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2008-10

トレーニング計画・4

前回までは、1週間の中で最も頑張る練習と言うことで、日曜日に実施する練習について考えました。具体的には、各種マラソン大会は日曜日に開催されることが圧倒的に多く、日頃から日曜日にポイント練習を実施していくことで、体調や調子のピークを日曜日に合わせられるように導いていく考え方です。即ち、日曜日のレースに対し、無理なく調子のピークを合わしていける練習の流れです。

では逆に、平日の練習はどのように組み立てていけばよいのでしょうか?

そこで、今回から平日のポイント練習についてですが、日曜日の疲労回復具合も加味して水曜日を軸に火曜日から木曜日あたりに実施する方法で考えていきます。但し、今回は日曜日にポイント練習を実施し、回復時間を48時間前後あけた水曜日に平日のポイント練習を置いたパターンで話を進めていきます。

最初に至極当然のことですが、一般的に水曜日は平日であり、アフターファイブでの練習になる方がほとんどです。よって、水曜日に日曜日と同じような30k以上の距離走や2時間以上のLSDを実施するには、時間的にもかなり難しくなります。また、日曜日と同じような練習を水曜日に実施できたとしても、ほとんどの方はオーバーワークとなり、逆に慢性疲労や故障するケースが著しく増加します(私の経験上)。

まずはそれらも考慮し、水曜日にポイント練習を実施する上での注意点として、◆平日なので長くても1時間以内で終る内容。◆日曜日と違う負荷(刺激)を筋肉や心肺機能に与えられる内容。・・・少なくともこの2点について考慮したポイント練習を吟味してほしいと思います。

と、言ったところでそれらを加味した具体的な練習内容を直ぐにイメージできる方は少ないのではと思います。もちろん私も未だに試行錯誤を繰り返している状況でもあり、偉そうにこれだと言える立場でもありません(汗)。しかし、これまでの経験から幾つかの練習方法は有効的と言えることができます。具体的には、◆インターバルトレーニング(スピード練習)。◆ペース走(レースペースに近い設定タイム)。・・・以上の2パターンの練習です。

「えっ!これなら私も既に実施している!」と、思った方も逆に多いのでは?実は、まさにそのとおりであり、市民ランナーの方から実業団選手(プロ)まで、ほとんどの方々がこの練習を取り入れています。では、なぜ同じ練習を取り入れても記録に違いが出るのでしょうか?

次回は、この点も加味しながらそれぞれの練習について考えていきます。

つづく。

四万十川ウルトラ100kマラソン

先日の19日(日)に開催された「四万十ウルトラ100kマラソン」に初めて参加してきました。と、言っても盲人ランナーである福原選手の伴走です。もちろん私一人で全コースを伴走することは不可能なので、後半の約40kを伴走しました。

最近では、フルマラソンを超える距離を走破する100k以上のウルトラマラソンに挑戦するランナーを多く目にするようになりました。また、ひと口に100kと言ってもどんなに速い方でも7時間前後。一般的には10時間を突破すると上級者となり、12時間以内で完走することもかなりの実力者と言われております。しかし、日常生活の中で日々仕事をしている一般的な8時間でも、拘束されるととても長く感じます(笑)。しかも、その8時間以上も動き続けるなんて・・・と、ウルトラマラソンの経験の無い私は、100kに挑戦する方々の気持ちすら理解できるはずもなく、福原選手と共に高知県に到着しました。

当日は、早朝5時30分のスタートです。もちろん外は真っ暗闇です(笑)。私は前半の伴走者Mさんと知人の車でスタート地点に向かい、福原選手のスタートを見届けた後、その車を運転し、60k地点に向かいました。途中、時間もあり過ぎるので、一旦宿泊ホテルに戻り、一人食事をしてから再出発です。

先頭の選手が目の前を通過したのは、スタートしてから4時間以上経った9時40分過ぎでした。初めて見る100kの選手達・・・、意外と元気な上、スピード感がある動きには正直驚きました。さて、福原選手ですが、目標タイムを8時間20分としていたので、私のところに約5時間前後で到着する予定です。時間にして10時30分前後でしたが、なかなか到着しません・・・。

予定より20分以上の遅れで、私が伴走交代しました。タイムこそかなり遅れていましたが、まだまだ元気そうです(笑)。しかし、既にこの時点で目標タイムはおろか、8時間台でのゴールも現実的には、かなり厳しい状況でした。更に、70k地点ではほんとうに苦しくなってきましたが、途中の各エードステーションで水分補給はもちろん、持参していた蜂蜜や塩を摂りながらその都度体力と気力を回復。更に後半は奇跡の盛り返しを見せ、9時間7分台の大幅自己新記録でゴール!

マラソンまでの経験しかない私にとって、今回のレースは全てが新鮮でした。特に、エードステーションでエネルギー源を補給すると本当にペースが戻り、動きが良くなる姿を横で拝見し、あらためて人体の不思議を見た思いがしました(笑)。

そして何より、これだけの素晴らしい大会を支えている地元の方々の暖かい声援や各エードステーションでの暖かいおもてなしが、参加したウルトラランナー達のエネルギー源になっていると、心から感じることができました。あらためて大会関係者各位に対し御礼申し上げると共に、参加された全国の皆様、本当にお疲れ様でした・・・。

トレーニング計画・3

マラソン&駅伝シーズン到来を告げる出雲大学駅伝大会は、最終区間で日大が逆転優勝。また、この時期は夏の疲労もあってか優勝候補にあげられていた各大学や注目選手達の仕上り具合のバラツキも大きく、次回以降の駅伝や個人レースでどのように立直してくるのか?各大学の監督やコーチ陣の手腕にも注目ですね・・・。

さて、前回は日曜日(週末)に最も重要な練習を置き、そこから1週間の流れを考える話しでした。今回からもう少し掘り下げた話しをしていきます。

どんな方でもマラソンを目指すとき、やはり一度はゆっくりでも良いので長い距離を走っておかなくては・・・と、考えると思います。もちろん初心者の方から中・上級者の方まで、どんなレベルの方にとっても長い距離を走っておくことは重要な練習です。そこで、自然な流れとして日曜日の練習は、長距離走の練習を実施するようになります(一般的に、走る距離を決めて長距離を走る練習を距離走。ゆっくり長く走る練習をLSDと言う)。

では、どの程度の距離や時間を走れば効果的なのか?・・・そこで、スタミナを付けていくのに有効的な距離や時間を考えてみます。さて、私もそうですが、ほとんどの方は走り出した後、時間にして100分から120分あたりからエネルギーが枯渇していくのを感じてきます(脚が前に出ないとか全身が重たいとか)。また、よくマラソンで35kの壁と言った言葉を耳にします(スタミナが切れてくる距離)。それは、エリートランナー達にとっては、スタートしてからちょうど2時間あたりに相当します。まとめると、時間にして2時間、距離にして30kから35kあたりが、スタミナが枯渇していくひとつの目安ではないでしょうか。

また、人の身体は一度スタミナ切れ等を経験すると、次回以降はそれに備えようとします。よって、練習の中で何度かそのようなスタミナ切れの経験をすることは、逆にスタミナを付けるための効果的な練習とも言えます(専門的な話しは割愛します)。

以上のことから、日曜日の練習としてLSDなら2時間から3時間。距離走なら25kから40kの練習は、スタミナを付けるには有効的な練習のひとつと考えることができます。そして、重要なポイントとして、ペースをあげ過ぎず、一定のリズムで走りきることです。2時間走ろうとしたのに飛ばし過ぎて1時間で脚が前に出なくなったとか、30k走ろうとしたのに20k手前で潰れてしまったと言うのでは、スタミナを付けていくことは難しくなります。

目安として、余裕を持って走れるペースと一般的には言っていますが、LSDなら一緒に走っている仲間達と笑顔で会話が可能なペース。そして、距離走ならマラソンの目標タイムを40kで割って1kあたりのペースを出し、更に10秒から30秒を足したタイムがペースの目安となります。

具体的には、マラソンでサブスリーが目標とした時、マラソンのゴールは、2時間59分59秒となります。それを40kで割ると、4分30秒となります。更に10秒から30秒を足すと、1kあたり4分40秒から5分00秒。つまり、そのペースで走る距離走がサブスリーを目指す方の目安のペースとなります。

サブスリーを達成するには、1kあたり4分15秒前後のペースで走破する必要がありますが、サブスリーを達成するための最高率な距離走のペースは、更に30秒前後も遅いペースが有効的なのです(もちろん個人差も大きいので、ひとつの目安として下さい)。

つづく。

トレーニング計画・2

前回に引続きトレーニング計画についてです。今回は具体的な練習計画の組立方法(流れ)について考えていきます。まず、最初に皆さんのほとんどは、実業団選手(プロ)や学生選手達と違い、仕事や家庭等が最優先し、その余暇を使って日々のトレーニングを継続しているかと思います。よって、各人の仕事や生活環境が違うように、練習計画もそれぞれが違ってきます。

また、練習計画を立案する上で、それらを考慮する必要があり、「どんな仕事をしているか?」、「肉体的、または精神的に負荷の掛かる仕事か?」、「勤務時間は変則的か?」、「休日は規則正しいか?」、「日々の残業時間は?」、・・・等々の細かい確認事項があります。

と、本来であるなら各人の生活環境までを考慮する必要もありますが、今回は最も一般的ないわゆる暦どおりに休日等が配置されているパターンでお話をしていきます。もちろん、深夜勤務や変則シフトをしている方々の練習方法もありますが、別の機会にあらためますので、予めご了承下さい。

さて、最初に最も基本的となる1週間(月曜日から日曜日)の流れで練習計画を考えていきます。まず最初に考えるのは、1週間の中で何曜日にピーク(ポイント練習)を持ってくるのか?・・・です。如何でしょうか?皆さんはどう考えるでしょうか?

そこで、自分が最も頑張りたい練習を考えます・・・。それは、初心者の方からベテランの方までほとんどの方が同じ答えになるはずです。つまり、「レース(各種マラソン大会)」です。日本の場合、ほとんどのレースは日曜日に開催されます。よって、最も調子のピークを持ってくるのは、日曜日と言うことになりますね。これについては、誰もが疑う余地は無いと思います(笑)。

そして、日曜日に頑張ると、当然のことながら翌日の月曜日は休養的な練習になります。また、逆に日曜日に頑張るためには、一般論として48時間程度の回復をさせておく必要がでてきます。つまり、金曜日と土曜日は休養的な練習か軽めの練習になってきます。

このように1週間で最も調子のピークになる日を決めると、その前後の日は必ず身体を回復させる軽めの内容になってきます。そして、残った火曜日から木曜日が練習(身体を追込む)をする日となります。まとめると、◆月曜日:休養(軽め)/火曜日から木曜日:練習(身体を追込む)/金曜日から土曜日:休養(軽め)/日曜日:最重要練習(レース等)。

もちろん個人差があるので、必ずこのパターンとはいきませんが、重要なことは最も頑張りたい曜日をきめるのと、自分自身の体力が何日程度で回復するのかをある程度把握しておくことです。

つづく。

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