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2021-02

冬を走る・14

【冬を走る・14】千葉県富津市富津公園においても、この1週間で寒暖の差が大きくなってきました。手元の温度計だと、気温が20度前後になる日もあり、走り込むにはかなり厳しいコンディションだった日もありました。

もちろん、まだまだ寒い日も続きますが、あと1ヵ月もすると、今度は暑熱対策などを考える季節に入っていきます。暑い夏を走り込み、涼しい秋へ移行。そして、更に寒い冬に季節が移るにしたがって、多くのランナーは調子を上げていきます。まさに駅伝やマラソンは冬のスポーツと言うことでしょうか。

ところが、寒い季節から暖かい季節。そして、暑い季節に移っていくにしたがって、調子の良し悪しは個々に大きな乖離が出てきます。同様に暑さから寒さへと移行する際には揃っていた調子の足並みも、寒さから暑さへと移行する際は同じようにいきません。

至極当然のことながら寒いのが苦手な選手もいますが、防寒対策は意外と簡単にできます。なぜなら、ランシャツを長袖に変えたり、ランパンをスパッツに変えたりなど、防寒対策の基本は身に付けていけば良いからです。

しかし、逆はそう簡単にいきません。なぜなら、どんなに気温が上がっても最後まで身に付けているランシャツとランパンを脱ぐことはできないからです。この点も至極当然のことですが、その暑熱対策を整えることができれば、8月開催の東京オリパラも有利に戦うことができます。

さて、あらためて話を戻すと、2月下旬から3月末前後あたりは、特に寒暖の差が大きくなる季節と言えます。感覚的な話になりますが、同時期において気温が15度前後をこえてくると、記録への影響は濃くなってくると感じます(私の経験上)。

今週末のびわ湖毎日マラソン大会や来月の名古屋ウィメンズマラソン大会も、場合によっては気温が高くなる可能性もあります。出場される皆様は、逆に暑くなった場合を想定した準備もしておくと、当日は落ち着いて走ることができるはずです(暑くなった場合の目標設定タイムの下方修正なども)。

最後になりますが、この厳しい状況の中、開催にご尽力いただいた関係者の皆様への恩義に報いる意味でも、出場される皆様の好記録を祈念いたします。

冬を走る・13

【冬を走る・13】2月28日は、びわ湖毎日マラソン大会が開催されます。同大会は1948年に第1回大会が開催されるなど、現存する日本最古のマラソン大会とも言われております。しかし、諸事情により今回の開催でその歴史に幕を下ろすことになるようです。

マラソンファンとしてはとても残念な気持ちですが、これもマラソン大会そのものが都市型市民マラソン化に向かっている影響でしょうか。同様に、採算性や大会そのものの在り方など、エリートに絞ったマラソン大会を維持・継続していくことが難しくなっているのかもしれません。

最後のびわ湖毎日マラソンとなる今大会ですが、そのエントリーリストを拝見すると、逆にかつてないハイレベルな大会になりそうです。あらためて、今大会に出場される皆様方の快走を心より祈念いたします。

さて、いつもこの富津で一緒に切磋琢磨している仲間からも、3選手が最後のびわ湖毎日マラソン大会に出場します。大会当日まで2週間を切り、いよいよ最終調整に入りました。幸い、3選手とも好調な仕上がりなので何とか自己記録を更新してほしいと願っております。

また、約1ヶ月後には、名古屋ウィメンズマラソン大会が開催されます。この大会にも、富津で切磋琢磨している仲間が多数出場予定です。コロナ禍の影響で思うような走り込みができなかった方もいますが、体調は万全に整えてほしいと思います。

そのびわ湖毎日マラソン大会に向けては、質をキープしながら量を落としていく調整段階です。既にこのブログにおいても調整の話を記載してきましたが、何度やっても「大丈夫」と言った調整方法はありません。最終的には自分自身で「大丈夫」と、気持ちをコントロールしていけるか否かが最終調整のポイントとも言えます。

一方の名古屋ウィメンズマラソン大会に向けては、もう少し走り込める時間がありますが、スタミナの不安からつめこみ過ぎると、その反動が必ずレース直前に出てきます。そうなると、もはや打つ手が無くなります。この点のサジ加減についても「大丈夫」と言った法則はありません。最終的には自分自身で「大丈夫」と、気持ちをコントロールしていけるか否かがポイントになります。

何となく無責任な言い方になりましたが、どちらの大会に向けても「迷ったら休養」を忘れず、疲労回復と体調重視で調整してほしいと思います。

冬を走る・12

【冬を走る・12】4月に開催予定でした「長野マラソン大会」と「かすみがうらマラソン大会」の中止が決定しました。厳しい状況を鑑みると、やむを得ない判断だったと理解します。一方で、この大会から本格的な復活になると、心待ちにしていた多くの市民ランナーの皆様にとっては無念の一言だと思います。

各種大会の延期や中止が相次ぐようになってからほぼ1年が経過しましたが、厳しい状況がいまだ続いております。特に、市民ランナーの皆様にとってはモチベーションを維持していくことが本当に難しい状況と言えますが、何とかランニングを継続してほしいと願っております。

さて、先日の日曜日は富津合同マラソン練習会でしたが、ハーフマラソンのタイムトライアルを実施しました。このタイムトライアルも、毎月1回の実施が定着してきましたが、コンスタントに参加しているランナーは自己記録を更新する確率が高くなっているようです。

もちろん、タイムトライアルは実際のレースとは違うので、何とか集団をつくってスタートしても早い段階で単独走に陥る可能性は高く、自己記録を更新するのが難しいのは事実です。しかし、毎月コンスタントに参加しているランナーの皆様は、いわゆる「走るコツ」のようなものをつかんできている様子で、単独走に陥っても大きく失速しなくなってきました。

つまり、このタイムトライアルは単独走になっても最後まで押していけるペース感覚や後半の粘り強さを強化する上で、最も効果的なトレーニング方法のひとつと言えます。同時に、単にマラソンだけでなく、駅伝強化のトレーニングにもより適しています。

その昔、私が現役時代もまさにこの富津公園で単独トライアルを定期的に実施していました。その当時、強かった選手から「最初から突っ込んでいくタイムトライアルを実施した方が良い」と、アドバイスをいただき、初めて取り入れたのが「15kタイムトライアル」でした。

もちろん、当時のトレーニングは常に単独走だったので、まともにペースを刻めたのは最初の3k程度まで。あとは定番どおりに失速し、ペース走にもなっていない内容だったことを記憶しております。

それでも定期的に繰り返すことで、「走るコツ」がつかめていき、実際のマラソンや駅伝にも活かせていきました。今思えば、もっと頭を使って走っていればと悔やまれる点も多々ありますが、このタイムトライアルが効果絶大だった点は間違いありません。

そして、時代が移り変わっても、このタイムトライアルが効果的なトレーニング方法である点は今後も揺るぎないでしょう。また、市民ランナーの皆様にとっての我慢はもう少し続きますが、このタイムトライアルをうまく活用しながら何とか乗り切ってほしいと思います。

冬を走る・11

【冬を走る・11】昨日開催された大阪国際女子マラソン大会は、まるで地元の中学校駅伝大会のような雰囲気でのスタートでした。いつもならスタンドから大声援を受けながら盛大にスタートする姿が定番ですが、今年は周回コースに変更され、更に外部からの応援や進入も遮断するバリケードまで設置しての開催だったからです。

幸い、私はバリケード内から選手を応援することができましたが、選手は約2.8kの周回コースを15周走りました。応援する側からすれば、間近に何度も選手に声をかけられるので、願ったりかなったりでした。まさにいつものマラソン練習会と同じです。

もちろん、周回コースが走り易いか否かは選手個々の感覚になりますが、間近で応援した印象としては、どの選手も速いペースで刻んでいたと感じました。一方、一旦リズムを崩すと、周回コースは景色などの変化が乏しいこともあり、立て直して盛返す走りは難しかったようにも感じました。

さて、先頭集団と第2集団には男子の実業団選手がペースメーカーをつとめ、寸分の狂いなく目標のラップタイムをたんたんと刻んでいきました。その先頭集団は日本記録更新を目標にしていましたが、後半やや失速し、日本記録には届きませんでした。

しかし、最後まで日本記録更新に食い下がった一山選手の力走は本当に見事でした。同様に、その力走をサポートした川内選手と岩田選手のペースメークも見事でした。後半微妙にペースダウンしてきたスピードを持ちこたえさせながら、もう一度ペースを立て直した35k以降などはお見事でした。

今大会は、コロナの影響を大きく受けましたが、大会関係者のご尽力により無事に開催されました。あらためて感謝申し上げます。同時に、各種対策を施した結果、逆に記録を狙える条件が整ったとも言えます。

平坦な周回コース、男子実業団選手によるペースメーカー、約2.8k毎に設置した給水地点、一般応援を遮断したバリケード(風よけ?)など、結果的には記録を狙いやすい条件につながったのではないでしょうか。更に、シューズの進化など、「かなりの確率で日本記録が更新される」と多くのマラソンファンは期待していたと思います。

結果は惜しくも届きませんでしたが、一山選手や前田選手の走力が足りないとかを指摘しているのではありません。もう10数年以上前の時代に2時間20分を突破した3名の日本人女性たちがいかに凄い選手だったかを、逆に知らしめる結果になったとも、個人的には感じました。

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