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2014-08

期分け・98

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【期分け・98】今回は、夏の走り込みについてのまとめとなります。いろいろと話しをしてきましたが、最後は週末を活用し、涼しい高原(高地)等で実施する短期合宿についてです。もちろん、思い付きで土地勘も無い場所へ出向いていくことはおすすめできませんが、諸問題を解決している場合は、是非とも実施してほしいと考えます。

しかし一方で、短期間で涼しい高原(高地)等を走っても効果が無いと考えるランナーもいるかもしれません。実際に、ひと昔前はそのように言われていましたが、最近の研究では短期間の高地トレーニングでもそれなりに効果があるとの報告もあります。詳細は割愛しますが、暑い場所で苦しむより、涼しい高原(高地)等で走り込む方が精神的にもリフレッシュできます。

では早速、高原(高地)等での短期合宿についての具体的なトレーニング計画を考えていきますが、はじめに何を目的にわざわざ遠い高原(高地)までいくかです。短期間と言いいながらも「走り込み」なのか、「スピード強化」なのか、それとも…。実は、この目的が曖昧になる市民ランナーが多いのと、現地入りしてからトレーニング計画をガラリと変更してしまう市民ランナーも意外に多いと感じます。

要は短期合宿の場合、あれもこれも実施する時間が無いのと、体力的にもハードになってしまうので、目的を明確に絞ってから現地入りするのが間違いありません。そして、夏の短期合宿は、「走り込み」がメインとなり、秋からのマラソンシーズンに向けても良い流れとなります。まさに、「スタミナ養成(土台づくり)」です。

そして、そのポイントは大きく3つです。

◆ポイント1).ゆっくり長く(LSD)。◆ポイント2).設定タイムを落とす(距離走&ペース走)。◆ポイント3).起伏を活用(クロカン)。

何と言ってもまずは「ゆっくり長く走る(LSD)」ことが、第一歩となります。高原と言っても標高が千メートルをこえてくるので、人によっては調子が上がらない場合も少なからずあります。そんな場合も、ゆっくり動き続けることができれば、短期合宿の目的は十分に果たすことができます。

次に、距離走やペース走ですが、どうしてもいつもと同じペースにしたり、仲間と競い合ってペースを上げ過ぎるケースは本当によく見かけます。その結果、一緒にスタートした仲間全員が失速し、「誰も最後まで走り切れなかった」何てパターンも意外と多いのです。これでは、何のための短期合宿なのか、目的すら分からなくなります。そこで、効果的な具体的方法として、普段実施している距離走やペース走の設定タイムから「30秒/k」程度遅くします。更に、仲間と一緒に最後までじっくりと、余裕を持って走り切るようにします。この時、スタート直後は「こんなに遅くて良いの?」と感じますが、後半はボディブローのように効いてきます。まさに、遅くても効果的なのです。

最後に高原(高地)は、どうしても平地部分が少なく、どこを走っても起伏があります。そこで、その環境をうまく活用し、積極的にその起伏を走るようにすることで、脚筋力の強化にもつながります。もちろん、クロカンコースがあれば積極活用し、登山道やハイキングコース等が設置されているなら、そのコースをゆっくり走ることも効果的と考えます。そして、このときも怪我や故障防止の視点からもペースを絶対に上げないことがポイントとなり、途中で苦しいと感じるなら歩いても十分に効果があります。

期分け・97

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【期分け・97】実業団選手や箱根駅伝選手たちとの相違点である、3つ目について考えていきます。まずは、3つ目の相違点を振り返ってみます。

◆相違点3).いつもと同じ環境の中で暑さ対策を考えていく必要がある。

少し、ネガティブな感じですが、多くの市民ランナーは、実際に涼しい高原等での長期合宿(短期も)を実施することは難しい環境です。したがって、今ある環境の中で何か対策を考えていく必要があります。もちろん、気温が35度をこえるような猛暑の中で走り込むことは、健康的ではありません。

しかし、暑いので何もしないでは、マラソンを目指すと言う意味では逆に「走力の衰え」にもつながっていきます。まさにこの矛盾との戦いが、暑さを克服していくポイントとも言えます。

そこで、具体的な暑さ対策をいくつかあげてみます。

◆対策1).涼しい時間帯を有効活用。

特に、涼しい早朝に走ることを強くおすすめします。なぜなら、早朝練習を実施するには起床時間を決める必要があります。同時に夜更かしができなくなります。そのため、ランナー的生活の基本である「規則正しい生活習慣」を身につけることにもつながります。実は、「規則正しい生活習慣(早朝練習)」を定着させる季節としては、逆に夏が最適なのです。

◆対策2).距離より時間で管理。

気温の高い中において、長距離を走ることは様々なリスクがあります。特に、暑い中において30kとか40kと、走る距離を決めてスタートすることはとても危険です。なぜなら、距離を決めるとペースが気になり、結果的には涼しい季節との比較になってしまい、肉体的にも精神的にもリスクが高くなるからです。そこで「何分走る」と、暑い夏は時間管理にシフトし、ゆっくり動き続けることを意識しながらマラソンに必要不可欠なスタミナの土台をつくることに主眼を置くようにします。もちろん、途中でウォーキングを取り入れ、ランニングと交互に繰り返すことも暑さ対策としては効果的です。

◆対策3).給水の確保。

何と言ってもこれが最重要ですね。特に、多くの市民ランナーは単独で走り込むことが多いので、給水対策も自分自身で考える必要があります。具体的な対策例として、予め給水を準備し、ランニングコース上に置いたり、人目につかない場所に置いたりしますが、肝心な時に準備していた給水が紛失していた話しは良く聞きます。そこで、夏は予めランニングコース上を下見し、自動販売機やコンビニがどこにあるかを確認しておき、小銭を持って走ることをおすすめします。これは、万が一体調不良になった時、助けを求める意味で予防対策にもつながります。

以上、駆け足で暑さ対策について話しをしてきましたが、年々暑さが厳しくなってきているようにも感じます。とてもランニングどころでは無いと言うのが本音ですね。しかし、夏は秋からのマラソンシーズンに向けた基礎体力(スタミナ)を養成する大切な時期でもあります。したがって、上記したことにこだわらず、水泳や山登り等、夏に相応しいスポーツを積極的に取り入れていくことも暑さ対策としては正解です。暑い夏だからこそ、ランニング以外のスポーツにも視野を広げてみることは大切かもしれませんね。

期分け・96

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【期分け・96】引き続き、夏の走り込みについてです。前回は、「夏の走り込み」と言っても実業団選手や箱根駅伝選手たちとは相違点があり、具体例を3つあげました。今回もこの点についてもう少し考えていきます。

◆相違点1).長期合宿のために休日取得が難しい。

一般的な見方になりますが、ほとんどの方は有給休暇と言え、勝手気ままに取得することは難しいと思います。したがって、夏季でも週末を活用した短期合宿や練習会が、走り込みのメインとなります。そして、重要なポイントのひとつとして、短期合宿の場合、合宿地までの移動時間をしっかりと計算しておく必要があります。具体的には、早朝に自宅を出発しても午前中には余裕を持って到着できる移動距離が短期合宿地への移動範囲と考えます。もちろん、夏休みを活用し、2泊以上の合宿を実施する方もいるでしょうが…。

◆相違点2).合宿をサポートしてくれる仲間や環境を確保することが難しい。

合宿地を決めたら、次に宿泊先や現地までの移動手段を確保する必要があります。同時に、うまく確保できた場合、現地に移動してからの動きが重要になります。具体的には仲間から合宿の話しだけ聞き、現地での土地勘が薄い方々だけでいくと、「どこをどのように走るのか」、「聞いていたクロカンコースまで遠すぎて移動できない」等々のトラブルが必ず発生します。同時に、現地練習での給水や備品等の段取りも意外と大変です。

以上の2点については、走り込み以前の話しになります。しかし、物事は何でもそうですが、段取りが大切です。実は、実業団チームや箱根駅伝を目指す大学チームには、優秀なマネジャや主務と言われる専門の裏方が必ず常駐しています。そして、合宿はもちろん、ありとあらゆる段取りやサポートを仕切っています。

したがって、選手たちは、常に「走ること」だけに没頭できます。コーチは、常に「選手を観察」することに没頭できます。このように、強くて安定しているチームには、必ず優秀な裏方がいるのです。

ところが、一般的な市民ランナーの短期合宿や練習会に、このようなサポートできる方を常駐させることは相当難しいと思います。そのため、短期合宿を企画する際はこの点を十分に吟味し、合宿地に精通した仲間の確保や現地での移動手段に必要な車や自転車、練習に必要な給水等の備品をどのように準備するかを、まずはじっくりと吟味することが短期合宿への第一歩となります。

つづく。

期分け・95

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【期分け・96】いよいよ8月に突入し、暑い日々もまだまだ続きそうです。ランニングにとっては過酷な季節が続きますが、走らない訳にはいきません。また、10月以降からはじまる秋のマラソンシーズンに向け、そろそろ走り込みを開始していく季節でもあります。

もちろん、本来なら運動を控えなくてはいけない季節でもあります…。また、これまでもこのブログで何度も取り上げてきましたが、あらためて今回から秋のマラソンに向けた「夏の走り込み」について考えていきます。

はじめに、「夏の走り込み」と聞くと、何をイメージするでしょうか。多くの方は涼しい高原や北海道等で走り込みをしている実業団選手や箱根駅伝選手の姿をイメージすると思いますが、いかがでしょうか。

実際に彼らは暑くなる夏の期間は涼しい場所で長期合宿をしながら走り込んでいきます。その月間走行距離は、箱根駅伝を目指す学生選手でも千キロを軽く超え、マラソンを目指している実業団選手に匹敵する距離を走り込んでいます。

そして、夏の走り込みで培ったスタミナを土台にし、涼しくなっていく季節に沿って量から質へとトレーニング内容を移行していきながら狙っている駅伝やマラソンに仕上げていきます。この大まかなトレーニングの流れや考え方は、市民ランナーも同じになります。

ところが、一般的な市民ランナーのほとんどは、仕事や家庭がメインとなり、ランニングは余暇となります。したがって、実業団選手や箱根駅伝選手たちのように、夏の間涼しい場所で長期間徹底的に走り込むことは、事実上不可能と言ってよいでしょう。

つまり、同じ「夏の走り込み」と言っても市民ランナーの場合、その内容や方法に相応の違いが出てきます。まずは、その相違点をいくつかあげてみます。

◆相違点1).長期合宿のための休日取得が難しい。◆相違点2).合宿をサポートしてくれる仲間や環境を確保することが難しい。◆相違点3).いつもと同じトレーニング環境の中で暑さ対策を考えていく必要がある。

皆さんは、いかがでしょうか。もちろん、上記した3つとは無縁の市民ランナーもいることでしょう。しかし、仮に長期合宿が可能となり、涼しい環境で走り込めたとしても、今度は逆に慣れない環境下で一気に走り込んだ結果、怪我や故障に直結するケースも意外と多いのも事実です。

次回は、この点も含めて更に考えていきます。

つづく。

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