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2015-10

秋の走り込み・7

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【秋の走り込み・】走り込みには、距離を基準に走り込む方法と、時間を基準に走り込む方法の大きく2つあります。前回は、目安としてマラソンの目標タイムが4時間をこえる市民ランナーの皆様は時間を基準に走り込む方を推奨すると、話しました。

もちろん、それが絶対と言う訳ではありません。実際の距離感をつかむためには、30kや40kを走ることは大切です。また、3時間を目標にしている市民ランナーの皆様は、実際のマラソンでは最低でも3時間前後は動き続けることになります。そのため、ゆっくりでも3時間走り続けることは必要です。

まずは、距離を基準に走り込む「距離走」と、時間を基準に走り込む「時間走」の特徴について考えてみます。

■距離走1).長い距離を走りきることでマラソンに向けた肉体的なスタミナを強化できる。■距離走2).ペース設定が重要となり、ペース感覚が身に付く。逆に後半失速したり途中でやめてしまうリスクがある。■距離走3).予め正確な距離表示のある道路や公園等の場所が必要不可欠。

■時間走1).長い時間走り続けることでマラソンに必要不可欠な精神面のスタミナ強化につながる。■時間走2).ゆっくり走っても速く走っても同じ時間なので、自分自身の身体と対話する能力が高まる。逆に途中で飽きてやめてしまうリスクがある。■時間走3).時間で管理するので、自由気ままにどこでも走ることが可能。

至極当然のことですが、それぞれにメリットとリスクがあります。目標のマラソンに向けて、それぞれのメリットを活かした走り込みが必要です。特に、マラソンの走り込みは距離走を重視する傾向が強いだけに、時間走をうまく取り込むことはマラソン攻略のヒントになると考えます。

具体的には、4時間突破を目指している市民ランナーの皆様は、時間走をポイント練習の前後にうまく取り込むことで、疲労回復とスタミナ強化をミックスさせることができます。

一方、4時間以上を目標にしている市民ランナーの皆様は、長時間ゆっくり走り続けることで、実際のマラソンに必要な肉体面と精神面のスタミナを同時に養成することができます。

距離と時間、同じ長く走るトレーニングですが、それじれのメリットをうまく取り込めるよう、工夫してほしいところです。

秋の走り込み・6

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【秋の走り込み・6】前回、10月は積極的に30kから40kの距離走を実施することを推奨しました。既に、何度かこのブログでもこのテーマについては取り上げておりますが、とても重要なポイントなのであらためて考えていきます。具体的には距離と設定ペースがポイントになります。

特に、設定ペースについての考え方や実施方法については様々で、どれが適切かの判断は難しいことは事実です。しかし、多くの市民ランナーが失敗するパターンとしては、やはりレースペース以上の設定タイムで距離走を繰り返して怪我や故障をしてしまうケースではないでしょうか。

つまり、目標タイムを達成するためには、目標タイムのペースで繰り返し走り込む方法です。その考え方としては否定できませんが、長い距離を何度も繰り返し走り込んでいくマラソントレーニングとしては怪我や故障のリスクが高まるだけになります。

では、実際の設定ペースはどのように考えるのでしょうか?

最も重要なポイントは「ゆとり」です。あらためて言うまでもありませんが、マラソンの設定タイムは、駅伝やトラックレースのように最初からトップスピードで走っていきません。逆にゆとりのあるペースでスタートしていくのがマラソンです。この点が重要なポイントになります。

例として、マラソンの目標タイムが3時間以内(サブスリー)を目指している方のレースペースは「4分15秒/k」となります。したがって、このペースを基準に距離走のペースを導きます。

そして、これまでの経験等もふまえて3時間以内が目標の場合、適切なトレーニングペースのひとつとして「4分30秒/k」を推奨しています。また、更にゆとりを持って「5分00秒/k」まで落としたペースで30kから40kの距離を走り込んでいくこともスタミナ養成には効果的です。

もう少し別の見方をすると、マラソンの目標タイムに対して「85%から95%程度」の強度で走り込んでいけば良いことになります。そして、この考え方はマラソンの目標タイムが4時間(サブフォー)前後あたりまでは、とてもわかり易い指標となります。

もちろん、4時間以上のタイムが目標の方でも問題ありませんが、レースペースが遅くなってくる分、距離より時間を軸にした走り込みにシフトする方法も有効な選択肢となってきます。

お詫び

諸事情により、アクセスのできなかった期間が発生しておりました。

深くお詫び申し上げます。

復帰しましたので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

秋の走り込み・5

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【秋の走り込み・5】いよいよ10月に入りました。この10月は気候的にもランニングに適しており、多くの市民ランナーもマラソンに向けた本格的な走り込みに移行していくのと同時に、本格的なマラソンシーズンに入っていきます。

また、全国各地でマラソン練習会やランニングイベントも盛んになってきます。特に、マラソン練習会はそれぞれのクラブチームで仲間たちと走り込む一般的なスタイルから、希望者ならどなたでも参加できるイベント的なスタイルまで様々です。単独で長い距離を走り込むのは精神的にも厳しいと感じる市民ランナーの方は多いので、これらのマラソン練習会は大いに活用してほしいと思います。

かくいう私も千葉県富津市富津公園において、ほぼ毎週日曜日にマラソン練習会を開催しております。そして、驚くのは県内に在住の方より都内をはじめ県外から参加される方が多く、逆にマラソン練習会を主宰している私どもの方が刺激を受けます。

さて、マラソン練習会のメインは距離走やペース走です。距離なら30kから40kを走り込むスタイルが一般的ですが、「市民ランナーが実業団選手や学生選手たちのように長い距離を走り込んで問題ないのか?」との質問をよく受けます。

とても良い質問であり、とても難しい質問でもあります。単に制限時間内のマラソン完走を目標にするなら週末ごとに30k以上の距離を走る必要は無いかもしれません。しかし、4時間や3時間突破等の具体的な数値目標を掲げてマラソンに挑戦する市民ランナーの方は、ある程度の距離を走ることが必要になってきます。

実業団や学生選手は、走ることを専門としているので、最低でも早朝と午後の2回/日は走ります。したがって、マラソンを目指していない選手でも相当な距離を走り込むことになります。そのため、特に40k走等を実施していない選手でもマラソンを好記録で走り切れてしまうケースは多々あります。※初マラソンで好記録をマークするケース等。

一方、市民ランナーの多くは月間走行距離に換算すると約300kから400k程度も走り込めれば十分ですが、マラソンが専門でない実業団選手や学生選手の半分程度にも満たない計算になります。

もちろん、彼らとの単純比較はできませんが、絶対的な走行距離が不足している市民ランナーだからこそ、逆に週末を活用した距離走は必要不可欠と考えます。

秋の走り込み・4

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【秋の走り込み・4】ゆとりを持って走り込んで、本当に調子が上がってくるのか、多くの市民ランナーは不安になってきます。と、言いながら前回話したように、無理に設定ペースを上げたり、距離をのばすのは危険です。

そこで、10月以降の本格的な走り込みにつなげる意味でも、調子を引き上げるためには何かが必要になってきます。単に、気温が更に下がって走り易いコンディションになるのを待つだけでなく、積極的に体調を引き上げていくためのポイント練習が必要です。

その方法としては、様々な角度から考えていく必要もあり、まずは補助的な方法をいくつか上げてみます。

■補助1).基本動作(ドリル)やストレッチを積極的に取り入れる。■補助2).軽い筋トレや補強運動を定期的に実施する。■補助3).専門のマッサージ等を受け、心身のリフレッシュをはかる。

以上の3点は、ランニングと少し違う角度から調子を引き上げる手段としてどれも効果的です。そして、これらは年間を通じて継続することで更に効果が増してきます。

では、ランニングの視点から考えた具体的なトレーニングを上げると次のような方法が考えられます。

■トレーニング1).200mから400m程度のショートインターバル。■トレーニング2).3000m以下のタイムトライアル。■トレーニング3).8k程度までのビルドアップ走。

これまでの経験から調子を引き上げていく目的としては、上記3つは効果的です。特に、200mのショートインターバルと1000mを全力で1本走るトレーニングは手軽で、調子を判断する意味でもおすすめです。

手足を速く動かそうとする時、脳から脚に指令がでますが、この時期はその指令がうまく脚に伝達できません。そこで、短い距離を一気に駆け抜けるような強い刺激を入れると、筋肉や心肺だけでなく神経系にも刺激が入って効果的です。

単独で実施するには難しいインターバルトレーニングも1000mを1本だけなら我慢する時間も数分以内と誰でも走れます。そして、それだけでも十分に強い刺激が入り、体調や調子を引き上げることにつながるのです。

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