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2018-12

年末年始

【年末年始】2018年も残り数日となりました。毎年のことながら1年がたつのは本当に早いものです。そして、今年も恒例の年末年始となります。そして、これも毎年のことながらランナーの皆様にとって、重要な連休となります。

特に、1月末から2月上旬に開催されるマラソンを目標にしている方にとって、年末年始は最終調整期に入る時期と合致します。もちろん、連休を活用した最後の走り込みが最大の目的となりますが、体調管理が最も難しい時期でもあるからです。

具体的には、日ごろ会えない方々が一同に集まったり、日ごろ口にしないようなものを食したりと、自身を取り巻く環境が短期間で変わります。その結果、風邪やインフルエンザなどで体調を崩したり、単に暴飲暴食の影響で調子を落としたりと、負の連鎖に陥るリスクが高くなります。

マラソンに向けた走り込みは忍耐と我慢をコツコツと継続し、夏以降から地道に積み上げていく作業ですが、如何なる理由であろうと崩れるのは一瞬です。特に、この年末年始の生活で、積み上げてきたものを崩壊してしまう方を毎年見受けるのは本当に残念なことです。

と、言いながら連休全てをマラソンに捧げる必要は全くありません。日ごろと変わらない生活リズムを維持していければ体調を崩すリスクを回避していけます。かくいう私も含め、常に「普通」を維持していければ…。

よいお年を!

寒さ対策?

【寒さ対策?】第49回防府読売マラソン大会が、12月16日(日)に開催されました。この大会は、第19回日本視覚障がい女子マラソン選手権大会も兼ねており、IPC登録をしている選手たちも多数参加しました。

大会関係の皆様をはじめとする多くの方々のご理解とご尽力で「視覚障がいの部」もこの防府読売マラソン大会にすっかり定着してきました。あらためて御礼申し上げす。

さて、今大会は事前の天気予報から雨が懸念されていましたが、当日はその予報が更に悪い方に変わり、スタート前から冷たい雨模様となりました。この時期の雨は身体の体温を奪い、濡れた路面や水たまりの影響で後半は脚の筋肉も固まります。スタート前から苦戦が予想された今大会でした。

ちょうど2週間前に開催された福岡国際マラソンは、気温が20度を超える暑さに多くのランナーが後半失速していましたが、今回の防府読売マラソンは冷雨に体温を奪われ、懸念したとおり多くのランナーが後半失速していました。

そんな中、一般男子は2週間前の福岡国際マラソンも走った川内優輝選手が、冷雨に負けないスパートで見事な優勝を飾っていました。スタート前から「雨や寒さは得意」と、豪語していましたが、まさに有言実行の見事な走りでした。

一方、視覚障がいの部は、男子選手は20kを過ぎたあたりから寒さの影響でほぼ全選手が失速。女子選手も冷雨に苦戦していましたが、3選手が自己記録を更新するなど、逆に完走した選手はほぼ目標どおりのタイムでゴールしました。

冬の雨や雪などの寒さの厳しいコンディションは、比較的体脂肪の多いランナーが上位でゴールします。今回の防府読売マラソンも優勝した川内優輝選手を筆頭に、体格の良い選手が上位を占めていました。同様に、体脂肪の多い一般女子ランナーたちも元気にゴールしていた方が多かったように見受けられました。

この後、視覚障がい選手たちは2月の別大マラソンを目標に走り込みを強化していきます。至極当然のことながら2月のマラソンも冷雨や雪の可能性もあります。一方で、気温が15度を超えて春の陽気となり、逆に暑さで大きく失速する可能性もあります。

2年後の東京パラリンピックは、暑さ対策ばかりに目が行きますが、年間を通じて様々な状況下で実戦を経験した選手が本物の強さを手にすることができます。これから年末合宿でしっかりと走り込み、2月の別大マラソンで自己記録更新を!

連戦

【連戦】12月に入り、週末毎にマラソンや駅伝のテレビ中継が放送されています。もちろん、テレビ中継されている大会はメジャー大会のみで、全国各地ではたくさんの大会が同日開催されております。

そして、マラソンシーズンに入ったこの時期は週末毎にマラソンを走る屈強なランナーも多数います。このようなランナーはいつの時代もいますが、そのスタイルをひとつのトレーニング方法として確立させたのは、言うまでもなく川内優輝選手です。

さて、マラソンを1回走るとそのダメージは相当なものです。トレーニング理論や運動生理学など、専門家の見解としては、マラソン後は心身を回復させるため、休養する期間を設けることが定説となっております。

ところが、この回復期間と言うのは個人差が大きく、日々のトレーニング内容や強度、個々の自己記録などによって大きく異なります。専門的な話は割愛しますが、私が直接コーチしている方の中においても、連戦が可能な方、難しい方と様々です。

更に、マラソンの連戦をして一度は失敗しても、その経験を次の連戦に活かすことによって、自己記録を更新していく強者もいます。個人的には連戦をすすめない方ですが、連戦を通じて走力がアップしている方をみると「人の可能性は常識や理論を越えている」と、驚くことばかりです。

また、この連戦は肉体的な要素より、精神的な要素が大きく影響しているようにも感じます。つまり、「精神的スタミナ」の強さです。同時に、連戦を通じて一定の記録を残し続けている方は、思考がポジティブな方が多いと感じます。

と、言いながら連戦は怪我や故障のリスクが格段に高くなるのは間違いなく、実際に連戦によって故障し、マラソンから長期離脱した方もいる点を見逃してはいけません。

マラソンのトレーニング方法に正解はありませんが、実は連戦によって記録を達成する方法は、再現性が難しいのも事実です。なぜなら、トレーニングは自分の意志だけで進みますが、レース(実戦)は他人の意志も入ってくるからです。

特に、連戦に挑む方は良い面ばかりでなく、逆のリスクをよく理解しておくことは成功にもつながります。

暑さ対策?

【暑さ対策?】伝統の福岡国際マラソン選手権大会が、12月2日に開催されました。結果はご存知のとおり、服部選手が35k過ぎからペースを上げ、見事に初優勝しました。

当日は朝から気温が高く、スタート時の気温は20度を超える記録的な厳しいコンディションとなりました。案の定、中間点を過ぎたころからどの選手も暑さに体力を奪われ、失速する選手が続出していました。

それだけに優勝した服部選手の強さが際立っていました。また、服部選手は自分自身で発汗が多いとコメントしていましたが、まるで当日の気温を予言していたかのような見事な給水対策を実施していました。

具体的には、2本のスペシャルボトルを紐で結び、落とさないよう首にかけられる工夫です。これにより、持ちながら飲む負担軽減と、ボトルを取った後はどの選手よりも時間をかけてゆっくり飲んだり、身体にかけたりと準備したスペシャルドリンクを無駄なく摂取できていました。

私はマラソンを何十年も見てきましたが、こんな給水方法を見たのは初めてでした。もちろん、昔からあったのかもしれませんが、それを実行に移した服部選手の着眼点には驚きました。給水を見て感動したマラソンはこれが初めてかもしれません。

更に、優勝後に報道された服部選手のコメントを拝読すると、意外なことに40k走とロングジョグを軸にした日本伝統のマラソントレーニングを実施してきたとのことでした。服部選手は、箱根駅伝の2区で区間賞を獲得するような選手だっただけに、もっとスピード重視の取り組みかと思いきや…。

私は、どの選手のトレーニングが優れているとかの評価ができるような立場ではありませんが、福岡国際マラソンでの給水対策や福岡国際マラソンに向けた走り込みは、服部選手のぶれない心の強さを感じました。

何かと情報が飛び交い、何でも知ることや手にできる時代ですが、マラソンは周りに惑わされることなく、常に自分自身とじっくりと向き合った選手だけが栄光をつかむ。今も昔もシンプルで厳しい競技であり、逆にチャンスは平等にある競技と、あらためて感じた今回の福岡国際マラソン選手権大会でした。

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