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2023-07

2023夏を走る・9

【2023夏を走る・9】先週の金曜日から土曜日の日程で、順天堂大学において強化指定選手たちの各種測定を実施しました。今回の測定は、同大学大学院スポーツ健康科学研究科教授、町田修一先生のご支援ご指導のもと、無事に実施することができました。ありがとうございました。

また、今回の測定を実施するにあたり、準備や調整などにご尽力いただいた順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科スポーツ健康医科学研究所長(教授)、内藤久士先生はじめ同大学院生の皆様に厚く御礼申し上げます。

コロナ禍の影響で定期的に実施していた各種測定が実施できない状況が続いていましたが、久々に選手たちの状態を数値で把握することができました。もちろん、たった1回の測定で選手たちの状態を把握することなどはできません。しかし、今回の測定を継続していくことによって、選手たちの長所や弱点などを数値で把握していくことができます。

一方、長距離やマラソンは前述した測定結果がそのままパフォーマンスに直結するとは限りません。特に、夏マラソンなど過酷なコンディション下でのレースになるほど、選手個々の内に秘めた「根性」「我慢」「忍耐」など、目に見えない要素が強く影響してくるからです(私の経験上)。

そして、勝手ながら「これらの精神力も数値化できれば」と、選手たちが炎天下で40kを走っているときなどは、いつも考えます……。

さて、今回の測定も含め、特に最大値や最高値を測定するような場面においては、かなり苦しい状態に選手を追い込みます。そして、その苦しい局面に到達したとき、選手の真横で「がんばれ!」などの声をかけることで、測定をしている選手たちはさらに高い数値を叩き出します。それもできるだけ大きな声で。また、そのような測定時には声をかけるのが一般的でもあります。

したがって、科学的な数値を測定しているにもかかわらず、最終的に効いてくるのは個々の「根性」「我慢」「忍耐」などの精神力とも言えるでしょうか。実際に力のある選手ほど苦しい局面で声をかけると、さらに粘り倒します。そして、その「精神力」にはいつも驚かされるのです。

もちろん、科学的な数値を否定するつもりは毛頭ございませんが、長距離やマラソンはどんな場面においても、この精神的な要素が見え隠れする競技特性が強いと、あらためて感じた次第です。

では、その精神力を強化するには……。今回の測定を見ていて、この古くて新しい課題を、あらためて考えるきっかけにもなりました。

引き続き、ご支援ご指導をお願い申し上げます。

◆M高史の陸上まるかじり
陸上・駅伝 – 世界の走りを体感 驚きばかりの超ハードなブラインドマラソン合宿をリポート | 4years. #学生スポーツ (asahi.com)                       

2023夏を走る・8

【2023夏を走る・8】7月15日からの3連休は、長野県上田市菅平高原において例年どおりに合宿を実施しました。ところが、涼しい高原と言っても日中の気温は30度を優に超え、厳しいコンディション下での走り込みでした。先日の北海道北見市での合宿もそうでしたが、もはや日本の夏で涼しい場所は存在しないのでしょうか……。

さて、毎年この時期の菅平合宿は、起伏の激しいロードコースとクロカンコースでの走り込みになります。つまり、合宿期間中は平地をほとんど走りません。そのため、合宿2日目は太腿などに激しい筋肉痛を訴える参加者も多く、こちらとしては、今年も狙い通りの走り込みができました。

さて、筋肉痛についてですが、そのメカニズムの詳細はいまだ解明されていないようです。しかし、ランナーならどなたでも、マラソン完走後や慣れないスピード練習などを実施した後、筋肉痛になった経験はあるでしょう。

特に、筋肉痛の多い部位としては「ふくらはぎ、太腿、臀部」の3つでしょうか。また、この筋肉痛の部位によってランニングフォームが正しいか否かの判断に用いる指導者も多く、ある程度の目安になるのは確かなようです。

かくいう私も目安のひとつにしています。特に、ふくらはぎの筋肉痛は注視する部位になります。また、ふくらはぎの筋肉痛は、一般的にはランニングフォームが悪い人に多いとも言われます。しかし、個人的にはランニング経験が浅く、筋力不足な人により当てはまると感じます。

太腿は、前側の筋肉を大腿四頭筋、後側をハムストリングと言います。どちらもランニングによって筋肉痛に陥り易い部位です。特に、今回のように起伏の激しいコースでのランニングを繰り返すと、筋肉痛が顕著に表れる部位でしょうか。

一般的に言うと、前側の大腿四頭筋は腰が落ちているなど、フォームが崩れていると痛くなり易い部位と言われています。つまり、フォーム修正を検討する目安にもなります。逆に後側のハムストリングはお尻の大臀筋とも連動して動きます。したがって、その部位の筋肉痛は大きな筋肉を使えている証拠にもなるので、フォーム的には心配ないとも言われています。

と、うんちくは様々ですが、筋肉痛になる部位や程度は個々に違います。したがって、練習日誌には走行距離やそのタイムだけでなく、筋肉痛になった部位や痛みの程度なども記録し、振り返って過去の自分自身と比較検証できるようにしておくと……。

2023夏を走る・7

【2023夏を走る・7】今年も恒例の北海道北見市において、ブラインドマラソン強化合宿を実施することができました。そして、これも例年どおり、「ホクレンディスタンス大会」の網走大会と北見大会に出場させていただきました。

まずは、ご理解ご支援いただいた北見市の皆様、大会関係の皆様に厚く御礼申し上げます。

また、強化合宿の内容もほぼ例年どおり、「徹底した走り込み」を目的に北見市へ入りました。したがって、ホクレンディスタンス大会についても、選手たちは「調整なし」の厳しい状態で挑んだのも例年どおりです。

このようにあえて記録を狙うのが難しい状況下に身を置き、どのように自分自身の現状と向き合って折り合いをつけるかは、マラソンには必要な能力です。今年もそんな目に見えない難しい課題に挑むことができました。

具体的な流れとしては、最初に網走5000mを走り、翌日は40k走。次の日の午前にスピード練習、午後は2時間走。その翌日は北見5000mの前日になるので、その日だけはフリー(各自調整)。そして、北見5000mを走った翌日の午前は42k走(起伏コース)、午後は2時間走……。

もちろん、普通に見れば、かなり無茶苦茶な流れとも言えます。しかし、毎年このような流れをキープし、北見市での強化合宿を継続してきました。その結果、2021年に開催された東京パラでは、男女ともにメダルを獲得しました。

あらためて、マラソンの練習方法は様々ですが、我々が継続してきた練習方法は、走り込んでいくほど調子が上がっていくのが特徴です。つまり、その流れを何年も継続してきたことで、選手たちの体と心がそのように変わっていったのです。

そして、今年は東京パラ前のように、8月に入ったら再び北見市で強化合宿を実施し、8月27日開催の北海道マラソンに出場します。大局的にみると、ここまでが夏の走り込みになります。

今年の夏は「現状打破」をテーマに、一層の走り込みを実施します!

2023夏を走る・6

【2023夏を走る・6】先日の7月1日は、千葉県佐倉市において伴走者養成研修会を実施しました。今回は、佐倉市を主な拠点に活動を展開しているニッポンランナーズ様の全面的なご協力(共催)のもと、無事に開催することができました。

当日は、あいにくの雨模様で、特に実技講習の場所や実施内容を変更するか否かの判断に迫られましたが、実技講習を開始する直前には雨があがりました。そして、予定していた実技講習は、「小出義雄記念陸上競技場(岩名陸上競技場)」のトラックで無事に実施しました。

あらためて、ニッポンランナーズの皆様、ご参加いただいた皆様に御礼申し上げます。

さて、毎度のことですが、伴走養成講習会の実技は実際に伴走ロープ(絆)を持って、歩いたり走ったりの実践講習となります。したがって、最初は歩き(伴歩)から入りますが、途中から走り(伴走)に移行し、繰り返し走ります。

そのため、講習会と言うよりも練習会に近い内容に移行していくことになります。もちろん、講習会なので無理なことは実施しませんが、実技の後半は体力的にしんどそうな方を見受けるのも常です。このように、スポーツに関する講習会は多かれ少なかれ体力を使うので、主催者側としても最善の注意をはらいながら進めていきます。

しかし、今回の講習会に関しては、ニッポンランナーズ会員の皆様がメインだったこともあり、そんな不安を抱くことは全くありませんでした。実は、当日の午前中は激しい雨が降っていたにもかかわらず、同会員の皆様は元気にクロスカントリーコースを走っていたのです。

雨天のクロスカントリー走は足元が極端に悪くなるので、競技レベルで走っている選手たちでも嫌がります。ところが、そんなことはお構いなく、黙々と走っている姿は驚きでした。そして、その皆様は走り終えると、そのまま午後の伴走養成講習会の受講者へと……。

ニッポンランナーズ様は齊藤太郎理事長のもと、ランニングに関する講習会や練習会を愚直に継続しています。特に会員の皆様は、マラソンのタイムに一喜一憂することなく、どんなコンディション下でもランニングを楽しめる体力と気力を身につけています。

そして何よりも、会員の皆様はランニングを継続することで、逆にどんなことにも挑戦し、そこから何かを学ぼうとするポジティブな気持ちにも満たされています。その結果、それぞれの人生がより豊かになっていくと……。

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