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2010-10

富津合同マラソン練習会・7

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前回に引き続き、「ポイント2」についてですが、今回はランナー側から考えていきます。

さて、皆さんは正確なペースを刻んでくれるペースメーカーの後ろについてペース走や距離走、あるいはレースを経験したことはあるでしょうか?また、ペースメーカーと一緒に走ったことのある人は、どのように感じたでしょうか?更に、ペース走や距離走の途中やレース中の給水は確実にとれているでしょうか?

そこで、富津合同マラソン練習会に参加したランナーたちにその感想を聞いてみると、ほどんどの人が、「走り易かった」、「ペースが逆に遅く感じた」と、話してくれます。同じく給水についても、「走りながらでも確実に給水がとれた」、「確実に給水がとれたので最後までゆとりを持って走れた」、等々の話しを多く耳にします。

その理由として、次の2点があげられます。◆理由1).ペースメーカーは、最初の100mから設定ペースを確認できるので、スタート直後から正確なペースで先導できる。◆理由2).給水は専用ボトルに入れ、手渡しでランナーに渡すので、給水を取り損なう心配がほとんどない。

実はほとんどの練習会では、スタートして最初にラップを確認できるのは、1k地点以上の場合が多く、その地点では既にオーバーペースになっているパターンが意外と多いのです。そのためペースメーカーは、慌ててペースダウンしながら設定ペースに修正します。

ところが、次のポイント地点では逆にペースを落とし過ぎていて、再びペースアップすることになったりします。その結果、ペースのアップダウンを繰り返しながら何とか設定ペースをキープする走りになり、そのペースの変化に対応できない多くのランナー(参加者)は、途中で力尽きてしまうのです。

給水についても、実際のマラソン大会同様に小さな紙コップで給水している練習会が多く、慣れないコップでの給水を取り損なったり、中身のほとんどをこぼしたりします。特に、集団で走っている場合、他の給水トラブルにもつながります。また、気温が高い悪コンディションになった時、給水トラブルはランナー(参加者)の安全や健康に直結する、重大トラブルに発展する確率が高くなります。

そんな中、富津合同マラソン練習会ではシンプルに、「設定ペースのキープ」と「給水の手渡し」を確実に継続してきました。そのことは逆に、練習会に参加するランナーたちの安全と健康を確保してきたのと同時に、走力アップにも結び付いてきたと強く感じます。

つづく。

富津合同マラソン練習会・6

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今回から「ポイント2」について考えていきます。

◆ポイント2).富津合同マラソン練習会の距離走は、正確なペースメーカーがグループ別にペースメークしながら集団で走っていく。

これは、全国どこの練習会でも実施する最も一般的なトレーニング方法です。また、この方法が最も効率的で効果的なトレーニング方法のひとつであることも間違いありません。同時に、ペースメーカーが可能なコーチが一人いれば、少なくともそのコーチが先導するグループは、ほぼ間違いなくトレーニングの目的を達成できる、はずですが・・・。

実は、「ポイント2」については、ペースメーカーを実施するコーチ側と、それについていくランナー側とにわけ、それぞれについて考える必要があります。まずは、ペースメーカーを実施するコーチ側から取り上げていきます。

はじめに、ある一定の走力が備わったランナーなら誰でもできそうなペースメーカーと思いがちですが・・・。このペースメーカーを最初から最後までキッチリとペースを乱さずに全うできるランナーは、意外と少ないのです(私の経験上)。

富津合同マラソン練習会では、原則として1kあたり「4分30秒、5分00秒ペース」と、二つのグループで実施しています。このペースは、多くの市民ランナーにとっては、速いと感じる方のペースに該当します。しかし、実業団や学生時代に活躍したランナーにとっては、ジョギング以下の超スローペースとなります。そのため、現役を引退したばかりのランナーがペースメーカーを実施すると、そのグループのペースが設定より速くなる傾向になり、前半でグループが崩壊するケースも多々あります。

しかし逆に、設定を下げて1kあたり「6分00秒、7分00秒ペース」と、落としていった場合も、今度は遅過ぎて更にうまく走れないと言った珍現象がおこったりします。そこで、同じ目線の市民ランナーがペースメーカーを実施して、30k以上の距離走を実施するとします。ところが、今度はペースが遅い分、長時間走り続ける必要がでてきます。その結果、ペースメーカーの方がスタミナ切れをおこし、最後まで走りきれないケースもありました。

この他にも、後ろについている市民ランナーからペースを乱され、いつの間にかグループ全体が競争になっていくパターンも良くあります。更に、横についているランナーの質問に答えながら走ることで、ペースが大幅に乱されたりと、ペースメーカーに起因する練習会のトラブルは意外と多いのです。

皆さんの練習会は大丈夫でしょうか?

さて、富津合同マラソン練習会では、あえて二つのグループに特化することで、逆にペースメーカーを担当するコーチたちのペース感覚をより高めることにもなり、安定した練習会の継続につながっております。もちろん、ペース感覚の優れたコーチを更に育成し、練習会でのグループを増やしていくことは、最重要課題のひとつです。

しかし、上記のとおり、単に走力だけでペースメーカーとしての適正を判断することは難しく、どの練習会でもペースメーカーのできるコーチを育成していくことは、難しい課題のひとつかもしれませんね。

つづく。

富津合同マラソン練習会・5

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今回も富津合同マラソン練習会の「ポイント1」について考えていきます。前回は、富津合同マラソン練習会を実施しているトレーニングコースについて考えましたが、今回はその練習会場までのアクセスについて取り上げます。

さて、ランニングブームに伴い、ランナーが殺到している場所が都内を中心にいくつかあります。その最も代表的な場所としては、何と言っても皇居があげられます。その理由は様々ですが、主な理由のひとつに「アクセスの良さ」があげられます。

休日はもちろん、平日の仕事帰りでも、地下鉄やJR等を利用することで、どこからでも容易に立ち寄ることが可能です。また、皇居周辺には着替えや荷物を預かる施設も充実していることもランナーたちを後押ししています。しかし、富津合同マラソン練習会を実施している千葉県富津市富津公園は、都内からのアクセスは良いとは言えません。

一方、都内から日帰り可能で、人気のある主なマラソン大会としては、「つくばマラソン大会」、「大田原マラソン大会」、「河口湖マラソン大会」・・・等が、あげられます。もちろん、都内から近いのですが、皇居のようなアクセスではなく、富津公園に行く感覚に近くなります。

そのため大会当日は、◆1).何時に起床して何時の電車やバスにのるのか?◆2).最寄駅から大会会場までのアクセスは?◆3).車で行くなら駐車場はあるのか?◆4).車の渋滞はないのか?◆5).駐車場は会場から近いのか?◆6).大会会場のレイアウトは?◆7).受付場所や受付方法は?◆8).大会会場でのトイレは?◆9).大会会場での着替えや荷物の管理は?◆10).雨天時は大丈夫か?・・・等々の問題を想定しておく必要があります。もちろん、それ以外でもスタート前の食事内容や食事時間など、他にも想定しておく事項はたくさんあります。

ところが更に追い打ちをかけるように、人気大会の当日は、出場ランナーだけでなく、その家族や友人も大会に同行してくるので、会場はたいへんな状況となります。同時に、最寄駅から大会会場への道も人の渋滞が発生し、受付すら間に合わないランナーも最近は目にすることもあります。

近年、大会申込はほとんどIT化され、日々のトレーニングコースもアクセスの良さを最優先し、実施するトレーニング内容も効率を意識しているランナーが増えています。しかし、肝心なマラソン大会は、ある意味どんどん非効率的になってきており、そのギャップのせいで狙った記録や成績を逃がしているランナーも多くなってきていると感じます。

さて、富津合同マラソン練習会にわざわざ参加する意味として、上記のように想定できる様々な問題を予め疑似体験できることにあります。それにより、大会当日の行動パターンの確立や想定外のトラブルにも対応できるようになっていきます。そして前回同様、その積み重ねが調整能力の向上となり、ピーキングの向上にもつながるのです。

つづく。

富津合同マラソン練習会・4

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前回、富津合同マラソン練習会のポイントを大きく3つに絞りました。今回からは、それぞれについて更に詳しく考えていきます。

◆ポイント1).富津合同マラソン練習会の練習会場は交通量も少なく、100m毎にポイントした正確で平坦なコースを使用する。

最初に、マラソンを攻略していく上で、絶対に押さえておく重要なポイントがあります。それは、正確な距離(コース)を走り、正確な記録で競い合う競技が、マラソンであることです。

具体的には、マラソンは「42.195k」と、中途半端な距離のようですが、40kくらいではありません。また、43kくらいでもなく、「42.195k」と正確な距離で競い合う競技です。同じく記録についても、2時間くらいとは言いません。マラソンの記録は、「○時間○○分○○秒」と、正確な時間で記録を残し、その記録で競い合う競技です。

また、マラソントレーニングの効果的な方法として、ペース走やインターバルトレーニングがあります。それは、マラソンに必要なスタミナをつけたり、心肺機能を強化するのに、とても効果的だからです。そして、それらのトレーニングを実施する上で重要な前提条件となるのが、正確な距離を正確なペースで刻んでいけるトレーニングコースとなります。

即ち、マラソンに必要不可欠な「ペース感覚」を養成するには、正確な距離表示があり、可能な限り平坦なコースが、有効的なトレーニングコースとも言えます。実は、その究極のトレーニングコースは、トラックとなるのです。

逆に起伏のあるコースについては、様々なトレーニング効果を期待できますが、一定のペースでアップダウンのあるコースを正確に刻んでいくことは、ベテランランナーでもかなり難しいと言えます。そのため、ペース感覚を養成していくトレーニングコースとしては、おすすめできません。

しかし、富津合同マラソン練習会を開催しているトレーニングコースは、正確な距離表示と、ほぼフラットな周回コースで実施しております。それは、淡々と同じトレーニングをただ繰り返している単調な練習会のように感じます。

ところが、平坦で正確なコースでのトレーニングを継続していくからこそ、逆にその日の調子や体調も正確に把握し易くなります。それは、狙ったマラソン大会に調子を合わせるピーキングの向上にもつながっていきます。

つづく。

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