Home > Archives > 2009-09

2009-09

マラソン・4

h21-9-29-1h21-9-29-2h21-9-29-3

前回、11月から12月のマラソンを目指していく「期わけ」をしました。そして、今回からそれぞれの期について考えていきます・・・。しかし、その前に9月の「第1次マラソン準備期」から「最終調整(仕上)期」の主な流れと簡単なポイントを、最初につかんでおきたいと思います。

◆1).「第1次マラソン準備期」:ゆっくり長く走るトレーニングがメインとなります。マラソンを走りきるための、脚力を養成することが主な目的となり、距離走もかなり余裕を持ったペースで実施します。・・・あせらず、じっくりと走りましょう。

◆2).「第2次マラソン準備期」:前期より若干距離を短くし、その分、設定タイムを上げます。もちろん目標とするマラソンペースより遅めですが、かなり実戦的なペース走や距離走を取り入れます。また、ペース走や距離走のラスト数キロはペースアップし、心肺や脚にもより負荷をかけるような走りも取り入れていきます。しかし、一方で、一気にペースを上げ過ぎた結果、故障や怪我をする人が多いのもこの期です。

◆3).「第1次調整期」:ペース走や距離走の距離も20k程度までにとどめ、目標とするマラソンペースとほぼ同じ設定で実施します。もちろん調整段階に入ってくるので、この段階でスタミナが足りないからと言って、もう一度走り込むとか、40k走を実施すると言ったことは原則としてありません。調整のポイントは、走行距離を増やして調子を上げるのでなく、走行距離を落としながら調子を引き上げていくことです。実は、狙ったマラソンで失敗してしまった原因の多くは、この期に走り過ぎてしまうことなのです。

◆4).「最終調整(仕上)期」:とにかく身体を休め、疲労を抜いていくことが目的となります。具体的には、軽めのジョギングと短い距離のペース走で身体に刺激を入れ、より体調を引き上げていきます。また、この段階に入ると、目の前に迫ったマラソンに対し、精神的な不安も頂点に達してきます。その結果、これまで経験のない「マッサージや整体」を受けたり、服用したことのない「サプリメントや栄養剤」を摂り、逆に体調を崩してしまう人が何と多いことでしょうか・・・。このように最終調整は、「不安症候群」との戦いでもあるのです。

以上が、各期の主なポイントと、全体的な流れについてです。そして、どんなことでも同じですが、特にマラソンは、話したり書いたりすることは本当に簡単です。また、一生懸命走ると身体は必ず疲労し、故障や怪我をする確率は確実にアップします。しかし、故障や怪我を恐れるあまり、走り込みが不足すると、今度は目標タイムでマラソンを走れなくなります・・・。

つまり、この矛盾との戦いこそが、マラソン練習なのです(笑)。

つづく。

マラソン・3

h21-9-25-1h21-9-25-2h21-9-25-3

今回から「期わけ」について、具体的な内容を考えていきます。

はじめに「期わけ」とは、本来1年間をどのような流れでトレーニングを実施し、どの時期のレースにピークを合わせていくのかを、数週間から数ヶ月単位に区切って考えていく方法が一般的です。

11月から12月のマラソンを目標に軸を置いた具体例として、◆1).4月から6月はトラックレースや10k程度までのロードレースへ積極参戦し、スピードを高めることを目的にする、「スピード養成(レース)期」。◆2).7月から8月は、ゆっくり長く走るLSDや起伏のあるクロカンでじっくり走り、基礎体力や脚力を養成することを目的にする、「基礎体力養成期」。◆3).9月から10月あたりまでは、マラソンを意識した距離走やペース走を中心に走り込んでいく、「マラソン準備期」。◆4).11月から12月は、目標とするマラソンで自己記録更新を達成するための仕上げとなる、「調整(仕上げ)期」から「マラソン(レース)期」。・・・以上のような感じで「期わけ」し、更に各期で実施するトレーニング内容を考えていくのです。※期の呼び方や期間に正式なものはなく、各自が日頃使っている呼び方や期間で構いません。

そして、今回の「期わけ」については、9月から12月までの期間に絞り、更にもう少し分割し、より具体的に考えていきます。上記の例で言うと、ちょうど「マラソン準備期」から「マラソン(レース)期」についての期間になります。もちろん、各自の考え方や目標とするマラソンの時期は異なって当然です。私がここで掲載することは、ひとつの例とし、参考程度にしていただければと思います・・・。

まずは、このブログの「マラソン・1」でも記載したとおり、9月の第1週から目標とするマラソン当日の前週までに、週末(土・日曜日)が何回あるのかを確認します。それを確認した上で、期わけを考えていきます。

◆1).9月の第1土・日曜日から目標のマラソン5週間前までを、「第1次マラソン準備期」。◆2).5週間前から3週間前までを、「第2次マラソン準備期」。◆3).3週間前から1週間前までを、「第1次調整期」。◆4).1週間前から大会前日までを、「最終調整(仕上げ)期」。・・・以上のように大きく4つに期わけをし、考えていきます。

次回からは、それぞれの期について、どんなトレーニングをどんな設定タイムと頻度で実施していくのかを考えていきます。

つづく。

伴走者養成研修会

h21-9-16-31h21-9-16-22h21-9-16-12

9月12日(土)から1泊2日の日程で、静岡県掛川市において、日本盲人マラソン協会主催の「伴走者養成研修会」が、開催されました。この研修会は、視覚障害者の人たちと一緒にランニングやウォーキングを楽しむための、安全で正しいサポート方法やルール等を学んでいただくため、毎年開催しているものです。※伴走についての研修会。

さて、今年の研修会は、過去最高の70名近い人たちに参加いただき、より充実した研修会となりました。また、ここ数年のランニングブームは、視覚障害者ランナーの増加にも寄与しており、逆に新しい伴走者の育成も必要不可欠な状況となってきております。

そこで今回は、視覚障害者ランナーの伴走について、あらためて幾つかの注意点を確認します。

はじめに伴走者の重要な役割として、◆1).視覚障害者ランナーの安全確保と安全な誘導。◆2).視覚障害者ランナーが楽しく、楽に走れるようなエスコート。・・・以上の2点については何よりも優先されます。もちろんこれ以外にも、ラップタイムを知らせたり、道路状況を説明したり・・・等々、様々なことが考えられますが、何をしてもらいたいかを走る前に二人でよく話し合うことが大切です。どちらか一方の思い込みが原因で、事故やトラブルにならないよう、注意しましょう。

次に、実際に伴走ロープを握り合って二人で走るときの注意点として、◆1).運動会の「二人三脚」の要領で、歩調を合わせる。◆2).ロープを握り合っている腕もしっかりと振る。◆3).単独で走っているときより、約3倍の幅を確保しながら走る。・・・以上が走行中の主な注意点となります。特に、ロープを握り合っている腕をほとんど振っていないケースを、意外に多く見受けます。実際に単独走のとき、片腕を振らずに走ってみるとわかりますが、とても辛いことです。つまり、少し極端な言い方をするなら伴走者が、「視覚障害者ランナーに、ロープ側の腕が振れないという新しい障害」を、与えているとも言えます。腕振りは特に意識して下さい。

しかし、上記のことを伴走者が意識していても、視覚障害者ランナーは常に、足元の不安、何かにぶつかる不安・・・等々、様々な不安と隣り合わせです。伴走者は、その不安を少しでも和らげてあげることが重要な役目とも言えます。

そのためには、「伴走は信頼」が大切であり、「伴走は思いやり」が必要不可欠であることを常に意識し、まずは「安全第一」。そして、その次に「楽しいランニング」であることを、伴走者は忘れないでほしいと思います・・・。

マラソン・2

h21-9-8-11h21-9-8-21h21-9-8-31

今回から「期わけ」の話しを少ししていきます。

「目標のマラソン大会に向け、どこの週末で、どれくらいの距離走やLSDを、どんなペースでどのような目的で走るのか?」・・・言葉で表現すると、このように何だか難しい話しになります。しかし、トレーニングの流れでもあり、道しるべ(骨子)となる部分を最初にしっかりと決めることは、とても重要です。

実は最も良くないパターンの例として、・・・9月に入り最初の週末は友人と30k走を実施。そして、翌週は2時間LSDと決めていたが、クラブチームの40k走があることを知り、慌てて参加。ところが、その40k走は途中でリタイヤ。気持ちをあらたにして、翌週に単独で40k走に再挑戦。しかし、当日の体調不良も重なり再び途中リタイヤ。・・・いかがでしょうか?このようなパターンに陥っている人はいませんか?

では、なぜこのようなパターンは良くないのでしょうか?

◆1).気がつかないうちに目標がマラソン大会でなく、トレーニングを実施することにすりかわる。◆2).場当り的に走るので故障や怪我が多くなり、トレーニングに対する意欲やモチベーションが下がってくる。◆3).自分自身の調子や体調を正確に把握できなくなってくる。◆4).狙ったマラソンに調子や体調を合わせることが難しくなる。◆5).目標にしていたマラソンを走り終えた後、「なぜ良かったのか?なぜ悪かったのか?」の要因をトレーニングの流れから振り返ることが難しい。◆6).次のマラソンに向け、経験したトレーニングの流れや実績を、自分自身のノウハウとして蓄積していくことが難しい。・・・以上のようなことから結果として、常に同じような失敗を繰り返し、マラソン自体が嫌いになっていく?

と、すぐに考えられる事項を簡単にあげてみるだけでも、これだけのマイナス要因があります。もちろん、計画していたトレーニングも、その日の体調や天候等により、止むを得ず変更するときもあります。しかし、その場合でも最初にトレーニングの流れや計画、更にその目的を明確にしておくことで、修正も比較的容易となります。

さて、マラソンは単に完走を目標にしたり、記録更新を目指すことだけが目的ではありません。目標のマラソンを目指していく過程での気持ちや身体の変化を自分自身で感じ取り、その変化を楽しむことで、日々のランニングライフもより充実していきます。そのためにも、目標のマラソン大会に向けたトレーニングの「期わけ」について考えておくことは、大切なことなのです。

つづく。

マラソン・1

h21-9-2-11h21-9-2-21h21-9-2-31

9月に入りました・・・。

いよいよ本格的なマラソンシーズンに向けたトレーニングを・・・と、考えている人も多いと思いますが、いかがでしょうか?また、既に具体的な目標とするマラソン大会にエントリーを済ませている時期でもありますね。もちろん私が指導する選手(市民ランナー)たちも11月のマラソン大会を軸にエントリーを済ませています。

そこで今回から、今年の11月中旬から12月上旬までのマラソン大会に向け、具体的なトレーニング方法やその流れを考えていきます。

はじめに、既にこのブログでも何度か記載してきましたが、最も充実したトレーニングを実施できるのは、ほとんどの人の場合、週末です。また、マラソントレーニングの基本は、長く走るトレーニングです。まとめると、マラソントレーニングのベースとなるのは「週末に長く走ること」と、なります。まずは、この点をしっかりと押さえ、具体的なマラソントレーニングを考えていきます。

では、次に考えることは何でしょうか?

ゆっくり長く走るトレーニングについてでしょうか?・・・ペース走の距離や設定タイムでしょうか?・・・それとも、トレーニングの一環として出場予定しているハーフマラソン大会でしょうか?実は、どのトレーニング方法についても、最終的にはしっかりと考えていく必要はあります。

しかし、その前に確認し、把握しておく重要なことがあります。それは、9月の第1日曜日(土曜日も)から、目標としている11月から12月のマラソン大会1週間前の日曜日(土曜日も)まで、週末が何回あるかの確認です。

「えっ!そんなこと!」と、思うかもしれませんが、この点をきちんと把握しないまま、何となく週末ごとに長い距離を走っている人は意外と多いのです。そしてその結果、走行距離を増やした割には、マラソンの後半を失速したり、練習の一環として出場したハーフマラソンで大幅な自己新記録をマークしたのに、目標としていたマラソン大会は・・・。皆さんも、そんな経験はないでしょうか?

さて、今年の場合、9月の第1日曜日から11月中旬までの日曜日(土曜日も)は、10回から12回程度です。具体的な例として、11月22日(日)の「つくばマラソン」を目標にしている人なら、11回の週末があることになり、マラソンに向けた長距離走を最低11回は可能となります。

まずは、この点を最初にしっかりと把握します。そして次に、その11回の週末に、どのような内容の長距離走を、どのタイミングで取り入れていくのかを考えていくのです。※このような考え方を「期わけ」とも言います。

つづく。

Home > Archives > 2009-09

Search
Feeds

ページの先頭へ