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2008-08

ランニングシューズ・2

北京オリンピック男子マラソンは、尾方選手の13位が最高順位の結果に終りました。また、各種報道等で今回の男女マラソンについて、様々な意見が見受けられましたが、今後の日本マラソン界が世界と勝負していくための良い切欠にできればと、勝手に願っている次第です・・・。

さて、ランニングシューズについてですが、前回は「怪我や故障から自分自身を守ってくれる唯一の道具(保護具)である」との話をしました。今回も引き続き、ランニングシューズの種類、機能等について考えます。

ランニングシューズは、皆さんもご存知のとおり大きく分けて、トレーニング用とレース用(兼用も)に分けることができます。そして、その目安となる代表的な指標としてシューズの重量(片足)があります。具体的には、約250g〜300g以下がレース用(兼用)となり、約300gをこえる重さのランニングシューズをトレーニング用と指しているケースが多く見受けられます(もちろん判断基準は、メーカーや個人差があります)。

また、ランニングシューズに求められる機能として、屈曲性(曲がりやすさ)、軽量性、クッション性、通気性、安定性、グリップ性、耐久性、等々が挙げられます。そして、それらを総称してフィット性とも言います。

実は、単純に軽いシューズを履いたから足が軽く感じるとは言えず、自分自身にフィットしたシューズ(フィット性の高いシューズ)を履くことで、一般的にトレーニング用と言われているシューズでも軽く感じることができます。その結果、ランニングのパフォーマンスが大きく改善されることが多々あります。つまり、ランニングシューズを選ぶときは、自分自身の足の形(甲の高さ、足幅の広さ、アーチの有無等)を良く知り、自分の足に適しているシューズを選ぶことが重要です。

特に、ランニング経験の浅い初心者や初級者の方は、シューズを選ぶ際、デザインや価格を中心に吟味される方が多く見受けられます。その結果、自分の足にフィットしたシューズでないものを無理に履き続ける方も多く、様々な足のトラブルを抱えることにつながります。特に膝から下(膝も含む)の故障原因については、履き続けているシューズのフィット性に起因するケースが多いのも事実です。

そこで、専門店等で購入する際、まずは自分の足の形状や特徴について実際に測定して頂き、自分自身の足の特徴をしっかりと把握することをおすすめします。その結果、レース用シューズを購入しようとしたが実際はトレーニング用シューズの方が、レースにも最適だったケースもあります。

単純に、各メーカーが説明している性能や特徴にこだわることなく、自分が足を入れたフィット感や足の特徴に合うシューズの中から選ぶようにしてほしいと思います。

北京へ・3

いよいよ北京オリンピックも開幕し、連日熱い戦いが繰り広げられています。そして、オリンピック連覇のかかった野口選手が欠場した女子マラソンも終了。日本代表選手の中村選手は13位。そして、土佐選手は途中棄権と残念な結果に終わりました・・・。

さて、オリンピックが閉幕すると、今度は北京パラリンピックの開幕です。オリンピック以上の熱い戦いが繰り広げられると期待しております。その北京パラリンピック視覚障害者マラソンに出場する日本代表選手団の最後の強化合宿を15日(金)から17日(日)の日程で、長野県菅平高原にて実施しました。合宿は、各選手が伴走者と共に、それぞれの調整計画に沿った内容を順調に消化することができました。

パラリンピック連覇を狙う高橋選手、勢いのある加治佐選手、持ち前の粘り強さに磨きがかかってきた新野選手。ここまで、3名の代表選手並びに6名の伴走者全員が故障もなく順調に仕上がってきております。マラソン当日まで残り1ヵ月となり、ここからは調整です。既に何度か記載しているとおり、調整の基本は休養です。「焦ったら休養、迷ったら休養」です。

そのパラリンピックですが、オリンピックと違い、各障害やその障害の程度に応じたクラスにわかれて競い合います。そのため、パラリンピックが開幕する前に、各選手は障害の部類や程度を確認する「クラスわけ(メディカルチェック)」を受けなければなりません。よって、第一陣の選手や役員は今月30日に北京入りします。もちろん我々マラソンチームも第一陣です。

つまり帰国する9月19日まで、選手と伴走者は選手村の狭い同室で20日以上もの間、全ての行動を共にします。こうなると、単に走りが合うとか走り易いと言っただけの視点では無くなります。選手と伴走者が生活の全てを共にしていくので、お互いの人間性や性格等が全てぶつかり合い、本音ベースになってきます。そして、お互いにそれらを受け入れることで、はじめて日本代表としてスタートラインに立てるようになるのです。

今回のパラリンピックに向け、選手と伴走者は何度も強化合宿や遠征等を共に乗り切ることで、心をひとつにしていくことができました。ところが、パラリンピックが近づいてくるのに伴い、取材等も増え徐々にプレッシャーを感じてきているのも事実です。

しかし、何度も申し上げているとおり3名の日本代表選手には、固い絆で結ばれた伴走者が各2名ずつおります。そして、これまで様々な苦しい練習やレースを克服してきた3人の絆で、重圧やプレッシャーのリスクは1/3に分散し、同時に3倍の力で克服できると確信しております。

あらためて、皆様の絶大なるご声援をお願い申し上げます。

ランニングシューズ

ランニングを楽しむ上で必要不可欠なものと言えば、「ランニングシューズ」ですね。同時に、足腰の故障や怪我から自分自身の身を守ってくれる唯一の道具(保護具)でもあります。皆さんは自分の足に合ったシューズを履いているでしょうか・・・?

と、たずねてみたところで、自信を持って「合っています」と、答えられる方は少ないのではと思います。なぜなら本当に自分に合っているかどうかは、実際に試着し走ってみないと判らないからです。そして、様々なメーカーがランニングシューズを世にたくさん送り出しており、それら全てを試着し、その中から自分の足に合うものを見つけることは、ほぼ不可能だからです。

しかし、同じような走力を持った仲間や同じようなフォームをした仲間、そして、同じような特徴の足をした仲間からシューズの話を聞いたり、実際にシューズを見せてもらうことで、自分に合いそうなシューズを絞っていくことは可能です。

そこで今回から数回シリーズでランニングシューズについて考えます。

現在、私が愛用しているランニングシューズは、「ブルックス(写真中)」のものです。初めて履くようになったのは1997年頃だったので、もう10年以上も愛用しています。ブルックスの全体的な特徴として、「足をしっかり保護する」ことに重点を置いたシューズ開発がポイントです。そして、これからランニングをはじめようとする方が、安心して選んで頂けるモデルも充実しております。もちろん記録や順位を目指している中・上級者の方も大丈夫です(笑)。

さて、具体的な話の前に、私のシューズ遍歴(?)を少し話しておきます。はじめに皆さんの中でもシューズの外側の踵部ばかりが、磨り減る方は意外と多いのでは?実は、私も21才頃まで全くそうで、アキレス腱を痛めたり、腸脛靭帯(膝の外側)を痛めたりと、故障が多く、1年間に数回は痛めていました。ところが、5000mで初めて14分台に突入した22才頃からシューズの踵部が全く磨り減らなくなりました。つまり、特に意識した訳でなく、走力がアップしてスピードがついてきたのと同時に、着地の位置が踵からフラットになっていったのです。これ以来、現在までアキレス腱と腸脛靭帯の故障は全くありません。

また、当時の一般的な理論(?)として、着地は踵からと誰もが話しており、フラット走法の言葉すらありませんでした。しかし、私自身は実体験として、走力がアップしたら踵が磨り減らなくなったので、当時から何となく「踵着地?」と、思っていました。(その当時、速かった選手達の走法を実際に観察していても、ほとんどの選手は踵から着地していなかった。)

その後、マラソンを走るようになると、もともと偏平足気味だった私の足のいわゆる土踏まず部分の筋肉が発達してその部分が盛り上がり、足も若干大きくなりました。実際に20才当時は、26.5cmでしたが、現在は27.5cmのシューズを履いております。参考までに、30才前後までの月間走行距離は、800k〜1000kでした。もちろん、現在は当時の半分程度を走るのがやっとです(笑)。

また、当時は月に1足程度の頻度で新しいシューズを購入していました。そして、誰に教わった訳でなく、走力のアップと共にシューズを選ぶ際は、デザインや新商品より自分の走法や足型の特徴に合ったものを慎重に選ぶようになりました。つまり、「シューズは故障や怪我から自分を守ってくれる唯一の道具(保護具)である」と・・・。

夏を走る・3

8月に入りました。そろそろ具体的な目標となる秋のマラソンを決める時期でもありますね。皆さんは決めたでしょうか?特に、11月中旬から12月上旬にかけて、全国各地でマラソン大会が目白押しです。もちろん初めてマラソンに挑戦しようと考えている方から何度もマラソンを経験されているベテランランナーの方まで、様々なレベルの方が安心して参加できる大会ばかりです。是非ともこの時期のマラソンに挑戦してほしいところです。

そして、この8月はその秋のマラソンを目指した走り込みをスタートさせる時期にあたります。ところが、8月は1年で最も暑い季節でもあり、普通に走ること自体難しかったりします。しかし、走り込みを開始しなければいけない・・・と、この矛盾を解決する練習方法のひとつが、「時間走」なのです。

前回は、初心者の方を対象にした30分間動き続ける方法の話をしました。今回は、その走行時間をどのように増やし、1週間をどのように組み立てていくかを考えていきます。

まず、1週間で何日位走れば良いのか?理想を言えばコンスタントに4日以上は継続してほしいところです。同様に、走力アップを目指しているのなら5日以上は走ってほしいところですが・・・。仕事の関係等で理想どおりにいかない方が多いのも事実ですね。つまりほとんどの方が、週末や休日を中心に走り込んでいくことになってきます。

そこで、前回お話したウォーキングとジョギングをセットにした走り方を、週末時は少し時間を増やしていきます。具体的には、5分ウォーキング+10分ジョギング(給水)を2回繰り返したのを3回繰り返し、まずはトータル時間45分を目標にします。そして、少しずつ慣らしながらトータル時間60分走れる(動き続ける)ことを目指します。※もちろん平日も同じ要領です。

何とか60分間動き続けることができるようになった方は、更にセット数を増やしていくのかと言うと、実はそうではありません。特に時間のある週末や休日は、この60分間をもう一度実施するのです。即ち、早朝:60分間(ウォーキング&ジョギング)+夕方:60分間(ウォーキング&ジョギング)。体力に自信の無い方は、夕方を30分間に短縮しても構いません。

このように1回の走行時間をのばしていくのでなく、1回の走行時間を60分以内に抑え、これを1日に2回(3回)実施するのです。これにより暑さによる体力の消耗と身体に掛かる負担も大幅に軽減させ、更に故障防止もしながら無理なく走り込んでいけます。

◆1週間練習計画例).月曜日:休養、火曜日〜木曜日:(5分ウォーキング+10分ジョギング)×2〜4セット、金曜日:休養、土曜日〜日曜日:(5分ウォーキング+10分ジョギング)×2〜4セット×2回。

以上のように週末や休日を軸にした流れをベースにすることで、無理なく楽しく走り込んでいけます。そして、暑い時期の練習は、「もう少し走れそう」と、感じるところで切り上げることがポイントです。また、「何キロ走った」でなく、動き続ける時間を意識して行きましょう。

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