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2020-03

伴走者・3

【伴走者・3】2020東京オリンピックとパラリンピックが来年の開催に延期となりましたが、具体的な開催日程などについてはこれからになります。現場で選手強化に携わっている者とすれば、東京パラリンピックに向け、ブレることなくたんたんと強化活動を継続していく所存です。

さて、ブラインドマラソンには伴走者を必要とする選手もいます。そのため、今回の延期はその伴走者の方々にも様々な影響を与えることにもなります。特に、日本代表候補選手の伴走者は何よりも高い走力が必須となるからです。

ブラインドマラソンの強化において、日本代表選手と一緒に日の丸をつけて共に世界で戦う伴走者を特別に、「競技専門伴走者」と呼んでいます。公式な規程などはありませんが、ある程度目安となる数値(持ちタイム)などは強化合宿や研修会などで発信してきました。

至極当然のことですが、WPA公認レース中に伴走者が何らかのトラブルで走行不能となった場合はブラインド選手も失格となります。選手同様、伴走者もセットで大会エントリーをし、帯同した国際大会においてはドーピング検査の対象にもなるからです。

また、パラリンピックをはじめ国際大会の遠征期間は数週間にも及び、伴走者はブラインド選手の日常生活サポートも全て兼ねることにもなります。もちろん、その間の伴走者にかかる負担やプレッシャーも相当なもので、伴走者が自分自身の調子や体調の維持管理と両立していくことは並大抵のことではありません。

過去のパラリンピックや国際大会においても、遠征期間中に伴走者が故障や体調不良に陥り、ブラインド選手の競技成績に重篤な影響を与えてしまった事例は多々あります。もちろん、伴走者も人間なので常に大丈夫という訳にはいきませんが、国際大会においてはエントリー以外の伴走者はいないのです。

そのため、ブラインドマラソンの日本代表選手と共に世界で戦う競技専門伴走者に求められる最大の条件は、走力になります。伴走者にとって、ブラインド選手とのタイム差が大きいほど、自分自身のゆとりとなり、そのゆとりがブラインド選手の安心感や安定感にもつながるからです。

もちろん、伴走者に求められる要素は気配りや人間性など多岐にわたります。しかし、繰り返しになりますが、競技専門伴走者に求められる最大の条件は走力です。国際大会において取り返しのつかない結果となった過去の事例を振り返ると、その原因の大多数は伴走者の走力不足に起因しているのは見逃せない事実なのです。

代替案・4

【代替案・4】3月に引き続き、4月開催のマラソン大会の多くも注意する情報が伝わってきました。この時期のマラソンや各種大会に出場している多くの市民ランナーの皆様にとっては深刻です。

特に毎週のようにマラソン大会を走ることで走力も上げてきたランナーの皆様にとっては、その影響はより深刻です。まさに過去に前例のない事態に陥っていますが、何とかランニングに対するモチベーションをキープしてほしいと思います。

また、4月からはトラックシーズンにも入り、いわゆるスピード養成に適した季節にも入っていきます。申し込みをしていたマラソンやハーフマラソン大会が中止になり、走る大会が無くなったランナーの皆様もトレーニング内容を切り替え、スピード養成に移行することを推奨します。

いわゆる日本の四季に合った期分けに則り、4月から初夏頃までの間をスピード養成期と位置付け、トレーニング内容を見直してみる絶好の機会にしてはいかがでしょうか。特に、市民ランナーの多くの方は年間を通じて毎月のようにマラソンやハーフマラソンの大会ばかりに出場している方が多いのも事実です。

その結果、マンネリ化と記録の頭打ちに直面している方々を多く見てきました。しかし、自分自身のランニングスタイルを変えていくことは意外と難しく、頭では理解していても実際のレースはマラソンかハーフマラソンしか走らない市民ランナーの方は本当に多いと感じます。

今回、前例のない想定外の出来事になっていますが、逆に自分自身のランニングライフを振り返るには良い機会です。特に、短い距離のレース出場やトレーニング内容の見直しや変更など、出場予定の大会が中止になった今だからこそ、試行錯誤できるチャンスだと考えます。

まさに今年の秋以降のマラソンシーズンに向け、新年度は「スピード養成」から取り組んでみてはいかがでしょうか。

代替案・3

【代替案・3】コロナウィルスの影響がとまりません。各地で開催予定だったマラソン大会は軒並み中止となっており、先行きの不透明感は更に増してきております。同時に、オリパラ出場を目指している選手たちの選考大会にも影響が出始めてきました。

また、様々な情報や風評が交錯しており、正しい情報が何なのかもよくわからない状況ともいえますが、「自分の身体は自分で守る」しかありません。まずはリスクの高そうなところには出向いていかないなど、できることを実行するしかありません。

目標の大会が中止となったランナーの皆様は、前回も記載したタイムトライアルなどの代替案でかわせることは取り入れ、逆に「これまでと違うトレーニングに挑戦できるチャンス」と考えることは必要です。

過去に経験のない事態になってきているからこそ、これまでの経験や実績にとらわれないトレーニング方法やパターンを試してみましょう。幸いなことにマラソントレーニングは、個人でいつでも自由に実施できるのが救いです。

月並みですが、決まったことは真摯に受け止め、新しい試みも積極的にチャレンジですね。

代替案・2

【代替案・2】2月29日から2泊3日の日程で千葉県富津市において強化合宿を実施しました。そして、毎年のことですが、今回の合宿は強化の一環として同地にて開催されている「千葉県民マラソン大会」への参加も恒例となっています。

しかし、3月1日に開催予定の同大会を中止するとの連絡がありました。このため、代替案として大会参加から「10kタイムトライアル」に変更し、当初の日程どおりに強化合宿を実施しました。

また、大会参加を予定していた選手たちがどのように考え行動するかを確認する機会にもなりました。もちろん、大会中止となった状況を判断し、合宿への参加を取りやめる選手もおり、それぞれの考え方や判断を尊重することが第一となります。

3月1日に代替案の10kタイムトライアルを実施しましたが、出走した選手は5名でした。同日9時30分スタートとし、各自が大会参加と同じようにウォーミングアップやそれぞれの準備をして挑みました。

結果は5選手中4選手が自己新記録をマークし、その内3選手が非公式ながら日本記録を更新する好タイムでした。特に、先日の別大マラソンで世界新記録を達成した道下選手は、自身の持つ5000mの日本記録を大幅に上回るハイペースで5kを通過し、そのままのペースでゴールまで押し切る快走でした。

単なるタイムトライアルは大会とは違うので、モチベーションや集中力を高めることは難しく、どんな選手でも自己記録を更新することは本当に難しいと考えます。それだけに、今回走った5選手については走力だけでなく、精神力の向上や強さを確認することができました。

この先も各種大会の動向が不透明なので、今回のようなタイムトライアルなどの代替案を考えながらの強化が続いていくと思われます。選手たちにとってはいろいろな意味で厳しい状況が続くことになりますが、「どんな状況下でも力を出し切れる精神力」を養成する意味でも、逆に代替案をプラスにとらえていきたい。

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