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2019-03

寒暖の差

【寒暖の差】3月21日から3月25日の日程で、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津公園において実施しました。今回の合宿は、今年度最後の合宿となりましたが、この1年間は約120日間(土日、祝日込)を強化合宿に費やしました。

ちょうど1年間の3分の1程度になり、新年度も同様の流れとなります。そして、来年の東京パラリンピックに向け、更に強化を加速させていく予定です。

さて、年度末の3月に入ると気温が上がってくるのと、いわゆる寒の戻りを繰り返す季節となります。今回の合宿はまさにそんな天候でした。

合宿初日と2日目の天候は晴れて、気温は20度をこえる暑さとなりました。ところが、合宿3日目の23日は朝から冷雨となり、気温は8度弱と、今度は真冬に逆戻り。

そして、翌日は再び晴れて、気温も15度をこえる暑さとなり、日替わりで寒暖の差が10度以上と、選手にとっては厳しいコンディションとなりました。

また、来月はイギリスで開催されるロンドンマラソンにおいて、WPAマラソン世界選手権が実施されます。出場する選手たちは、概ね順調に合宿メニューを消化し、寒暖の差にも全く動じないメンタル面も良い状態に仕上がってきた様子でした。

今回の強化合宿のポイント練習は「40k走→5kトライアル×2本→40k走」と、3日連続で追い込みました。ちょうど2回の40k走は晴れて気温が高くなり、5kトライアルの日が冷雨となりました。

実は、4月のロンドンはマラソンにちょうどよいコンディションなのですが、昨年の同大会は気温が25度をこえ、大会史上最も過酷なコンディションとなりました。

今回の合宿は、どのようなコンディションになっても体調管理をコントロールできることを確認することができた点は、どの選手も自信になったと思います。もちろん、最後まで気を抜くことなく、体調重視で調整していきます。

クロカンで

【クロカンで】富津公園内の改修工事は間もなく終了しますが、17日の日曜日は工事期間中だったので、久々に富津公園内の芝上でトレーニングを実施しました。

いわゆる野山や不整地を自由気ままに走るファルトレクと呼ばれるトレーニングです。ちょうど大きなマラソン大会もひと段落し、リフレッシュをしながら次のトラックや短い距離のレースに移行していく時期にもちょうどよいトレーニングになります。

インターバルトレーニングのように、ある決めた距離を決めた設定タイムで疾走し、決めた距離や時間を休息。これを決めた本数繰り返しながら追い込んでいくのとは違い、もっと気楽にファジーに走るのがファルトレクです。

実は、富津公園内にも適当な起伏のある不整地や林道もあるので、適当なコースを決めて適当に走りました。具体的には、芝上や不整地上での2時間LSDがベースになります。最初の40分間はLSDを実施し、そのまま階段を駆け上がったり、傾斜のある不整地コースを「50秒ペースアップ+70秒ゆっくり」を10回繰り返します。

そして、次の40分間は再びLSDで呼吸を整え、最後にもう一度前述したコースで「50秒ペースアップ+70秒ゆっくり」を10回繰り返し、残りの時間はLSDをして終了です。

この中で「50秒ペースアップ」とありますが、インターバルトレーニングのようにガッツリ疾走せず、気持ちよくペースを上げていく流し感覚で繰り返すのがポイントになります。もちろん、50秒と言ってもファジーです。そして、気持ちよくペースを上げたり下げたりするペースがどの程度の強度なのかを自分自身で感じとれる能力も強化できます。

この時期はこのようなトレーニングを定期的に取り入れ、その後に高強度のインターバルトレーニングなどに移行していくと、これまで以上にペース感覚などが研ぎ澄まされ、スピードの切りかえにも順応し易くなります。

今後はこの古くて新しいトレーニングでもあるファルトレクをもっと見直していきたいと思います。

MGCへ

【MGCへ】3月10日は、名古屋ウィメンズマラソン、びわ湖毎日マラソンと国内最高峰相当の大会が同日開催されました。これで、東京五輪マラソン最終選考大会となるMGCの出場権を獲得できる国内の主な大会はひと段落つきました。

既にマスコミ関係で報道されているとおり、低迷していた日本マラソン界の底上げに大きな成果を残し、東京五輪での活躍も期待できる選手たちが多数登場してきたと思います。

そして、何よりもマラソン出場に対する考え方が相当変わったと感じました。具体的には、実業団選手をはじめエリートと呼ばれている選手たちが、短期間で複数のマラソンに挑戦する姿が当たり前になり、そのことに異を唱える専門家も少なくなったことです。

短期間で何本もレースを走り、そのスタイルを確立した選手としては、川内優輝選手が圧倒的な存在感を示しています。もちろん、週末ごとに実績を積み重ねることで実力も屈指の存在となっているのは言うまでもありません。

また、いつの時代もトレーニングの質と量については議論されていますが、最も質の高いトレーニングはレース(実戦)です。つまり、レースに出場することは、最も質の高いトレーニングを実施していることになります。

ところが、レースを短期間で連戦すると、多くの選手は肉体的な疲労より、精神面のストレスやプレッシャーにギブアップし、まともにレースを走れなくなってしまうケースが圧倒的に多いのも事実です。だからこそ、トレーニングではレース(質)に見合う量を求めるのかもしれません。

しかし、このMGCが発表されてからは、実業団選手の中にもなりふり構わず何度でもマラソンに挑戦する選手が多数見られるようになったと感じます。それは単にMGC出場権にチャレンジしているというより、あえて苦しい状況に追い込まれても、何度でも挑戦していくマラソン選手としての意識改革も浸透してきたのかもしれません。

そんな洗練された選手たちが集結する9月のMGCは…。

天候不順

【天候不順】国内最大のマラソン大会である東京マラソンは、今年は例年から1週間スライドした3月3日に開催されました。それに伴い、びわ湖毎日マラソン大会も1週間スライドしたのはご存知のとおりです。

さて、この時期は季節の変わり目です。晴れれば気温が15度をこえる日もあり、逆に真冬のような寒さに戻る日もあります。特に、3月の第1日曜日はなぜか雨天だった記憶が色濃く残っています。

実は、千葉県富津市で開催されている千葉県民マラソン大会も3月の第1日曜日に開催されており、日本ブラインドマラソン協会の強化指定選手たちも毎年参加しております。そんな縁から毎年3月の第1日曜日は必ず同大会に参加していますが、なぜか雨天が多く、経験的には「雨の当たり日」と頭にすり込まれています。

案の定、今年もこれまでの経験どおり、雨となりました。余談になりますが、複数の大会に何年も参加し続けていると、必ず晴れている大会と高い確率で雨天に見舞われる大会が、存在することに気がつきます。もちろん、自然現象なので誰が悪いわけではありませんが、季節の移り変わりは思っている以上に規則正しいと感じたりします。

さて、その東京マラソンも千葉県民マラソン大会も冷雨下の厳しいレースとなりました。特に、マラソンは寒さに体温を奪われていくので、後半は本当のサバイバルレースだったと思います。また、東京五輪に向け、暑さ対策の話題が多くなるのは至極当然のことですが、その選考レースは真逆のコンディションに陥る可能性があるのは何とも皮肉なことです。

今回の東京マラソンも晴れて気温が15度をこえるコンディションになっていたなら、全く別の結果になっていたのかもしれません。しかし、今回の冷雨に負けて脱落していく選手が圧倒的に多かった中、逆にその冷雨を見方につけ、東京五輪への道を切り開いた選手たちが登場したのも事実であり、マラソンファンとすれば痛快なレースでした。

「マラソンは最後の最後まで絶対にあきらめてはいけない」

これまで華やかでスピーディーなイメージの東京マラソンでしたが、マラソン本来の「泥臭く粘って走り抜く」が主役に躍り出た今回の大会は、いろいろな意味で水を差すような結果となり、特に男子マラソンは面白くなってきたと…。

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