラソン練習会を通じて「仲間意識の見える化」を、さらに実践していきます。

秋を走る・6

【秋を走る・6】マラソンシーズンに向け、本格的な走り込みを開始する10月に入りましたが、寒暖の差が大きい1週間となりました。皆様におかれましては、体調など崩していないでしょうか。

ここ数年はコロナ禍の影響で、マスク着用が徹底されたこともあり、逆に風邪をひいた人を見かけることは、ほぼありませんでした。しかし、本来ならこれから風邪やインフルエンザが流行する季節に入ります。

そのため、走り込み期間中に風邪をひいてしまい、狙ったマラソン大会に調子を合わせることが難しくなってしまうケースは、毎年必ず見受けます。まさに、今週のように寒暖の差が大きくなると、体調を崩す確率は高まります。

あらためて、体調管理の徹底をお願いします。

さて、今週末から強化合宿を富津公園において実施しますが、トレーニングの軸は「距離走」です。具体的には40k走をベースとしますが、個々の体調や調子によって距離は調整します。

また、故障が完治したばかりなど、単に調子が悪いとかでなく、いわゆる「病み上がり」の状態である場合は距離ではなく、時間で走ることを推奨します。具体的な方法としては、距離走グループと一緒にスタートし、2時間とか3時間が経過した時点でストップする走り方です。

この場合、いつもより遅い設定タイム(グループ)で走ることがポイントです。脚の状態や体調などを、一歩一歩確認しながらゆとりを持って走ります。そして、スタート後、決めた時間を経過した時点で終わりとし、その時点での脚の状態や体調を確認することも忘れないように。

さらに、10月は「走り込み月間」と意気込んで、走行距離を一気に上げると、一気にケガや故障をおこすことにもなります。この点も十分に注意が必要です。具体的な走行距離の目安は、9月走行距離の2割増し程度に留めると良いでしょう。

何事も一気に上がったら一気に落ちます。特に、走り込みはケガや故障に直結するので、慎重に走り込んでいくことも不可欠です。

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