Home > Archives > 2011-06

2011-06

期分け・11

h23-6-29-3h23-6-29-11h23-6-29-2

今回から「タイムトライアル(1k&3k)」について考えていきますが、トレーニング内容はとてもシンプルです。具体的には、指定した距離を実際のレース同様に全力疾走し、そのタイムを計測するトレーニングです。インターバルトレーニングやペース走のような細かい設定タイム等はありません。単純に今の力を出し切ることが目的のトレーニングとなります。

ところが、このように説明すると、誰でも手軽に実施できるトレーニングになりますが、実際は前回話したように全力疾走する感覚をつかめていないランナーが多いのです。

そこで、最初にこのタイムトライアルを実施する主な目的や狙いをあげておきます。

◆目的1).最初からトップスピードを出していく走り方を身につける。

◆目的2).エネルギーが枯渇し、脚が動かなくなってから更に粘り抜く走り方を身につける。

以上のようにとてもシンプルな内容となりますが、ふたつともマラソンにつながるとても重要な目的となります。「目的1」については、自分自身の限界スピードを知ることによって、逆にマラソンペースを知る目安のポイントになります。同じく「目的2」については、まさにマラソンで35k以降の走り方に直結していきます。ますはこの2点についてしっかりと頭の中で理解しておきましょう。

次にタイムトライアルを実施する際の注意点をいくつかあげてみます。

◆注意1).場所(コース)について:タイムトライアルを実施する場所(コース)については、公園内や河川敷の距離表示を利用しても構いませんが、可能なら距離が正確で細かいラップタイムを計測できるトラックで実施しましょう。

◆注意2).タイムの計測について:タイムの計測については、ストップウォッチ機能の付いた腕時計を必ず利用するようにしましょう。この点については、基本中の基本的なことですが、時計すら持たずに走っているランナーは意外に多く見受けます・・・。

◆注意3).タイムの計測方法について:ランニング仲間と2人以上でタイムトライアルを実施できる場合はお互いにタイムを取り合う方法がより正確で確実です。※タイム計測をする担当者がいる場合は問題ありません。

よくランニングチームの仲間全員で競い合いながら走る光景を目にします。もちろん、とても効果的なトレーニングになりますが、人によっては頑張りすぎてラップタイムを見ることやラップボタンを押せない人もいます。そんなトラブルを防止する意味からも2人以上の場合はペアをつくり、先に走るグループと後に走るグループに分けます。

そして、先に走るグループのときは後に走るグループが、ラップタイムやゴールタイムを計測するようにすれば、より確実で正確なタイムをお互いに記録することが可能となります。この正確な記録を残していく点は常に意識し、雑であいまいな取り組みにならないよう注意していきましょう。また、このときお互いの走りをビデオ撮影しておくと、後でフォーム解析も可能となります。

つづく。

期分け・10

h23-6-22-1h23-6-22-2h23-6-22-3

前回までの話しで、スピード養成につながるひとつの目安となる距離は、5kであることがわかりました。そこで、5kのスピードをアップするためのトレーニングを考えていきますが、別の言い方をするなら5kの自己記録を短縮するためのトレーニングとも言えます。

もちろん、この時期に5kの記録更新を目指すことが、秋のマラソンにつながっていかなくては意味がありません。至極当然のことですが、最終的な目標はマラソンの記録更新であることは、常に意識していくようにしましょう。

では、早速5kの記録更新について考えていきますが、皆さんは5kを全力で走れるでしょうか?

このように問いかけると、ほとんどのランナーが首をかしげます。と、言うより5kを全力で走る感覚がよくわからないランナーが多いと思いますが、いかがでしょうか?

既に何度もこのブログで話していますが、5kを走るスピードもマラソンを走るスピードもほとんど変わらないランナーが多いのです。したがって、マラソンより長いウルトラマラソンに移行していくことは比較的簡単にできるが、より短い距離をより速く走る方にシフトしていくことは難しいと、自分自身で壁をつくっているランナーは意外に多いと感じます。

その大きな理由のひとつは、上記の問いかけのように5kを全力で走る感覚がわからないからなのです。だからこそ逆に、その5kの記録更新ができたなら、それより長い距離である10k以上の距離やマラソンの記録更新につながっていく可能性も高まることでしょう。

また、5kの記録を短縮していく上でポイントになる距離があります。私の経験上の話しになりますが、それは1kと3kです。

1kについては、比較的長い距離を全力疾走するときの目安となる最短の距離となります。3kについては、5kの距離を攻略していく上で重要なポイントとなる距離となります。つまり、この1kと3kの距離を全力疾走していけるようなトレーニングをつむことで、5kの記録更新につながっていきます。

そして、その具体的なトレーニングとして「タイムトライアル」は最も効果的なトレーニング方法のひとつとなります。

次回は、そのタイムトライアルについて考えていきます。

つづく。

ロンドンパラリンピックへの道

h23-6-15-1h23-6-15-2h23-6-15-3

6月11日(土)から1泊2日の日程で千葉県富津市において、盲人マラソン強化合宿を実施しました。※日本盲人マラソン協会主催の強化合宿。

既にご存知のとおり、来年はロンドンパラリンピックが開催されます。したがって、今年度の主な身障者陸上競技大会は日本代表選考を兼ねた重要な位置づけとなり、日本代表入りを目指す選手たちの熱き戦いが期待されます。

日本盲人マラソン協会としても強化指定選手制度を設け、ロンドンパラリンピックにひとりでも多くの代表選手を送り込むことを目的に選手強化を継続しています。

そんなロンドンパラリンピックに出場するため最初の関門となるのが、参加標準記録です。この記録についてはオリンピック同様、種目毎にA標準記録とB標準記録が設定されています。そして、選手たちはIPC公認大会に出場し、決められた期間内にその記録を突破しなくてはいけません。つまり、一般の日本陸連公認大会に出場し、標準記録を突破してもパラリンピックに出場するための公式記録としては認められません。

そのため、パラリンピックに出場するための参加標準記録を目指せる大会は極端に少なく、その数少ない大会に選手たちは調子を合わせる必要があります。つまり、各選手のピーキング能力がパラリンピック代表選手に選出されるか否かの大きなカギとなります。

では、日本盲人マラソン協会の強化指定選手たちが、パラリンピック代表を目指す種目と参加A標準記録を記載します。

◆T11(全盲クラス)1500m:4分38秒00。◆T13&T12(弱視クラス)1500m:4分15秒00。◆T11(全盲クラス)5000m:16分41秒00。◆T12(弱視クラス)5000m:16分00秒00。◆T12&T11(共通)マラソン:2時間55分00。※全盲クラスは伴走要。また、1万mは実施されません。

以上のようになりますが、ロンドンパラリンピックではメダル獲得を目標とし、最低でも入賞を目指せる選手を日本代表に選出したいと考えています。したがって、上記の参加A標準記録より更にレベルの高い記録を強化指定選手たちには要求していくことになります。

それは、数少ない大会(チャンス)で、より高いレベルの記録を目指していくことになり、強化指定選手たちにとっても極めて高いハードルになることは間違いありません。

しかし、これまでの強化合宿や海外遠征等で積み重ねてきた経験と実力をここ一番で必ず発揮してくれると、私は確信しています。

あらためて皆様方の絶大なるご声援をよろしくお願い申し上げます。

期分け・9

h23-6-9-4h23-6-9-3h23-6-9-22

前回までのなかで、マラソンの記録を短縮していくためには10kの記録短縮がひとつのポイントになる話しをしてきました。今回もその10kの記録について考えていきます。

さて、皆さんは10kの距離をどのように感じるでしょうか?

ほとんどの人は、「マラソンの記録は10kのスピードが目安」と聞いても、10kは長いと感じるのではないでしょうか。また、10kを全力で走ったことがない人もいるのではないでしょうか。実際に、マラソンの記録が停滞している市民ランナーの多くは、マラソンを走るスピードも10kを走るスピードもそれほど変わらない人が意外と多いように感じます。

そんな視点から考えると、もう少し短い距離からスピードについて考えていく必要がありそうです。具体的には、10kの半分である5kのスピードから大きな影響を受けています。そこで前回と同じような視点から10kと5kの記録について考えますが、以前にこのブログで記載したとおり、10kと5kの記録には次のような関係があります。

◆10kの記録=5kの記録×2倍+1分。

もちろん、この公式は全てのランナーに当てはまりませんが、走歴を重ねていくと上記のような公式に近づいていきます。(私の経験上)

参考までに前回同様、マラソンの世界記録保持者であるゲブレセラシェ選手と日本記録保持者である高岡選手の1万mと5千mを見てみます。

◆ゲブレセラシェ選手:12分39秒(5千m自己記録)×2倍+1分=26分18秒≒26分22秒(1万m自己記録)。◆高岡選手:13分13秒(5千m自己記録)×2倍+1分=27分26秒≒27分35秒(1万m自己記録)。

このように若干の相違はありますが、ほぼ当てはまっています。つまり、10kの記録短縮を目指すには5kの記録が重要なポイントになります。したがって、スピード養成期でひとつの目安となる記録は5kも関係し、5kの記録を短縮していくことはマラソンの記録短縮につながる可能性も高まります。

次回からスピード養成期の具体的なトレーニングを考えていきます。

つづく。

Home > Archives > 2011-06

Search
Feeds

ページの先頭へ